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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 X03
審判 全部申立て  登録を維持 X03
管理番号 1202164 
異議申立番号 異議2008-900284 
総通号数 117 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2009-09-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 2008-07-25 
確定日 2009-07-22 
異議申立件数
事件の表示 登録第5128821号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5128821号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5128821号商標(以下「本件商標」という。)は、「フェアリッシモ」及び「FAIRISSIMO」の文字を上下二段に横書きしてなり、平成19年9月27日に登録出願、第3類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、平成20年4月18日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立ての理由
(1)引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する登録商標は、下記の7件である。
ア 登録第2413296号商標(以下「引用商標1」という。)は、「FELISSIMO」の文字を書してなり、平成元年4月11日に登録出願、第4類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、平成4年5月29日に設定登録されたものである。その後、指定商品については、平成14年11月13日、第3類及び第30類に属する商標登録原簿記載の商品に書換登録がなされたものである。
イ 登録第5153814号商標(以下「引用商標2」という。)は、「FELISSIMO」の文字を標準文字としてなり、平成19年4月1日に登録出願、第1類ないし第35類に属する商標登録原簿記載の商品・役務を指定商品・指定役務として、平成20年7月25日に設定登録されたものである。
ウ 登録第2502387号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲に示す構成からなり、平成2年3月20日に登録出願、第4類に属する商標登録原簿記載の商品を指定商品として、平成5年2月26日に設定登録されたものである。その後、指定商品については、平成16年7月21日、第3類及び第30類に属する商標登録原簿記載の商品に書換登録がなされたものである。
エ 登録第2384432号商標(以下「引用商標4」という。)は、「フェリシモ」の文字を書してなり、平成元年4月11日に登録出願、第4類に属する商標登録原簿記載の商品を指定商品として、平成4年2月28日に設定登録されたものである。その後、指定商品については、平成14年7月31日、第3類及び第30類に属する商標登録原簿記載の商品に書換登録がなされたものである。
オ 登録第2359892号商標(以下「引用商標5」という。)は、「FELISSIMO」の文字を書してなり、平成元年4月11日に登録出願、第21類に属する商標登録原簿記載の商品を指定商品として、平成3年12月25日に設定登録されたものである。その後、指定商品については、平成14年5月8日、第3類、第6類、第8類、第10類、第14類、第18類、第21類、第25類及び第26類に属する商標登録原簿記載の商品に書換登録がなされたものである。
カ 登録第2473141号商標(以下「引用商標6」という。)は、別掲に示す構成からなり、平成2年3月20日に登録出願、第21類に属する商標登録原簿記載の商品を指定商品として、平成4年10月30日に設定登録されたものである。その後、指定商品については、平成15年4月9日、第3類、第6類、第8類、第10類、第14類、第18類、第21類、第25類及び第26類に属する商標登録原簿記載の商品に書換登録がなされたものである。
キ 登録第2331052号商標(以下「引用商標7」という。)は、「フェリシモ」の文字を書してなり、平成元年4月11日に登録出願、第21類に属する商標登録原簿記載の商品を指定商品として、平成3年8月30日に設定登録されたものである。その後、指定商品については、平成14年2月13日、第3類、第6類、第8類、第10類、第14類、第18類、第21類、第25類及び第26類に属する商標登録原簿記載の商品に書換登録がなされたものである。
(2)理由の要点
本件商標は、その構成から少なくとも「フェリッシモ」「フェリシモ」又は「フェアリッシモ」の称呼が生ずる。これに対し、引用商標1ないし7は、その構成から「フェリッシモ」又は「フェリシモ」の称呼が生ずるものであるから、両商標は特に称呼が同一又は類似し、相紛らわしいものである。また、その指定商品も同一又は類似のものを含んでいる。
さらに、引用商標1ないし3、5及び6は、被服、履物等のファッション関連商品等に長年使用されてきた商標であり、本件商標の出願時及び査定時には、申立人の商標として需要者間に広く認識されていたことから、本件商標が指定商品に使用された場合には、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第15に違反して登録されたものである。

3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当について
本件商標は、「フェアリッシモ」及び「FAIRISSIMO」の文字からなるものであるところ、上段の片仮名文字「フェアリッシモ」が下段の欧文字「FAIRISSIMO」の表音として自然なものといえるから、この構成からは、「フェアリッシモ」のみの称呼が生ずるというのが相当である。そして、特定の観念を生じさせない造語からなるものとして看取されるものである。
一方、引用商標1ないし7は、その構成文字に相応して、いずれも、「フェリシモ」の称呼が生ずるものと認められる。また、いずれも、特定の観念を生じさせない造語からなるものとして看取されるものである。
しかして、「フェアリッシモ」と「フェリシモ」の両称呼を対比してみると、両称呼は、その識別上重要な要素を占める語頭部における「ア」の音の有無に差異を有するものであり、当該「ア」の音が口を大きく開いて発される音で明りょうに聴取される音であることと、中間の「リ」に促音を伴うか否かの差異を有することをも併せれば、その差異が両称呼の音感に与える影響は決して小さいとは言い難く、これらをそれぞれ一連に称呼するときには、全体としての音感が相違し、相紛れることなく充分に区別し得るものである。
また、外観についてみてみると、本件商標の欧文字部分の「FAIRISSIMO」と引用商標の欧文字「FELISSIMO」とは、第2文字目からの部分において「AIR」と「EL」の差を有するばかりでなく、構成文字数が10文字と9文字の差異があり、また、本件商標の片仮名部分「フェアリッシモ」と片仮名の引用商標「フェリシモ」とを比較すると、本件商標は、引用商標にはない「ア」と「ッ」の文字を有し、7文字と5文字の差異を有するものであるから、外観上で相紛れるおそれはないものである。
さらに、本件商標と引用商標1ないし7とは、観念において比較することができない。
してみれば、本件商標は、外観、称呼及び観念のいずれからみても、引用商標1ないし7に類似する商標と判断することはできないから、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)商標法第4条第1項第15号該当について
申立人提出の証拠によれば、別掲に示した商標が、申立人の業務に係る被服や履物等の商標として、「フェリシモ」の称呼をもって使用されており、本件商標の出願時において需要者間において相当程度に知られていたものということができる。
しかしながら、本件商標が引用商標に類似する商標と認められないことは前記(1)のとおりであり、加えて、相当に図案化された別掲に係る商標の構成態様をも勘案すれば、本件商標と引用商標とをさらに関連づけ得る余地があるとは到底言い難いところである。
してみれば、本件商標をその出願時に指定商品に使用しても、これに接する需要者が当該商品を申立人あるいは同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く誤信するとは認められないから、商品の出所について混同するおそれはなかったというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(3)まとめ
以上のとおり、本件商標は商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものではないから、その登録は維持すべきものである。
よって、同法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。
別掲 別掲


異議決定日 2009-07-03 
出願番号 商願2007-105409(T2007-105409) 
審決分類 T 1 651・ 262- Y (X03)
T 1 651・ 271- Y (X03)
最終処分 維持  
前審関与審査官 林田 悠子鈴木 斎 
特許庁審判長 芦葉 松美
特許庁審判官 岩崎 良子
内山 進
登録日 2008-04-18 
登録番号 商標登録第5128821号(T5128821) 
権利者 株式会社マンダム
商標の称呼 フェアリッシモ 
代理人 松下 正 
代理人 鶴本 祥文 
代理人 古谷 栄男 

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