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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 X14
審判 全部申立て  登録を維持 X14
審判 全部申立て  登録を維持 X14
管理番号 1202166 
異議申立番号 異議2008-900367 
総通号数 117 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2009-09-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 2008-09-22 
確定日 2009-08-11 
異議申立件数
事件の表示 登録第5143459号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5143459号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5143459号商標(以下「本件商標」という。)は、「AQUA POLICE」の欧文字を標準文字で表してなり、平成19年6月13日に登録出願、第14類「貴金属,キーホルダー,宝石箱,身飾品(「カフスボタン」を除く。),カフスボタン,宝玉及びその模造品,時計」を指定商品として、同20年6月5日に登録査定、同年6月20日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第2713132号商標(以下「引用商標」という。)は、「POLICE」の文字を書してなり、平成1年5月17日に登録出願、第23類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同8年3月29日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録がなされ、さらにその後、同18年11月29日に第9類「眼鏡,眼鏡の部品及び付属品」及び第14類「時計,時計の部品及び付属品」を指定商品とする書換登録がなされ、現に有効に存続しているものである。

3 登録異議の申立ての理由(要旨)
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、「AQUA」の文字と「POLICE」の文字とからなるものであるが、これは、申立人の著名商標「POLICE」をそのまま構成要素とし、これに「AQUA」の語を単に結合したにすぎない。
著名な他人の商標に他の文字を結合させた商標は、その著名な商標に類似すると考えるべきことは、審査基準にも示されているから、本件商標「AQUA POLICE」と引用商標「POLICE」が類似することは明らかである。また、本件商標の指定商品中「時計」については、申立人商標の指定商品と同ー又は類似しているから、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第15号について
世界でも有数の製造・販売メーカーである申立人の「POLICE」の商標は、1983年にサングラス、眼鏡類について使用が開始されてから今日まで、申立人のブランドの中核を成すものであって、本件商標の登録出願前及び登録査定時点では既に、世界的規模で取引者及び需要者の間に広く認識されていた商標である。また、世界的に商品展開を行っていることから、130の国と地域で「POLICE」の商標登録を行ってきた(甲第8号証)。そして、申立人の「POLICE」ブランドに係る中核的な業務は、ファッション性を重視したデザインの眼鏡・サングラスの製造・販売ではあるが、これら申立人の商品は、消費者には従来用途の眼鏡等の枠を超えてファッションアクセサリーとして認識される商品である。つまり「POLICE」の商標は申立人の主力商品である眼鏡・サングラスの範囲のみならず、幅広く被服・アクセサリー類・ジュエリー・時計・サングラス・香水等のファッション小物・雑貨や、そのトレンドに敏感な需要者層の間で、申立人商標として広く認識されるに至った商標である。
さらに、申立人は実際に、時計・ジュエリーの販売をも開始していることよりしても、申立人商標「POLICE」から取引者・需要者が認識し得る業務に係る商品は、少なくともサングラス・眼鏡、時計、ジュエリー類が含まれると考えられる。
一方、本件商標の指定商品は、申立人の業務に係る時計やジュエリー類に該当する商品であり、いわゆるファッションアクセサリー業界の取り扱い商品からなるものである。
そうすると、申立人の業務、特に「POLICE」ブランド及び商標による商品群と、本件商標に係る指定商品とは、その販売場所の共通性のみならず、需要者層においては、ファッション小物・雑貨の需要者層といった極めて強い共通性があることから、互いに関連性が強い商品であるといえる。
よって、本件商標をその指定商品について使用した場合、これに接する取引者及び需要者が、上記事情から、容易に申立人商標「POLICE」を連想・想起し、また、その商品が申立人若しくは申立人と経済的・組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品、又は、申立人より使用許諾を得て販売されている商品であるかのように、商品の出所について混同を生じさせるおそれがある。
以上のとおり、本件商標と申立人商標とは商標において類似すること、申立人商標の周知性、本件商標と申立人商標に係る商品の共通性、さらに商品の出所についての混同のおそれ等に基づいて判断すると、本件商標が商標法第4条第1項第15号に該当することは明らかである。
(3)商標法第4条第1項第19号について
申立人のブランド及び商標である「POLICE」は、我が国のみならず世界的な規模で需要者に広く知られていることは、これまで述べてきたところ、こうした周知著名な商標をそのまま構成要素とした本件商標は申立人商標が有するに至った高名声・信用・評判を、自己に有利にフリーライド(ただ乗り)することを狙い、しかも、「POLICE」ブランド・商標のもつ出所表示機能のダイリューション(希釈化)を招くことを十分認識して採択されたものといわざるを得ず、ここに不正の目的で登録出願されたことが強く窺われるものである。
また、ある商品について、機能やデザインの相違によるそれぞれの商品バリエーションについて、サブネームを付けることは日常的に行われている。商品バリエーションが多い時計については特に、顧客吸引力を有する著名ブランド名にサブネームを付け、それぞれの商品ラインを区別することが多いものである。つまり申立人の販売する時計についても「POLICE ○○」や 「○○ POLICE」といったように、「POLICE」ブランドの顧客吸引力を利用する形で「サブネーム+ブランド名」として商品展開を行う可能性があることは、客易く想像ができるといえる。申立人の著名商標を構成要素に含む本件商標については、こうした商品名採択の実情を知った上で採択・出願された商標といえるのであり、明らかに申立人商標の名声や評判のフリーライドを目的にしたと窺い知れるものである。
以上のことより、本件商標は、申立人の「POLICE」ブランド・商標の業務に係る商品と極めて関連の度合いが高い商品を指定商品とし、申立人の著名商標「POLICE」を構成中に含むものであるから、こうした本件商標を申立人以外の者がその指定商品について使用するときは、「不正の目的」をもって使用するものであると強く推認できるものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当するものである。
(4)むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第15号、同第19号に該当するものであるから、その登録は取り消されるべきものである。

