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審決分類 |
審判 査定不服 外観類似 登録しない X35 審判 査定不服 称呼類似 登録しない X35 審判 査定不服 観念類似 登録しない X35 |
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管理番号 | 1206795 |
審判番号 | 不服2009-6159 |
総通号数 | 120 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2009-12-25 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2009-03-23 |
確定日 | 2009-11-04 |
事件の表示 | 商願2007- 30115拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1 本願商標 本願商標は、「ALL STAR」の欧文字を標準文字で表してなり、第35類に属する願書に記載のとおりの役務を指定役務として、平成19年4月1日に登録出願、その後、指定役務については、原審における同20年4月1日付け手続補正書により、第35類「インターネットによる広告,インターネット上での広告スペースの貸与,商品の販売に関する情報の提供,衣料品・飲食料品及び生活用品に係る各種商品を一括して取り扱う小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,織物及び寝具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,履物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,家具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,薬剤及び医療補助品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,化粧品・歯磨き及びせっけん類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,紙類及び文房具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,楽器及びレコードの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,時計及び眼鏡の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,たばこ及び喫煙用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,宝玉及びその模造品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,犬用鎖・愛玩動物用被服類・愛玩動物用ベッド・犬小屋・小鳥用巣箱・愛玩動物用食器・愛玩動物用ブラシ・犬のおしゃぶり・観賞魚用水槽及びその附属品・小鳥かご・小鳥用水盤・愛玩動物用おもちゃの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」に補正されたものである。 第2 原査定の拒絶の理由の要点 原査定は、「本願商標は、登録第4388932号商標(以下「引用商標1」という。)及び登録第4413593号商標(以下「引用商標2」という。)(以下「引用商標1」と「引用商標2」をまとめていうときは、「引用各商標」という。)と同一又は類似の商標であって、同一又は類似の商品及び役務について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 そして、引用商標1は、別掲1に示すとおりの構成よりなり、平成11年8月26日に登録出願、第9類「メトロノーム,電子応用機械器具及びその部品,携帯電話用ストラップ,電池,眼鏡,ウェイトベルト,ウェットスーツ,浮袋,エアタンク,水泳用浮き板,レギュレーター」、第16類「紙類,雑誌,新聞,事務用または家庭用ののり及び接着剤,紙製包装用容器」、第28類「囲碁用具,将棋用具,さいころ,ダイスカップ,チェス用具,ドミノ用具,ビリヤード用具」及び第41類「美術品の展示」を指定商品及び指定役務として、同12年6月2日に設定登録、その後、同15年11月12日付けで無効審判の請求があり、その結果、指定商品中第9類「ウェイトベルト,ウェットスーツ,浮袋,エアタンク,水泳用浮き板,レギュレーター」について登録を無効とする旨の審決がされ、同16年12月27日にその確定登録がなされたものである。 また、引用商標2は、別掲1に示すとおりの構成よりなり、平成11年8月26日に登録出願された平成11年商標登録願第76834号(引用商標1)を原出願とする、商標法第10条第1項の規定による分割出願として、同12年3月3日に登録出願、第9類「スロットマシン」、第16類「書画,文房具類,写真立て」、第28類「遊戯用器具,すごろく,チェッカー用具,手品用具,おもちゃ(ただし,「液晶表示付きおもちゃ」を除く。),人形」及び第41類「プロレスを内容とするテレビゲームイベントの企画・運営又は開催,おもちゃの貸与,遊園地用機械器具の貸与,遊戯用器具の貸与,演劇の演出又は上映,音楽の演奏,図書及び記録の供覧」を指定商品及び指定役務として、同12年9月1日に設定登録されたものである。 