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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 Y41
審判 全部申立て  登録を維持 Y41
審判 全部申立て  登録を維持 Y41
審判 全部申立て  登録を維持 Y41
管理番号 1205359 
異議申立番号 異議2008-900373 
総通号数 119 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2009-11-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2008-09-29 
確定日 2009-09-11 
異議申立件数
事件の表示 登録第5146043号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5146043号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5146043号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)に示したとおりの構成よりなり、平成15年5月12日に登録出願、第41類「プロゴルフトーナメント・競技会の企画・運営及び開催,ゴルフ場の提供」を指定役務として、同20年6月27日に設定登録されたものである。

2 引用商標
本件登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第3004742号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、平成4年9月11日登録出願、第41類「ゴルフ場の提供」を指定役務として、同6年9月30日に設定登録され、その後、同16年9月21日に商標権の存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
同じく、登録第3009087号商標(以下「引用商標2」という。)は、「PGA CLUB」の文字を横書きしてなり、平成4年9月22日登録出願、第41類「ゴルフ興行の企画・運営又は開催,ゴルフ場の提供,ゴルフ用具の貸与」を指定役務として、同6年11月30日に設定登録され、その後、同16年11月30日に商標権の存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
同じく、登録第3010222号商標(以下「引用商標3」という。)は、「PGA TOUR」の文字を横書きしてなり、平成4年9月24日登録出願、第41類「ゴルフ興行の企画・運営又は開催,ゴルフ場の提供,ゴルフ用具の貸与」を指定役務として、同6年11月30日に設定登録され、その後、同16年11月30日に商標権の存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
同じく、登録第3023488号商標(以下「引用商標4」という。)は、「PGA 」の文字を横書きしてなり、平成4年9月22日登録出願、第41類「ゴルフ興行の企画・運営又は開催,ゴルフ場の提供,ゴルフ用具の貸与,プロゴルファ?のための知識と技術の教授,プロゴルファ?の資格の検定及び認定」を指定役務として、同7年2月28日に設定登録され、その後、同17年3月1日に商標権の存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
同じく、登録第4317473号商標(以下「引用商標5」という。)は、「PGA」の文字と「CHAMPIONSHIP」の文字とを上下二段に横書きしてなり、平成10年3月27日登録出願、第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,プロゴルファーのための知識と技術の教授,動物の調教,植物の供覧,庭園の供覧,洞窟の供覧,動物の供覧,図書及び記録の供覧,美術品の展示,演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,映画の上映・制作又は配給,演芸の上演,演劇の演出又は上演,音楽の演奏,放送番組の制作,ゴルフの興行の企画・運営又は開催,サッカーの興行の企画・運営又は開催,相撲の興行の企画・運営又は開催,ボクシングの興行の企画・運営又は開催,野球の興行の企画・運営又は開催,音響用又は映像用のスタジオの提供,運動施設の提供,ゴルフ場の提供,娯楽施設の提供,興行場の座席の手配,映写機及びその附属品の貸与,映写フィルムの貸与,おもちゃの貸与,楽器の貸与,スキー用具の貸与,スキンダイビング用具の貸与,テレビジョン受信機の貸与,図書の貸与,ラジオ受信機の貸与,レコード又は録音済み磁気テープの貸与,録画済み磁気テープの貸与,遊園地用機械器具の貸与,遊戯用器具の貸与,ゴルフ用具の貸与,プロゴルファーの資格の検定及び認定」を指定役務として、同11年9月24日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
同じく、登録第4337229号商標(以下「引用商標6」という。)は、別掲(3)のとおりの構成からなり、平成10年11月11日登録出願、第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,動物の調教,植物の供覧,庭園の供覧,洞窟の供覧,動物の供覧,図書及び記録の供覧,美術品の展示,映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,映画の上映・制作又は配給,演芸の上演,演劇の演出又は上演,音楽の演奏,放送番組の制作,ゴルフの興行の企画・運営又は開催,サッカーの興行の企画・運営又は開催,相撲の興行の企画・運営又は開催,ボクシングの興行の企画・運営又は開催,野球の興行の企画・運営又は開催,音響用又は映像用のスタジオの提供,運動施設の提供,娯楽施設の提供,興行場の座席の手配,映写機及びその附属品の貸与,映写フィルムの貸与,おもちゃの貸与,楽器の貸与,スキー用具の貸与,スキンダイビング用具の貸与,テレビジョン受信機の貸与,図書の貸与,ラジオ受信機の貸与,レコード又は録音済み磁気テープの貸与,録音済み磁気テープの貸与,遊園地用機械器具の貸与,遊戯用機械器具の貸与」を指定役務として、同11年11月19日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
(以下、これらをまとめていうときは「引用各商標」という。)