3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、上記第1のとおり、「AQUA POLICE」の欧文字を標準文字で表してなるものであって、中間部に一字程度間隔を有するとしても、各語は同じ書体、同じ大きさで一連一体に表されており、また、その全体の文字数も10文字という格別文字数の多いものではない。さらに、その全体より生ずる「アクアポリス」の称呼も冗長なものではなく、よどみなく一気一連に称呼し得るものである。
そうとすれば、本件商標は、構成全体をもって不可分一体のものとして認識し把握されるとみるのが自然であるから、全体の構成文字に相応して「アクアポリス」の称呼のみを生ずる造語というのが相当である。
これに対し、引用商標は、「POLICE」の文字よりなるものであるから、構成文字に相応して「ポリス」の称呼を生じ、「警察」の観念を有するものである。
そこで、本件商標より生ずる「アクアポリス」の称呼と引用商標より生ずる「ポリス」の称呼とを比較するに、両者は構成音数、音構成に著しい差異を有しているから、称呼上十分区別し得るものである。また、両者は、外観においても明らかな差異があり、観念においては、本件商標が特定の意味を有しない造語である以上両者は比較できないものである。
したがって、本件商標と引用商標は、称呼、外観及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
(2)商標法第4条第1項第15号について
申立人の提出に係る甲各号証によれば、「POLICE」の文字からなる商標が、本件商標の登録出願時において、申立人の業務に係る時計やジュエリー類のいわゆるファッションアクセサリー商品に使用されていることは認められるとしても、これが、時計やジュエリーなど申立人の業務に係る商品を表示するものとして、取引者、需要者の間に広く認識されるに至っているとまでは認められないものである。
加えて、本件商標と申立人の「POLICE」商標とは、上記(1)のとおり、相紛れるおそれのない別異の商標であるから、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者が、申立人の「POLICE」商標を連想又は想起するものとはいえないものである。
したがって、本件商標は、これを商標権者がその指定商品に使用しても、その商品が申立人又は申立人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、商品の出所について混同を生ずるおそれのある商標であるとはいえない。
(3)商標法第4条第1項第19号について
上記(1)及び(2)で述べたとおり、本件商標と申立人の「POLICE」商標とは、相紛れるおそれのない別異の商標であり、また、「POLICE」の文字からなる商標が、申立人の業務に係る時計やジュエリーなどの商品を表示するものとして、取引者、需要者の間に広く知られているものとも認められない。さらに、申立人の提出に係る証拠によっては、商標権者が不正の目的をもって使用するものとも認められない。
(4)以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同第19号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2009-07-17 
出願番号 商願2007-59787(T2007-59787) 
審決分類 T 1 651・ 222- Y (X14)
T 1 651・ 271- Y (X14)
T 1 651・ 26- Y (X14)
最終処分 維持  
前審関与審査官 山田 忠司 
特許庁審判長 芦葉 松美
特許庁審判官 岩崎 良子
内山 進
登録日 2008-06-20 
登録番号 商標登録第5143459号(T5143459) 
権利者 シチズンホールディングス株式会社
商標の称呼 アクアポリス、アクア、ポリス 
代理人 宮島 明 
代理人 太田 恵一 
代理人 土屋 繁 

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