• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 X10
審判 全部申立て  登録を維持 X10
管理番号 1200588 
異議申立番号 異議2008-900282 
総通号数 116 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2009-08-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2008-07-22 
確定日 2009-07-13 
異議申立件数
事件の表示 登録第5127316号商標の登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5127316号商標の登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第5127316号商標(以下「本件商標」という。)は、「アイセット」の仮名文字を標準文字で表してなり、平成19年7月23日に登録出願、第10類「医療用機械器具,輸液注入用連結管」を指定商品として、同20年4月11日に設定登録されたものである。

第2 登録異議申立ての理由
1 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する登録商標は、以下の3件である(以下、これらをまとめていうときは「引用商標」という。)。
(1)登録第4526390号商標(以下「引用A商標」という。)は、「アイサット」の仮名文字と「EYESAT」の欧文字とを二段に横書きしてなり、平成12年11月14日に登録出願、第5類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同13年11月30日に設定登録されたものである。
(2)登録第4551831号商標(以下「引用B商標」という。)は、「エイセット」の仮名文字と「EISET」の欧文字とを二段に横書きしてなり、平成13年1月11日に登録出願、第10類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同14年3月15日に設定登録されたものである。
(3)登録第4615589号商標(以下「引用C商標」という。)は、「SET」の欧文字を標準文字で表してなり、平成12年9月14日に登録出願、第10類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同14年10月25日に設定登録されたものである。
2 理由の要点
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標と引用商標とは、称呼において類似し、かつ、その指定商品も類似するものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、その登録は取り消されるべきである。
(2)商標法第3条第1項第6号について
本件商標は、商品の品番・型番等を表す記号・符号として使用される欧文字「I」の音を仮名文字で表示したにすぎない「アイ」の文字と「一揃えの商品、一組の商品」等に使用されている「セット」の文字を合わせて「アイセット」と書してなるから、これをその指定商品に使用しても、「Iの品番を有する一揃えの商品」程度を認識させるに止まり、需要者が何人かの業務に係る商品であるかを認識することができない。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するものであるから、その登録は取り消されるべきである。
(3)申立人は、証拠方法として、甲第1ないし第7号証を提出している。

第3 当審の判断
1 本件商標と引用商標の類否について
(1)引用B商標について
本件商標の商標権は、商標登録原簿の記載によれば、引用B商標の商標権者が特定承継により取得し、その移転の受付が平成21年5月28日にされているものである。
したがって、本件商標の商標権者と引用B商標の商標権者は、同一人になったものであるから、本件商標が、引用B商標を引用して商標法第4条第1項第11号に該当するものであるとする本件登録異議申立ての理由は、解消した。
(2)引用A商標について
本件商標は、前記第1のとおり、「アイセット」の仮名文字を書してなるものであるところ、構成各文字は、同じ書体、同じ大きさ、等間隔に表されていて視覚上一体的に看取し得るばかりでなく、これより生ずる「アイセット」の称呼もよどみなく一連に称呼し得るものである。
また、本件商標は、たとえ、構成中の「セット」の文字が「一揃えの商品、一組の商品」を意味する語であるとしても、これに「アイ」の文字を結合した「アイセット」の文字は、直ちに特定の意味合いを有しない一種の造語とみるのが相当であり、その構成文字全体に相応して「アイセット」の一連の称呼のみを生ずるものとするのが相当である。
他方、引用A商標は、前記第2の1(1)のとおり、「アイサット」及び「EYESAT」の文字をそれぞれ二段に書してなるところ、一般に欧文字と仮名文字を併記した構成の商標において、その仮名文字部分が欧文字部分の称呼を特定すべき役割を果たすものと無理なく認識できるときは、仮名文字部分より生ずる称呼がその商標より生ずる自然の称呼とみるのが相当であるから、引用A商標は「アイサット」の称呼を生ずるものと認められる。
そこで、本件商標より生ずる「アイセット」と引用A商標より生ずる「アイサット」の称呼とを比較するに、両者は共に4音という短い音構成において「セッ」と「サッ」の音の差違を有するところ、両音は中間音ではあるが、促音を伴うことにより聴者の耳に明確に聴取される音であるといえる。
また、「セ」(se)と「サ」(sa)は、子音がともに50音図の同行に属しているものの、母音の(e)と(a)の差違を有するものであり、音構成上のこの差違が全体の称呼に与える影響は決して小さいとはいえず、両者をそれぞれ一連に称呼するときは、その語調、語感が相違し、称呼上相紛れるおそれはないとみるのが相当である。
そして、本件商標と引用A商標とが、外観において十分に区別し得る差異を有するものであることは、それぞれの構成よりみて明らかであり、また、観念においては、ともに造語と認められるから、比較することができないものである。
してみれば、本件商標と引用A商標とは、称呼、外観及び観念のいずれの点においても区別し得る非類似の商標といわざるを得ない。
(3)引用C商標について
本件商標は、上記(2)で認定したとおり、「アイセット」の称呼のみを生ずるものであって、全体として特定の観念を生じない造語よりなるものである。
これに対し、引用C商標は、前記第2の1(3)のとおり、「SET」の文字よりなるところ、当該文字は、「一組、一式」等の意の英単語として馴染まれたものであるから、引用C商標より「セット」(一組、一式)の称呼及び観念を生ずること明らかなものである。
してみると、本件商標と引用C商標の称呼は、称呼上重要な識別要素となる語頭の「アイ」の音の有無の差を有し、その音構成の差により語調・語感が相違し、十分に聴別できるものである。
また、本件商標と引用C商標は、その構成よりみて外観において判然と区別できるものであって、観念においても相紛れるおそれはないとみるのが相当である。
してみれば、本件商標と引用C商標とは、称呼、外観及び観念のいずれの点においても区別し得る非類似の商標といわざるを得ない。
2 商標法第3条第1項第6号について
本件商標は、前記第1のとおり、「アイセット」の文字を同じ書体、同じ大きさ、等間隔に表してなるところ、これらの文字は、まとまりよく一体的に表されているものである。
そうすると、かかる構成にある本件商標にあっては、前半部「アイ」の文字部分が商品の記号・符号として使用される欧文字一文字「I」を仮名文字で表示したものと認識されるとはいえないものであり、たとえ、その構成中に「一揃えの商品、一組の商品」を意味する「セット」の文字を有しているとしても、これに接する取引者、需要者は、表された文字全体をもって、一種の造語よりなる商標と把握・認識するというのが相当といえるものである。
そうすると、本件商標は、これをその指定商品に使用しても、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標ということができないから、商標法第3条第1項第6号に違反して登録されたものではない。
そして、申立人の提出に係る甲第2号証の先例は、本件商標とは構成、態様を異にするものであるから、採用することができない。
3 結び
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同法第3条第1項第6号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2009-06-23 
出願番号 商願2007-81777(T2007-81777) 
審決分類 T 1 651・ 26- Y (X10)
T 1 651・ 16- Y (X10)
最終処分 維持  
前審関与審査官 高橋 幸志 
特許庁審判長 石田 清
特許庁審判官 小林 由美子
久我 敬史
登録日 2008-04-11 
登録番号 商標登録第5127316号(T5127316) 
権利者 エーザイ・アール・アンド・ディー・マネジメント株式会社
商標の称呼 アイセット 
代理人 松倉 秀実 
代理人 遠山 勉 
代理人 小野寺 隆 
代理人 川口 嘉之 
代理人 正林 真之 
代理人 石塚 勝久 
代理人 世良 和信 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