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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 X29
管理番号 1208416 
異議申立番号 異議2009-900139 
総通号数 121 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2010-01-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 2009-04-15 
確定日 2009-12-05 
異議申立件数
事件の表示 登録第5196709号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5196709号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5196709号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成からなり、平成20年6月19日に登録出願、第29類「ざりがに(生きているものを除く。),甲殻類,えび(生きているものを除く。),保存加工をしたえび,魚(生きているものを除く。),保存加工をした魚,いせえび(生きているものを除く。),い貝(生きているものを除く。),かき(生きているものを除く。),甲殻類及び貝類(生きているものを除く。),かに,いか」を指定商品として、同年11月21日に登録査定、同21年1月16日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由(要点)
(1)登録異議申立人の引用する商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件商標の登録異議の申立ての理由に引用する登録第4266413号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲(2)のとおりの構成からなり、平成8年6月25日に登録出願、第32類「ラガービール」を指定商品として、同11年4月23日に設定登録され、その後、同21年4月21日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。申立人は、その他に、ビール瓶の胴ラベルについて使用している別掲(3)のとおりの構成からなる商標(以下「引用商標2」という。)を引用している。以下、これらの商標を総称するときは、単に「引用商標」という。
(2)商標法第4条第1項第15号について
引用商標中の「Tiger」の文字は、申立人が、1932年より、アジア太平洋沿岸地域を販売拠点として製造しているビールの商標として広く親しまれており、アメリカ合衆国やイギリスにおいても広く知られているものである(甲第6号証及び甲第7号証)。このことは、世界各国の著名なビールを紹介したインターネット情報「チャンビアネット(chamber net)」(甲第8号証)や世界のビールを紹介したインターネット情報(甲第9号証)からも認められるところであり、また、「Tiger Beer(タイガービール)」が多くの品評会あるいは競技会において多くの賞を受賞していることからもうかがい知ることができる(甲第10号証ないし甲第13号証)。
我が国においても、通信販売等によって紹介されており(甲第14号証及び甲第15号証)、東南アジアを旅行した者を中心として、広く我が国の需要者間においても知られているものである。
本件商標は、その構成中の「Viet」の文字が「ベトナム」の意味合い想起させるものであり、自他商品の識別標識としての機能は低いことから、後半部の「Tiger」の文字に着目し、単に「虎」の観念及び「タイガー」の称呼をもって取引される場合も少なくないものである。
そうとすれば、本件商標と引用商標とは、「虎」の観念及び「タイガー」の称呼を共通にし、また、「Tiger」の文字に施されたデザインの外観上の構成及び色彩における特長を共通にするものであるから、両商標の印象あるいはイメージは極めて近似したものであり、いずれも「飲食料品」の概念に属する商品であって販売場所を同一にする場合も多いこともあいまって、本件商標をその指定商品について使用するときは、引用商標と商品の出所について誤認を生じさせるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものであるから、取り消されるべきである。

3 当審の判断
(1)本件商標と引用商標との類否について
本件商標は、別掲(1)に示したとおり、濃紺で表した長方形内に、橙色で「VietTiger」の欧文字を横書きしてなるところ、これを構成する各文字は、外観上まとまりよく一体的に表現されており、これより生ずる「ヴィエットタイガー」又は「ヴェトタイガー」の称呼もよどみなく一連に称呼し得るものである。そして、「Viet」の文字部分が「ベトナム」の意味合いを表す場合があるとしても、そのことが我が国において広く一般に理解・認識されているともいい難いから、かかる本件商標の構成態様にあっては、むしろ、その構成全体をもって一体不可分の造語として認識し把握されるとみるのが自然であり、他に、構成中の「Tiger」の文字部分のみが独立して認識されるとみるべき特段の事情は見いだせない。
してみれば、本件商標は、その構成文字全体に相応して、「ヴィエットタイガー」又は「ヴェトタイガー」の称呼のみを生ずるものといわなければならない。
他方、引用商標は、別掲(2)及び(3)に示したとおりの構成からなるものであるから、顕著に表された「Tiger」の文字に相応して、「タイガー」の称呼を生ずるものと認められる。
そこで、これらの称呼を比較するに、両者は、「タイガー」の音部分を共通にするとしても、前半部分において、明瞭に聴取し得る「ヴィエット」又は「ヴェト」の音の有無という音構成における明らかな差異を有するものであるから、称呼上、類似するものということはできない。
また、本件商標と引用商標の欧文字部分の外観及び観念を比較してみても、両者は、「Viet」の4文字の有無という明らかな差異を有するものであるから、外観上紛れるおそれのないものであり、本件商標は特定の意味合いを有しない造語と認められるものであるから、互いの観念については比較すべくもないものである。
以上のとおり、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
(2)商標法第4条第1項第15号について
前記(1)のとおり、本件商標と引用商標とは、十分に区別し得る別異の商標というべきものであるばかりでなく、本件商標の指定商品である「ざりがに(生きているものを除く。),甲殻類,えび(生きているものを除く。),保存加工をしたえび,魚(生きているものを除く。),保存加工をした魚,いせえび(生きているものを除く。),い貝(生きているものを除く。),かき(生きているものを除く。),甲殻類及び貝類(生きているものを除く。),かに,いか」と、引用商標が使用されている「ラガービール」とは、生産者・販売者を異にし、流通系統、用途等をも全く異にするものである。しかも、引用商標が「ラガービール」の商標としてアジア太平洋沿岸地域を中心にアメリカ合衆国やイギリスにおいて使用されていた事実は認められるにしても、申立人の提出に係る証拠をもってしては、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、引用商標が申立人の業務に係る商品を表示する商標として、我が国における取引者・需要者の間に広く認識されていたものとまでは認めることができない。
してみれば、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者をして、引用商標を連想又は想起させるものとは認められず、その商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのごとく、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲

(1)本件商標

(色彩については原本参照)

(2)引用商標1

(色彩については原本参照)

(3)引用商標2

(色彩については原本参照)



異議決定日 2009-11-16 
出願番号 商願2008-48642(T2008-48642) 
審決分類 T 1 651・ 271- Y (X29)
最終処分 維持  
前審関与審査官 津金 純子 
特許庁審判長 井岡 賢一
特許庁審判官 田村 正明
末武 久佳
登録日 2009-01-16 
登録番号 商標登録第5196709号(T5196709) 
権利者 クオック ベト シープロダクツ プロセッシング トレーディング アンド インポート エクスポート カンパニー リミテッド
商標の称呼 ベトタイガー、ビエトタイガー、ベト、ビエト、タイガー 
代理人 土屋 良弘 
代理人 浅村 皓 
代理人 特許業務法人浅村特許事務所 
代理人 浅村 肇 
代理人 吉川 俊雄 
代理人 岡野 光男 

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