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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 X09
審判 全部申立て  登録を維持 X09
審判 全部申立て  登録を維持 X09
管理番号 1202181 
異議申立番号 異議2008-900490 
総通号数 117 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2009-09-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 2008-12-11 
確定日 2009-07-21 
異議申立件数
事件の表示 登録第5166596号商標の登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5166596号商標の登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5166596号商標(以下「本件商標」という。)は、「イーモンスター」の仮名文字と「EMONSTER」の欧文字とを二段横書きしてなり、平成20年2月15日に登録出願、第9類「配電用又は制御用の機械器具,電池,電線及びケーブル,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」を指定商品として、同年9月12日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する登録商標は、以下の9件である(以下、これらをまとめていうときは「引用商標」という。)。
(1)登録第2697721号商標(以下「引用A商標」という。)は、「モンスター」の仮名文字を横書きしてなり、平成元年5月24日に登録出願、第11類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同6年10月31日に設定登録され、その後、同18年2月8日に指定商品を第9類「電線及びケーブル」とする指定商品の書換登録がされたものである。
(2)登録第2095756号商標(以下「引用B商標」という。)は、「MONSTER」の欧文字を横書きしてなり、昭和54年12月12日に登録出願、第11類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同63年11月30日に設定登録され、その後、平成21年3月11日に指定商品を第9類「電線,ケーブル」とする指定商品の書換登録がされたものである。
(3)登録第4679679号商標(以下「引用C商標」という。)は、「MONSTER」の欧文字を標準文字で表してなり、2001年1月18日にアメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づく優先権を主張して平成13年7月16日に登録出願、第9類「ケーブル,電気コネクター,配電用又は制御用の機械器具」を指定商品として、同15年6月6日に設定登録されたものである。
(4)登録第2715891号商標(以下「引用D商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、昭和59年7月30日に登録出願、第11類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成8年8月30日に設定登録され、その後、同20年3月5日に指定商品を第9類「スピーカー用接続コード,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,磁心,抵抗線,電極」とする指定商品の書換登録がされたものである。
(5)登録第5107654号商標(以下「引用E商標」という。)は、「MONSTER BASS」の欧文字を標準文字で表してなり、2004年5月28日にアメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づく優先権を主張して平成16年11月26日に登録出願、第9類「電線及びケーブル」を指定商品として、同20年1月25日に設定登録されたものである。
(6)登録第4246976号商標(以下「引用F商標」という。)は、「MONSTER CENTRAL」の欧文字を標準文字で表してなり、平成9年10月14日に登録出願、第9類「配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」を指定商品として、同11年3月5日に設定登録されたものである。
(7)登録第4585355号商標(以下「引用G商標」という。)は、「MONSTER MOBILE」の欧文字を標準文字で表してなり、2001年5月14日にアメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づく優先権を主張して平成13年11月1日に登録出願、第9類「電池を充電するための電気機器,電池用充電器,その他の配電用又は制御用の機械器具,充電式電池,その他の電池,電線及びケーブル」を指定商品として、同14年7月12日に設定登録されたものである。
(8)登録第4605487号商標(以下「引用H商標」という。)は、「MONSTER POWER」の欧文字を標準文字で表してなり、平成12年5月17日に登録出願、第9類「配電用又は制御用の機械器具,電線及びケーブル」を指定商品として、同14年9月20日に設定登録されたものである。
(9)登録第2711216号商標(以下「引用I商標」という。)は、「MONSTER SOUND」の欧文字を横書きしてなり、1990年10月17日にアメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づく優先権を主張して平成3年4月17日に登録出願、第11類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同7年11月30日に設定登録され、その後、同18年4月26日に指定商品を第9類「電線,ケーブル」とする指定商品の書換登録がされたものである。

