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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 X32
審判 全部申立て  登録を維持 X32
審判 全部申立て  登録を維持 X32
管理番号 1200597 
異議申立番号 異議2008-900396 
総通号数 116 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2009-08-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2008-10-10 
確定日 2009-06-24 
異議申立件数
事件の表示 登録第5149849号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5149849号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5149849号商標(以下「本件商標」という。)は、「LATTELA」の文字を標準文字により表してなり、平成20年1月8日に登録出願され、第32類「果実飲料,清涼飲料」を指定商品として平成20年7月11日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第1891854号商標(以下「引用商標」という。)は、「LATTELLA」の文字を書してなり、昭和59年3月9日に登録出願、第31類「チーズ、その他本類に属する商品」を指定商品として昭和61年9月29日に設定登録され、その後、平成9年8月15日及び平成18年5月30日の2回に亘り商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、平成18年10月4日に指定商品を第29類「食用油脂,乳製品」及び第32類「乳清飲料」とする書換登録がされているものである。

3 登録異議申立ての理由の要点
本件商標と引用商標とは、称呼を同一にする類似の商標であり、かつ、両者の指定商品には、「アルコールを含有しない飲料(アルコール分を含まない飲料)」及び「飲料製造用調整品(飲料製造用の調整品)」が含まれるものであり、これらの商品において相抵触するものであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。

