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審決分類 審判 査定不服 称呼類似 登録しない X07
管理番号 1209930 
審判番号 不服2009-5885 
総通号数 122 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2010-02-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2009-03-18 
確定日 2009-12-11 
事件の表示 商願2008-30627拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成からなり、第7類「自動車、工場、発電所、家庭等からの排気ガス浄化装置及び、それを装着した自動車、工場、発電所、家庭等、及びその他の第7類全部。」を指定商品として、平成20年4月18日に登録出願され、その後、指定商品については、当審における同21年3月18日付け手続補正書により、第7類「自動車・船舶・オートバイその他の陸上の乗物用の排気ガス浄化装置、動力機械器具(陸上の乗物用のもの及び「水車・風車」を除く。)用の排気ガス浄化装置」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
(1)商標法第6条第1項及び同第2項について
本願の指定商品は、その内容及び範囲が不明確なものであるから、商標法第6条第1項及び同第2項の要件を具備しないものである。
(2)商標法第4条第1項第11号について
原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録第2264564号商標(以下「引用商標」という。)は、「ECS」の欧文字を横書きしてなり、昭和62年10月22日登録出願、第9類「産業機械器具、その他本類に属する商品(但し、金属加工機械器具、土木機械器具、荷役機械器具、ミシン、冷凍機、冷却機、冷却筒、製氷機、冷却蒸発機、ガス冷蔵庫、火災報知機、盗難用警報器、鉄道信号機、てんてつ機を除く)」を指定商品として、平成2年9月21日に設定登録され、その後、商標登録の一部取消し審判により、指定商品中「事務用機械器具」についての登録を取り消すとの審決がされ、同7年5月30日にその審判の確定登録がされ、さらに、同12年8月29日に商標権の存続期間の更新登録がされ、現に有効に存続するものである。

3 当審の判断
(1)商標法第6条第1項及び同第2項について
本願は、その指定商品について前記1のとおり補正された結果、商品の内容及び範囲が明確なものになった。
その結果、本願の指定商品は、商標法第6条第1項及び同第2項の規定の要件を具備するものとなった。
(2)商標法第4条第1項第11号について
本願商標は、別掲のとおり、中央部に大きく肉太で表された「X」の欧文字とその下に該「X」の欧文字の幅と略同じ幅の大きさで表された「ECS」の欧文字とを二段に横書きしてなるところ、下段の「ECS」の欧文字は、同じ書体、同じ大きさ、同じ間隔で外観上まとまりよく一体的に表されており、上段の「X」の文字部分と下段の「ECS」の文字部分とは、文字の大きさ及びその太さから受ける印象が大きく異なることから、視覚上分離して看取され得るものであり、また、その構成全体をもって特定の親しまれた意味を有する語とは認められず、加えて構成文字全体に相応して生ずる「エックスイーシーエス」の称呼も冗長であるから、これらを常に一体のものとしてのみ把握しなければならない格別の事情は見いだし得ない。
そして、構成中の「X」の文字部分は、一般にローマ字の1字若しくは2字が商品の型式・規格・品番等を表示するための記号・符号等として取引上普通に使用されている実情にあることからすれば、その記号・符号の一類型とみるのが相当であり、自他商品の識別力が無いか極めて弱い部分であるといわなければならない。
そうすると、本願商標は、特定の意味合いを有しない造語と認められる「ECS」の文字部分が独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得ると認められるものであり、本願商標に接する取引者、需要者は、まとまりよく表された「ECS」の文字部分に着目し、これより生ずる「イーシーエス」の称呼をもって取引にあたる場合も決して少なくないと判断するのが相当である。
他方、引用商標は、「ECS」の欧文字を横書きしてなるものであるから、その構成文字に相応して「イーシーエス」の称呼を生じ、かつ、特定の観念を生じない造語というべきものである。
してみれば、本願商標と引用商標とは、観念において比較できないとしても、外観において「ECS」の綴り字を共通にし、さらに、「イーシーエス」の称呼を共通にする類似の商標であって、かつ、本願の指定商品は「動力機械器具(「水車・風車」を除く。)」の範疇に含まれるものであり、また、引用商標の指定商品中「その他本類に属する商品」には、平成3年9月25日政令第299号による改正前の商標法施行令に基づく商品及び役務の区分による「動力機械器具(「水車」「風車」を除く。)」を含むものと解されることから、本願の指定商品と引用商標の指定商品に含まれる「動力機械器具(「水車」「風車」を除く。)」とは類似する商品である。
ウ まとめ
以上によれば、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
なお、請求人は、本願商標は構成中の「X」の文字から「エックス」の称呼が生じ、引用商標からは「イーシーエス」の称呼が生ずることから、互いに類似する商標ではない、また、本願商標の指定商品は第7類であり、引用商標の指定商品は第9類であるから商品が類似しない旨主張するが、本願商標から「イーシーエス」の称呼が生ずることは前記認定のとおりであり、また、政令で定める商品及び役務の区分は、商品の類似の範囲を定めるものではないから(商標法第6条第3項)、商品及び役務の区分が異なることをもって商品が類似しないということはできないものであって、かつ、前記認定のとおり、本願の指定商品と引用商標の指定商品に含まれる「動力機械器具(「水車」「風車」を除く。)」とは、動力機械器具という点において互いに生産・販売・流通部門及び需要者の範囲を共通にする類似する商品であるというべきであるから、請求人の主張はいずれも採用することはできない。 よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲
本願商標


審理終結日 2009-10-01 
結審通知日 2009-10-09 
審決日 2009-10-20 
出願番号 商願2008-30627(T2008-30627) 
審決分類 T 1 8・ 262- Z (X07)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 大橋 良成浅野 真由美今田 尊恵 
特許庁審判長 石田 清
特許庁審判官
木村 一弘
末武 久佳
商標の称呼 エックスエクス、エックスイイシイエス、エクス、イイシイエス 

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