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審決分類 |
審判 一部申立て 登録を維持 X03 審判 一部申立て 登録を維持 X03 審判 一部申立て 登録を維持 X03 審判 一部申立て 登録を維持 X03 |
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管理番号 | 1208422 |
異議申立番号 | 異議2009-900171 |
総通号数 | 121 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2010-01-29 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2009-05-21 |
確定日 | 2009-12-02 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5205032号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5205032号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5205032号商標(以下「本件商標」という。)は、「ビオインプレス」の片仮名文字と、「Bioimpress」の欧文字とを上下二段に横書きしてなり、平成20年6月24日に登録出願、第1類「工業用消臭剤その他の化学品,植物成長調整剤類,肥料」、第3類「身体用消臭剤その他の化粧品,せっけん類,植物性天然香料,動物性天然香料,合成香料,調合香料,精油からなる食品香料,薫料」及び第5類「消臭剤(身体用のもの及び工業用のものを除く。)その他の薬剤」を指定商品として、同21年2月20日に設定登録されたものである。 2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する商標は以下の(1)ないし(4)に示す登録商標(まとめては「引用各商標」という。)であって、引用各商標の商標権は「株式会社カネボウ化粧品」(以下「カネボウ化粧品」という。)から申立人に特定承継により移転し、その登録が平成18年2月14日にされ、また、当該商標権はいずれも現に有効に存続しているものである。 (1)登録第687787号商標(以下「引用1商標」という。)は、「BIO」の欧文字を横書きしてなり、昭和35年6月6日に登録出願、指定商品を第4類「化粧品および香料類(但し董料を除く)」として、同40年10月20日に設定登録され、その後、平成18年2月22日に指定商品を第3類「化粧品,植物性天然香料,動物性天然香料,合成香料,調合香料,精油からなる食品香料」とする書換登録がされたものである。 (2)登録第525562号商標(以下「引用2商標」という。)は、「BIO」の欧文字と、「ビオ」の片仮名文字とを上下二段に横書きしてなり、昭和32年8月31日に登録出願、指定商品を第3類「香料及び他類に属しない化粧品」として、同33年8月16日に設定登録され、その後、平成21年1月21日に指定商品を第3類「香料類(薫料・香精・天然じゃ香・芳香油を除く。),化粧品(化粧用顔料・化粧用染料を除く。)」とする書換登録がされたものである。 (3)登録第1844575号商標(以下「引用3商標」という。)は、「IMPRESS」の欧文字を横書きしてなり、昭和58年10月7日に登録出願、指定商品を第4類「せっけん類、歯みがき、化粧品、香料類」として、同61年2月28日に設定登録され、その後、平成18年2月8日に指定商品を第3類「せっけん類,香料類,化粧品,歯磨き」とする書換登録がされたものである。 (4)登録第1689958号商標(以下「引用4商標」という。)は、「インプレス」の片仮名文字を横書きしてなり、昭和55年11月25日に登録出願、指定商品を第4類「せっけん類、歯みがき、化粧品、香料類」として、同59年6月21日に設定登録されたものである。 3 本件登録異議申立ての理由 申立人は、本件商標はその指定商品中、第3類「全指定商品」について、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により取り消されるべきものであると申立て、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第18号証を提出した。 (1)商標法第4条第1項第11号について 本件商標は、「ビオインプレス」及び「Bioimpress」の文字よりなるものであるが、該構成は「Bio」と「impress」の英語を一連に表し、その下段に片仮名文字をもってその読みを表示してなるものである。 してみれば、本件商標は「ビオインプレス」の称呼と共に「ビオ」及び「インプレス」の称呼をも生じるものである。 他方、引用1及び2商標は「BIO」、「BIO/ビオ」の文字よりなり、「ビオ」の称呼を生じるものである。 また、引用3及び4商標は「IMPRESS」、「インプレス」の文字よりなり、「インプレス」の称呼を生じるものである。 しかも、引用各商標はすべて申立人の所有するものであり、「BIO」は永年使用して、周知の著名となっている。 また、「IMPRESS」についても各種雑誌とのタイアップにおいて紹介されているように(甲第6号証ないし甲第9号証)申立人傘下のカネボウ化粧品において「化粧品」に使用しているものである。 そうとすれば、本件商標より生じる「ビオ」及び「インプレス」の称呼は、引用各商標と称呼を共通にする類似の商標であり、また、指定商品においても互いに抵触する同一又は類似のものである。 (2)商標法第4条第1項第15号について 申立人傘下のカネボウ化粧品は、商品「化粧品」について「ビオ」及び「BIO」よりなる商標を使用しており、昭和44年にはその使用が認められており(甲第10号証)、その後、タレントの松田聖子をイメージモデルに起用し、「BIO」の周知性を高めており(甲第11号証)、「BIO」ブランド商品は、その周知性を高めると共に現在に至るも化粧品について使用しているものである(甲第12号証ないし甲第18号証)。 