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審決分類 |
審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 X03 |
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管理番号 | 1206787 |
審判番号 | 不服2009-10766 |
総通号数 | 120 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2009-12-25 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2009-06-08 |
確定日 | 2009-11-24 |
事件の表示 | 商願2007- 33290拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「HYDRA LUSTRE LIPSTICK」の文字を書してなり、第3類「口紅,リップグロス,リップバーム,その他の唇用化粧品」を指定商品として、平成19年4月5日に登録出願されたものである。 2 引用商標 本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりであり、その商標権はいずれも現に有効に存続しているものである。 (1)登録第4692533号商標(以下「引用商標1」という。)は、「HYDRA 24H」の文字を標準文字で表してなり、平成14年6月18日に登録出願、第3類「せっけん類,化粧品,香料類,つけづめ,つけまつ毛」を指定商品として、同15年7月18日に設定登録されたものである。 (2)登録第4768028号商標(以下「引用商標2」という。)は、「HYDRA COOL」の文字を標準文字で表してなり、平成15年9月11日に登録出願、第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,香料類,つけづめ,つけまつ毛」を指定商品として、同16年4月30日に設定登録されたものである。 (以下、引用商標1及び引用商標2をまとめていうときは「引用商標」という。) 3 当審の判断 本願商標は、「HYDRA LUSTRE LIPSTICK」の文字を書してなるところ、「HYDRA」「LUSTRE」「LIPSTICK」のそれぞれの文字の間に半角文字程度の間隔があるとしても、同一の書体、同一の大きさで表されていることからすれば、外観上まとまりよく一体に構成されているものである。 ところで、本願商標を構成する「HYDRA」の文字は、「(ギリシャ神話)のヒュドラ、ヒドラ」等(ランダムハウス英和大辞典)の意味する英語であって「ハイドラ」と発音されるものであり、また、本願の指定商品を取り扱う分野において仏語が比較的使用されることを考慮すれば、「水,水素」(ロベール仏和大辞典)を意味し、「hydr(o)-」を接頭辞として合成語をつくり、例えば、「hydratant」(意味:【美容】(肌などに)水分を補給する,潤いを与える)や「hydrater」(意味:〔皮膚などの組織〕に水分を補給する)などの語が認められることから、仏語で「イドラ」と発音されるものである。 また、「LUSTRE」の文字は、英語並びに仏語において、「光沢,艶(つや)」等(ランダムハウス英和大辞典、ロベール仏和大辞典)を意味し、英語では「ラスター」と発音されるものであり、仏語では「リュストル」と発音されるものである。 そして、「LIPSTICK」の文字は、「口紅」を意味する英語であって「リップスティック」と発音されるものである。 そこで、本願商標から生ずる称呼について検討するに、本願の指定商品を取り扱う分野において仏語が比較的使用される傾向にあることを考慮したとしても、これに接する取引者・需要者が一見して直ちに、構成中の「HYDRA」及び「LUSTRE」の文字部分を仏語として認識するとはいい難いものであるばかりでなく、前記両文字が仏語としての意味合いを認識し理解することができるほどに親しまれた語を表したものとはいい難く、仏和辞典を繙くことにより、ようやくその意味合いを理解し得るに止まるものというべきである。 そうすると、我が国において最も普及している外国語である英語の発音方法に倣い、その構成文字全体から「ハイドララスターリップスティック」又は「ヒドララスターリップスティック」の一連の称呼が生ずることを否定するものではないが、その称呼がやや冗長であるため、簡易迅速を旨とする商取引においては、本願指定商品との関係において、商品の名称を表示する部分であり、自他商品の識別標識として機能を有しない「LIPSTICK」の文字部分を省略して取引に資するものと判断するのが相当であるから、「HYDRA LUSTRE」の文字部分に相応して、「ハイドララスター」又は「ヒドララスター」の称呼をも生ずるものである。 また、原審において、構成中の「LUSTRE LIPSTICK」の文字が、「光沢のある口紅」の意味合いを有するとして、自他商品の識別機能を有しないか又は極めて弱いとする点について、当審において職権をもって調査するも、これより、原審説示の意味合いを暗示させるとしても、「LUSTRE LIPSTICK」の文字が、本願の指定商品を取り扱う分野において、商品の品質を表示するものとして取引上、一般的に使用されているという事実は見いだすことはできなかった。 そうとすれば、本願商標から「ヒドラ」の称呼をも生ずるとし、そのうえで、本願商標と引用商標が称呼において類似するとした原査定の認定、判断は、妥当ということができない。 したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。 その他、政令で定める期間内に、本願について拒絶の理由を発見しない。 よって、結論のとおり、審決する。 |
審決日 | 2009-11-11 |
出願番号 | 商願2007-33290(T2007-33290) |
審決分類 |
T
1
8・
262-
WY
(X03)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 箕輪 秀人 |
特許庁審判長 |
鈴木 修 |
特許庁審判官 |
小畑 恵一 大島 康浩 |
商標の称呼 | ヒドララスターリップスティック、ヒドララスター、ヒドラ、ラスターリップスティック、ラスター、ハイドララスター、ハイドラ |
代理人 | 下坂 スミ子 |
代理人 | 中山 俊彦 |
代理人 | 福島 栄一 |