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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 X09
審判 全部申立て  登録を維持 X09
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管理番号 1200611 
異議申立番号 異議2008-900439 
総通号数 116 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2009-08-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2008-11-04 
確定日 2009-06-29 
異議申立件数
事件の表示 登録第5156033号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5156033号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録異議申立に係る登録第5156033号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成からなり、平成20年3月26日に登録出願、第9類「乗物用ナビゲーション装置(コンピュータ内蔵のもの),全地球位置測位装置(GPS)」を指定商品として、同年8月1日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、次の(1)ないし(8)に示すとおりのものである(以下まとめて「引用商標」という。)。
(1)引用登録第4138519号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、昭和64年1月5日に登録出願、第11類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、平成10年4月24日に設定登録されたものである。
その後、指定商品については、同15年4月2日に商標権の一部取消し審判の確定登録がされ、さらに同20年9月3日に第9類「配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品(排気ガス浄化用触媒コンバータ用の電子制御装置を除く),磁心,抵抗線,電極」と書換登録されているものである。
また、当該商標権は、同19年12月11日に存続期間の更新登録がされ、現に有効に存続している。
(2)引用登録第398749号商標は、「CAT」の欧文字を書してなり、昭和24年11月1日に登録出願、第17類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、同26年5月21日に設定登録されたものである。その後、指定商品については、平成14年8月21日に第7類及び第12類に属する商標登録原簿に記載の商品に書換登録されているものである。
また、当該商標権は、存続期間の更新登録が4回にわたりされ、現に有効に存続している。
(3)引用登録第401687号商標(以下「引用商標2」という。)は、「CAT」の欧文字を書してなり、昭和25年11月22日に登録出願、第69類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、同26年8月9日に設定登録されたものである。
その後、指定商品については、平成12年2月9日に商標権一部取消し審判の確定登録がされ、さらに平成14年7月24日に第7類「発電機,電動機(陸上の乗物用のもの(その部品を除く。)を除く。)」、第9類「回転変流機,整流機,周波数変換機,電信機,電話機,変圧機,開閉機,電流制限機,電流制御機,抵抗器,電気炉電極,電鈴,真空管,X線管,電気測定器,電池,蓄電器,被覆電線」及び第12類「陸上の乗物用の電動機(その部品を除く。)」に書換登録されているものである。
また、当該商標権は、存続期間の更新登録が4回にわたりされ、現に有効に存続している。
(4)引用登録第1551140号商標は、「CAT」の欧文字を書してなり、昭和48年4月23日に登録出願、第9類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、同57年11月26日に設定登録されたものである。指定商品については、平成12年7月26日に商標権一部取消し審判の確定登録がされ、さらに平成16年9月22日に第7類、第8類及び第12類に属する商標登録原簿に記載の商品に書換登録されているものである。
また、当該商標権は存続期間の更新登録が2回わたりされ、現に有効に存続している。
(5)引用登録第1847494号商標は、「CAT」の欧文字を書してなり、昭和48年4月23日に登録出願、第12類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、同61年3月26日に設定登録されたものである。その後、指定商品については、平成18年4月26日に第12類に属する商標登録原簿に記載の商品に書換登録されているものである。
また、当該商標権は、存続期間の更新登録が2回わたりされ、現に有効に存続している。
(6)引用登録第2476927号商標は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、昭和64年1月5日に登録出願、第9類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、平成4年11月30日に設定登録されたものである。その後、指定商品については、同16年2月25日に第7類、第8類及び第12類に属する商標登録原簿に記載の商品に書換登録されている。
また、当該商標権は、同14年8月27日に存続期間の更新登録がされ、現に有効に存続している。
(7)引用登録第2484093号商標は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、昭和64年1月5日に登録出願、第12類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、平成4年12月25日に設定登録されたものである。指定商品については、同16年2月25日に第12類に属する商標登録原簿に記載の商品に書換登録されているものである。
また、当該商標権は、同14年10月1日に存続期間の更新登録がされ、現に有効に存続している。
(8)引用登録第2560864号商標は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、昭和64年1月5日に登録出願、第24類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、平成5年7月30日に設定登録されたものである。指定商品については、同15年9月24日に第9類、第20類及び第28類に属する商標登録原簿に記載の商品に書換登録されているものである。
また、当該商標権は、同15年6月24日に存続期間の更新登録がされ、現に有効に存続している。

