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審決分類 |
審判 一部申立て 登録を維持 Y02 審判 一部申立て 登録を維持 Y02 |
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管理番号 | 1202175 |
異議申立番号 | 異議2008-900472 |
総通号数 | 117 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2009-09-25 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2008-11-25 |
確定日 | 2009-07-29 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5161340号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5161340号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5161340号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成18年5月25日に登録出願、第1類ないし第28類、第37類及び第40類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同20年8月22日に設定登録されたものである。 2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する国際登録第756366号商標(以下「引用商標」という。)は、「GORI」の文字を横書きしてなり、2001年4月4日に国際登録され、2004年1月23日に日本国を事後指定し、第2類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、平成17年3月4日に日本国において設定登録されたものであり、その商標権は、現に有効に存続しているものである。 3 登録異議申立ての理由 (1)商標法第4条第1項第11号について 本件商標より生ずる「ゴア」の称呼と引用商標より生ずる「ゴリ」の称呼は、語頭音「ゴ」の音が破裂音であるため、第2音が弱く発音され、それぞれを一連に称呼するときは、互いに紛らわしいものである。 また、両商標は、欧文字部分において、末尾の「E」と「I」の相違のみであるから、外観上互いに紛らわしいものである。 さらに、本件商標の指定商品中、第2類の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似の商品である。 (2)商標法第4条第1項第15号について 引用商標は、申立人の業務に係る「ウッドケア商品」等について使用され、世界及び日本国内においてよく知られている著名商標である。 したがって、本件商標をその指定商品中、第2類の指定商品に使用すれば、その商品が申立人の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。 (3)むすび 以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。 4 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第11号について 本件商標は、別掲のとおり、「GORE」の文字と図形との組み合わせよりなるものであるところ、その構成中の図形部分からは特定の称呼、観念が生じないのに対し、「GORE」の文字部分からは「ゴア」の称呼を生ずるものである。 これに対して、引用商標は、前記2のとおり、「GORI」の文字を横書きしてなるものであるから、その構成文字に相応して、「ゴリ」の称呼を生ずる。 そして、本件商標より生ずる「ゴア」の称呼と引用商標より生ずる「ゴリ」の称呼は、語頭の「ゴ」の音を共通にするとしても、いずれも2音という極めて短い音構成よりなるものであるうえに、末尾に位置する「ア」と「リ」の各音も、明瞭に響く音であるといえるから、差異音「ア」と「リ」が両称呼全体に及ぼす影響は決して小さいものではなく、それぞれの称呼を全体として称呼した場合においても、その語調、語感が相違したものとなり、互いに聞き誤るおそれはないというべきである。 また、本件商標は、別掲のとおり、「GORE」の文字と図形とを外観上バランスよく一体的に組み合わせたものであるのに対し、引用商標は、「GORI」の文字を横書きしてなるものであるから、外観上明らかに相違するものである。 仮に、本件商標中の「GORE」の文字部分のみに着目する場合があるとしても、当該「GORE」の文字部分と引用商標とは、僅かに4文字よりなる簡潔な構成であるから、末尾部分における「E」の文字と「I」の文字の差異を有することにより、これらを時と所を異にして離隔的に観察した場合においても、外観上互いに紛れるおそれはないというべきである。 さらに、引用商標は、特定の観念を有しない造語と理解されるものである。 してみれば、本件商標と引用商標とは、観念上比較することができない。 以上によれば、本件商標と引用商標は、称呼、外観及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。 (2)商標法第4条第1項第15号について 申立人は、引用商標が申立人の業務に係る「ウッドケア商品」等について使用され、世界及び日本国内においてよく知られている著名商標である旨主張し、甲第3号証ないし甲第15号証を提出している。 しかしながら、上記証拠からは、申立人が、「ウッドケア商品」等の製造、販売をする企業として、1928年にデンマーク国に設立された企業であり、申立人の取り扱う商品には、引用商標が使用されていること、及び上記「ウッドケア商品」等の日本での販売開始が2007年4月ころであることが認められるものの、上記証拠をもってしては、引用商標が申立人の業務に係る「ウッドケア商品」等を表示するものとして、本件商標の登録出願前から、世界及び日本国内の需要者の間に広く認識されていたと認めることはできない(特に、日本における著名性を立証する甲第10号証ないし甲第15号証は、いずれも本件商標の登録出願後ないし登録査定後に発行等されたものである。)。 また、前記(1)認定のとおり、本件商標と引用商標は、商標それ自体非類似のものである。 そうすると、本件商標は、これをその指定商品中、第2類に属する指定商品について使用しても、これに接する需要者をして、当該商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生じさせるおそれがある商標と認めることはできない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。 (3)むすび 以上のとおり、本件商標の登録は、登録異議の申立てに係る指定商品について、商標法第4条第1項第11号及び同第15号のいずれの規定にも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲 本件商標 |
異議決定日 | 2009-07-10 |
出願番号 | 商願2006-48101(T2006-48101) |
審決分類 |
T
1
652・
26-
Y
(Y02)
T 1 652・ 271- Y (Y02) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 鈴木 斎 |
特許庁審判長 |
井岡 賢一 |
特許庁審判官 |
末武 久佳 田村 正明 |
登録日 | 2008-08-22 |
登録番号 | 商標登録第5161340号(T5161340) |
権利者 | ジャパンゴアテックス株式会社 |
商標の称呼 | ゴア |
代理人 | 橋本 千賀子 |
代理人 | 松原 伸之 |
代理人 | 塚田 美佳子 |
代理人 | 村木 清司 |
代理人 | 関口 一秀 |
代理人 | 松嶋 さやか |
代理人 | 高部 育子 |