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審決分類 審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 Y09
管理番号 1203886 
審判番号 不服2009-3975 
総通号数 118 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2009-10-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2009-02-23 
確定日 2009-10-05 
事件の表示 商願2005-76693拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第9類に属する願書記載の商品を指定商品として、平成17年8月16日に登録出願され、その後、指定商品については、同18年7月27日付け手続補正書により、第9類「暗号化用電子装置・コンピュータハードウェア及びソフトウェア,ユーザー確認及び認証用電子装置・コンピュータハードウェア及びソフトウェア,ローカルエリアネットワーク・ファイアウォール及び指紋認証用アプリケーションに用いられるコンピュータハードウェア及びソフトウェア,データの暗号化用コンピュータソフトウェア,ユーザーのパスワードを生成あるいは照合するために使用されるプログラムを含む暗号化されたスマートカード,スマートカード読み取り及び書込み装置並びにこれらの装置に関連するコンピュータハードウェア及びソフトウェア,データ暗号化用のコンピュータソフトウェア,ユーザー音声確認及び認証用コンピュータソフトウェア,ローカルエリアコンピュータネットワークのモニタリング用コンピュータソフトウェア・モデム・ルーター及びその他のコンピュータの周辺機器,コンピュータ及びコンピュータユーザーのためのセキュリティファイアウォール及び指紋認証の分野のコンピュータソフトウェア,耐故障性を備えた情報・データを配信するためのコンピュータソフトウェア,その他の電子応用機械器具及びその部品,電気通信機械器具」と補正されたものである。

2 原査定の引用商標
原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録商標及び商標登録出願中の商標は、以下のとおりである。
(1)引用商標1
登録第4086690号商標は、「SAFE NET」の欧文字を横書きしてなり、平成5年8月24日登録出願、第9類に属する商標登録原簿記載の商品を指定商品として、同9年11月28日に設定登録され、その後、同19年9月4日に商標権の存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
(2)引用商標2
登録第4602237号商標は、「SAVE NET」の欧文字を標準文字で表してなり、平成13年2月21日登録出願、第9類に属する商標登録原簿記載の商品を指定商品として、同14年9月6日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
(3)引用商標3
出願に係る商標が登録されたときに商標法第4条第1項第11号に該当することとなるとして引用した商願2004-93136は、「セーフネット」の文字を横書きしてなり、第7類、第9類、第37類、第38類及び第45類に属する願書記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として平成16年10月12日に登録出願され、その後、第7類、第9類、第37類及び第45類に属する商標登録原簿記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として同18年10月13日に登録第4995941号として設定登録され、現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断
(1)本願商標と引用商標1及び3との類否について
当審において、平成21年3月2日付け出願人名義変更届が提出された結果、本願の請求人(出願人)は、原査定における引用商標1及び3の商標権者と同一人になった。したがって、引用商標1及び3との関係において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定の拒絶の理由は解消した。
(2)本願商標と引用商標2との類否について
本願商標は、別掲のとおり、「SafeNet」の欧文字と「a」の文字の左下部分に端を発し、先端部分を矢印とする2本の円弧状図形(1本は「S」の文字の上部に接し、他の1本は「a」の文字の上部に達する)とを組み合わせてなるところ、その構成中の文字部分と図形部分とは、これらが一体となって特定の観念を有するものとは認められないばかりでなく、両者が渾然一体として融合した構成態様からなるものともいえず、他にこれらを一体不可分のものとして把握しなければならない特別の理由も見いだすことができないことから、本願商標は文字部分と図形部分とがそれぞれ独立して自他商品の識別標識としての機能を果たすと判断するのが相当である。
そうすると、本願商標はその構成文字に相応して、「セーフネット」の称呼を生じ、かつ、外観上、「S」と「N」の文字が大文字で表されていることから、「安全な」及び「網(ネット)」の意味を有する英語として親しまれた「Safe」及び「Net」の2語からなるものと容易に認識され、これからは「安全な網(ネット)」程度の観念を生ずるといえる。
他方、引用商標2は、前記2のとおり、「SAVE NET」の欧文字を標準文字で表した構成よりなるものであるから、その構成文字に相応して、「セーブネット」の称呼を生じ、かつ、特定の意味を有する熟語とはいえないとしても、構成中の「SAVE」及び「NET」の両文字は、それぞれ「救う」及び「網(ネット)」等の意味を有する英語として親しまれた語であることからすれば、これより、「網(ネット)を救う」程度の観念を認識させるものといえる。
そこで、本願商標より生ずる「セーフネット」の称呼と引用商標2より生ずる「セーブネット」の称呼とを比較するに、両称呼は、共に6音構成からなるところ、第3音において「フ」と「ブ」の清音と濁音の差異を有するものである。しかして、該差異音は、いずれも長音の後に位置し比較的明瞭に発音されること、また、我が国における英語の普及の程度からすれば、両称呼の前半部分の「セーフ」及び「セーブ」からは、それぞれ「安全な」及び「救う」という意味が想起され、これら観念の明確な差異が両称呼の類否判断に及ぼす影響は大きく、両商標は、称呼上、互いに紛れて聴取されるおそれは少ないものとみるのが相当である。
また、前記したとおり、本願商標と引用商標2とは、外観においては、第3文字である「f」と「V」の差を有し、観念においては、本願商標は、「安全な網(ネット)」程度の観念を生ずるのに対し、引用商標2は、「網(ネット)を救う」程度の観念を生じ、観念においても明らかに相違するものであるから、これらを総合的にみれば、両商標を同一又は類似する商品について使用しても、商品の出所について誤認混同を生ずるおそれはないものというのが相当である。
そうとすれば、本願商標と引用商標2とは、称呼、外観及び観念のいずれにおいても、何ら相紛れるおそれのない、非類似の商標といわなければならない。
(3)まとめ
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、政令で定める期間内に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲
本願商標


審決日 2009-09-14 
出願番号 商願2005-76693(T2005-76693) 
審決分類 T 1 8・ 262- WY (Y09)
最終処分 成立  
前審関与審査官 平松 和雄 
特許庁審判長 石田 清
特許庁審判官 木村 一弘
末武 久佳

商標の称呼 セーフネット、セーフ 
代理人 長谷川 芳樹 

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