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審決分類 審判 査定不服 商4条1項15号出所の混同 登録しない Y09
管理番号 1200569 
審判番号 不服2008-650001 
総通号数 116 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2009-08-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2008-01-04 
確定日 2009-04-16 
事件の表示 国際商標登録第842287号に係る国際商標登録出願の拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は,別掲のとおりの構成よりなり、第9類に属する国際登録において指定された商品を指定商品として、2004年(平成16年)6月30日に国際登録されたものである。
その後、指定商品については、平成18年2月3日付け及び平成18年7月12日付け手続補正書により、最終的に、第9類「Computer components,peripheral equipment and accessories namely compact disc read-only memories(CD ROM),drives for CD-R and CD-RW,drives for DVD-R and DVD-RW,digital video disc read-only memories(DVD ROM),compact discs,digital versatile discs,floppy or optical discs,computer modems,computer keyboards,computer mouses,computer casings,computer monitors,thin film transistor liquid crystal display monitors(TFT-LCDS);dot matrix printers for computers,laser printers,digital cameras;hard disc drives;personal digital assistants(PDAS);printed circuit boards;compact flash memory cards,universal serial buses(USB)flash memory drives,computer storage memory modules,add-on enhancement boards for personal computers and personal computer memory devices,portable hard disc drives,computer motherboards,computer video graphics accelerators(video cards),magneto-optic disc drives.」(コンピュータ構成要素・コンピュータ周辺機器及び附属品、すなわち読取り専用メモリー用コンパクトディスク(CD ROM),コンパクトディスクリライター(CDRW),コンパクトディスク用複製機,コンパクトディスク用複製機,読取り専用メモリー用デジタル式ビデオディスク(DVD ROM),デジタル式ビデオディスクリライター(DVDリライター),コンパクトディスク媒体,デジタル式ビデオディスク媒体,フロッピーディスク又は光ディスク,コンピュータ用モデム,コンピュータ用キーボード,コンピュータ用マウス,コンピュータ用ケーシング,コンピュータ用モニター,薄膜状のトランジスタを利用した液晶表示モニター(TFT-LCDS),ドットマトリクスプリンター,レーザープリンター,デジタルカメラ,ハードディスクドライブ,携帯情報端末(PDA),プリント回路基板,コンパクトフラッシュメモリーカード,ユニバーサルシリアルバス(USB)フラッシュメモリードライブ,コンピュータ用保存用メモリーモジュール,パーソナルコンピュータ用及びパーソナルコンピュータメモリー装置用のアドオン強化ボード,携帯用ハードディスクドライブ,コンピュータマザーボード,コンピュータビデオグラフィック用アクセラレーター(ビデオカード),光磁気式ディスクドライブ,すべての商品は本類に属するものである。(スイッチ・抵抗器及び蓄電器を除く。))と補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由
本願商標は、「スズキ株式会社」が、商品「自動車,二輪自動車」等に使用して著名商標となっている「SUZUKI」の文字を有してなるものであるから、このような商標をその指定商品について使用するときは、恰も上記会社と何らかの関係を有する商品であるかのごとく商品の出所について誤認を生じさせるおそれがある。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
3 当審の判断
(1)「SUZUKI」の著名性について
原査定において引用する「SUZUKI」の文字よりなる標章(以下「引用商標」という。)は、「スズキ株式会社」(静岡県浜松市南区高塚町300)がその取り扱いに係る商品「自動車、二輪自動車」等に使用して、本願商標の登録出願前から、取引者、需要者の間において広く知られ、我が国をはじめ世界的にも広く認識されているものと認められる。
このことは、例えば、スズキ株式会社に関する以下の「フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』」(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%82%BA%E3%82%AD_(%E4%BC%81%E6%A5%AD))の記述によっても窺い知ることができる。
「現在の本社所在地は静岡県浜松市南区高塚町300であるが、・・・四輪車は軽自動車が主力だが、小型、普通車とも、躍進が著しい。自動車以外ではモーターサイクル、モーターボート、船外機、発電機、住宅、ワインの販売なども手がける。軽自動車では世界トップシェアを持ち、1973年?2006年まで34年間連続で国内No.1であるとともに、日産自動車やマツダへもOEM供給を行っている。」
(2)出所の混同を生ずるおそれについて
本願商標は、別掲のとおり、楕円形内に「S」と思しき文字を描いた図形と「SUZUKI」の文字とを組み合わせた構成からなるものであるが、該図形部分と文字部分とは、常に一体不可分のものとしてみなければならない特段の理由も見当たらないものであるから、それぞれの部分が独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものと判断するのが相当である。
そして、その構成中の文字部分は、欧文字の上部が横断的に一部白抜きされているものの、「SUZUKI」の文字を表してなるものと容易に理解されるから、該文字に相応して「スズキ」の称呼を生ずるものであり、スズキ株式会社の著名な商標「SUZUKI」とは、その称呼が同一であるから、称呼上同一の商標であり、また、該文字は、前記著名な「SUZUKI」の文字とその綴りが同一であるだけでなく、太めのゴシック体で表されている形状からしても、外観上極めて近似しているものである。
そうすると、本願商標に接する取引者、需要者は、構成中の「SUZUKI」の文字に注目し、前記認定のとおりの周知著名な引用商標を想起するというのが相当である。
(3)指定商品と需要者との関係について
本願の指定商品は、前記のとおり、「コンピュータ構成要素・コンピュータ周辺機器及び附属品,コンピュータ用モニター,薄膜状のトランジスタを利用した液晶表示モニター(TFT-LCDS),携帯情報端末(PDA)」等であるところ、これらの商品中には、自動車の運行時に運転者に対し、ディスプレイ画面上に現在位置や目的地への走行経路案内を行なう電子機器である「カーナビゲーション装置」に必ず附属する「液晶表示モニター」が含まれるものである。
そして、以下のカー用品店、例えば、「イエローハット」(http://www.yellowhat.jp/product/index.html)、「オートウェーブ」(http://ssl.auto-wave.co.jp/lease-up/)、「オートテック」(http://www.autotech.co.jp/tenpo/tokyo/nishiarai/index.html)、「オートバックス」(http://www.autobacs.com/shop/c/c130000/)では、カーナビゲーション機器を販売している実情があるところ、自動車を購入する需要者と、それらのカー用品店において「カーナビゲーション装置」を購入する需要者とは、相当な範囲で同じ需要者を含んでいるということができるから、「液晶表示モニター」付き「カーナビゲーション装置」と「自動車」とは少なからぬ関係を有する商品といえるものである。
(4)まとめ
そうすると、本願商標を「液晶表示モニター」を含む本願指定商品について使用した場合、需要者は、その構成中の「SUZUKI」の文字部分より、著名な引用商標「SUZUKI」を想起し、その商品がスズキ株式会社あるいは同社と経済的又は組織的に何等かの関係がある者の業務に係る商品であると誤認し、その商品の出所について混同するおそれがあるというべきである。
したがって、本願商標は商標法第4条第1項第15号に該当するものといわざるを得ないから、その理由をもって本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 【別記】

審理終結日 2008-10-17 
結審通知日 2008-10-29 
審決日 2008-12-04 
国際登録番号 0842287 
審決分類 T 1 8・ 271- Z (Y09)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 澤里 和孝 
特許庁審判長 佐藤 達夫
特許庁審判官 豊田 純一
井出 英一郎
商標の称呼 スズキ 
代理人 小谷 武 
代理人 木村 吉宏 

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