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審決分類 審判 全部申立て  登録を取消(申立全部取消) X12
管理番号 1205356 
異議申立番号 異議2008-900337 
総通号数 119 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2009-11-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2008-09-08 
確定日 2009-09-21 
異議申立件数
事件の表示 登録第5136680号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5136680号商標の商標登録を取り消す。
理由 1 本件商標
本件登録第5136680号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、平成19年11月9日に登録出願され、第12類「自動車,貨物自動車,競争自動車,乗用車,水陸両用車,雪上車,宣伝カー,装甲車,トレーラー,トロリーバス,バス,自動車の部品及び附属品,エアバッグ,風よけひさし,クラッチ,座席,座席カバー,シャシー,車体,車体カバー,車輪,とって,扉,荷物台,バックミラー,ハンドル,ハンドルカバー,バンパー,風防ガラス,方向指示器,ほろ,ボンネット,窓カーテン,予備車輪支持具,ルーフラック,ワイパー,二輪自動車,オートバイ,二輪自動車の部品,二輪自動車のギヤクランク,自転車,運搬車,折り畳み式自転車,軽快車,実用車,スポーツツーリスト車,タンデム車,自転車の部品及び附属品,自転車のギヤクランク,自転車のハンドル」を指定商品として平成20年6月6日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由の要旨
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、登録異議の申し立ての理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第7号証を提出している。
(1)商標法第4条第1項第11号について
申立人(以下、「フェラーリ社」という場合がある。)は、先願先登録商標を所有しており、本件商標はこの先登録商標に類似しており、また本件商標の指定商品及び指定役務も先登録商標の指定商品及び指定役務と同一若しくは類似している。
(2)商標法第4条第1項第15号について
引用商標は、フェラーリ社が製造販売する自動車等に永年にわたり広く使用された結果、周知・著名商標となったものであり、「跳ね馬」の図形は、1923年に創立者であるエンツォ フェラーリが採択して以来、今日に至るまでフェラーリ社製造の自動車の商標として使用されてきたものである。
本件商標に接した需要者は、両商標の馬の図形における全体的な形状が一致しているため、本件商標の使用者がフェラーリ社と何等かの関係があるかの如き印象を受け、誤認混同を生ずる虞があるといわざるを得ない。
よって、本件商標はフェラーリ社の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがある。
(3)商標法第4条第1項第19号について
本件商標中に、明らかにフェラーリ社の「跳ね馬」をモチーフとした図形を含んでいるということは、需要者に、あたかもフェラーリ社と何等かの関係があるかの如き印象を与えようとする意図があることは明白である。したがって、本件商標は不正の利益を得る目的をもって使用されるものであり、商標法の趣旨に反するものである。
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第15号、同第19号に該当するから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきものである。