したがって、カネボウ化粧品が化粧品について永年使用している「BIO」を含む本件商標をその指定商品に使用した場合、その商品の取引者、需要者は、申立人の業務に係る商品と混同を生じることは明らかである。 4 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第11号について 本件商標は、「ビオインプレス」及び「Bioimpress」の文字よりなるところ、各文字は、それぞれ同じ書体で等間隔に外観上まとまりよく一体的に表されている。 また、一般に片仮名文字と欧文字とを併記した構成の商標においては、その片仮名文字部分が欧文字部分の読みを特定すべき役割を果たすものと無理なく認識し得るときは、片仮名文字部分より生ずる称呼が、その商標より生ずる自然の称呼とみるのが相当といえるものであり、さらに、これより生じる「ビオインプレス」の称呼も格別冗長なものでなく、よどみなく一気一連に称呼し得るものである。 そして、これを「Bio(ビオ)」と「impress(インプレス)」とに分離して観察しなければならない特段の事情は見いだし得ないから、本件商標は、その構成各文字に相応して、上記一連の称呼のみを生じ、全体的には特定の意味合いを認識し得ない一種の造語というを相当とする。 他方、引用1商標は、「BIO」の欧文字よりなるところ、「バイオ(bio-)」の語が「バイオテクノロジー」の略、或いは、他の語の上に付いて「生命の、生物に関する」の意を表す語として広く知られるものであるから、引用1商標よりは「バイオ」の称呼を生じ、加えて、これを想起し得ないときは、その綴りからローマ文字の読みに倣って「ビオ」の称呼をも生じるものというのが自然である。 また、引用2商標は、「BIO」の欧文字と「ビオ」の片仮名よりなるところ、本件商標と同様に、構成中の片仮名文字が「BIO」の称呼を特定したものということができるから、「ビオ」の称呼を生じるものとみて差し支えないといえる。 そして、引用3商標は「IMPRESS」、また、引用4商標は「インプレス」の文字よりなるところ、それぞれ「インプレス」の称呼を生じるものである。 そこで、本件商標と引用各商標とを比較するに、本件商標から生じる「ビオインプレス」の称呼と、引用1商標から生じる「バイオ」又は「ビオ」の称呼、引用2商標から生じる「ビオ」の称呼、引用3商標及び引用4商標から生じる「インプレス」の称呼とは、それぞれの構成音と音数が相違するという顕著な差異があり、称呼において別個の商標として聴別することができるものである。 また、本件商標と引用各商標とは、それぞれの構成に照らし、外観において判然と区別し得る差異を有するものである。 さらに、本件商標は、全体として特定の観念を生じることのない造語商標であるから、観念において両者を比較すべくもない。 してみると、本件商標と引用各商標とは、称呼、外観及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。 その他、本件商標と引用各商標とを類似とすべき事由は見出せない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。 (2)商標法第4条第1項第15号について 本件商標は、前記のとおり、一体的な構成態様のものであり、申立人傘下の「カネボウ化粧品」が、「化粧品」について使用する「ビオ」又は「BIO」とは、上記(1)の判断同様、称呼、外観及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標であって、ほかに両者が相紛れ得るとする点は見出せない別個の商標といえるものである。 また、甲各号証による証拠によって、「ビオ」若しくは「BIO」よりなる商標が商品「化粧品」について、昭和44年頃より申立人傘下のカネボウ化粧品(又は「カネボウ株式会社」)により使用されている事実を認め得るとしても、それ以上に「ビオ」又は「BIO」よりなる商標が本件商標の登録出願時において申立人又は同人の当該傘下企業による業務に係る商品を表示する商標として、取引者、需要者間に広く認識されていたものとまで認めるには充分なものとはいえない。 そうすると、本件商標をその指定商品について使用した場合、これに接する取引者、需要者が直ちに「ビオ」又は「BIO」商標を想起し連想して、申立人あるいは申立人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く誤認するとは認め難いから、商品の出所について混同を生ずるおそれはないと判断するのが相当である。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。 (3)むすび 以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものでないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2009-10-02 |
出願番号 | 商願2008-50423(T2008-50423) |
審決分類 |
T
1
652・
271-
Y
(X03)
T 1 652・ 262- Y (X03) T 1 652・ 261- Y (X03) T 1 652・ 263- Y (X03) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 前山 るり子 |
特許庁審判長 |
佐藤 達夫 |
特許庁審判官 |
野口 美代子 小川 きみえ |
登録日 | 2009-02-20 |
登録番号 | 商標登録第5205032号(T5205032) |
権利者 | 市山 幹雄 |
商標の称呼 | ビオインプレス、バイオインプレス、インプレス |
代理人 | 岡村 憲佑 |