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審決分類 審判 査定不服 称呼類似 登録しない X25
審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない X25
管理番号 1203847 
審判番号 不服2008-30098 
総通号数 118 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2009-10-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2008-11-27 
確定日 2009-08-27 
事件の表示 商願2007-118864拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第25類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品として、平成19年11月27日に登録出願されたものである。
そして、指定商品については、平成20年6月30日付け手続補正書により、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,乗馬靴」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由(要旨)
原査定は、「本願商標は、『人物・鳥獣・花卉など種々の多彩な模様を手描きあるいは木版や銅板を用いて捺染した綿布』の意味を有する『サラサ(更紗)』を容易に認識させる『SARACA』(Cはセディーユを付した文字)の文字を表示してなるものであるから、これをその指定商品中、例えば『更紗製の商品』に使用しても、単に商品の品質、原材料を表示するにすぎないものである。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
本願商標は、別掲のとおり、「SARA CA」(「C」の文字部分の下部には、ポルトガル語のセディーユ記号が付されている、以下同じ。)の文字を横書きしてなるものである。
ところで、「SARACA」の語は、外来語の「更紗」若しくは「サラサ」の原語であり、「人物・鳥獣・花卉など種々の多彩な模様を手描きあるいは木版や銅板を用いて捺染した綿布」を意味を有する語で、一般にもよく知られているものとみるのが相当である。そして、このことは下記の各辞書にも表示されていることからも伺い得るものである。
(1)広辞苑第六版 株式会社岩波書店
「サラサ【saracaポルトガル・更紗】・・・人物・鳥獣・花卉など種々の多彩な模様を手描きあるいは木版や銅板を用いて捺染した綿布。・・・」
(2)大辞泉増補・新装版 株式会社小学館
「サラサ 【ポルトガルsaraca】【更紗】 主に木綿地に、人物・花・鳥獣などの模様を多色で染め出したもの。・・・」
(3)大辞林第三版 数式会社三省堂
「サラサ 【ポルトガルsaraca】 人物・花・鳥獣・幾何学模様などをさまざまな色で手描きや型染めにした綿布。・・・」
(4)新明解国語辞典 第六版 株式会社三省堂
「サラサ [ポsaraca=もと、インドネシア語]人物・花鳥・幾何学的な模様を種種の色で捺染した綿布。・・・」
(5)コンサイスカタカナ語辞典第3版 株式会社三省堂
「サラサ[ポsaraca<ジャワsarasa<ヒンドスタニー]【服】花布.独特の模様を全面に染めた綿布・絹布.模様には草花・人物の幾何学的模様が多く,インド・ペルシャ・ジャワ・シャムのものが有名・・・」
(6)新・田中千代服飾事件 株式会社同文書院
「さらさ【更紗】木綿地や絹地に人,物,花,幾何模様などを捺染した布の一種である。・・・」
しかして、本願商標を構成する「SARA CA」は、その構成文字中の「SARA」と「CA」の間に半角文字程度の間隙を有するものの、本願商標を全体としてみた場合、該「更紗」もしくは「サラサ」以外に、特定の意味合いを生ずるものとはいえず、また「SARACA」の語が前記のとおり一般にもよく知られているものであるという実情からすれば、本願商標は、これに接する取引者、需要者をして、特定の意味を有さない造語として理解、認識するとはいいがたく、むしろ該「更紗」もしくは「サラサ」の意味合いを容易に理解、認識するものと判断するのが相当である。
そうとすれば、本願商標は、その指定商品中例えば「更紗製の被服」に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、その商品の原材料、品質を表示したものと理解するに止まり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものとはいいがたく、かつ、本願商標をその指定商品中の「更紗」を原材料として使用しない商品について使用する場合には、その商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものというべきである。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲(本願商標)



審理終結日 2009-06-26 
結審通知日 2009-06-30 
審決日 2009-07-14 
出願番号 商願2007-118864(T2007-118864) 
審決分類 T 1 8・ 262- Z (X25)
T 1 8・ 13- Z (X25)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 木住野 勝也 
特許庁審判長 内山 進
特許庁審判官 佐藤 淳
岩崎 良子
商標の称呼 サラサ 
代理人 林 信之 

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