3 本件商標に対する取消理由
登録異議の申立てがあった結果、商標権者に対し、期間を指定して意見を述べる機会を与えて通知した本件商標の取消理由(平成21年5月27日付け取消理由通知書)は、要旨次のとおりである。
(1)引用商標
申立人が引用する登録第4406720号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、平成9年6月20日に登録出願された平成9年商標登録願第129239号に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として、平成11年6月7日に登録出願され、第12類「自動車並びにその部品及び附属品,二輪自動車並びにその部品及び附属品,陸上の乗物用の動力機械(その部品を除く。),陸上の乗物用の機械要素,陸上の乗物用の交流電動機又は直流電動機(その部品を除く。),乗物用盗難警報器」及び第37類「自動車の修理又は整備」を指定商品及び指定役務として平成12年8月4日に設定登録されたものである。同じく登録第1600636号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲3のとおりの構成からなり、昭和54年6月15日に登録出願、第12類「輸送機械器具、その部品及び附属品(他の類に属するものを除く)」を指定商品として昭和58年7月28日に設定登録され、その後、平成5年10月28日及び平成15年8月5日の2回に亘り商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、平成17年5月18日に指定商品を第12類「スポーツカー,おりたたみ式ほろ付き自動車,その他の自動車,車体,その他の自動車の部品及び附属品,二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び附属品,船舶並びにその部品及び附属品(「エアクッション艇」を除く。),エアクッション艇,航空機並びにその部品及び附属品,鉄道車両並びにその部品及び附属品,乳母車,人力車,そり,手押し車,荷車,馬車,リヤカー,タイヤ又はチューブの修繕用ゴムはり付け片」とする書換登録がされているものである。
(2)本件商標の商標法第4条第1項第15号該当性について
(ア)本件商標は、別掲1のとおり、図形と文字の組合せからなるところ、該図形部分と文字部分とは、その構成態様に照らし、外観上及び観念上常に不可分一体のものとして認識し把握すべき格別の理由は見出し難いものであるから、それぞれが独立して自他商品の識別標識としての機能を果たすものというべきである。そして、上記図形部分は、黒い馬が後足で立ち上がっている状態を描いた図形を蹄鉄の図形中に配した構成からなるものであって、それ自体が看者に強い印象を与えるものといえる。
(イ)他方、申立人の提出に係る証拠によれば、引用商標1は、黒い馬が後足で立ち上がっている状態を描いたものであって、黒い跳ね馬の図形として認識し把握され、1923年以来、申立人の製造、販売に係る自動車について使用されていること、また、引用商標2は、その中央に描かれた馬の図形が引用商標1と同一といえるものであり、引用商標2も申立人の製造、販売に係る自動車について永年使用されていること、申立人の取り扱う自動車は、各種自動車競争において戦前から幾度も優勝し、また、高価であることなどから自動車業界においては何かと話題になり広く知られた存在であること、などが認められるから、引用商標1及び引用商標2は、いずれも本件商標の登録出願時には既に取引者、需要者の間に広く認識されていたものというべきであり、その状態は本件商標の登録査定時においても継続していたものと認められる。
(ウ)しかして、本件商標の図形部分と引用商標1及び引用商標2の馬の図形とは、左右の向き及び対比して子細に見れば細部において相違する点があるとしても、少なくとも、一見して馬の4本の足の形状が同じであって、かつ、黒い馬が後足で立ち上がっている特徴的な姿勢を酷似して描いた点では共通しており、看者に極めて近似した印象を与えるものといえる。また、本件商標は、周知著名となっている引用商標1及び引用商標2が使用されている自動車をはじめ、その関連商品を指定商品とするものである。
(エ)かかる事情の下において、本件商標をその指定商品について使用した場合には、これに接する取引者、需要者は、引用各商標と共通した本件商標の馬の図形部分に着目して、周知著名となっている引用商標1及び引用商標2を連想、想起し、該商品が申立人又は同人と経済的、組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれがあるものというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものといわざるを得ない。

4 商標権者の意見
商標権者は、上記3の取消理由の通知に対して、何ら意見を述べていない。

5 当審の判断
本件商標についてした上記3の取消理由は、妥当であって、本件商標の登録は、その理由に示すとおり、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものといわざるを得ない。
したがって、本件商標の登録は、その余の理由について判断するまでもなく、商標法第43条の3第2項の規定により、取り消すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲1(本件商標)


別掲2(引用商標1)


別掲3(引用商標2)


(色彩については原本参照)



異議決定日 2009-08-04 
出願番号 商願2007-114109(T2007-114109) 
審決分類 T 1 651・ 271- Z (X12)
最終処分 取消  
前審関与審査官 小川 敏 
特許庁審判長 渡邉 健司
特許庁審判官 鈴木 修
井出 英一郎
登録日 2008-06-06 
登録番号 商標登録第5136680号(T5136680) 
権利者 坂本 敦
商標の称呼 ロベルタ 
代理人 特許業務法人 清水・醍醐特許商標事務所 

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