ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード |
審決分類 |
審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない Z03 |
---|---|
管理番号 | 1205215 |
審判番号 | 取消2008-300993 |
総通号数 | 119 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2009-11-27 |
種別 | 商標取消の審決 |
審判請求日 | 2008-08-04 |
確定日 | 2009-09-29 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第4290258号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第4290258号商標(以下「本件商標」という。)は、「メモ」の片仮名文字と「MEMO」の欧文字とを上下二段に横書きしてなり、平成10年6月4日に登録出願、第3類「せっけん類,植物性天然香料,動物性天然香料,合成香料,調合香料,精油からなる食品香料,化粧品,歯磨き」を指定商品として、平成11年7月2日に設定登録、その後、平成21年1月27日に商標権存続期間の更新登録がなされたものである。 第2 請求人の主張 請求人は、「本件商標の登録を取り消す。審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求めると申し立て、その理由として、「本件商標は、その指定商品について使用している事実は発見できない。また、本件商標に係る登録原簿上、専用使用権及び通常使用権の登録もない。したがって、本件商標は継続して3年以上、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても使用をしていないと推認されるから、本件商標の登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである。」旨主張し、証拠方法として、甲1号証を提出した。 第3 被請求人の答弁 被請求人は、結論と同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第8号証を提出した。 1 本件商標の使用 被請求人は、本件商標を、概ね平成10年5月頃より現在に至るまで、継続して使用している。 (1)乙第1号証は、被請求人が販売する殺菌・消毒効果を有する石鹸「薬用メモ 殺菌・消毒石鹸」(以下「本件商品」という。)のパッケージを展開したものであり、乙第2号証は、本件商品の販促に用いる製品目録である。乙第1号証から明らかなとおり、パッケージの正面、側面等に本件商標の片仮名文字「メモ」(以下「本件使用商標」という。)が顕著に表示されている。「薬用」の語は、用途表示であり、本件使用商標の一部をなすものではない。 (2)乙第3号証は、被請求人の製品を販売する際に、当該製品に添付される説明文を集めたものであり、本件商品の添付文書が収録されている。 (3)被請求人は、本件商品を玉の肌石鹸株式会社(東京都墨田区緑3-8-12)に製造させ、当該会社で製造した本件商品のすべてを買い取り、全国の薬局・薬店等に販売をしている。本件商品のパッケージは、製造元である玉の肌石鹸株式会社が、印刷会社である株式会社信栄社(八潮市木曽根477-1)に印刷させたものである。乙第4号証は、株式会社信栄社が玉の肌石鹸株式会社に当てた書簡であり、株式会社信栄社が玉の肌石鹸株式会社の依頼により本件商品の商品パッケージを印刷した事実を示すものである。 (4)乙第5号証及び乙第6号証は、被請求人が各薬局に対し、本件商品を販売したことを示す納品書である。いずれも本件審判請求前3年以内に、イトウ薬局(東京都大田区南久ヶ原2-7-7)及び立田薬局錦糸町店(東京都墨田区江東橋4-21-6-102)に対し、被請求人が本件商品を販売した事実を示すものである。 (5)乙第7号証は、平成19年度における各種の医薬品・医療衛生用品の価格がリストアップされたものであり、被請求人により、本件商品が市場において所定の価格にて販売されたという事実を示すものである。 (6)乙第8号証は、本件商品を被請求人から購入したケンコーコム株式会社により、インターネット上で本件商品が販売されていることを示すものである。 (7)なお、本件乙各号証に示す本件使用商標「メモ」は、片仮名文字「メモ」の下段に英文字「MEMO」を二段に配してなる本件商標とは、外観構成が同一ではない。しかしながら、下段の英文字部分「MEMO」は、既に日本語化したものであって、何人からも「メモ」と容易に称呼されるものであり、それ以外の称呼は生じないこと、また、英文字部分と片仮名文字部分のいずれからも「簡単な記録」といった共通の観念を生ずることから、本件使用商標「メモ」は、社会通念上本件商標と同一の商標である。 (8)以上に述べた事実により、商標権者である被請求人は、他社を通じて本件商標を付した本件商品を製造し、これを薬局等に販売しており、そこから更に市場で流通していることは明かである。 2 本件商品 本件商品は、本件請求に係る指定商品中の「せっけん類」に属するものである。 3 結語 以上に述べたとおり、被請求人は、本件審判請求前3年間に当たる時期において、本件商標、少なくともこれと社会通念上同一性のある商標を本件取消請求に係る商品について使用したことを立証するものである。 第4 請求人の弁駁 請求人は、被請求人の答弁に対し弁駁していない。 第5 当審の判断 1 商標の使用について (1)乙第1号証ないし乙第3号証(2006年4月発行)、乙第7号証(2007年8月10日発行)及び乙第8号証によれば、被請求人の発売に係る商品「石鹸」に本件使用商標「メモ」を含む「薬用メモ」「殺菌・消毒石鹸」或いは「薬用メモ殺菌・消毒石鹸」の文字が使用されていることが確認できる。 (2)乙第4号証によれば、玉の肌石鹸株式会社からの依頼により、株式会社信栄社が、平成18年10月6日に商品のパッケージ(薬用メモ80g)を印刷していることが推認できる。なお、玉の肌石鹸株式会社が本件商品の製造販売元であることは、乙第1号証及び乙第3号証より確認できる。 (3)乙第5号証及び乙第6号証は納品書と認められるところ、被請求人がイトウ薬局及び立田薬局(錦糸町店)にそれぞれ平成20年7月3日及び8月1日に本件商品を販売・納品していることが認められる。 2 商標の同一性について 本件商標は、「メモ」及び「MEMO」の文字を二段に書してなるところ、乙各号証(乙4号証を除く)には、「薬用メモ」或いは「薬用メモ殺菌・消毒石鹸」の文字が表されており、該文字中「薬用」の文字は用途を、「殺菌・消毒石鹸」の文字は「殺菌及び消毒効果を有する石鹸」であるという商品の品質を表示した自他商品識別標識としての機能を果たさない部分であって、自他商品識別標識としての機能を果たす部分は、「メモ」の文字部分にあると認められるものであるから、上記、使用に係る商標と本件商標とは社会通念上同一の商標といい得るものである。 3 むすび 以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録(平成20年8月19日)前3年以内に日本国内において、商標権者が請求に係る指定商品に含まれる「せっけん」について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用していたことを証明したものと認めることができる。 したがって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により、その登録を取り消すことはできない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2009-04-28 |
結審通知日 | 2009-05-08 |
審決日 | 2009-05-20 |
出願番号 | 商願平10-46460 |
審決分類 |
T
1
31・
1-
Y
(Z03)
|
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 赤星 直昭 |
特許庁審判長 |
佐藤 達夫 |
特許庁審判官 |
小川 きみえ 野口 美代子 |
登録日 | 1999-07-02 |
登録番号 | 商標登録第4290258号(T4290258) |
商標の称呼 | メモ |
代理人 | 黒川 朋也 |
代理人 | 幡 茂良 |
代理人 | 工藤 莞司 |
代理人 | 鈴江 武彦 |
代理人 | 上原 空也 |
代理人 | 蔵田 昌俊 |
代理人 | 橋本 良樹 |
代理人 | 潮崎 宗 |
代理人 | 小出 俊實 |
代理人 | 長谷川 芳樹 |
代理人 | 齋藤 宗也 |