• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 称呼類似 登録しない X07
管理番号 1206773 
審判番号 不服2009-5577 
総通号数 120 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2009-12-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2009-03-13 
確定日 2009-10-29 
事件の表示 商願2008- 1457拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「Mebius」の欧文字で書してなり、第7類「製材用・木工用又は合板用の機械器具並びにその部品及び付属品」を指定商品として、平成20年1月11日に登録出願されたものである。

2 引用商標
原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録第4240819号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成9年10月30日登録出願、第7類「金属加工機械器具,鉱山機械器具,土木機械器具,荷役機械器具,化学機械器具,繊維機械器具,食料加工用又は飲料加工用の機械器具,製材用・木工用又は合板用の機械器具,パルプ製造用・製紙用又は紙工用の機械器具,印刷用又は製本用の機械器具,包装用機械器具,プラスチック加工機械器具,半導体製造装置,ゴム製品製造機械器具,石材加工機械器具,動力機械器具(陸上の乗物用のものを除く。),水車,風車,風水力機械器具,農業用機械器具,漁業用機械器具,ミシン,ガラス器製造機械,靴製造機械,製革機械,たばこ製造機械,機械式の接着テープディスペンサー,自動スタンプ打ち器,機械式駐車装置,芝刈機,修繕用機械器具,電動式カーテン引き装置,陶工用ろくろ,塗装機械器具,乗物用洗浄機,廃棄物圧縮装置,廃棄物破砕装置,機械要素(陸上の乗物用のものを除く。)」を指定商品として、同11年2月12日に設定登録され、その後、商標登録の一部取消し審判により、指定商品中「化学機械器具,食料加工用又は飲料加工用の機械器具」について取り消すべき旨の審決がされ、同20年1月29日にその審判の確定登録がされ、さらに、同21年3月3日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。

