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審決分類 |
審判 査定不服 観念類似 登録しない X30 審判 査定不服 称呼類似 登録しない X30 審判 査定不服 外観類似 登録しない X30 |
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管理番号 | 1208226 |
審判番号 | 不服2009-8692 |
総通号数 | 121 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2010-01-29 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2009-04-22 |
確定日 | 2009-11-09 |
事件の表示 | 商願2008- 56099拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「もっちもち」の文字を標準文字で表してなり、第30類「菓子及びパン」を指定商品として、平成20年7月10日に登録出願されたものである。 2 引用商標 原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録第2283968号商標(以下「引用商標」という。)は、「もちもち」の文字を横書きしてなり、昭和63年3月7日に登録出願、第30類「菓子、パン」を指定商品として、平成2年11月30日に設定登録され、その後、同12年12月5日に商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、同13年1月24日に、第30類「菓子,パン」を指定商品とする書換登録がされたものである。 3 当審の判断 (1)称呼について 本願商標は、前記1のとおり、「もっちもち」の文字を書してなるから、これより「モッチモチ」の称呼が生ずるものである。 他方、引用商標は、前記2のとおり、「もちもち」の文字を書してなるから、これより「モチモチ」の称呼を生ずるものである。 そこで、本願商標から生ずる「モッチモチ」の称呼と、引用商標から生ずる「モチモチ」の称呼とを比較すると、両者はそれぞれ4音(引用商標に促音を含む)よりなるものであり、語頭の「モ」の促音の有無に差異を有するのみで、他の4音を共通にするものである。 しかして、この促音は、それ自体が独立した1音として明確に発音され、かつ、聴取されるものではなく、その前音に吸収されて明確には聴取され難い微弱音といえるものであるから、該促音の有無が、称呼全体に及ぼす影響は決して大きいものとはいえず、両称呼をそれぞれ一連に称呼した場合には、全体としての語調、語感が近似し、互いに聴き誤るおそれがあるものといわなければならない。 (2)観念について 本願商標の「もっちもち」は、引用商標の「もちもち」の語頭に促音「っ」を有するものであり、「もちもち」の語は、「食べ物に弾力・粘り気のある様子」(「暮らしのことば・擬音・擬態語辞典 株式会社講談社」以下同じ。)の意味を有する擬態語として親しまれているものである。 そして、擬態語の語頭に促音「っ」を有し、強調されて食品に使用されていることは、以下の事実からも窺えるものである。 ア 「かちかち」(物がとてもかたい様子)に対する類義語、以下同じ「かっちかち」(かちかちを強調した語) 「畑と娘と息子と嫁とカボチャ収穫」と称するウェブページにおいて、「カボチャ収穫」の見出しの下に「ついにカボチャの第二弾。小型のカボチャ。写真の下のかぼちゃ。収穫時期はちょっとわからんけど,皮は堅く締まり,へたの部分はちょっと変色し,かちかちに。・・・・・ばきっ残念でした。さようなら。あとあと考えてみると,たしかにものすごくかっちかちだった。」の記載がある。(http://michi3004.blog68.fc2.com/blog-entry-30.html) イ 「ぎとぎと」(油や脂肪分が極めて多く粘ったり光ったりしている様子)に対する「ぎっとぎと」について 「案山子の戯言」と称するウェブページにおいて、「2008年05月26日」の項に、「ぎっとぎとラーメン 蔵前の本社近くのラーメン屋さんに行ってきました。油そばがメニューにあったんのですが残念ながら夜メニューということでシンプルにぎとぎとラーメンを選択。」の記載がある。(http://shinshu.fm/MHz/06.54/2008/05/) ウ 「ねばねば」(粘り気があってよくくっつく様子)に対する「ねっばねば」について 「LUA CHEIA ルアシェイア」と称するウェブページにおいて、「店長のおすすめ料理」の見出しの下に「ねばねば 身体に良い、『ねっばねば♪』女性に大人気です!! 500円」の記載がある。(http://www.hotpepper.jp/strJ000744059/) エ 「ぱさぱさ」(本来あるべき水分や油分などが失われて乾いている様子)に対する「ぱっさぱさ」について 「野菜もりもり 地道にお弁当」と称するウェブページにおいて、「もち米のシュウマイ 我が家風」の見出しの下に「予定では、高野豆腐と 人参で作るつもりだったのです。