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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 X30 審判 全部申立て 登録を維持 X30 |
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管理番号 | 1202161 |
異議申立番号 | 異議2008-900217 |
総通号数 | 117 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2009-09-25 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2008-05-23 |
確定日 | 2009-07-18 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5113098号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5113098号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5113098号商標(以下「本件商標」という。)は、「Whitakers」の欧文字を標準文字で表してなり、平成19年7月6日に登録出願、第30類「チョコレート,その他の菓子及びパン」を指定商品として、同20年2月22日に設定登録されたものである。 2 本件登録異議の申立ての理由(要点) (1)第4条第1項第19号について 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が商品「チョコレート」に使用している別掲の構成よりなる商標(以下「引用商標」という。)は、少なくともニュージーランドにおいて長年にわたり使用された結果、需要者の間に広く認識されたものであり、本件商標と引用商標とは、類似の商標である。 そして、「Whittaker」がファミリーネームとして存在するとはいえ、我々日本人になじみがあるファミリーネームとは、言い難く、また、一般にファミリーネームを商標として採択する場合、自身の姓であるとか、なんらかのゆかりのある姓を採択するのが常である。本人と全く関係のないファミリーネームを採択することは、名前を騙るようなものであり、考えられない。そして、「Whittakers」は、申立人の商標として、少なくともニュージーランドでは、周知な商標であり、加えて、我が国からでもこうした事実を十分知り得るものでである。こうした事実を勘案すると、本件商標は、引用商標と偶然に一致したものとは、考え難く、商標権者は、引用商標が申立人の商標としてニュージーランドで需要者の間で広く認識されていることを承知の上、申立人が未だ我が国において登録されていないことを奇貨として、不正な利益を得る目的のもとに出願し、権利を取得したものと考えざるを得ない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に違反して登録されたものといわざるを得ない。 (2)第4条第1項第7号について 引用商標は、申立人に係る商標としてニュージーランドにおいて需要者に広く認識されている商標である。こうした外国周知商標とほぼ同一といってもよいほど類似する本件商標の登録を認めれば、公正な取引秩序を乱すおそれがあって国際信義に反することは、明らかである。 したがって、こうした公の秩序を害する本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。 3 当審の判断 (1)申立人は、引用商標が商品「チョコレート」について使用する商標として、本件商標の登録出願前からニュージーランドにおいて、需要者に広く知られている旨主張し、証拠(甲第2号証ないし甲第35号証)を提出しているので、本件商標の周知性について検討する。 (ア)甲第2号証ないし甲第27号証は、いずれも申立人の製造、販売する各種チョコレートのパッケージである。 (イ)甲第28号証は、申立人のウェブサイトの写しであり、申立人会社の歴史、製品が英語で紹介されているものである。 (ウ)甲第29号証及び甲第30号証は、英語で作成された申立人の製品のカタログの写しである。いずれのカタログも作成日、配布時期、発行部数、配布地域等が不明であるが、例えば、甲第29号証のカタログには、80種類以上の多数の製品が紹介されている。 (エ)甲第31号証は、「Whittakers」のチョコレートピーナッツバーがニュージーランドで以前から身近な商品となっている旨の記事が掲載された2007年8月13日付けのニュージーランドの新聞「THE DOMINION POST」の写しである。上記新聞の対象分野、発行形態、発行部数、頒布状況等は明らかでない。 (オ)甲第32号証は、「SHOP NEW ZEALAND」のショッピングサイトの写しであり、「チョコスティック Whittakers Sante Bar-25g」が「有名なWhittakers社のミルクチョコレートとダークチョコレートバー」との紹介の下に販売されている。 (カ)甲第33号証は、「究極の旅 in New Zealand プロジェクト」と題するウェブサイトの写しであり、(2007年)6月23日(土)に六本木の泉ガーデンで限定300名で行われたイベント「verita meets 100% Pure New Zealand」に関する2007年9月20日付けのレポート記事において、「ニュージーランドではおなじみの有名なWhittakers社のローストアーモンドチョコレートバーは香ばしいアーモンドがたっぷり入っていてとてもおいしいチョコレートでした!」