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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 X35
審判 全部申立て  登録を維持 X35
審判 全部申立て  登録を維持 X35
審判 全部申立て  登録を維持 X35
管理番号 1206848 
異議申立番号 異議2008-900391 
総通号数 120 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2009-12-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 2008-09-29 
確定日 2009-10-26 
異議申立件数
事件の表示 登録第5146813号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5146813号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件登録第5146813号商標(以下「本件商標」という。)は、「FIORENTINO」の欧文字を標準文字で表してなり、平成19年4月12日に登録出願、第35類「靴類(「靴あわせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。)・げた及び草履類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,ガーター・靴下止め・ズボンつり・バンド・ベルト・腕止め及び頭飾品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,広告,ウェブサイト上の広告スペースの提供又は貸与,トレーディングスタンプの発行,経営の診断又は経営に関する助言,市場調査,商品の販売に関する情報の提供,競売の運営,輸出入に関する事務の代理又は代行」を指定役務として、同20年6月16日に登録査定、同月27日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する国際登録第846089号商標(以下「引用商標」という。)は、「FLORENTINO」の欧文字を書してなり、2004年12月1日を国際登録の日とし、我が国において第25類「Ready-made clothing for women, men and children and footwear (except orthopaedic), headwear.」を指定商品として、平成18年1月13日に設定登録され、その後、同年6月20日を事後指定の日とし、第3類「Bleaching preparations and other substances for laundry use; cleaning, polishing, scouring and abrasive preparations; soaps; perfumery, essential oils, cosmetics; hair lotions and dentifrices; deodorants for personal use.」及び第35類「Operating and management assistance services for companies and businesses, including for dressmaking in general.」を指定商品及び指定役務として、同20年2月15日に設定登録されたものである。

3 本件登録異議の申立ての理由
申立人は、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第6号証を提出した。
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
本件商標は、引用商標と、その構成文字中「F」「O」「R」「E」「N」「T」「I」「N」「O」の9文字が共通し、差異部分である「I」と「L」さえ、外観上近似した印象を与えるものである。両商標の称呼、観念、外観を総合的に判断すれば、両商標は相紛れるおそれがある類似の商標である。
また、本件商標の指定役務と引用商標の指定商品・指定役務は類似である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第15号該当性について
引用商標は、Florentino社が、「被服」及び「香水」に使用し、「男性用被服」において、少なくとも当該製品の需要者及び取引者の間で広く知られているというべきであり、また、その著名性は、本件商標の登録日又は出願日はもちろん、現在に至るまで維持されている。
本件商標は、Florentino社の使用する商標と類似した商標であり、本件商標の指定役務と使用商標に係る商品は、いずれもファッションに関連する、密接な関連性を有する役務であるため、本件商標をその指定役務に使用した場合、需要者、取引者の間に混同を生じるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
(3)商標法第4条第1項第19号該当性について
引用商標は、上述のとおり、Florentino社が使用し、スペインのみならず国際的に知られているといえる。商標権者は、海外直営店から直接商品を買い付けて日本において販売する業務を行っている。いわゆる海外の有名ブランド品の輸入販売を業とし、そのようなブランド品を買い付ける機会を通じて引用商標の著名性を知り得る立場にある商標権者が、引用商標に紛らわしい本件商標を採択し保有することは、他人の名声に便乗して不正の利益を得る目的及び他人に損害を与える目的等の不正の目的が推認される。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当する。

4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、「FIORENTINO」の欧文字を書してなるものであるから、該文字より「フィオレンチーノ」の称呼を生じ、格別の観念を有するものではない。
引用商標は、「FLORENTINO」の欧文字を書してなるものであるから、該文字より「フロレンチーノ」の称呼を生じ、同じく格別の観念を有するものではない。
そこで、本件商標と引用商標の類否についてみてみるに、まず外観においては、本件商標と引用商標とは、いずれも欧文字10文字からなり、第2文字目において「I」と「L」が相違し、その余の綴り字をすべて共通にするものであるから、外観上近似した印象を与えるものの、一般に文字商標にあっては、その読み方を考えながらみるというべきであるから、上記差異により、外観上区別され得るものである。
次に、称呼についてみてみると、本件商標から生ずる「フィオレンチーノ」の称呼と引用商標より生ずる「フロレンチーノ」の称呼とは、明確に聴取される語頭部において「フィオ」と「フロ」の差異を有するものであり、そして、該差異音はその音質を明らかに異にするものであるから、両者をそれぞれ一連に称呼しても相紛れるおそれはない。
また、本件商標と引用商標は、いずれも観念を有するものでないから、観念において比較すべきもない。
そうとすると、本件商標と引用商標とは、外観において近似するところはあるものの,区別することができるものであり、称呼において明確に区別され、相紛れるおそれはなく、観念も比較すべくもないものであるから、外観、称呼及び観念を総合して判断すると、両者は相紛れるおそれのない非類似の商標というのが相当である。
したがって、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)商標法第4条第1項第15号及び同第19号について
本件商標と引用商標とは、上記(1)で認定、判断したとおり、相紛れるおそれのない非類似の商標といえるものであり、加えて、引用商標が著名性を獲得しているとして提出された証拠(甲第3号証ないし甲第5号証)は、いずれもFlorentino社のウェブサイトであって、これらの証拠によっては、同社の使用商標が使用をされた結果、需要者の間に広く認識されているものとは認めることができない。
してみれば、本件商標をその指定商品に使用しても、Florentino社の使用商標との関係で、商品の出所について混同を生ずるおそれはなく、さらに、本件商標は、不正の利益を得る目的をもって出願されたものとは認められない。
してみれば、本件商標は、商標法第4条第1項第15号及び同第19号に該当するものでもない。
(3)結び
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同第19号に違反して登録されたものでないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2009-10-08 
出願番号 商願2007-36492(T2007-36492) 
審決分類 T 1 651・ 261- Y (X35)
T 1 651・ 262- Y (X35)
T 1 651・ 271- Y (X35)
T 1 651・ 222- Y (X35)
最終処分 維持  
前審関与審査官 田中 亨子原田 信彦 
特許庁審判長 芦葉 松美
特許庁審判官 榎本 政実
内山 進
登録日 2008-06-27 
登録番号 商標登録第5146813号(T5146813) 
権利者 有限会社FIORENTINO
商標の称呼 フィオレンティーノ 
代理人 勝見 元博 
代理人 鮫島 睦 
代理人 田中 光雄 
代理人 藤木 重一 
代理人 寺田 花子 

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