4 当審の判断
(1)本件商標と引用商標との類否について検討するに、両商標は、それぞれの構成文字に相応して、いずれも「ラッテラ」の称呼を生ずるものといえる。そして、両商標は、その構成文字が末尾部分において「L」の文字が1字多いか否かという微差を有するのみで、多の配列構成文字を悉く同一にするものであるから、全体の外観においても彼此相紛らわしいものである。
してみれば、本件商標と引用商標とは、共に造語であって観念上比較し得ないものであるとしても、称呼を共通にし外観において紛らわしい類似の商標というべきである。
(2)次に、両商標の指定商品について検討する。
本件商標は、上記1のとおり、第32類「清涼飲料,果実飲料」を指定商品とするものであるところ、商標法施行規則別表によれば、「清涼飲料」として、「アイソトニック飲料、ガラナ飲料、鉱泉水、コーヒーシロップ、コーラ飲料、サイダー、シャーベット水、シロップ、ジンジャーエール、清涼飲料のもと、炭酸水、ラムネ、レモン水、レモンスカッシュ」が例示され、「果実飲料」として、「オレンジジュース、グレープジュース、トマトジュース、パインジュース、りんごジュース」が例示されている。
他方、引用商標の指定商品は、上記2のとおり、平成3年改正前の商標法施行令別表の第31類(以下「旧第31類」という。)に属する商品を書き換えて、現行法下の第29類「食用油脂,乳製品」及び第32類「乳清飲料」とするものであるところ、そのうちの「乳清飲料」は、旧第31類中には例示されていなかったものである。
ところで、指定商品の書換登録は、商標権者の申請により行われるところ、書換登録の申請は、その申請に係る商標権の指定商品の範囲を実質的に超えないようにしなければならず(商標法附則第4条)、引用商標の指定商品は、審査官による審査を経て適法に書換登録がされているところからすると、引用商標の書換後の指定商品である「乳清飲料」は、旧第31類に属する商品に含まれていたものというべきである。そして、引用商標の登録出願時に施行されていた商標法施行規則別表には、旧第31類中の「乳製品」の概念下に「牛乳、羊乳、やぎ乳、クリーム、れん乳、粉乳、発酵乳、乳酸菌飲料、乳酸飲料、バター、チーズ、コンデンスミルク、アイスクリームのもと、シャーベットのもと」が例示されていたこと、特許庁商標課編「商品区分解説」(平成2年4月25日改訂版2刷)では、「乳製品」として、「牛乳等の動物の乳及びこれらを加工したものがこの概念に含まれる。」とされていること、旧第31類中には上記商品の他に飲料と思しき商品が例示されていないことなどからすれば、乳清飲料は、飲料である牛乳、羊乳、やぎ乳、乳酸菌飲料等と同様に、同類中の「乳製品」の範疇に属する商品というべき「乳飲料」(牛乳・脱脂乳を主な原料として、コーヒー・ココア・果汁・甘味料などを加えた飲料。:株式会社岩波書店 広辞苑第六版)の一つと考えられていたとみるのが自然である。
このことは、例えば、フリー百科事典「ウィキペディア(Wikipedia)」によれば、「乳清(にゅうせい)とは、乳(牛乳)から乳脂肪分やカゼインなどを除いた水溶液である。・・・英語ではホエイまたはホエー(whey)。チーズを作る際に固形物と分離された副産物として大量に作られる。また、ヨーグルトを静かに放置しておくと上部に液体が溜まる事があるが、これが乳清である。」とされ、財団法人流通システム開発センターのJICFS商品分類基準によれば、「乳飲料」として「牛乳」、「豆乳」、「乳酸飲料」、「乳酸菌飲料」及び「その他乳飲料」に分類され、「その他乳飲料」に属する商品として、ミルクセーキ、チーズドリンク等と共に、乳清飲料が掲げられていることなどからも首肯し得るものである。
しかして、本件商標の指定商品である「清涼飲料,果実飲料」は、乳成分や油脂を含まないものであり、引用商標の指定商品である「食用油脂,乳製品」とは原材料が異なることが明らかである。また、引用商標の指定商品「乳清飲料」にしても、上記のとおり、乳飲料の一つとみるのが自然であるから、清涼飲料及び果実飲料とは原材料が明らかに異なるものである。因みに、食品衛生法に基づく通知(昭和32年9月18日厚発衛第413号の2)の第3の一(2)によれば、「清涼飲料水」とは「乳酸菌飲料、乳及び乳製品を除く酒精分1容量パーセント未満を含有する飲料をいうものであること。従って、酸味を有しない飲料水、主として児童を対象として製造されたコルク等で簡単に栓を施した飲料水(例えばニッケ水、ハッカ水等)、トマトジュース、摂取時に希釈、融解等により飲み物として摂取することを目的としたもの(例えば、濃厚ジュース、凍結ジュース等)(ただし、粉末ジュースを除く。)もすべて含まれるものであること。」として、清涼飲料水にはトマトジュース等の果実飲料も含まれるとするものの、乳製品を明らかに区別し除外している。
さらに、清涼飲料及び果実飲料は、一般に、喉の渇きを潤し清涼感を得ることを主たる目的とするのに対し、乳清飲料等の乳飲料は健康増進等を目的とするものであって、両者の目的、用途は自ずと異なるものといえる。その意味では両者の需要者も異なるものといわざるを得ない。
また、清涼飲料及び果実飲料と食用油脂及び乳製品とは、それぞれの性質、品質等に照らし、用途ないしは需要者を異にするものであることは明らかである。そして、「清涼飲料、果実飲料」の製造又は販売と「食用油脂、乳製品、乳清飲料」の製造又は販売が、同一事業者によって行われることが一般的であるとまではいえない。
以上を総合すると、本件商標の指定商品である「清涼飲料,果実飲料」と引用商標の指定商品である「食用油脂,乳製品,乳清飲料」とは、たとえ、両者に同一又は類似の商標が使用されたとしても、彼此相紛れるおそれのない非類似の商品というべきである。
なお、申立人は、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品とは、「アルコールを含有しない飲料(アルコール分を含まない飲料)」及び「飲料製造用調整品(飲料製造用の調整品)」において相抵触するとし、その根拠として当庁における商品採録例、類似群コードを援用している。
しかしながら、本件商標及び引用商標の指定商品には、上記のとおり、「アルコールを含有しない飲料(アルコール分を含まない飲料)」及び「飲料製造用調整品(飲料製造用の調整品)」の表示は何処にも見当たらず、申立人の主張は事実に基づかない架空の論理といわざるを得ない。また、類似群コードは、商標・商品の検索等のために便宜上付されたものであり、これのみによって商品の類否判断をすることは適切でない。つまり、商品の類否については、生産部門が一致するかどうか、販売部門が一致するかどうか、原材料及び品質が一致するかどうか、用途が一致するかどうか、需要者の範囲が一致するかどうか、完成品と部品の関係にあるかどうか、の各観点を総合的に考慮して個別具体的に判断されるべきである。そして、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品との類否については、上記のとおりに判断するのが相当であるから、申立人の主張は採用することができない。
(3)以上のとおり、本件商標と引用商標とは、商標において類似するところがあるとしても、それぞれの指定商品が非類似のものであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号の規定に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2009-06-05 
出願番号 商願2008-556(T2008-556) 
審決分類 T 1 651・ 261- Y (X32)
T 1 651・ 264- Y (X32)
T 1 651・ 262- Y (X32)
最終処分 維持  
前審関与審査官 福島 昇 
特許庁審判長 渡邉 健司
特許庁審判官 鈴木 修
井出 英一郎
登録日 2008-07-11 
登録番号 商標登録第5149849号(T5149849) 
権利者 株式会社不二家
商標の称呼 ラッテラ 
代理人 小栗 昌平 
代理人 市川 利光 

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