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審決分類 |
審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない X05 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない X05 |
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管理番号 | 1208213 |
審判番号 | 不服2008-32445 |
総通号数 | 121 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2010-01-29 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2008-12-24 |
確定日 | 2009-11-12 |
事件の表示 | 商願2008-15771拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1 本願商標 本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第5類に属する「薬剤,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,創傷被覆材,失禁用おしめ,はえ取り紙,防虫紙,乳糖,乳幼児用粉乳」を指定商品として、平成20年3月3日に登録出願されたのものである。 第2 原査定の拒絶の理由の要点 原査定は、「本願商標は、パップ剤と思しきシート状の貼り薬が身体の一部に貼られている状態をシルエットで描いた図形を表してなるところ、これをその指定商品中、『パップ剤その他のシート状薬剤』に使用しても、商品の用途の一例を表示したものと認識させるに止まり、単に、商品の品質、用途を表示するにすぎず、自他商品の識別標識として機能し得ないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 第3 当審における証拠調べ通知 当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調をした結果、下記の事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき通知した内容は以下のとおりである。 記 1 本願商標は、願書に記載のとおり、人体の太ももからふくらはぎ上部を黒色のシルエットで表わし、その膝部分を、濃い灰色で表わした図形よりなるところ、当審において行った、人体の図形についての証拠調によれば、以下の事実が認められた。 (1)商品「貼り薬」における使用の事実 ア 「第一三共ヘルスケア株式会社」(http://www.daiichisankyo-hc.co.jp/products/details/fujipap_onkan/index.jsp)のホームーページ掲載の商品写真に、人体の図形がパップ剤の包装用箱に商品の使用の方法、用途等を表わすものとして使用されている事実。 イ 「株式会社タカミツ」(http://www.kk-takamitsu.co.jp/poultice.htm)のホームページ掲載の商品写真に、人体の図形がパップ剤の包装用箱に商品の使用の方法、用途等を表わすものとして使用されている事実。 ウ 「エスエス製薬株式会社」(http://www.ssp.co.jp/products/apf/c6/khe/prod.html)のホームページ掲載の商品写真に、人体の図形がパップ剤の包装用箱に商品の使用の方法、用途等を表わすものとして使用されている事実。 エ 「エスエス製薬株式会社」(http://www.ssp.co.jp/products/apf/c6/ssph/prod.html)のホームページ掲載の商品写真に、人体の図形がパップ剤の包装用箱に商品の使用の方法、用途等を表わすものとして使用されている事実。 オ 「エスエス製薬株式会社」(http://www.ssp.co.jp/products/apf/c6/ins-hp/prod.html)のホームページ掲載の商品写真に、人体の図形がパップ剤の包装用箱に商品の使用の方法、用途等を表わすものとして使用されている事実。 (2)商品「塗り薬」(クリーム)における使用の事実 「ケンコーコム」(http://www.kenko.com/)には以下の使用事実がある。 ア インターネット(http://www.kenko.com/product/item/itm_8041160072.html)のページには、「佐藤製薬株式会社」の塗り薬「ペリドール35g」の商品写真が掲載され、人体の図形がその包装用箱に商品の使用の方法、用途等を表わすものとして使用されている事実。 イ インターネット(http://www.kenko.com/product/item/itm_8312136072.html)のページには、「佐藤製薬株式会社」の塗り薬「サロメチール40g」の商品写真が掲載され、人体の図形がその包装用箱に商品の使用の方法、用途等を表わすものとして使用されている事実。 (3)商品「塗り薬」(液体)における使用の事実 「ケンコーコム」(http://www.kenko.com/)には以下の使用事実がある。 