が高野豆腐がぱっさぱさ。ちょっと乾物独特の臭いも・・・高野豆腐だけつまみ出したって寸法。貧乏性ゆえ、どぉしてもこの高野豆腐が捨てられず。下味をしっかりと つけてリサイクル。卵 1個・片栗粉 大さじ2・牛乳 大さじ1・おろし生姜 少々を 混ぜ合わせた中に、このぱさぱさ高野豆腐をしばらく浸け込みます。」の記載がある。(http://shintakenaka.seesaa.net/article/126162437.html) オ 「ぷりぷり」(身が引き締まって弾力性に富んでいる様子)に対する「ぷっりぷり」について 「今週の冷凍食品 できたてニュース」と称するウェブページにおいて、「4月2週 味の素冷食」の見出しの下に「新CMでは『エビシューマイ』の“さらにプリプリ”を香取慎吾が体全体で表現。あまりのプリプリ食感に『エビーッ!』『プッリプリだ』『うまーっ!』と叫んでしまう。」の記載がある。(http://www.reishoku.co.jp/dekitate/0404gatu/0404.htm) カ 「ふわふわ」(やわらかくて適度に弾力に富んでいる様子)に対する「ふっわふわ」について 「CAFE de CRIE」と称するウェブサイトにおいて、「トーストサンド」の見出しの下に「ふわふわタマゴ ふっわふわのスクランブルエッグとスパイシーなハム、新鮮なレタス、トマトを香ばしいトーストではさんだボリュームいっぱいのサンドです。」の記載がある。(http://www.pokkacreate.co.jp/crie/menu/foods.html) キ 「こりこり」(歯ごたえのあるかたい物を噛むときに出る音。歯ごたえのある様子)に対する「こっりこり」について 「クックパッド」と称するウェブページにおいて、「コッリコリ!なんこつから揚げ」の見出しの下に「コリコリなんこつがたまりません!下味が効いててとっても美味しいです。」の記載がある。(http://cookpad.com/recipe/674738) ク 「ぱりぱり」(薄いものあるいは小粒のものを、破ったり砕いたりする時の乾いた軽い音)に対する「ぱっりぱり」について 「ぐるなび東京版 なごみ 玄菜」と称するウェブサイトにおいて、「食感楽しい!伊達鶏ぱりぱり煎餅」の見出しの下に「伊達鶏をうすーく叩いて伸ばし、じっくり低温で揚げる・・・すると!ぱっりぱりの【鶏せんべい】の完成!麦酒によく合う!ついついもう一枚っ!」の記載がある。(http://r.gnavi.co.jp/a195302/menu2.htm) そうすると、「もっちもち」の語は、「食べ物に弾力・粘り気のある様子」の意味を有する「もちもち」を強調する語であるというのが相当であり、両商標は、観念において類似するものである。 (3)外観について 本願商標の「もっちもち」と、引用商標の「もちもち」の各文字部分は、語頭に「っ」を有するか否かの微差であり、「もちもち」の文字の綴りを共通しており、本願商標と引用商標とは、この点において外観上近似しているものである。 してみれば、本願商標と引用商標とは、その称呼及び観念において類似するものであり、外観においても、近似した印象を与えるから、両商標がその外観、称呼及び観念等によって取引者、需要者に与える印象、記憶及び連想等を総合して全体的に考察すると、本願商標と引用商標とは類似するものであるといわなければならない。 そして、本願商標の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似するものであるから、本願商標は商標法第4条第1項第11号に該当するものである。 なお、請求人は、他の登録例を挙げ、本願商標と引用商標とは類似しない旨述べているが、該登録例は、いずれも本願とは商標の構成態様を異にするばかりでなく、商標の類否判断は、比較する両商標について個別具体的に考察し、検討されるべきものであって、他の登録例の存在によって、上記判断が左右されるものではないから、請求人の主張は採用できない。 したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当であって取り消すことはできない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
|
審理終結日 | 2009-09-10 |
結審通知日 | 2009-09-11 |
審決日 | 2009-09-28 |
出願番号 | 商願2008-56099(T2008-56099) |
審決分類 |
T
1
8・
261-
Z
(X30)
T 1 8・ 262- Z (X30) T 1 8・ 263- Z (X30) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 石塚 文子、小田 明 |
特許庁審判長 |
鈴木 修 |
特許庁審判官 |
小畑 恵一 平澤 芳行 |
商標の称呼 | モッチモチ、モッチ |
代理人 | 特許業務法人あーく特許事務所 |