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審決分類 審判 査定不服 外観類似 取り消して登録 Y093742
審判 査定不服 観念類似 取り消して登録 Y093742
審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 Y093742
管理番号 1206659 
審判番号 不服2009-1181 
総通号数 120 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2009-12-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2009-01-14 
確定日 2009-11-11 
事件の表示 商願2005-112818拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第9類、第37類及び第42類に属する願書記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として平成17年12月1日に登録出願され、その後、指定商品及び指定役務については、当審における同21年10月15日付け手続補正書により、第9類「電子応用機械器具及びその部品,電気通信機械器具」、第37類「電子応用機械器具の修理又は保守,電気通信機械器具の修理又は保守」及び第42類「電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供」と補正されたものである。

2 引用商標
原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録第4853624号商標(以下、「引用商標1」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、平成16年4月22日登録出願、第7類、第9類、第11類、第16類、第39類、第41類、第42類、第43類及び第45類に属する商標登録原簿記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同17年4月1日に設定登録され、現に有効に存続するものである。
同じく、登録第4884304号商標(以下、「引用商標2」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、平成16年4月22日に登録出願された商願2004-38640に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として、平成16年12月14日登録出願され、第37類に属する商標登録原簿記載の役務を指定役務として、同17年7月29日に設定登録され、現に有効に存続するものである。
以下、これらをまとめていうときは、「引用商標」という。