3 登録異議申立ての理由の要点
(1)商標法第3条第1項柱書について
本件商標に係る平成16年4月9日付け意見書(3)において、出願人とピージーエー ツアー インコーポレイテッド(以下「ツアー社」という。)は、「過去において同一組織に属していたが、現在は出願人はいわゆるティーチングプロの団体、ツアー社はツアープロの団体として組織を分かち、互いに緊密な関係を保っている」とし、「『PGA』の文字を含む商標は、ツアー社と出願人との間の契約により、ツアー社が出願人名義で出願、登録することを許可されており、右商標はツアー社がこれを使用することとなっている」旨の記載がある。また、平成19年6月20日付け手続補正書にて援用された平成16年9月22日付け上申書(13)においては、本件商標を実際に使用している者は、ツアー社であること、ツアー社の宣言書(「DECLARATION」)(甲第17号証)により、本件商標は、出願人とツアー社との間の契約により出願人名義で登録されるべきものであること、商標の独占的使用権は、ツアー社が保持することが述べられている。
当該事実から判断すると、出願人は、本件商標を使用する意思がないことが明らかであり、本件商標は、商標法3条第1項柱書にいう「自己の業務に係る商品又は役務について使用をする商標」には、該当しないものである。したがって、本件商標は商標法第3条第1項柱書に違反して登録されたものである。
(2)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、「PGA」の横書き文字、「TOUR」の縦書き文字、及びゴルフスイングをする人の図形が黒色の長方形の枠内に構成されてなるところ、「PGA」の文字より「ピージーエー」の称呼が、「PGA」及び「TOUR」の文字より、「ピージーエーツアー」の称呼が生ずる。これに対し、引用各商標は、「PGA」又は「PGA TOUR」の各文字部分より、それぞれ「ピージーエー」又は「ピージーエーツアー」の称呼が生ずるものであるから、両者は、「ピージーエー」又は「ピージーエーツアー」の称呼を共通にする類似のものである。また、本件商標と引用各商標は、同一の指定役務を有するものである。したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
(3)取引の実情について
ア 被請求人は、本件商標に係る上申書において、ツアー社による使用の事実等を列挙し、著名性を獲得していることを主張しているが、仮にその様な事情があったとしても、被請求人による使用の事実ではない以上、当該事実によって出願人が独自の著名性、顧客吸引力、信用等を得ることは、考え難い。
イ 被請求人が著名性獲得の根拠とする本件商標に関する使用の事実は、いずれも国外で行われた試合に関する衛星放送、インターネット記事、雑誌記事等によるものであり、日本国内において、指定役務に直接使用された事実は、挙げられていないため、本件商標の登録性判断において考慮すべきではない。
ウ 被請求人が示した使用の事実では、いまだ日本国内において著名性を獲得したとはいえない。
エ 申立人の商標の使用状況についてみると、申立人は、甲第13号証ないし甲第16号証のとおり、引用商標5及び引用商標6等をその指定役務「ゴルフの興行の企画・運営又は開催」に使用し、引用商標1等をその指定役務「ゴルフ場の提供」に使用している(甲第21号証)。また、自らのオフィシャルホームページにおいて「PGA」「PGA CLUB」等の文字を使用している(甲第22号証)。さらに、「PGA」「PGA TOUR」等のロゴが用いられたゴルフウェアの販売も行われている(甲第23号証ないし甲第25号証)。即ち、申立人は、引用各商標を自己の業務に係る商品又は役務に使用しているのであり、その使用の結果、引用各商標について業務上の信用が蓄積されているというべきである。そのため、仮に本件商標が被請求人の業務に係る役務を表すものとして需要者の間において認知されていたとしても、外観、称呼及び観念のいずれにおいても類似する本件商標が国内で使用された場合には、申立人の業務に係る役務と現実において、出所混同が生じる可能性は否定できない。
(4)むすび
したがって、本件商標の登録は、商標法第3条第1項柱書き、及び同法第4条第1項第11号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。

