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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 X29 |
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管理番号 | 1200585 |
異議申立番号 | 異議2008-900160 |
総通号数 | 116 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2009-08-28 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2008-04-15 |
確定日 | 2009-06-15 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5106011号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5106011号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5106011号商標(以下「本件商標」という。)は,「HERO」の欧文字と「ヒーロー」の片仮名とを二段に横書きした構成からなり,平成19年6月26日に登録出願,第29類「果汁からの抽出エキスを主原料とする液状・粉末状・粒状・顆粒状・錠剤状・カプセル状・固形状・半固形状・ペースト状・ウエハース状の加工食品,野菜の抽出エキスを主原料とする液状・粉末状・粒状・顆粒状・錠剤状・カプセル状・固形状・半固形状・ペースト状・ウエハース状の加工食品,野菜又は果実を主原料とする液状・粉末状・粒状・顆粒状・錠剤状・カプセル状・固形状・半固形状・ペースト状・ウエハース状の加工食品,レモン果汁からの抽出エキスを主原料とする液状・粉末状・粒状・顆粒状・錠剤状・カプセル状・固形状・半固形状・ペースト状・ウエハース状の加工食品,レモン果汁を主原料とする液状・粉末状・粒状・顆粒状・錠剤状・カプセル状・固形状・半固形状・ペースト状・ウエハース状の加工食品,ビタミンCを主成分とする液状・粉末状・粒状・顆粒状・錠剤状・カプセル状・固形状・半固形状・ペースト状・ウエハース状の加工食品,クエン酸を主成分とする液状・粉末状・粒状・顆粒状・錠剤状・カプセル状・固形状・半固形状・ペースト状・ウエハース状の加工食品」を指定商品として,同20年1月18日に設定登録されたものである。 2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する登録第1121528号商標(以下「引用商標」という。)は,別掲のとおりの構成からなり,昭和44年9月2日に登録出願,第32類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,同50年5月15日に設定登録され,その後,昭和60年6月18日,平成7年12月25日及び同17年5月10日の3回にわたり商標権存続期間の更新登録がされ,さらに,同18年3月29日に,指定商品を第29類,第30類及び第31類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換の登録がされたものであり,その商標権は,現に有効に存続しているものである。 3 登録異議の申立ての理由の要点 申立人は,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第32号証を提出した。 引用商標は,申立人のハウスマークであって,遅くとも1986年から継続して商品「ジャム,ゼリー,マーマレード」などに使用し,本件商標の出願日である平成19年6月26日には,我が国の需要者間において,申立人の製造,販売に係る商品を表彰するものとして周知・著名性を獲得しているものであるから,本件商標がその指定商品に使用されれば,需要者・取引者をして,引用商標との間で広義の出所の混同を生じさせるおそれがある。 したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものであるから,同法第43条の2第1号により取り消されるべきものである。 4 当審の判断 申立人の主張及び提出に係る証拠(甲第5号証ないし甲第32号証)によれば,申立人は,1885年に設立された「ジャム」を主力商品として取り扱うスイス国在の食品加工メーカーであって,引用商標の横楕円部分を青塗りにした商標(以下「使用商標」という。)をハウスマークとして使用していること,申立人は,使用商標を付したジャム,マーマレードなどの商品を,スイス・ドイツ・スペイン・オランダ・イタリア・イギリス・フランスなどのヨーロッパを中心に日本を含む世界各国に展開していること,申立人の使用商標を付したジャム,マーマレードなどの商品は,日本においては,当初(1986年頃から)株式会社鈴商を総代理店として流通していたが,2004年3月に,申立人が株式会社スドージャムとの共同出資で株式会社ヒーロージャパン(以下「ヒーロージャパン」という)を設立して以来,ヒーロージャパンが当該商品を取り扱っていること,使用商標を付したジャムやマーマレードは,ヒーロージャパンの取り扱いに係る商品として,女性週刊誌などの雑誌において宣伝・広告がなされていること,ヒーロージャパンの使用商標を付したジャムやマーマレードなどの商品の年間取扱額は,本件商標の出願日より以前の年である2004年ないし2006年において,2004年が約8400万円,2005年が約4100万円,2006年が約8100万円(甲第12号証及び甲第13号証のインボイスに記載された輸入日単位の総合計を加算)であったこと,これに対し,1994年のジャム類の国内生産額は年間約300億円,同年の輸入総額は,約10億円(甲第14号証の酒類食品統計)であったこと,などが認められる。 以上のことから,本件商標の出願時及び登録時において,ヒーロージャパンが,日本国内で,使用商標を付したジャムやマーマレードなどの商品を輸入・販売し,女性週刊誌などの雑誌に,当該商品に関する広告を掲載していたことは認められる。 しかしながら,ヒーロージャパンの使用商標を付したジャム,マーマレードなどの商品の日本国内における取扱額は,国産・輸入品を合わせたジャム類の取扱額に比して,決して大きいものとはいえず,また,申立人の主張する雑誌,バス車両などにおける広告についても,その具体的な広告費用・広告回数・広告期間などが不明である。 そうすると,使用商標は,申立人又はヒーロージャパンが自己の業務に係る商品「ジャム,マーマレード」などを表示するものとして,我が国において継続して使用した結果,本件商標の登録出願時において,需要者の間で広く認識されるに至っていたものということはできない。 また,本件商標に係る指定商品は,引用商標に係る指定商品と類似するものではない。 したがって,本件商標は,これを登録異議の申立てに係る指定商品について使用しても,需要者をして,該商品が申立人又は申立人と経済的又組織的に何等かの関係がある者の業務に係る商品であるかのように誤認し,商品の出所について混同を生じさせるおそれのある商標ということはできない。 したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当しない。 以上のとおり,本件商標の登録は,商標法第4条第1項第15号に違反してされたものではないから,同法第43条の3第4項の規定により,維持すべきものである。 よって,結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲(引用商標) |
異議決定日 | 2009-05-26 |
出願番号 | 商願2007-66519(T2007-66519) |
審決分類 |
T
1
651・
271-
Y
(X29)
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最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 田中 幸一、冨澤 武志 |
特許庁審判長 |
石田 清 |
特許庁審判官 |
久我 敬史 小林 由美子 |
登録日 | 2008-01-18 |
登録番号 | 商標登録第5106011号(T5106011) |
権利者 | 株式会社ポッカコーポレーション |
商標の称呼 | ヒーロー |
代理人 | 前田 大輔 |
代理人 | 蔵田 昌俊 |
代理人 | 小出 俊實 |
代理人 | 伊藤 孝太郎 |
代理人 | 吉田 親司 |
代理人 | 石川 義雄 |
代理人 | 鈴江 武彦 |
代理人 | 中村 知公 |
代理人 | 橋本 良樹 |
代理人 | 河野 哲 |
代理人 | 潮崎 宗 |
代理人 | 幡 茂良 |