ア インターネット(http://www.kenko.com/product/item/itm_8826416072.html)のページには、「小林製薬株式会社」の塗り薬「アンメルツ レディーナ オレンジシトラスのほのかな香り 46ml」の商品写真が掲載され、人体の図形がその包装用箱に商品の使用の方法、用途等を表わすものとして使用されている事実。 イ インターネット(http://www.kenko.com/product/item/itm_8835032072.html)のページには、「協和新薬株式会社」の塗り薬「ピロキシカム液『キョウワ』 72ml」の商品写真が掲載され、人体の図形がその包装用箱及び商品容器に商品の使用の方法、用途等を表わすものとして使用されている事実。 ウ インターネット(http://www.kenko.com/product/item/itm_6511277072.html)のページには、「株式会社池田模範堂」の塗り薬「アクテオン 液1.0% 50ml」の商品写真が掲載され、人体の図形がその商品容器に商品の使用の方法、用途等を表わすものとして使用されている事実。 (4)商品「塗り薬」(ゲル)における使用の事実 「ケンコーコム」(http://www.kenko.com/)には以下の使用事実がある。 インターネット(http://www.kenko.com/product/item/itm_6900088672.html)のページには、「三宝製薬株式会社」の塗り薬「ガリバノールゲルA-1 40g」の商品写真が掲載され、人体の図形がその包装用箱および商品容器に商品の使用の方法、用途等を表わすものとして使用されている事実。 (5)商品「飲み薬」における使用の事実 「ケンコーコム」(http://www.kenko.com/)には以下の使用事実がある。 ア インターネット(http://www.kenko.com/product/item/itm_7811471072.html)のページには、「エーザイ株式会社」の飲み薬「ナボリンEB錠 120錠」の商品写真が掲載され、人体の図形がその包装用箱に商品の使用の方法、用途等を表わすものとして使用されている事実。 イ インターネット(http://www.kenko.com/product/item/itm_6902530272.html)のページには、「クラシエ薬品株式会社」の飲み薬「クラシエ 独活葛根湯エキス錠 84錠」の商品写真が掲載され、人体の図形がその包装用箱に商品の使用の方法、用途等を表わすものとして使用されている事実。 ウ インターネット(http://www.kenko.com/product/item/itm_6528556072.html)のページには、「第一三共ヘルスケア株式会社」の飲み薬「ノイビタコンドロ錠 210錠」の商品写真が掲載され、人体の図形がその包装用箱に商品の使用の方法、用途等を表わすものとして使用されている事実。 エ インターネット(http://www.kenko.com/product/item/itm_8836430072.html)のページには、「松浦漢方株式会社」の飲み薬「中薬 痛絡丸(ツウラクガン) 450丸」の商品写真が掲載され、人体の図形がその包装用箱に商品の使用の方法、用途等を表わすものとして使用されている事実。 (6)商品「ブラスター・テープ剤」における使用の事実 「ケンコーコム」(http://www.kenko.com/)には以下の使用事実がある。 インターネット(http://www.kenko.com/product/item/itm_7512519072.html)のページには、「祐徳薬品工業株式会社」の貼り薬「快生膏 直径23mm 120枚」の商品写真が掲載され、人体の図形がその包装用箱に商品の使用の方法、用途等を表わすものとして使用されている事実。 2 上記のとおり、本願の指定商品中「薬剤」を扱う業界においては、商品の包装用箱等に人体の図形が、また、パップ剤においてはそれが人体に貼られた状態の図形が商品の使用の方法、用途等を表わすものとして一般的に採択、使用されている。 そして、本願商標は、これを些細に見れば、濃い灰色で、人体の図形の膝部分に、パップ剤と認識される図形が表わされているものである。 してみれば、本願商標は、これをその指定商品中「パップ剤その他のシート状薬剤」に使用するときは、これに接する取引者、需要者が、かかる図形をその商品がパップ剤であること、及び頸部に貼って使用するものであることを表わしたもの、すなわち商品の品質、使用方法、用途等を表示したものと理解するに止まり、自他商品の識別標識として認識し得ないものと判断するのが相当であり、かつ、「上記以外の薬剤,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,創傷被覆材,失禁用おしめ」に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するというのが相当である。 第4 証拠調べに対する意見の要旨 当審において行った、上記の「証拠調べ通知」に対して、請求人は、意見書を提出し、要旨以下のように述べている。 1 本願商標が、自他商品の識別標識としての機能を有することについて (1)証拠調で認められた事実について 「薬剤」を扱う業界においては、その包装用箱や包装容器上で、商品の用法等を表す図を用いることは、出願人も承知するところである。 しかしながら、薬剤については、その商品の特性として、用法や用途を正確に取引者や需要者に理解してもらう必要があるため、包装用箱等においてその用法や用途と表す図は、それらが容易に明確に理解できるような図を採用するのが、取引の実情である。 