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審決分類 審判 査定不服 称呼類似 登録しない X09
管理番号 1202128 
審判番号 不服2009-7398 
総通号数 117 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2009-09-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2009-04-06 
確定日 2009-08-05 
事件の表示 商願2008- 19702拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成からなり、第9類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成20年3月14日に登録出願されたものであるが、その指定商品については、一部職権訂正がなされた結果、第9類「ポスシステム用端末装置、電子応用機械器具用ディスプレイ装置、その他の電子応用機械器具及びその部品、ポスシステム用端末装置を備えたキャッシュレジスタ、その他のキャッシュレジスタ」を指定商品とするものである。

2 引用商標
原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録第4335091号商標(以下「引用商標」という。)は、「WEBCONPO」の欧文字を標準文字で表してなり、平成10年10月7日登録出願、第9類「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,家庭用テレビゲームおもちゃ」を指定商品として、同11年11月12日に設定登録されたものである。

3 当審の判断
(1)本願商標は、別掲のとおり、上下2段に書された「Web」と「Combo」の文字及び下段の「C」の文字の末尾部分から延びた線が左上部の一角は開口してはいるものの「Web」と「ombo」の文字全体を内包する四角形の枠線を形成したようにみえる構成からなるものである。
これに対し、請求人は、このような構成からなる本願商標は、全体的に統一された文字商標というよりは特異な図形として理解、認識されるものである旨主張するが、本願商標の構成中の文字部分を囲う枠線は、文字を引き立たせるための輪郭図形の一として認識し得るものであり、また、文字部分も「Web」「Combo」を表したものと容易に理解し得るものである。そして、本願商標が「Web」と「Combo」の欧文字からなること及び、「Combo」の文字部分から「コンボ」の称呼を生ずることは請求人も認めているところである。
そうすると、本願商標は、その構成全体をもって特異な図形を表したものとはいえず、「Web」及び「Combo」の文字部分が独立して自他商品識別機能を発揮し得るものであって、これらの文字に相応し、「ウエブコンボ」の称呼を生ずるものであり、また、全体として、特定の観念を生じない一種の造語を表したものとみるのが自然である。
一方、引用商標は、「WEBCONPO」の文字からなるものであるから、その構成文字に相応して、「ウエブコンポ」の称呼を生ずるものであり、また、これよりは、特定の観念を生じさせないものである。
そこで、本願商標から生ずる「ウエブコンボ」の称呼と、引用商標から生ずる「ウエブコンポ」の称呼とを比較すると、両称呼は、共に5音構成からなるものであって、異なるところは比較的聴取し難い末尾に位置する音である5音目の「ボ」と「ポ」の差異にすぎず、他の配列構成音をすべて共通にするものである。
しかして、該差異音である「ボ」と「ポ」についても、「ボ」が両唇を合わせて破裂させる有声子音「b」と母音「o」の結合した音であり、「ポ」が両唇を合わせて破裂させる無声子音「p」と母音「o」の結合した音であるから、その調音の位置及び方法において極めて近い関係にあるものであり、両称呼をそれぞれ一連に称呼するときは、全体の語調、語感が相似たものとなり、互いに聞き誤るおそれがあるものと判断するのが相当である。
してみれば、本願商標と引用商標とは、称呼において類似するものである。
次に、外観についてみると、本願商標は、前記のとおりの構成態様であり、引用商標は、「WEBCONPO」の文字を標準文字で表したものであるから、両者は外観において明らかに相違するものである。
また、観念についてみると、本願商標と引用商標とは、共に特定の観念を生じさせないものであるから、それらを比較することはできないものである。
そうすると、本願商標と引用商標とは、その称呼において紛れ得るものであり、このほか外観・観念の点を考慮するとしても、なお、両者はその出所について混同を生ずるおそれのある類似の商標といわなければならない。
そして、本願商標の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似のものである。
(2)請求人は、本願商標の主たる需要者は、スーパーマーケット等を中心とする流通業界を対象とするものであり、一般大衆向けの商品ではなく特定された取引者であることから、その販売ルートは、本願商標の出願人の営業部門においての直接販売及び営業所の販売ルートにより取引されるものである。他方、引用商標の権利者である日本電信電話株式会社は、通信機器を扱うものとして広く一般に認知され一般大衆向けの商品を扱うことからも、本願商標出願人とは、全く異なる業界であることは一般需要者においても明白であるから、出所につき誤認混同が生ずるおそれはない旨主張するが、本願商標及び引用商標の指定商品である「電子応用機械器具及びその部品」には、広範囲な指定商品が含まれており、商品の具体的な取引の実情とは、指定商品全般についての一般的・恒常的なそれを指すものであって、単に当該商標が現在使用されている商品についてのみの特殊的・限定的なそれを指すものではないことは明らかであり、請求人の主張する事情は、本願商標の指定商品の一部の商品についての特殊的・限定的な取引の実情にとどまるものであって、本願商標の広範な指定商品全般についての一般的・恒常的な取引の実情ではない。
したがって、請求人の上記主張は採用することができない。
(3)以上のとおり、本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するとして、その出願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲(本願商標)



審理終結日 2009-06-02 
結審通知日 2009-06-05 
審決日 2009-06-16 
出願番号 商願2008-19702(T2008-19702) 
審決分類 T 1 8・ 262- Z (X09)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 鈴木 斎竹之内 正隆 
特許庁審判長 小林 由美子
特許庁審判官 田村 正明
榎本 政実
商標の称呼 ウエブコンボ、ウエブ、ダブリュウイイビイ、コンボ 

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