3 当審の判断
本願商標は、別掲1のとおり、「@」の記号と「遠方の、遠隔の」等の意味を有する英語「Remote」の欧文字とを中央に大きく青色で一連に横書きし、「Remote」の欧文字の下部には、小さく表した「Intelligent Remote Management System」の欧文字を配し、「Remote」の欧文字中の「R」から「m」への下側及び「m」から「e」の右横への上側には、黄色の曲線と連続した円状図形を並べてなるものである。
しかして、構成中の記号及び文字部分と図形部分とは、色彩が異なること、記号及び文字部分が中央に大きくまとまりよく表されているのに対し、図形部分は「@Remote」の左下方及び右上方に曲線及び円状図形で表され、渾然一体として不可分とまではいえないことから、記号及び文字部分と図形部分とは視覚上分離して認識されるばかりでなく、これらを観念上常に一体不可分のものとしてのみ観察しなければならない特段の事情も見いだし得ないものであるから、該記号及び文字部分と該図形部分とは、それぞれが独立して自他商品・役務の識別標識としての機能を果たし得るものである。
そこで、本願商標の記号及び文字部分について見るに、上段の「@Remote」と下段の「Intelligent Remote Management System」とは、文字の大小という視覚上の差異、両語句の語義上の関連性もないことから、上段と下段の各文字部分は分離して看取されるというべきであり、「@Remote」の記号及び文字が圧倒的な大きさをもって顕著に表されてなることから、該部分が、独立して看者の注意をひき、かつ、強い印象を与えるものと認められる。
ところで、「@」の記号は、「アットマーク」と称され、一般的には単価を表す記号であるが、インターネットのe-mailアドレスにおいては、ドメイン名とユーザー名の区切り記号として用いられ(株式会社技術評論社発行「2005-’06年版最新パソコン用語事典」)、電子メールアドレス等に使用される記号として知られているばかりでなく、他にも、種々の単語の前に「@」の記号を付加して、「アットモール」、「アットイングリッシュ」、「アットインターシップ」及び「アットコスメ」のように、「アット?」と称して親しまれている実情もある。
これら「@」の用例においては、当該記号に続く部分に「所属先ドメイン名」、あるいは提供する商品や役務の名称といった注意をひく情報を示す文字が続けられることからすれば、「@○○」のような表示に接した場合、当該記号に続く部分が、重要な部分として印象づけられ、認識される場合も決して少なくないというのが相当である。
そうすると、本願商標の構成中、「@」の部分は、単に電子メールアドレス等で用いるアットマーク記号を表したものと認識されるものであり、識別力が極めて弱い部分とみることができる。
一方、「Remote」の文字は、「遠隔の、遠隔操作の」(株式会社大修館書店発行 「ベーシックジーニアス英和辞典」)を意味する英語であり、「離れた場所にあるほかのコンピュータや装置に、ネットワーク経由でアクセスするときに使われる言葉。」(前掲「2005-’06年版最新パソコン用語事典」)、「ネットワーク上で、通信回線経由で利用するサービスやサーバーに接続されている機器などにアクセスする場合に使われる言葉。」(日経BP社発行 「日経パソコン用語事典2009年版」)として一般に慣れ親しまれた語であり、遠隔地にあるコンピュータなどに、通信回線などを通じてアクセスすることを「リモートアクセス」、遠隔操作を行う装置を「リモートコントローラー」、ネットワークにつながったほかのパソコンの設定の変更やトラブルの修復などを行うことを「リモートメンテナンス」と称して使用されていることからすれば、該「Remote」の文字は、電気通信機械器具及び電子応用機械器具、及びそれらに関連した役務を取り扱う分野においては、遠隔操作の機能を有する商品あるいは遠隔操作の機能を有する商品に関する役務を指称する語として使用され、認識されているといえるものである。
そうすると、補正後の本願の指定商品及び指定役務を取り扱う分野においては、「Remote」の文字は商品の品質又は役務の質を表すものとして極めて識別力が弱いというべきである。
以上によれば、本願の指定商品及び指定役務との関係においては、「@」の記号及び「Remote」の文字それぞれは、自他商品及び役務の識別力の弱い語として一般に認識されるものといえる。そして、このような識別力が弱い文字どうしが結合した本願商標においては、構成中の「Remote」の文字部分のみが出所の識別標識として機能するというよりは、むしろ、外観上まとまりよく一体に表された「@Remote」の構成文字全体が、一種の造語として、取引者、需要者に認識、把握されるとみるのが自然であるから、該文字に相応して、「アットマークリモート」又は「アットリモート」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
他方、引用商標は、別掲2のとおり、「R」の文字部分を図案化し赤字で大きく表された「Remote」の文字及びその下に小さく赤字で「東京ガスホームオートメーションシステム」の文字を表し、そして、これらの右側には、四隅を丸くまとめた橙色の正方形及びその内側に白色の縦線及び横線を十字形に配した図形、該図形の下に「PLUS」の欧文字を配してなるところ、構成中の文字部分と図形部分は、視覚上分離して認識されるばかりでなく、これらを観念上常に一体不可分のものとしてのみ観察しなければならない特段の事情も見いだし得ないものであるから、該図形部分と該文字部分とは、それぞれが独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものである。
そして、引用商標の文字部分についてみるに、「Remote」、「東京ガスホームオートメーションシステム」及び「PLUS」の各文字は、文字の大小という視覚上の差異、また、これらは語句の語義上の関連性もなく、さらに、「PLUS」の文字は、「Remote」の語と色彩を異にしていることから、外観上各文字はそれぞれ分離して看取されるというべきであり、とりわけ「Remote」の文字が圧倒的な大きさをもって赤字で顕著に表されてなることから、該部分が、独立して看者の注意をひき、かつ、強い印象を与えるものと認められる。
そうすると、該文字部分に自他商品・役務の識別標識としての機能を見いだし、そこから生ずる称呼及び観念をもって取引にあたる場合も決して少なくないものというべきであるから、引用商標からは「リモート」の称呼及び「遠隔」の観念を生ずるとするのが相当である。
してみれば、本願商標から生ずる「アットマークリモート」又は「アットリモート」の称呼と、引用商標から生ずる「リモート」の称呼とは、構成音数又は構成音が明らかに相違し、称呼上相紛れるおそれのないものであり、また、観念においては比較することができず、外観上も明らかに異なるものであるから、本願商標と引用商標とが類似する商標であるということはできない。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして拒絶すべき限りでない。
その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲
1 本願商標

(色彩については、原本参照。)

2 引用商標1及び2

(色彩については、原本参照。)

審決日 2009-10-20 
出願番号 商願2005-112818(T2005-112818) 
審決分類 T 1 8・ 261- WY (Y093742)
T 1 8・ 263- WY (Y093742)
T 1 8・ 262- WY (Y093742)
最終処分 成立  
前審関与審査官 渡口 忠次 
特許庁審判長 石田 清
特許庁審判官 木村 一弘
末武 久佳
商標の称呼 アットリモートインテリジェントリモートマネージメントシステム、アットマークリモートインテリジェントリモートマネージメントシステム、アリモートインテリジェントリモートマネージメントシステム、エイリモートインテリジェントリモートマネージメントシステム、リモートインテリジェントリモートマネージメントシステム、アットリモート、アットマークリモート、アリモート、エイリモート、リモート、インテリジェントリモートマネージメントシステム、インテリジェントリモートマネージメント 

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