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審決分類 |
審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない 025 |
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管理番号 | 1208174 |
審判番号 | 取消2009-300175 |
総通号数 | 121 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2010-01-29 |
種別 | 商標取消の審決 |
審判請求日 | 2009-02-03 |
確定日 | 2009-11-09 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第3102745号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第3102745号商標(以下「本件商標」という。)は、「エトセトラ」及び「ETCETERA」の文字を上下二段に横書きしてなり、平成4年10月28日に登録出願、第25類「履物」を指定商品として同7年12月26日に設定登録され、その後、同17年7月12日に商標権の存続期間の更新登録がされ、現に有効に存続しているものである。 また、本件審判の請求の登録日は平成21年2月20日である。 2 請求人の主張の要点 請求人は、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1証を提出している。 請求人の調査によれば、被請求人は、本件商標を、本件商標の指定商品「履物」について、継続して3年以上使用していない。 また、商標登録原簿によれば専用使用権者、通常使用権者は存在せず、未登録の通常使用権者が継続して3年以上使用している事実も見当たらない。 してみれば、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により、その登録を取り消されるべきものである。 3 被請求人の答弁の要点 被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1ないし第5号証(枝番を含む。)を提出している。 (1)本件商標の使用について (ア)標章「ETCETERA(エトセトラ)」(以下「使用商標」という。)の使用 被請求人は、2005年1月25日に標章「ETCETERA エトセトラ」を記載した靴に係る商品価格表(乙第1号証)を、2005年夏季に使用商標を記載した靴に係るカタログ(乙第2号証)を、それぞれ作成し、2006年5月23日から2007年4月18日にかけて、それらの商品価格表及びカタログを配布すると共に、靴の販売を行った。 (イ)その販売に係る納品書(乙第3号証の1ないし10)には、品番号「4061」、「4072」、「4074」等が記載されているが、これらの品番号は、商品価格表における「4060番台」、「4070番台」の記載、及びカタログにおける「4061」、「4072」、「4074」の品番号に対応している。このことは、靴に係る上記カタログが、2006年5月23日から2007年4月18日にかけて配布されたことを裏付ける。なお、商品価格表においては価格が1700円と記載されているのに対し、納品書においては価格が1300円、1200円、又は500円と記載されているのは、商品価格表作成時(2005年1月25日)に製造した商品を在庫処分として2006年又は2007年に販売したため、総じて商品の価格が下がっていることによる。また、カタログにおける「OPN-参39」という表記の「OPN」は「OPEN価格」を意味し、これが商品価格表においては「OP参39」という表記に変更されているのは、限られた紙面スペース内に収めるために短縮したことによる。 (ウ)上記のように被請求人が商品販売に当たりカタログを配布する行為は、商品に関する広告に標章を付して展示し、若しくは頒布する行為(商標法第2条第3項第8号)に当たり、使用商標の使用に該当する(商標法第2条第3項柱書き)。 (エ)また、被請求人は、2006年1月25日に標章「etcetera エトセトラ」を記載した靴に係る商品価格表(乙第4号証)を、2006年夏季に使用商標を記載した靴に係るカタログ(乙第5号証)を、それぞれ作成し2006年夏季にそれらを配布した。被請求人がかかるカタログを配布する行為は、上記と同様、商品に関する広告に標章を付して展示し、若しくは頒布する行為(商標法第2条第3項第8号)に当たり、使用商標の使用に該当する(商標法第2条第3項柱書き)。 (2)使用商標と本件商標の同一性について 本件商標は、ローマ字「ETCETERA」と、その上に読み仮名「エトセトラ」を付した構成からなる商標である。そして、使用商標は、同じくローマ字「ETCETERA」と、その右横に読み仮名「エトセトラ」を括弧書きで付した構成からなる商標である。カタログヘの記載にはデザイン上の制約があることと、使用商標のように、ローマ字の後ろにその読み仮名を括弧書きで付することは取引実情において少なからず行われるものであることを考慮すると、ローマ字「ETCETERA」と、その右横に読み仮名「エトセトラ」を括弧書きで付した使用商標は、読み仮名付記の一応用例として、ローマ字「ETCETERA」と、その上に読み仮名「エトセトラ」を付した本件商標と同等のものであるといえる。 