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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 X1418 審判 全部申立て 登録を維持 X1418 審判 全部申立て 登録を維持 X1418 審判 全部申立て 登録を維持 X1418 |
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管理番号 | 1202182 |
異議申立番号 | 異議2008-900492 |
総通号数 | 117 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2009-09-25 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2008-12-15 |
確定日 | 2009-08-05 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5166795号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5166795号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5166795号商標(以下「本件商標」という。)は,「Riccimie」の欧文字を標準文字により表してなり,平成20年2月6日に登録出願,第14類及び第18類に属する商標登録原簿に記載された商品を指定商品として,同年9月12日に設定登録されたものである。 2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する国際登録第965513号商標(以下「引用商標」という。)は,「RICCI」の文字からなり,第3類,第18類及び第25類に属する国際登録において指定された商品を指定商品として,2007(平成19)年11月22日にフランス共和国においてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し,2008(平成20)年5月7日に国際登録されたものである。 3 登録異議申立ての理由 登録異議申立人(以下「申立人」という。)は,その理由(要点)を以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第12号証を提出した。(1)本件商標は,フランスの著名なファッションデザイナーの名前であって,申立人の名称でもある「NINA RICCI」の著名な略称である「RICCI」をその構成中に含むものであるところ,ファッション関係の商品を包含する指定商品について本件商標を使用されると,上記ファッションデザイナーの名前であり,申立人の名称である「NINA RICCI」を想起させるものであるから,商標法第4条第1項第7号及び同第8号に該当する。 (2)本件商標は,その先願に係る申立人の関係会社が所有する引用商標と類似するものであり,その指定商品も同一又は類似するものであるから,商標法第8条第1項に該当する。 (3)本件商標は,これがその指定商品に使用されると「被服,香水,下着,かばん類,眼鏡,時計,アクセサリー,陶器」等の商品との関係で著名であるファッションデザイナーの名前であり,申立人の名称の略称である「RICCI」との間で出所の混同を生じるおそれが存するものであるから,商標法第4条第1項第15号に該当する。 4 当審の判断 (1)商標法第8条第1項について 本件商標は,上記1のとおり,「Riccimie」の欧文字からなるところ,先頭の「R」のみを大文字,その他を小文字として,同一の書体で等間隔に表してなることから,構成文字全体が一体のものと把握されるものであって,これに相応して「リッチミー」の称呼を生じ,また,特定の語義を有しない造語を表したものとみるのが自然である。 他方,引用商標は,上記2のとおり,「RICCI」の欧文字からなるところ,その構成文字に相応して「リッチ」の称呼を生じ,特定の語義を有しない造語を表したものとみるのが自然である。 そこで,本件商標から生ずる「リッチミー」の称呼と引用商標から生ずる「リッチ」の称呼とを比較すると,両称呼は,後半部の音「ミー」の有無という明らかな相違があり,それぞれを一連に称呼しても十分に聴別できるものである。 また,本件商標と引用商標とは,いずれも造語からなるものであるから,観念上比較することができない。 さらに,本件商標が欧文字の大文字と小文字により「Riccimie」と表してなるのに対し,引用商標は欧文字の大文字のみにより「RICCI」と表してなるものであるから,両商標は,外観上明らかに相違するものである。 以上によれば,本件商標と引用商標は,称呼,観念及び外観のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。 したがって,本件商標は,商標法第8条第1項に該当しない。 (2)商標法第4条第1項第7号,同第8号及び同15号について (ア)「RICCI」の著名性について 申立人は,「RICCI」がファッションデザイナーの名称又は申立人の名称である「NINA RICCI」の著名な略称であって,当該「NINA RICCI」を想起させるものである旨を主張する。 しかしながら,「NINA RICCI」(1883-1970)がファッションデザイナーであったこと,そして,当該文字が申立人の名称として,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,被服,香水等のファッション関連商品の需要者のみならず一般世人にも広く認識されていたことは認められるとしても,申立人が提出した甲各号証によっては,「RICCI」の文字が「NINA RICCI」の略称として使用されている事実は見出せず,甲第7号証のウェブサイトに「RICCI」の読みと認められる「リッチ」の文字が「リッチの高度な技術が負う…」のように記載されているのみである。 そうすると,提出された証拠によっては,本件商標の指定商品を含めファッション関連の商品分野における需要者の間に「RICCI」がファッションデザイナー又は申立人の著名な略称として,本件商標の登録出願時及び登録査定時に広く認識されていたと認めることはできない。 (イ)商標法第4条第1項第8号,同第15号及び同第7号について 上記(ア)のとおり,「RICCI」が申立人の著名な略称であると認められない以上,本件商標が他人の著名な略称を含む商標に該当するとはいえない。 また,「RICCI」がファッションデザイナー又は申立人の著名な略称と認められないことに加え,上記4(1)のとおり,本件商標と「RICCI」とは,その外観,称呼及び観念の何れからみても,何ら相紛れるおそれのない非類似の商標であるから,商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても,これに接する需要者が「RICCI」及び「NINA RICCI」を想起,連想するとはいえず,その商品が申立人又は申立人と経済的又は組織的に何等かの関係のある者の業務に係る商品であるかのごとく,その商品の出所について混同を生じさせるおそれはない。 そして,本件商標は,以上のように判断されるものであるから,これが不正の目的をもって使用するものとはいえず,また,申立人から不正の目的をもって使用するものであることを認めるに足る証拠の提出もない。 したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第8号,同第15号及び同第7号に該当しない。 (3)むすび 以上のとおり,本件商標の登録は,商標法第4条第1項第7号,同第8号,同第15号,及び同法第8条第1項に違反してされたものではないから,商標法第43条の3第4項の規定により,維持すべきものである。 よって,結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2009-07-17 |
出願番号 | 商願2008-8146(T2008-8146) |
審決分類 |
T
1
651・
23-
Y
(X1418)
T 1 651・ 4- Y (X1418) T 1 651・ 271- Y (X1418) T 1 651・ 22- Y (X1418) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 保坂 金彦 |
特許庁審判長 |
石田 清 |
特許庁審判官 |
小林 由美子 久我 敬史 |
登録日 | 2008-09-12 |
登録番号 | 商標登録第5166795号(T5166795) |
権利者 | 株式会社バーンデストジャパンリミテッド |
商標の称呼 | リッチミー、リッシミー |
代理人 | 蔵田 昌俊 |
代理人 | 鈴江 武彦 |
代理人 | 福田 賢三 |
代理人 | 橋本 良樹 |
代理人 | 加藤 恭介 |
代理人 | 福田 武通 |
代理人 | 吉田 親司 |
代理人 | 幡 茂良 |
代理人 | 潮崎 宗 |
代理人 | 福田 伸一 |
代理人 | 小出 俊實 |
代理人 | 河野 哲 |
代理人 | 石川 義雄 |