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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 Y05
審判 全部申立て  登録を維持 Y05
審判 全部申立て  登録を維持 Y05
管理番号 1202209 
異議申立番号 異議2008-685019 
総通号数 117 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2009-09-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 2008-10-07 
確定日 2009-07-15 
異議申立件数
事件の表示 国際商標登録第0938841号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 国際商標登録第0938841号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件国際登録第938841号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、2007(平成19)年7月24日を国際登録の日とし、第5類「Insect repellent incense,insect repellents,insecticides.」を指定商品として、平成20年8月1日に設定登録がされたものである。
2 引用商標
本件登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用した登録第2431182号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、昭和47年4月21日に登録出願、商標登録原簿に記載したとおりの商品区分及び指定商品を指定商品として、平成4年6月30日に設定登録されたものである。
3 登録異議の申立ての理由
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標と引用商標は、いずれも5文字より構成され、しかも、もっとも看者の注意を引く語頭における「d」「e」「t」を含む4文字を同じにするものである。ゆえに、両商標は外観上類似するものである。
また、本件商標より生じる「デタン」の称呼と引用商標より生じる「デティア」の称呼を比較すると、いずれも「det」の部分にアクセントがあり強く発音され、その他が弱音で構成されている点において共通しているから、全体の音感が近似し、さらに、弱音はアクセントのある部分に吸収され聴覚されにくいから、互いに聞き誤るおそれがある。ゆえに、両商標は称呼上類似するものである。
さらに、本件商標の指定商品中、特にその製品の毒物劇物の性質に応じた高度の安全衛生の注意義務が課されている「防虫剤、殺虫剤」に係る商標の類似の範囲は、その他の商品に係る商標の類似の範囲より、広く捉える必要がある。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、取り消されるべきである。
(2)商標法第4条第1項第15号について
引用商標は、申立人が長年の広汎な研究の結果、1990年リン化アルミニウムくん蒸剤について、提携先のデゲシュ社や日本デゲシュ・ジャパン株式会社を通じて販売する際に商標として使用してきたものである(甲第3号証の2頁目、甲第4号証など参照)。
申立人及びデゲシュグループは、くん蒸剤のスペシャリストとして一世紀以上もの間、アメリカ合衆国、ドイツ、南アフリカ、メキシコ及びチリの5ヶ国にある主力工場から世界120ヶ国以上に製品を供給しており、特にリン化アルミニウムくん蒸剤については、1951年世界で初めて製品化に成功し日本においては昭和34年に農薬登録され今日に至っている(甲第5号証の2頁目など参照)。
以上から、本件商標の指定商品中、特に「防虫剤、殺虫剤」の取引者、需要者において、本件商標の出願時及び査定時に、「Detia」は、周知、著名な商標となっていたから、本件商標がその指定商品に使用した場合、「『Detia』シリーズの商品である」と誤認し、出所について混同するおそれが高いことは明らかである。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものであるから、取り消されるべきである。
4 当審の判断
(1)本件商標は、別掲(1)のとおり、「detan」の欧文字を表してなるところ、その構成文字に相応し「デタン」の称呼を生じ、特定の観念を有しない造語を表したものとみるのが相当である。
これに対し、引用商標は、別掲(2)のとおり、「Detia」の欧文字文字を表してなるところ、その構成文字に相応し「デチア」の称呼を生じ、特定の観念を有しない造語を表したものとみるのが相当である。
そこで、本件商標と引用商標の類否についてみるに、各商標は、上記したとおりの文字構成よりなるから、外観上明らかに区別し得るものと認められる。
次に、本件商標より生じる「デタン」の称呼と引用商標より生じる「デチア」の称呼は、共に3音という短い音構成よりなるところ、語頭において「デ」の音を共通にするものの、他の音「タン」と「チア」の音の差異を有するものであり、該差異がそれぞれの称呼に及ぼす影響は大きいから、両者をそれぞれ全体として称呼するときには、語感、語調が異なり十分に聴別出来るものである。さらに、、本件商標と引用商標は、共に特定の観念を生じない造語よりなるものであるから観念上は比較出来ないものである。
したがって、本件商標と引用商標は、外観のみならず称呼、観念において互いに紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならず、他に、両者が類似すると判断すべき格別の理由は見当たらない。
(2)さらに、仮に、引用商標が、申立人の業務に係る商品「リン化アルミニウムくん蒸剤」について、本件商標の国際登録日である2007(平成19)年7月24日及び登録時において、取引者、需要者の間に広く認識されていたとしても、本件商標と引用商標は、上記のとおり判然と区別し得る非類似の商標であり、他に両者を関連付けて見なければならない特段の理由もないものである。
してみると、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者が、引用商標を連想又は想起するものとは認められず、その商品が申立人又はそれと何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、商品の出所について誤認・混同を生じさせるおそれもないものといわなければならない。
(3)したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものとはいえず、商標法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 【別記】


異議決定日 2009-06-26 
審決分類 T 1 651・ 262- Y (Y05)
T 1 651・ 271- Y (Y05)
T 1 651・ 261- Y (Y05)
最終処分 維持  
前審関与審査官 八木橋 正雄 
特許庁審判長 井岡 賢一
特許庁審判官 岩崎 良子
小林 由美子
登録日 2007-07-24 
権利者 ECZACIBASI HOLDING ANONIM SIRKETI
商標の称呼 デタン 
代理人 福島 三雄 
代理人 高崎 真行 
代理人 小山 方宣 
代理人 向江 正幸 

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