の記載がある。 甲第34号証は、「BuyMa世界最大のバイイング・マーケット」と題するウェブサイトの写しであり、「世界の○○(まるまる)事情」と題するコーナーに、2007年5月29日付けの「ニュージーランドのあま?いお菓子/ニュージーランド」の見出しの下、アイスクリームやチョコレートを紹介する記事中に「有名なブランドでは“Cadbury”と“Whittaker’s”です。どちらも長い歴史を持つチョコレート会社です・・・」の記載がある。 甲第35号証は、「PLAZA HOUSE SC INFO NET2 世界16ヵ国のチョコが揃ったよ!!」と題するウェブサイトに、2008年2月1日付けで「世界16ヵ国より約113種類がG-AREAに揃いました!!」の見出しの下、チョコバー「Whittaker’s[New Zealand]ピーナッツスラブ/アーモンドゴールド」が商品の写真と共に紹介されている。 これらのウェブサイトの記事は、ニュージーランドに関する商品や話題を提供するサイトであったり、申立人の商品が世界16か国より取り寄せた113種類の菓子の一つとして紹介されている記事にすぎないものである。 (キ)また、申立人は、平成20年8月29日付け上申書において、売上額は、2003年?2004年16,600,000NZドル、2004年?2005年18,000,000NZドル、2005年?2006年21,600,000NZドル、2006年?2007年22,900,000NZドル、2007年?2008年25,500,000NZドルであり、その他、年間、1,000,000NZドルから、1,300,000NZドル程度を宣伝広告費として出費していると主張しているが、これに関する証拠は何ら提出されていない。 (2)以上の証拠によれば、本件商標の登録出願時に申立人によって、引用商標がチョコレートに使用され、ニュージーランドにおいて、ある程度知られていたものと認め得るとしても、提出された証拠によっては、本件商標の出願時に、引用商標がニュージーランドにおいて、申立人の業務に係る商品「チョコレート」を表示する商標として取引者、需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。 その他、引用商標が申立人の業務に係る商品を表示するものとして日本国内又はニュージーランドをはじめとする外国において、取引者、需要者の間に広く認識されていることを認めるに足る証拠はない。 してみれば、引用商標は、本件商標の登録出願時において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして日本国内又は外国における取引者、需要者の間に広く認識されていた商標ということはできない。 加えて、提出に係る全証拠を精査しても、商標権者に不正の目的があったとする証左を見いだし得ないばかりでなく、本件商標を構成する「Whitakers」の欧文字中、「Whitaker」の文字部分は、欧米の氏姓の一つであり、商標権者の氏姓と相違するとしても、申立人が商標として、採択使用することは不自然とはいえないし、「Whitakers」の文字からなり、「ホイテッカー家」の語義が生ずる成語ともいえる本件商標の使用には、不正の目的を見いだし得ないところである。 してみれば、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当するものではない。 (3)第4条第1項第7号について 前記(2)の認定のとおり,引用商標は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして,本件商標の登録出願時において,日本国内又は外国における需要者の間に広く認識されている商標ということはできないし、本件商標は、不正の目的をもって使用する商標ということができない。 また、本件商標は、その構成自体が矯激、卑わい、差別的若しくは他人に不快な印象を与える文字よりなるものではないから、本件商標は、その指定商品について使用しても,公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標ということもできない。 したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第7号に該当しない。 (4)結び 以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項7号及び第19号に違反して登録されたものでないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
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異議決定日 | 2009-06-30 |
出願番号 | 商願2007-76637(T2007-76637) |
審決分類 |
T
1
651・
22-
Y
(X30)
T 1 651・ 222- Y (X30) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 梶原 良子 |
特許庁審判長 |
芦葉 松美 |
特許庁審判官 |
岩崎 良子 内山 進 |
登録日 | 2008-02-22 |
登録番号 | 商標登録第5113098号(T5113098) |
権利者 | マクレラン牧子 |
商標の称呼 | ホイッタカーズ、ホイッティカーズ、ホイッテーカーズ |
代理人 | 真保 玉緒 |
代理人 | 齋藤 宗也 |
代理人 | 福島 栄一 |
代理人 | 黒川 朋也 |
代理人 | 長谷川 芳樹 |
代理人 | 工藤 莞司 |