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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 X093842
審判 全部申立て  登録を維持 X093842
審判 全部申立て  登録を維持 X093842
管理番号 1200619 
異議申立番号 異議2008-900458 
総通号数 116 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2009-08-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2008-11-17 
確定日 2009-07-08 
異議申立件数
事件の表示 登録第5159473号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5159473号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5159473号商標(以下「本件商標」という。)は、「STSC」の文字を標準文字により表してなり、平成19年11月8日に登録出願され、第9類、第38類及び第42類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として平成20年8月15日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第4326899号商標(以下「引用商標1」という。)は、「SMSC」の文字を標準文字により表してなり、アメリカ合衆国における1997年8月20日の商標登録出願に基づきパリ条約による優先権を主張して平成10年2月17日に登録出願され、第9類「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」を指定商品として平成11年10月22日に設定登録されたものである。同じく登録第5027926号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、アメリカ合衆国における2004年2月13日の商標登録出願に基づきパリ条約による優先権を主張して平成16年8月13日に登録出願され、第9類「集積回路,コンピュータネットワーク接続用ハブ,無線ネットワーク用ベースステーション,コンピュータハードウェア,デバイスドライバ用・データ通信用及びデータ交換用コンピュータソフトウェア・集積回路に関して用いられるコンピュータソフトウェア・その他のコンピュータソフトウェア」を指定商品として平成19年2月23日に設定登録されたものである。
以下、これらの登録商標を総称するときは、単に「引用商標」という。

3 登録異議申立ての理由の要点
(1)本件商標と引用商標とは、その外観・イメージ・称呼において相紛らわしい類似の商標であり、かつ、本件商標の指定商品中「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」と引用商標の指定商品とは同一又は類似のものであるから、本件商標は、その指定商品中の上記商品については商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)引用商標は、申立人の業務に係る「情報家電、アミューズメント関連、カーエレクトロニクス、PC機器」等の商品を表示する商標として、本件商標の登録出願時及び査定時には周知・著名になっていたものであるから、本件商標をその指定商品及び指定役務に使用した場合、周知・著名な申立人の業務との関係において、取引者・需要者の間で出所の混同を生ずるおそれがある。したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。

4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
本件商標と引用商標との類否について検討するに、本件商標は、上記1のとおりの構成からなるところ、親しまれた既成の観念を有する成語ないしは略語を表したものとは認められず、アルファベット4文字を羅列したものとして認識し把握されるというのが自然であるから、このような場合、発音に際しては一気一連というよりも、むしろ一文字一文字を区切って明確に発音されることが多く、「エスティーエスシー」の称呼を生ずるものといえる。他方、引用商標1及び引用商標2の文字部分も、本件商標と同様、親しまれた既成の観念を有する成語ないしは略語を表したものとは認められず、一文字一文字を区切って明確に発音され、「エスエムエスシー」の称呼を生ずるものといえる。なお、引用商標2は、別掲のとおり、図形とやや図案化した文字からなるものであるが、該図形は一見して直ちに何を表現したものか判別し難く、既成の称呼及び観念を生ずるものとはいえないし、これと文字部分とが常に一体不可分のものとしてのみ認識し把握されるべき格別の事情も見出し得ないから、引用商標2は、読みやすい文字部分を捉え、これより生ずる称呼をもって取引に資される場合が少なくないというべきであり、「エスエムエスシー」の称呼のみを生ずるものとみるのが自然である。
しかして、本件商標から生ずる「エスティーエスシー」の称呼と引用商標から生ずる「エスエムエスシー」の称呼とは、第3音及び第4音において音質を異にする「ティー」と「エム」の差異を有しており、上記発音上の事情及び上記音の差異を合わせ考慮すれば、相紛れることなく明瞭に区別することができるものである。
また、本件商標と引用商標とは、それぞれの構成に照らし、外観において判然と区別し得る差異を有するものであり、両者の観念については比較すべくもない。
してみれば、本件商標と引用商標とは、称呼、外観及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
したがって、本件商標は、商品の類否について検討するまでもなく、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。
(2)商標法第4条第1項第15号該当性について
申立人の提出に係る証拠によれば、引用商標と社会通念上同一といえる商標が申立人の業務に係る情報家電、アミューズメント関連、カーエレクトロニクス、パソコン等の分野における機器について使用されていることが窺えるものの、その個別具体的な商品についての使用の形態、方法等が必ずしも明らかでないし、引用商標を使用した商品についての取引状況、売上高、市場規模、宣伝広告の事実及びその期間、手段・媒体、規模、引用商標の使用期間、頻度、規模、地域等が一切明らかでなく、該証拠によっては、引用商標が申立人の業務に係る商品を表示する商標として取引者、需要者の間に広く認識されているものとは認められない。
その他、引用商標が本件商標の登録出願時及び査定時において取引者、需要者の間に広く認識されていたことを認めるに足る証拠はない。
そして、本件商標と引用商標とは、上記(1)のとおり、相紛れるおそれない非類似の商標であり、別異のものといえる。
かかる事情の下において、本件商標をその指定商品及び指定役務について使用しても、これに接する取引者、需要者が引用商標ないしは申立人を連想、想起するようなことはないというべきであり、該商品又は役務が申立人又は同人と経済的、組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品又は役務であるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれはないものと判断するのが相当である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号のいずれの規定にも違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲


異議決定日 2009-06-19 
出願番号 商願2007-113572(T2007-113572) 
審決分類 T 1 651・ 261- Y (X093842)
T 1 651・ 262- Y (X093842)
T 1 651・ 271- Y (X093842)
最終処分 維持  
前審関与審査官 鈴木 斎 
特許庁審判長 芦葉 松美
特許庁審判官 岩崎 良子
内山 進
登録日 2008-08-15 
登録番号 商標登録第5159473号(T5159473) 
権利者 NECパーソナルプロダクツ株式会社
商標の称呼 エステイエスシイ 
代理人 木村 明隆 
代理人 渡辺 志穂 
代理人 吉武 賢次 
代理人 高田 泰彦 
代理人 黒瀬 雅志 
代理人 塩谷 信 
代理人 宮嶋 学 
代理人 宮城 和浩 

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