3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本願商標は、前記1のとおり、「Mebius」の欧文字からなるものであるから、その構成文字に相応して、「メビウス」の称呼を生ずるものであり、また、これよりは、特定の観念を生じさせないものである。
一方、引用商標は、別掲のとおり、「MoBIUS」(「o」の文字にはウムラウトが付されている。以下同じ。)の欧文字からなるところ、該文字は、特定の意味をもって親しまれた外国語を表したものとはいえないとしても、「o」の部分にドイツ語で用いられるウムラウト記号が付されていることから、これをドイツ語風に読むとすれば、ウムラウト記号を付した「o」の部分は、「エー」と発音される(「新アポロン独和辞典」第10版2009年4月1日発行 株式会社同学社)ことからして、構成全体では、「メービウス」との称呼が生じ得るものと認められる。
そして、本願の指定商品と抵触する引用商標に係る指定商品中の「製材用・木工用又は合板用の機械器具」は、ドイツ製品も多数輸入されているというのが実情であって、このことは、以下のインターネット情報の記事(アないしオは、2009年8月20日検索)によっても裏付けられる。
ア 「リグナ・ハノーバー2009」のWebサイトにおいて、「資源の効率化をメインテーマに世界中から1800社の出典を予定」の見出しのもと、「国際木工林業機械見本市『リグナ・ハノーバー2009』は5月18日から22日までの5日間、ドイツ・ハノーバー国際見本市会場で盛大に開催される」との記載があり、また、「特別展とフォーラムに最新のテクノロジー及び市場のトレンドを反映」の項には、「『リグナ・ハノーバー』は隔年開催で木工機械、林業技術、森林のための世界で最も重要な見本市であり、分野に刺激を与える機能を果たしている。従来の『リグナ』と同様、09年も約1,800社の出展社が予定されており、総展示小間面積148,000平方メートル(07:148,800平方メートル)に木材に関する最新の産業テクノロジーと素材を出展する。」との記載があり、さらに、「アジア向け輸出は好調」の項には、「ドイツの木工機械産業は、今年前半のアジア向け輸出について、満足以上の成果を上げたということができるであろう。統計的にも東及び東南アジア向けの輸出は現在までで17.11%(1億3,450万ユーロ)という高い成長率を見せている。この分野では、中国(27.1%増で6,850万ユーロ)がドイツ木工機械にとって最重要な市場であるが、次いで日本(170.5%増、3,410万ユーロ)が続き、インドネシア(303.2%増、560万ユーロ)、韓国(18.8%減、520万ユーロ)、シンガポール(20.6%増、490万ユーロ)となっている。」との記載がある。
(http://www.woodfast.net/ligna/ligna09.html)
イ 「ドイツ製の機械、プラント、部品」のWebページにおいて、「ごあいさつ」の項には、「ドイツの対日工作機械輸出量は、過去2年間で50%増を記録しており、1.2億ユーロまで増加しています。これは、ドイツが、2002年以来、日本に対する工作機械の最大供給国の地位にあることを示しています。」との記載があり、さらに、「ドイツ製の木工機械-世界をリードする、木工業のための技術革新」の見出しのもと、「木工業の大きな将来性」の項には、「ドイツは、34億ユーロの生産高を誇る、木工機械・工業の世界最大の生産国です。(中略)日本への輸出量は年々増加しており、年間およそ2,800万ユーロに上ります。」との記載がある。
(http://www.vdma-verlag.com/managersnavigator/Japan_72.pdf)
ウ 「富士通」のWebサイトにおいて、「期待高まる日本の森林資源ビジネス」の見出しのもと、「日本の人工林と同じ森林面積を有するドイツの木材生産量は日本の約4倍に達するほどです。そこから産出される木材を基点に、製材、合板などの木材産業や、そうした材を使う住宅、家具、建材などの2次加工産業に加え、林業機械や製材機械メーカーなどの関連産業も盛んで、一大産業群を形成しており、これがまた輸出産業にもなっています。」との記載がある。
(http://jp.fujitsu.com/about/journal/consult/research/eco/002.shtml)
エ 「テクノネットSHOP」のWebサイトにおいて、「木工用輸入電動工具」の見出しのもと、「ドイツ/ファイン」、「ドイツ/メタボ」、「ドイツ/ヘグナー」、「ドイツ/エレクトラベッカム」、「ドイツ/バベコ」、「ドイツ/フェスツール」、「ドイツ/シエア」、「ドイツ/レグラー」、「ドイツ/キリンガー」及び「ドイツ/ハウボルト」の記載と共に各社の商品の写真の記載がある。
(http://www.rakuten.ne.jp/gold/techno-ns/mokou/mokou.htm)
オ 「協和機工株式会社」のWebサイトにおいて、「木工機械・プラスチック加工機械」の見出しのもと、「ドイツ・マーフェル社製DD40 P PowerMax 2軸ボーリング加工機」との記載がある。
(http://www.kyowa-kiko.co.jp/dd40p.html)
そうすると、引用商標は、上記指定商品との関係では、ドイツ語風に「メービウス」と称呼されることも決して少なくないものとみるのが相当である。
そこで、本願商標から生じる「メビウス」の称呼と引用商標から生じる「メービウス」の称呼とを比較すると、両者は語頭音の「メ」に続く長音の有無に差異を有するところ、該差異音である長音は、前音「メ」の母音(e)に吸収されて明瞭に聴取され難いものであるから、該差異音が両称呼全体に及ぼす影響は大きいものとはいえず、本願商標と引用商標とをそれぞれ一連に称呼するときは、全体の音調、音感が極めて近似したものとなり、互いに聞き誤るおそれがあるというべきである。
そうすると、本願商標と引用商標とは、称呼が類似するものであるところ、外観において相違するとしても、いずれも6文字の欧文字からなるものであって、2文字目を除いた他の綴り字をすべて共通にするものであるから、外観上も格別の差異があるとまではいえないし、また、いずれの商標からも特定の観念を生じないものであるから、両者はなお、称呼において類似する商標というべきである。
そして、本願の指定商品は、引用商標に係る指定商品と同一又は類似するものである。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は、称呼上長音の有無によって非類似と判断された過去の審決例及び登録例を挙げて、本願商標と引用商標とは非類似である旨主張するが、商標法第4条第1項第11号の該当性は、本願商標と引用商標との比較により決せられるべきものであって、個別・具体的に判断すべきものであり、過去の審決例及び登録例に拘束されることなく検討されるべきものであるから、請求人の上記主張は採用することができない。
(3)むすび
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲(引用商標)


審理終結日 2009-08-25 
結審通知日 2009-08-26 
審決日 2009-09-15 
出願番号 商願2008-1457(T2008-1457) 
審決分類 T 1 8・ 262- Z (X07)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 飯山 茂 
特許庁審判長 小林 由美子
特許庁審判官 榎本 政実
田村 正明
商標の称呼 メビウス、メビアス 
代理人 菅原 正倫 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