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審決分類 |
審判 査定不服 称呼類似 登録しない Y12 審判 査定不服 外観類似 登録しない Y12 審判 査定不服 観念類似 登録しない Y12 |
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管理番号 | 1209946 |
審判番号 | 不服2009-6768 |
総通号数 | 122 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2010-02-26 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2009-03-31 |
確定日 | 2009-12-24 |
事件の表示 | 商願2006-116511拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「MARIPOSA」の文字を横書きしてなり、第12類「自動車並びにその部品及び付属品,二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び附属品,乳母車,人力車,そり,手押し車,荷車,馬車,リヤカー,車いす,タイヤ又はチューブの修繕用ゴムはり付け片」を指定商品として、平成18年12月5日に登録出願されたものである。 2 引用商標 原査定において、本願の拒絶の理由に引用した国際登録第924700号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、2006年8月7日にItalyにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、2007年(平成19年)1月31日に国際商標登録出願、第12類「Bicycles, parts and accessories for bicycles, namely, frames, tubes and lugs for frames, tube-like tires, wheels, rims and spokes, pedals, hubs, pedal cranks, pedal cranks with crown gears, free-wheels, forks, cables and sheaths therefor, handlebars, tires and tube-like tires, inner tubes for tires, crowns, mounts for handlebars, pedals, handlebar extensions, seats, supports for seats, steering units.」を指定商品として、平成21年2月6日に設定登録されたものである。 3 当審の判断 (1)本願商標と引用商標の類否について 本願商標は、前記1のとおり、「MARIPOSA」の文字からなるものであるから、その構成文字に相応して「マリポサ」の称呼を生ずるものである。そして、観念については、「MARIPOSA」の文字は、「蝶」(「小学館 西和中辞典」株式会社小学館発行)等の意味を有するスペイン語と認められるものであるが、我が国におけるスペイン語の普及度にかんがみれば、本願商標からは、特定の観念が生じないというのが相当である。 他方、引用商標は、別掲のとおり、図形部分は、数字の「8」を横にしたような図柄と、この「8」の字の交差した点から三つの淡い色の略楕円を配した図柄よりなるものであって、この図形の右側に上下二段に「effetto」と「mariposa」の文字を配してなり、「mariposa」の文字における「m」の文字部分が、図形の右下側部分と一部重なる構成からなるものである。また、この図形全体からは、特定の観念を生じさせないものである。 次に、引用商標の文字部分についてみてみると、上段の「effetto」の文字は、「結果」(「伊和中辞典〈第2版〉」株式会社小学館発行)等の意味を有するイタリア語と認められるものであるが、我が国におけるイタリア語の普及度にかんがみれば、「effetto」の文字からは、特定の観念が生じないというのが相当である。さらに、「mariposa」の文字も本願商標と同様に、特定の観念が生じないというのが相当である。 したがって、引用商標は、全体としても、特定の観念が生じないというのが相当である。 しかして、引用商標の図形部分と文字部分とは、一部重なる部分があるとしても、図形部分は左側にまとまり、文字部分は右側にまとまって配置され、また、例えば、図形部分が文字部分を囲い込むというような、図形と文字とが一体的に構成されている様な態様には表されていないことから、視覚上分離して看取されるものであり、かつ、両者は共に特定の観念を生じないものというべきであるから、観念上においても、両者を結びつける理由はない。そして、他に引用商標を全体として、常に一体不可分のものとして把握しなければならないとする特段の事情も認められないものである。 さらに、「effetto」と「mariposa」との文字については、上下二段に配置されているばかりでなく、下段の「mariposa」の文字の大きさは、上段の「effetto」の文字の約4倍であることから、視覚上分離して認識し、把握されるものであり、かつ、構成文字全体から生ずる「エフェットマリポサ」の称呼も、やや冗長といえるものである。 そうとすれば、簡易迅速を尊ぶ取引の実際にあっては、引用商標に接する取引者・需要者は、各々独立して、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ると認められる、図形と文字のうち、文字部分についても、より大きく書された下段の「mariposa」の文字に印象をとどめ、これより生ずる称呼をもって取引に資する場合も少なくないというべきであるから、「mariposa」の文字部分も独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものといわなければならない。 してみれば、引用商標は、構成文字全体に相応した「エフェットマリポサ」の一連の称呼のほか、「mariposa」の文字に相応した「マリポサ」の称呼をも生じるものと認められる。 そこで、本願商標と引用商標とを比較すると、本願商標と引用商標とから、それぞれ生ずる「マリポサ」の称呼は同一であるから、両商標は、称呼を共通にするものである。 また、外観については、本願商標は、文字のみからなるのに対し、引用商標は、図形と文字とからなるものであるから、その全体をもって比較するならば、両商標は相違するということができる。しかし、本願商標の「MARIPOSA」の文字と、引用商標中独立して要部たり得る「mariposa」の文字とは、大文字と小文字の相違点はあるものの、その綴りを共通にするものであるから、外観において近似した印象を与えるものである。 そして、観念については、両商標とも特定の観念を生じないものというべきであるが、仮に、本願商標から「蝶」などの特定の観念が生じるとするならば、同一の綴り字を要部に有する引用商標からも同一の観念が生じるものといえる。 してみれば、本願商標と引用商標とは、称呼において共通する上、外観及び観念においても、取引者・需要者の注意をひく文字の綴り字は共通しているから、取引者・需要者に与える印象、記憶、連想等において、格別の差異があるとはいえず、両商標は類似するというべきである。そして、本願商標の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似の商品を含むものである。 したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。 (2)請求人の主張について 請求人は、引用商標の文字部分は、会社の略称であり、一連一体に称呼されるのが一般的である旨主張する。 しかしながら、引用商標の文字部分は、会社の略称とは認められず、また、略称であるとする証拠の提出はないものであるから、請求人の上記主張は採用できない。 さらに、請求人は、過去の登録例を挙げて本願商標も登録されるべきである旨主張しているが、該登録例は、商標の構成及び指定商品において本願とは事案を異にするものであり、それらの登録例をもって、本願商標の登録の適否を判断する基準とするのは必ずしも適切とはいえないことから、請求人の上記主張も採用できない。 (3)むすび したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって取り消すことはできない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲 引用商標 (色彩については原本を参照) |
審理終結日 | 2009-10-22 |
結審通知日 | 2009-10-26 |
審決日 | 2009-11-09 |
出願番号 | 商願2006-116511(T2006-116511) |
審決分類 |
T
1
8・
262-
Z
(Y12)
T 1 8・ 263- Z (Y12) T 1 8・ 261- Z (Y12) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 長柄 豊、大島 護 |
特許庁審判長 |
井岡 賢一 |
特許庁審判官 |
大島 勉 田村 正明 |
商標の称呼 | マリポサ |
代理人 | 脇田 真希 |
代理人 | 本多 敬子 |
代理人 | 本多 一郎 |