3 登録異議申立ての理由(要点)
申立人は、登録異議の申立ての理由を要点次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第14号証(枝番号を含む。)を提出した。
申立人は、1925年に米国で設立され、建築及び鉱業機械、ディーゼル及び天然ガスエンジン、産業用ガスタービンエンジン等を製造、販売する会社として世界的に著名な企業である。そして、申立人及びその関連会社の製造、販売に係る商品に使用される引用商標は、日本を含む世界各国に輸出され、かつ、申立人の宣伝活動により、本件商標の登録出願前より著名となっている。
本件商標と申立人所有の周知著名商標である登録第4138519号商標及びほかの引用商標とは、前者が「ナビキャット」若しくは「キャット」の称呼を生ずるものであるから、引用商標とは「キャット」の称呼を同じくする類似の商標であるので、引用商標と混同を生じるおそれのある本件商標は、商標法第4条第1項第11号ないしは同第15号に該当する。
また、本件商標は、申立人所有の周知・著名商標をその要部にそっくりそのまま表記したものであり、該商標の顧客吸引力を利用するものであり、又は顧客吸引力を稀釈化させる等不正な目的で使用するものといわざるを得ず、商標法第4条第1項第19号に該当する。
さらに、本件商標は、申立人の著名な略称を含むものであり、商標法第4条第1項第8号に該当する。
そして、本件商標は、取引秩序を乱すものというべきであるから、商標法第4条第1項第7号に該当する。

4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、別掲(1)のとおりの構成よりなるところ、構成中の前半の「Navi」の文字部分は、その指定商品との関係からして「navigation」を略し冠したものということができ、また、同後半部分の「Cat」の文字は、語頭の「C」の文字がその内側に凸レンズ状の図形を配してなり、恰も猫の目を想起し印象付けられるから、該文字部分からは、平易な英単語としての「猫」の意味を把握させるものということができる。
しかしながら、本件商標の構成は、一連に表されてなるばかりでなく、その「Navi」と猫の目様に図案化された「C」の文字を含む「Cat」の構成各文字とを考慮してみれば、語呂よく流暢に「ナビキャット」と一連に称呼されるとみるのが自然であって、かつ、「ナビ(位置情報を誘導する)キャット(猫)」の如き意味合いを想起するものということができ、かつ、それぞれの文字が単独で自他商品の識別標識として認識され機能するような事由も見出せないから、本件商標は、構成文字全体を一個の商標として看取されて、当該商品の商取引に資されるものというのが相当である。
そうすると、本件商標から「キャット」の称呼が生じることを前提に本件商標と引用商標とが類似である旨述べる申立人の主張は妥当でなくこれを採用できない。そのほか、本件商標と引用商標とを類似のものとすべき事由は見出せない。
なお、本件商標の指定商品と引用商標1及び引用商標2の指定商品とが類似すると認められるが、両者は商標において類似するものでなく、その余の引用商標とは生産部門、用途等を異にする非類似の商品であると判断できる。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものということはできない。
(2)商標法第4条第1項第15号について
申立人の提出に係る証拠によれば、引用商標と構成を同じくする別掲(2)及び「CAT」の商標が商品「建築・土木機械」について使用されていることは認められるが、それが本件商標の登録出願前から登録時まで継続して使用され、周知・著名性を獲得しているとの事実を客観的・具体的に示す証拠は些少であって、さらに日本語は僅かであるが、例えば、申立人の広告宣伝活動とする甲第9号証の1にあっては、引用商標1及び使用商標が使用されているが、ニュースリリースを除きその時期や期間、広告宣伝の規模などは不明であり、また、申立人のTVコマーシャルとする甲第9号証の2についても、引用商標1が使用さているが、その放映年月日やその期間、回数などが明らかではなく、これら証拠からは当該商標の建築・土木機械などへの継続した使用は認め難いものである。
また、甲第3号証には、「新キャタピラー三菱」の沿革中に、「2001 CATミニ油圧ショベルを新発売」、「2004 オリジナル開発のミニホイールローダ CAT 901B/902B/903B新発売」の記載があるが、販売実績等の記載は見当たらない。
甲第4号証の1については、「Brand Name」の欄には、「Caterpillar」及び「Parent Company」の欄には「Caterpillar Inc.」の記載はあるが、引用商標の記載が見当たらない。
甲第4号証の2については、「CATERPILLAR」の記載はあるが、引用商標の記載が見当たらない。
甲第5号証及び甲第9号証については、商標申立人が所有する登録第4488670号商標と構成態様を同じくし、別掲(3)の構成からなる商標(以下「使用商標」という。)及び引用商標1が表示されている。
甲第6号証には、申立人の使用するドメイン名「cat.com」が表示されているが、引用商標の記載は見当たらない。
甲第7号証には、申立人が日本で引用商標を含む26件の商標権を所有し
ていることが記載されている。
甲第8号証には、申立人会社の過去5年の売上げが記載されているが、使用商標が使用されているが、引用商標は見当たらない。
甲第10号証には、「CAT/Ladies/Golf Tournament/2007 in Hakone」の表示及び「新キャタピラー三菱レディース2007」のトーナメント結果が記載され、優勝者の副賞が「CATミニ油圧ショベル」であったことが記載されている。