したがって、使用商標は、本願商標と社会通念上同一の商標と判断されて然るべきである。 (3)小括 以上より、被請求人がカタログを配布する上記行為は、商品「靴」に関する広告に本件商標を付して展示し、若しくは頒布する行為(商標法第2条第3項第8号)に当たり、本件商標の使用に該当する(商標法第2条第3項柱書き)。 (4)まとめ 以上のとおり、本件商標は、被請求人により、その指定商品について本件審判請求の予告登録前3年以内に使用されていたものである。 したがって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものではない。 よって、本件審判の請求は成り立たない。 4 当審の判断 (1)被請求人の提出に係る証拠によれば、以下の事実が認められる。 (ア)乙第1号証は、被請求人による2005年1月25日付けの「2005年夏物価格表」の写しと認められるところ、該価格表には、「サンダル」の見出しの下に、品番、内容、サイズ、上代、下代及び備考の各項目に対応して「4050番台 PUスポーツサンダル S-L OP参39 1700円 ETCETERA エトセトラ4月中」、「4060番台 PUサンダルヒールタイプ S-LL OP参39 1700円 ETCETERA エトセトラ4月中」、「4070番台 PUサンダルウッドヒールタイプ S-LL OP参39 1700円 ETCETERA エトセトラ4月中」、「4150番台 ボンディングレザーサンダル S-L OP参39 1700円 ETCETERA エトセトラ4月中」等と記載されている。 (イ)乙第2号証は、被請求人による2005年版の商品カタログの写しと認められるところ、その1枚目に「ETCETERA(エトセトラ)」の表題の下に、商品「サンダル」の写真が掲載され、各商品に対応して「OPN-参39」、「4060」、「4061」、「4063」、「4071」、「4072」、「4156」等の品番が記載されている。 (ウ)乙第3号証の1ないし10は、いずれも、被請求人が得意先に宛てて、2006年5月23日から2007年4月18日の間に発行した「納品書(控)」の写しと認められるところ、それぞれの品番の欄に「4061」、「4072」、「4074」等と記載され、「色」、「サイズ」、「数量」、「金額」等の欄にそれぞれに対応する数字が記載されている。 上記期間は、本件審判の請求の登録日前3年以内の期間に該当するものである。また、上記品番欄に記載された数字は、乙第2号証の商品カタログに記載された品番と一致しており、乙第2号証の商品カタログに掲載された商品を示すものとみて差し支えない。 (エ)乙第4号証は、被請求人による2006年1月25日付けの「2006年春夏物価格表」の写しと認められるところ、該価格表には、「etcetera エトセトラ」の見出しの下に、品番、内容、サイズ、上代、下代及び備考の各項目に対応して「4320台 エルク皮サンダル+EVAインジェクション底 S-LL OP参39 1700円 カンボジア 5月末日頃」、「4050台 人工皮革サンダル+EVA加工ウエッジ底 S-LL OP参50 2100円 中国 4月21日頃」と記載されている。 (オ)乙第5号証は、被請求人による2006年版の商品カタログの写しと認められるところ、その2枚目に「ETCETERA(エトセトラ)」の表題の下に、商品「サンダル」の写真が掲載され、各商品に対応して「OPN-参39」、「4322」、「4325」、「4050」、「4051」、「4052」等の品番が記載されている。 (カ)乙第1及び第4号証の価格表に記載された「ETCETERA エトセトラ」又は「etcetera エトセトラ」の表示、並びに乙第2及び第5号証の商品カタログに記載された「ETCETERA(エトセトラ)」の表示は、いずれも本件商標と社会通念上同一といえるものである。 (2)上記(1)の認定事実によれば、被請求人は、本件商標と社会通念上同一といえる商標を表示した乙第1及び第4号証の価格表並びに乙第2及び第5号証の商品カタログを用いて、2006年5月23日から2007年4月18日の間に、上記価格表及び商品カタログに掲載された商品「サンダル」の販売を行ったものとみるのが自然である。 そうすると、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、その指定商品に属する商品「サンダル」について、商標権者(被請求人)により使用されていたものというべきである。 (3)したがって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により、その登録を取り消されるべき限りでない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2009-09-08 |
結審通知日 | 2009-09-10 |
審決日 | 2009-09-28 |
出願番号 | 商願平4-307293 |
審決分類 |
T
1
31・
1-
Y
(025)
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最終処分 | 不成立 |
特許庁審判長 |
井岡 賢一 |
特許庁審判官 |
末武 久佳 田村 正明 |
登録日 | 1995-12-26 |
登録番号 | 商標登録第3102745号(T3102745) |
商標の称呼 | エトセトラ |
代理人 | 特許業務法人 有古特許事務所 |
代理人 | 藁科 孝雄 |