そこで、証拠調べ通知書で示された図形を見るに、それらはいずれも、用法や用途が明確に理解できる図形である。 このように、証拠調べ通知書において示された使用の事実は、いずれも写実的なもの、或いは、人体を図案化して描いているとしても、患部が人体図形部分とは明確に異なる色彩をもって描かれているため、商品の用途等を表したと容易に理解できるものである。 (2)本願商標の図形商標としての独自性・創作性について 本願商標は、人体の脚と思わしき部分を黒色のシルエットで表した図形を配し、その略中央部に濃い灰色のややくの字状に折れた長方形図形を配してなるものであるところ、本願商標中の人体の脚を表したと思わしき図形は、黒一色で、シンプルな曲線をもって極めて簡素化、抽象化して描かれた独特な態様からなるものである。また、該長方形状図形は、濃い灰色に配色してなるものであるところ、黒色で彩色された人体の脚を表した図形と濃い灰色の長方形状図形は、その色彩が極めて近いため、その境界が曖昧であり、注意深く観察しなれば、該長方形状図形を認識することは困難である。 そして、薬剤の包装用箱等において、商品の用法等を表示する図形は、上述したように、写実的なもの、或いは、患部が人体図形とは明確に異なる色彩をもって描かれてなるものであるところ、上記の態様からなる本願商標の人体の脚を表した図形と長方形状図形は、一般に商品の用法等を表示する図形とはいえない、特殊な図形であるといえる。 このように、本願商標は、薬剤の包装用箱等において商品の用法等を表示するもの際には採用される態様とは全く異なる図形であって、色彩を含めて特殊にデザイン処理された図形商標である。したがって、本願商標は、本願指定商品中「パップ剤その他のシート状薬剤」に使用したとしても、十分に識別標識として機能しうるものである。 (3)品質表示としての使用事実がないことについて 商標が自他商品の識別機能を有するか否かの判断については、当該商標が指定商品の品質表示として一般的に使用されている事実の有無も重要な判断基準であるところ、人体図形が商品の用法等を表示するものとして使用されている事実はあるが、本願商標のような色彩をも含めた構成からなる図形商標が、「シート状の薬剤」の品質表示として一般的に使用されている事実は発見できない。 (4)包装用箱等において表示される図形商標と、その保護の重要性について 薬剤を取り扱う分野において、商品の包装用箱等に商品の用法等を示す図が用いられる傾向にある一方、自他商品の識別力を有し、商標として機能している人体図形があることも事実である。 平成21年2月25日付けの手続補正書において述べたとおり、我が国においては、薬剤の分野で非常に多種の商品が存在しており、その探索に際して、パッケージ上に表された図形商標が重要な識別標識となっている現状がある。また、近年、商標やパッケージを模倣した商品が増大する傾向が指摘されており、これは、商品の包装用箱に描かれた図形部分が、その形態及び色彩の特徴によって識別性が生じており、それによって意図的に出所の混同が引き起こされているという実情がある。そのため、各製薬会社では、商品のパッケージ上に表された図形商標を重要視しており、当該図形商標につき、商標登録を進めていることは、請求の理由において既に述べたとおりである(甲第11号証、甲第12号証、甲第35号証、甲第40号証ないし甲第42号証)。 かかる状況において、商品の用法等を表すものとは異質な図形である本願商標を、記述的な図形であると認定し、何人においても自由に使用しうるものとすることは、妥当ではない。 (5)まとめ 以上よりすれば、本願商標は、図形商標として、十分に自他商品の機能するものであり、商標としての登録適格を有するものというべきである。よって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号の規定に該当するものではない。 2 本願商標が品質誤認を生じさせるおそれのないことについて 本願商標は、上述したように、特定の商品の用途等を表示するものではない。よって、本願商標は、その指定商品との関係において、何ら品質の誤認を生じさせるものではない。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第16号の規定に該当するものでない。 3 結論 以上、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号の規定に該当するものではない。 第5 当審の判断 1 商標法第3条第1項第3号の該当性について 本願商標は、別掲のとおり、人体の太ももからふくらはぎ上部を黒色のシルエットで表わし、その膝部分を、濃い灰色で表わした図形よりなるものである。 そして、上記第3で示した証拠調べ通知書に記載のとおり、本願の指定商品中「薬剤」を扱う業界においては、商品の包装用箱等に人体の図形が、また、パップ剤においてはそれが人体に貼られた状態の図形が商品の使用の方法、用途等を表わすものとして一般的に採択、使用されている実情にあるということができる。 そうとすると、本願商標は、これをその指定商品中「パップ剤その他のシート状薬剤」に使用するときは、これに接する取引者、需要者が、かかる図形をその商品がパップ剤であること、及び頸部に貼って使用するものであることを表わしたもの、すなわち商品の品質、使用方法、用途等を表示したものと理解するに止まり、自他商品の識別標識として認識し得ないものと判断するのが相当であり、かつ、「上記以外の薬剤,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,創傷被覆材,失禁用おしめ」に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものというのが相当である。 