3 登録異議申立て理由の要点
本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同第19号に該当するものであり、同法第43条の2第1号の規定によってその登録は取り消されるべきである。
(1)商標法第4条第1項第11号について
引用商標中の「モンスター」又は「MONSTER」の文字からなる引用AないしC商標からは、「モンスター」という称呼が生ずることは明らかであり、また、「MONSTER BASS」、「MONSTER CENTRAL」、「MONSTER MOBILE」、「MONSTER POWER」及び「MONSTER SOUND」の各文字からなる引用EないしI商標は、いずれも2つの英単語をスペースを設けて書して成るものであり、第1語目の英単語である「MONSTER」の語に照応して、「モンスター」という称呼が生ずる。
そして、別掲のとおりの構成からなる引用D商標は、上下2段に書してなる商標であるため、上段に記載された「monSTER」の語から「モンスター」という称呼が生ずる。
一方、本件商標の構成文字中の「E(イー)」という語は、その指定商品である「電気通信機械器具、電子応用機械器具、電線及びケーブル」等との関係において、商品の品質等を表示する語であって、自他商品の識別力を有しない語であるから、本件商標からは「イーモンスター」という称呼に加えて、「モンスター」という称呼が生じる。
したがって、本件商標は、引用商標と称呼上類似する商標であり、また、両者は同一又は類似の指定商品に係るものである。
(2)商標法第4条第1項第15号について
申立人は、1979年に設立され、高性能のスピーカー用ケーブルを開発し、当該ケーブルをモンスターケーブルと名付け、コンピューター及びコンピューターゲーム用のみならず家庭用、車用及びプロ用の音声・映像コンポーネントを接続する高性能ケーブルの世界的な製造業者となり、世界中の80以上の国々において3000以上の製品を提供し販売している。
そして、申立人の製品は、高品質・高性能なものとして世界的に広く認識されており、特に各種ケーブルは、オーディオ業界のみならず多くの業界で絶大な支持と信頼を得ている。
したがって、本件商標権者が「モンスター」及び「MONSTER」の文字を含む本件商標を「電線及びケーブル」等の指定商品に使用すると、当該製品が恰も申立人の製造・販売に係る商品であるかの如く商品の出所について誤認を生ずるおそれがある。
(3)商標法第4条第1項第19号について
甲第11ないし第27号証において立証したように、申立人は、全米No.1のケーブルメーカーとしての評価を得ており、本件商標の出願時及び査定時において、「MONSTER」、「MONSTER POWER」等の登録商標が少なくとも米国において周知・著名な商標であり、また、世界的にも広く認識されていることから、「電線及びケーブル」等を取り扱っている本件商標権者が、引用商標と称呼上類似する本件商標を平成20年2月15日に「電線及びケーブル,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」等について商標登録出願するということは、商標「MONSTER」等の出所表示機能を稀釈化させ、若しくはこれらの商標に化体した名声等を段損させる目的をもって出願したもの、又は、日本国内又は外国で周知な商標について取引上の信義則に反する不正の目的で出願したものと考えざるを得ない。
したがって、本件商標は、他人の業務に係る商品を表示するものとして日本国内又は外国における需要者の間に広く認識されている商標と類似の商標であって、不正の目的をもって使用をするものである。

4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、前記1のとおり、「イーモンスター」と「EMONSTER」とを二段横書きしてなるものであるところ、これらの各文字は、同じ書体、同じ大きさ、等間隔に表されてなり、視覚上まとまりよく一体的に把握されるばかりでなく、これより生ずると認められる「イーモンスター」の称呼もよどみなく一連に称呼されるものである。
そうすると、本件商標は、その構成文字全体をもって、一つの造語を表したものと認識・理解されるとみるのが自然であり、他に、本件商標より「モンスター」、「MONSTER」の各文字部分のみを分離・抽出して、称呼・観念しなければならない特段の理由は見出せない。
してみると、本件商標は、その構成文字に相応して、「イーモンスター」の一連の称呼のみを生ずるものといわなければならない。
したがって、本件商標より「モンスター」の称呼をも生ずるとし、これを前提に本件商標と引用商標とが「モンスター」の称呼において類似するとする申立人の主張は、理由がなくこれを採用できない。
また、本件商標は、前記のとおり、造語というべきものであるから、引用商標とは、これを観念上、比較することができない。
さらに、本件商標と引用商標とは、ぞれぞれ前記した構成よりみて、外観上明らかに区別し得る差異を有するものである。
以上によれば、本件商標と引用商標とは、称呼、観念及び外観のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
(2)商標法第4条第1項第15号について
甲各号証を総合すれば、申立人は、本件商標の登録出願前より、オーディオ機器、コンピューター等の各種ケーブルを取り扱っており、これらの商品に「MONSTER CABLE(モンスターケーブル)」の表示(以下「引用標章」という。)が使用されていたことは認められる。
しかしながら、前記(1)のとおり、本件商標は、その構成中の「MONSTER(モンスター)」の文字部分のみが独立して認識される商標ではなく、引用標章とは、商標それ自体が相違するものであるから、本件商標をその指定商品について使用しても、該商品が申立人又は申立人と何らかの関係を有する者の取扱いに係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれはないといわなければならない。
(3)商標法第4条第1項第19号について
本件商標は、前記(1)のとおり、その構成中の「MONSTER(モンスター)」の文字部分が独立して認識されるようなものでなく、本件商標と引用商標とは、その外観、称呼及び観念のいずれにおいても類似しない別異の商標であって、たとえ、引用標章が申立人の使用する商標として、商品「オーディオ機器、コンピューター等の各種ケーブル」等の需要者の間に広く認識されているものとしても、両者が紛れ得るとする事由は見出せない。
また、商標権者が本件商標を採択・使用するについて不正の目的があったものとは認められず、その証左も見出せないから、不正の目的をもって使用するものということはできない。
(4)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同第19号に違反してされたものでないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲
(引用D商標)




異議決定日 2009-07-02 
出願番号 商願2008-10958(T2008-10958) 
審決分類 T 1 651・ 262- Y (X09)
T 1 651・ 271- Y (X09)
T 1 651・ 222- Y (X09)
最終処分 維持  
前審関与審査官 鈴木 斎竹之内 正隆 
特許庁審判長 石田 清
特許庁審判官 久我 敬史
小林 由美子
登録日 2008-09-12 
登録番号 商標登録第5166596号(T5166596) 
権利者 イー・モバイル株式会社
商標の称呼 イーモンスター、イイモンスター、モンスター 
代理人 西山 清春 
代理人 古谷 聡 
代理人 溝部 孝彦 
代理人 窪田 英一郎 

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