4 当審の判断
(1)申立人の提出に係る証拠及び職権による調査によれば、以下の事実が認められる。
ア 商標権者は、ツアー社と過去において同一の組織に属していたが、現在は、商標権者がティーチングプロの団体として、ツアー社がツアープロの団体として組織を分かち、互いに密接な関係を保ち、ツアー社と商標権者のとの契約により、「PGA」の文字を含む商標は、商標権者の名義で出願し、ツアー社がこれを使用することになっている(本件商標に係る平成16年4月9日付け意見書)。
イ 「PGA」は、「Professional Golfers Association」の頭文字を取って省略したものであり、「プロゴルフ協会」又は「プロゴルファーの協会」の観念を想起させるものであり、各国においてもそのような組織を表すものとして広く使用されている(例えば、甲第9号証ないし甲第12号証、及び本件商標に係る平成16年9月27日付け手続補足書に添付の第2号証ないし第4号証)。
また、「PGA TOUR」の語は男子プロゴルフツアー又はこれに関する団体を意味し、主要なプロゴルフツアーとして米国、ヨーロッパ、日本、オーストラリア、南アフリカ、アジアの各ツアーがあり、これらの世界の主要なPGAツアーがPGAツアー国際連盟を組織している(本件商標に係る平成16年9月22日付け上申書(4)並びに同年同月27日付け手続補足書第5号証及び第6号証)。
ウ 本件商標は、別掲(1)の構成よりなるものであるところ、本件商標に係る平成16年9月27日付け手続補足書に添付の第15号証、第17号証、第21号証、第26号証、第31号証ないし第33号証、第35号証ないし第43号証及び本件商標に係る同19年6月20日付け手続補足書に添付の第55号証及び第57号証によれば、本件商標は「ピージーエーツアー」と称され、米国プロゴルフ協会のツアー(賞金ランキング対象の試合)を表示する商標として、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されている周知、著名な商標と認められるものである。
(2)商標法第3条第1項柱書きについて
我が国の商標法は、商標法第3条第1項柱書きにおいて「自己の業務に係る商品又は役務について使用をする商標については、次に掲げる商標を除き、商標登録を受けることができる。」と規定し、使用する商標であることを商標登録を受ける要件とするものではあるが、商標登録を受けようとする者による使用を要件としているものではない。
そして、同法第30条には専用使用権について、同法第31条には通常使用権についての規定があることからすれば、同法第3条第1項柱書きに規定する使用には、使用権者による使用も包含すると解するのが相当であるから、ツアー社の使用を前提として、商標権者が出願したことは、同項に反するものということはできない。
(3)商標法第4条第1項第11号について
ア 商標法第4条第1項第11号の商標の類否判断において、商標が類似するかどうかは、対比される両商標が同一又は類似の商品に使用された場合に、商品の出所につき混同を生ずるおそれがあるか否かによって決すべきものであり、その類否判断をするに当たっては、両商標の外観、称呼、観念を観察し、それらが取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すべきであって、上記三要素の特定の一つの対比のみによってなされるべきものではないと解される(最高裁昭和39年(行ツ)第110号 昭和43年2月27日判決)。
イ これを本件についてみるに、本件商標は、別掲(1)のとおり、白枠を有する黒塗り縦長矩形図形内の左上部に白抜きで横書きされた「PGA」の文字、その下部に籠文字風に縁を白抜きで縦書きされた「TOUR」の文字、及び前記文字の右側にゴルフのスイングをする人の図形を白抜きで表してなるものである。