なお、引用各商標は、現に有効に存続しているものである。 第3 当審の判断 1 本願商標と引用各商標の類否について 本願商標は、「ALL STAR」の欧文字を書してなるものであるから、該文字部分より、「オールスター」の称呼を生じ、かつ、「人気俳優総出演」等の観念を生ずるものである。 他方、引用各商標は、ややグラデーションが施された黒色横長長方形(以下「図形」という。)内に、大きく「ALL STAR」(構成中の「L」と「L」の文字は重なり、最初の「A」の文字より小さく書されている。また、「T」の文字は、「S」の文字の右斜め上に配され、「T」に続く「AR」の文字は、「T」の文字より右肩下がりに順に書されている。以下同じ。)の文字を配し、その文字の下に、小さく「PRO-WRESTLING」の欧文字を書し、当該文字の下に下線を配してなるものである。 そして、その構成文字部分は、橙色の濃淡を施してなるものである。 しかして、引用各商標の文字部分と図形とが、全体として、なんらかの特定の意味合いを看取させる等、常に不可分一体のものとしてのみ観察されなければならないとすべき特段の事情は認められない。 また、引用各商標の構成文字が、一連でなんらかの特定の意味合いを看取させる等、これらを常に不可分一体のものとしてのみ観察されなければならないとするべき特段の事情も認められない。 さらに、「ALL STAR」と「PRO-WRESTLING」の文字とは、文字の大きさが異なることから、視覚上、分離して認識し、把握され易く、かつ、構成文字全体から生ずる「オールスタープロレスリング」の称呼は、やや冗長である。 そうとすれば、簡易迅速を尊ぶ取引の実際にあっては、引用各商標に接する取引者、需要者は、大きく書された「ALL STAR」の文字部分に印象を留め、これより生ずる称呼をもって取引に資する場合も決して少なくないというべきである。 してみれば、引用各商標は、構成文字全体に相応した「オールスタープロレスリング」の一連の称呼のほか、「ALL STAR」の文字部分に相応した「オールスター」の称呼をも生じ、かつ、「人気俳優総出演の, 花形選手総出場の」等の観念を生ずるものである。 そこで、本願商標と引用各商標とを比較するに、本願商標「ALL STAR」の文字と引用各商標の構成中の「ALL STAR」の文字より生ずる「オールスター」の称呼及び「人気俳優総出演の, 花形選手総出場の」等の観念は同一であり、両商標は、称呼及び観念を共通にするものである。 また、本願商標「ALL STAR」は、引用各商標中の「ALL STAR」と、その綴りを同じくするものであるから、外観上も近似するとみるのが相当である。 そして、本願商標の指定役務中「紙類及び文房具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,楽器及びレコードの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,時計及び眼鏡の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」と引用商標1の指定商品中第9類「メトロノーム,眼鏡」及び第16類「紙類」、引用商標2の指定商品中第16類「文房具類」は、商品の製造・販売と役務の提供が同一事業者によって行われることが一般的であり、商品の販売場所と役務の提供場所を同一にし、さらに、需要者を共通にするものである。 よって、本願商標の指定役務中「紙類及び文房具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,楽器及びレコードの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,時計及び眼鏡の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」と引用商標1の指定商品中第9類「メトロノーム,眼鏡」及び第16類「紙類」、引用商標2の指定商品中第16類「文房具類」は類似するものである。 してみれば、本願商標をその指定役務中「紙類及び文房具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,楽器及びレコードの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,時計及び眼鏡の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」に使用した場合は、その出所について誤認混同を生ずるおそれがあると認められることから、本願商標と引用各商標とは類似の商標といわざるを得ない。 2 請求人(出願人)(以下「請求人」という。)の主張について (1)請求人は、「別掲2に示すとおりの構成よりなる登録第4531725号商標(以下「登録商標」という。)と引用商標1は併存している。この事実は、引用商標1が、『オールスタープロレスリング』とのみ称呼され、登録商標と引用商標1は非類似であると判断されたことを示すことに他ならない。