2 請求人の主張について (1)請求人は、証拠調べ通知書に示された使用の事実は、商品の用途等を表したと容易に理解できるものであるのに対し、本願商標は、その構成がシンプルな曲線をもって極めて簡素化、抽象化して描かれている旨主張する。さらに、長方形状図形の色彩は、人体の脚を表した図形の色彩が極めて近いため、その境界が曖昧であり、注意深く観察しなれば、該長方形状図形を認識することは困難である。商品の用法等を表示する図形は、写実的、或いは、患部が人体図形とは明確に異なる色彩をもって描かれてなるものであるから、これと相反する構成要件の本願商標は、一般に商品の用法等を表示する図形とはいえない特殊な図形である。加えて、本願商標中の円図形は構成全体として、特異な視覚的効果を表現しており、色彩を含めて特殊にデザイン処理された図形商標であって本願指定商品に使用したとしても、十分に識別標識として機能し得る旨主張する。 しかしながら、本願商標は、ある程度簡素化、抽象化して描かれてはいるが、人体の太ももからふくらはぎ上部を表し、その膝部分にシート状のものが貼られていると認識されるものであり、普通に用いられる方法の範囲で表されたものであって、自他商品の識別標識として機能し得る程に特徴があるものとはいえないものと判断するのが相当である。 なお、本願商標の指定商品との関係で、例えば、「肌の色に近く目立たないシート状薬剤」も存在していることから、本願商標は、長方形状図形の境界が曖昧であるとしても、品質等を表しているものと理解されるというのが相当である。 (2)また、商標が自他商品の識別機能を有するか否かの判断については、当該商標が指定商品の品質表示として一般的に使用されている事実の有無も重要な判断基準であるところ、本願商標のような色彩をも含めた構成からなる図形商標が、「シート状の薬剤」の品質表示として一般的に使用されている事実は発見できない旨主張する。 しかしながら、商標法第3条第1項第3号は、取引者、需要者に指定商品の品質等を示すものとして認識され得る表示態様の商標につき、それ故に登録を受けることができないとしたものであって、該表示態様が、商品の品質を表すものとして必ず使用されるものであるとか、現実に使用されている等の事実は、同号の適用において必ずしも要求されないものと解すべきである(平成12年(行ケ)第76号、東京高裁平成12年9月4日判決言渡参照)から、たとえ、本願商標が、その指定商品を取り扱う業界において、商品の品質を表示するものとして使用されている事実がなくとも、上述1の判断の妨げになるものではない。 (3)さらに、薬剤を取り扱う分野において、商標やパッケージを模倣した商品が増大する傾向が指摘されており、これは、商品の包装用箱に描かれた図形部分が、その形態及び色彩の特徴によって識別性が生じており、意図的に出所の混同が引き起こされている実情がある。かかる状況を考慮し、本願商標は登録されるべきである旨主張する。 しかしながら、本願商標が自他商品の識別力を有しないことは、上記認定のとおりであり、意図的に出所混同が引き起こされているという実情があるからといって、本願商標を登録して良いことにはならない。 (4)上記(1)ないし(3)のとおり、本願商標は、特定の商品の用途等を表示するものではないから、その指定商品との関係において、何ら品質の誤認を生じさせるものではない旨主張する。 しかしながら、本願商標が、商品の品質等を表示するものであることは上述1のとおりであるから、これをその指定商品中、上記品質等に照応する商品以外の商品に使用したときには、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるものといわなければならない。 (5)さらにまた、薬剤を取り扱う分野において、商標やパッケージの保護の必要性から、数多くの出願がなされ、登録例も数多く存在し、本願もこれらと同様に判断されるべきである旨主張する。 しかしながら、既登録例は、商標と指定商品との関係、商標のデザイン性等について個別具体的に判断された結果であって、本願とは事案を異にするものである上、既登録商標の存在が、ただちに本願商標が自他商品の識別標識として機能するか否かの判断を拘束するものではないから、この主張も採用することができない。 したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって取り消すべきでない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲 |
審理終結日 | 2009-09-04 |
結審通知日 | 2009-09-07 |
審決日 | 2009-09-28 |
出願番号 | 商願2008-15771(T2008-15771) |
審決分類 |
T
1
8・
13-
Z
(X05)
T 1 8・ 272- Z (X05) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 前山 るり子 |
特許庁審判長 |
森吉 正美 |
特許庁審判官 |
馬場 秀敏 小畑 恵一 |
代理人 | 長谷川 芳樹 |
代理人 | 黒川 朋也 |
代理人 | 佐藤 英二 |
代理人 | 上原 空也 |
代理人 | 工藤 莞司 |