そして、本件商標が「ピージーエーツアー」と称され米国プロゴルフ協会のツアー(賞金ランキング対象の試合)を表示する商標として、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されている周知、著名な商標と認められるものであること前記(1)ウの認定のとおりである。
そうすると、本件商標は、「ピージーエーツアー」のみの称呼を生じ、その構成全体をもって「米国プロゴルフ協会のツアー(賞金ランキング対象の試合)」と認識、観念されるものといわなければならない。
ウ 他方、引用商標3は「PGA TOUR」の欧文字よりなり、引用商標6は、別掲(3)のとおり「PGA TOUR」の文字と「J」の文字を図案化したと思しき図形からなるものである。
そして、両者は「PGA TOUR」の文字が全体として「プロゴルフ協会のツアー(賞金ランキング対象の試合)」の観念を生じるものであり、当該文字全体から生ずる「ピージーエーツアー」の称呼は、格別冗長なものでもなく、よどみなく一連に称呼し得るものである。
よって、引用商標3及び引用商標6は、「ピージーエーツアー」のみの称呼を生じるものである。
また、本件商標と引用商標3及び引用商標6の外観上の差異についてみると、それぞれ前記したとおりの構成よりなるものであるから、本件商標と引用商標3及び引用商標6は、外観において著しく相違するものである
そうとすれば、本件商標と引用商標3及び引用商標6とは、共に「ピージーエーツアー」の称呼を共通にするものの、外観において著しく相違すること、さらに観念においても明確に区別できることを総合的に考察すれば、これらが取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等は大きく異なると判断するのが相当であるから、両商標を同一又は類似の役務について使用をした場合においても、役務の出所について誤認混同を生ずるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
エ さらに、本件商標は「ピージーエーツアー」のみの称呼を生ずるものであること前記認定のとおりであるから、本件商標から「ピージーエー」の称呼をも生ずるとし、その上で、本件商標と引用商標1、引用商標2、引用商標4及び引用商標5とが称呼上類似するとした申立ての理由は認めることができず、また、その他両商標が外観又は観念において類似の商標とする理由は見当たらない。
してみれば、本件商標とこれらの引用商標とは相紛れるおそれのない非類似の商標とみるのが相当である。
オ したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。
(4)結び
以上のとおり、本件商標は、商標法第3条第1項柱書き又は同法第4条第1項第11号の規定に違反して登録されたものでないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲
(1) 本件商標



(2) 引用商標1



(3) 引用商標6



異議決定日 2009-08-27 
出願番号 商願2003-38376(T2003-38376) 
審決分類 T 1 651・ 263- Y (Y41)
T 1 651・ 262- Y (Y41)
T 1 651・ 261- Y (Y41)
T 1 651・ 18- Y (Y41)
最終処分 維持  
前審関与審査官 吉田 静子 
特許庁審判長 森吉 正美
特許庁審判官 岩崎 安子
小畑 恵一
登録日 2008-06-27 
登録番号 商標登録第5146043号(T5146043) 
権利者 ザ・プロフェッショナル・ゴルファーズ・アソシエーション・オブ・アメリカ
商標の称呼 ピイジイエイツアー、ピイジイエイ、ツアー 
代理人 馬場 信幸 
代理人 藤本 英介 
代理人 神田 正義 
代理人 宮尾 明茂 

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