この判断に基づくと、本願商標と引用商標1及び2も当然非類似と判断されるべきである。」旨主張する。 しかしながら、本願商標と引用各商標との類否判断は、両商標について個別具体的に行えば足り、過去の審決例等の判断に拘束されることなく検討されるべきものであるから、請求人の主張は採用できない。 (2)請求人は、「『ALL STAR』は、世界的に有名なスニーカーのメーカーである『コンバース社』が展開するスニーカーのシリーズ名称で、『ALL STAR』シリーズのスニーカーの累積販売数は、2005年時点で世界で8億足で、日本でも、約30年前から今日に至るまで、53ものモデル数が販売されている。この事実から、本願商標『ALL STAR』は、『コンバース社』が展開するスニーカーのシリーズ名称としての印象を需要者に与えるものである。他方、引用各商標は、ゲームソフトの名称であり、当該ゲームは、2000年から2003年にわたって、ゲームソフトの売り上げランキングの上位を占めていることから、引用各商標は、ゲームソフトの名称として、一般的に広く知られていることは明らかである。したがって、本願商標と引用各商標とは、需要者に異なる印象を与える非類似の商標である。」旨主張する。 そこで、請求人提出の証拠資料(第8号証ないし第18号証)を参照するに、コンバース社の製造に係る商品「スニーカー」について、「ALL STAR」等の文字が実際に使用されていること(第8号証ないし第11号証、第13号証及び第14号証)及び2008年4月20日付け産経新聞の記事情報によると、「一つ星のアングルパッチで有名な『オールスター』は全世界の累積販売数(2005年時点)が計8億足、日本でも約30年前に発売されて以来、代表的なカジュアルシューズとして親しまれてきた。」と記載さていること(第12号証)は認められる。 しかしながら、請求人は、「ALL STAR」等の標章を付した「スニーカー」が、日本国内において、どの程度の数量を販売し、どの位の市場占有率であるのか、さらに、これに関する宣伝・広告等が行われた結果、本願商標が著名であると認識するものである等の事実関係を、客観的に証明しうる資料を提出していない。 したがって、請求人の提出による証拠資料によっては、本願商標が、その指定役務との関係において、一般に広く知られているものとは、直ちに認めることができない。 さらに、請求人とコンバース社とは同一人ではなく、また、請求人がコンバース社といかなる関係を有する者であるかも明らかではない。 また、2000年6月30日付け及び2001年12月28日付け朝日新聞、2003年8月16日付け北海道新聞の記事によると、「オールスター・プロレスリング」「オールスター・プロレスリング2」及び「オールスタープロレスリング3」(『3』はローマ数字)のタイトルのゲームソフトが、売り上げの上位10位に入っていること(第15号証ないし第17号証)及び2001年8月16日付け日経産業新聞の記事情報によると、「ゲーム大手のスクウェアは、家庭用ゲーム機『プレイステーション2』向けのプロレスゲームの最新作『オールスタープロレスリング2』(『2』はローマ数字)を今年冬に発売する。」と記載されていること(第18号証)は認められる。 しかしながら、請求人は、「オールスター・プロレスリング」等の標章を付した「ゲームソフト」が、いかなる期間に、どの程度の数量が販売され、ゲームソフトの分野において、どの位の市場占有率があるのか、あるいは、これに関する宣伝・広告等が行われた結果、需要者が引用各商標を著名であると認識するものである等の事実関係を、客観的に証明しうる資料を提出していない。 してみると、請求人の提出による証拠資料によっては、「オールスター・プロレスリング」等の名称の「ゲームソフト」が、一般に広く知られているものとは、直ちに認めることができず、引用各願商標をその指定商品に使用しても、需要者に、商品「ゲームソフト」に付された著名な商標であるとの印象を与えるものとはいえない。 したがって、本願商標が、商品「スニーカー」に付され需要者等に広く知られ、かつ、引用各商標が商品「ゲームソフト」に使用され、需要者等に広く知られていることを前提に、本願商標と引用各商標が類似しないとする請求人の主張は、採用することができない。 (3)その他、請求人の主張をもってしても、原査定の拒絶の理由を覆すに足りない。 3 結論 以上によれば、本願商標は商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲1 引用各商標(色彩については、原本を参照されたい。) 別掲2 登録第4531725号商標 |
審理終結日 | 2009-09-04 |
結審通知日 | 2009-09-07 |
審決日 | 2009-09-18 |
出願番号 | 商願2007-30115(T2007-30115) |
審決分類 |
T
1
8・
262-
Z
(X35)
T 1 8・ 263- Z (X35) T 1 8・ 261- Z (X35) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 久保田 正文 |
特許庁審判長 |
野口 美代子 |
特許庁審判官 |
小川 きみえ 豊田 純一 |
商標の称呼 | オールスター |
代理人 | 森田 俊雄 |
代理人 | 深見 久郎 |
代理人 | 野田 久登 |
代理人 | 竹内 耕三 |