甲第11号証は、ドイツにおける判決、スペイン特許庁、米国特許庁の異議決定であるが、諸外国の認定判断であって、当該異議事件の判断の影響を与えるものとは言えない。
甲第13号証及び甲第14号証には、申立人の商品「建機」にGPS装置が搭載可能であるとしているが、該装置は「AccuGrade GPS」と称されているが、引用商標の記載は見当たらない。
以上のとおり、甲第4号証の1ないし甲第8号証、甲第11号証の1ないし4等によっては、別掲(2)及び「CAT」の商標の具体的な商品への使用状況を証明するものというのは困難であるから、これら甲各号証によっては当該商標が申立人の取扱いに係る商品を表示するものとして、本件商標の登録出願時、既に建築・土木機械などを除く一般需要者の間に広く認識されていたものとは俄に判断することはできない。
そして、たとえ、引用商標が需要者、取引者の間に広く認識されているとしても、本件商標と引用商標とは、上記(1)のとおり、非類似のものであって、別異の商標というべきものである。まして本件商標構成中の「Cat」の文字部分は、図案化された「C」の文字が猫の目を印象付けるから、「猫」の意味を把握する以上に想起させるものはなく、これを越えて本件商標の指定商品にかかる需要者等が申立人の当該商標とを関連づけて取引に資するものとは認め難いものである。
そうとすれば、本件商標をその指定商品について使用しても、これに接する需要者、取引者が商品「建築・土木機械」について使用される別掲(2)及び「CAT」の商標を連想、想起するようなことはないというべきであり、該商品が申立人又は同人と経済的・組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その出所について誤認混同を生ずるおそれもないと判断できる。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものということはできない。
(3)商標法第4条第1項第7号及び同項第19号について
本件商標は、申立人所有の周知・著名商標をその要部にそっくりそのまま表記したものであり、該商標の顧客吸引力を利用するものであり、又は顧客吸引力を稀釈化させる等不正な目的で使用するものであって、また、取引秩序を乱すものというべきである旨申立人は主張している。
しかしながら、上記のとおり、本件商標構成中の「Cat」の文字部分は「猫」の意味を把握する以上に想起させるものはなく、これと当該商標とを関連づけなければならないような格別の事由は見出せず、かつ、本件商標と引用商標とは類似するところのない別異の商標であるから、申立人の上記主張はその前提を欠くものであって認めることはできない。
さらに、本件商標が引用商標の顧客吸引力にただ乗りしたり、不当に利用するなど、不正の目的をもって使用するものであることを具体的に示す証拠は一切見当たらない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号及び同項第19号に違反して登録されたものということはできない。
(4)商標法第4条第1項第8号について
引用商標は、申立人ホームページのドメイン名であり、ニューヨーク証券取引所での略称もCATとなっている。したがって、引用商標は申立人の著名な略称であり、本件商標はその要部にかかる申立人の著名な略称を含むものであると申立人は主張する。
しかしながら、引用商標中の別掲(2)に示す商標は、単に「CAT」の欧文字により構成されるものでなく、黒塗り三角図形との結合した構成であり、これがドメイン名、或いはニューヨーク証券取引所での略称と認めることはできない。
さらに、「CAT」の欧文字からは、一義的には平易な「猫」の意味を有する英単語を想起し認識させるものであって、かつ、甲各号証のほとんどが申立人の取扱いに係る商品を表示するものとしての使用であり、これらの事情からして該英単語を想起する以上に「CAT」の欧文字自体が申立人固有の略称として取引者・需要者間に定着しているとはいい難く、直ちに本件商標の登録出願前より著名な略称であったとは認められない。
そうすると、本件商標は、他人の著名な略称を含む商標とはいえない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第8号に違反して登録されたものということはできない。
(5)以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同第8号、同第11号、同第15号及び同第19号のいずれにも違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲
(1)
本件商標


(2)
引用商標


(3)
使用商標(色彩については原本を参照)


異議決定日 2009-06-10 
出願番号 商願2008-22678(T2008-22678) 
審決分類 T 1 651・ 262- Y (X09)
T 1 651・ 263- Y (X09)
T 1 651・ 271- Y (X09)
T 1 651・ 23- Y (X09)
T 1 651・ 222- Y (X09)
T 1 651・ 22- Y (X09)
最終処分 維持  
前審関与審査官 鈴木 斎竹之内 正隆 
特許庁審判長 渡邉 健司
特許庁審判官 鈴木 修
井出 英一郎
登録日 2008-08-01 
登録番号 商標登録第5156033号(T5156033) 
権利者 ダエウ・エレクトロニクス・コーポレーション
商標の称呼 ナビキャット、キャット、シイエイテイ 
代理人 富所 英子 
代理人 柳生 征男 
代理人 中山 健一 
代理人 足立 泉 
代理人 青木 博通 
代理人 中田 和博 
代理人 谷口 登 

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