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審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 X14
審判 一部申立て  登録を維持 X14
管理番号 1199162 
異議申立番号 異議2008-900428 
総通号数 115 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2009-07-31 
種別 異議の決定 
異議申立日 2008-10-27 
確定日 2009-06-01 
異議申立件数
事件の表示 登録第5153961号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5153961号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5153961号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲に示すとおりの構成よりなり、平成19年12月27日に登録出願、第14類「身飾品,キーホルダー,時計」を含む商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同20年7月25日に設定登録されたものである。

2 引用商標
本件登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第1901048号商標は、「TRINITY」の欧文字をゴシック体で横書きしてなり、1981年5月27日にオランダ国、ベルギー国及びルクセンブルク国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、昭和56年11月25日に登録出願、商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同61年10月28日に設定登録、その後、平成9年1月30日及び同18年5月16日の二回にわたり商標権存続期間の更新登録がなされ、指定商品については、同18年11月1日に指定商品の書換登録があった結果、第14類「身飾品,宝玉及びその模造品」とするものである。
同じく、登録第2632640号の2商標は、「TRINITY」の欧文字を横書きしてなるところ、平成3年7月17日に登録出願、第23類「時計、眼鏡、これらの部品および附属品」を指定商品として、平成6年3月31日に設定登録された登録第2632640号の指定商品中「時計、その部品および附属品」について、商標権の分割移転がされたものである。その後、登録第2632640号の2商標は、平成16年4月6日に商標権存続期間の更新登録がなされ、指定商品については、同17年4月13日に指定商品の書換登録があった結果、第14類「時計、その部品及び附属品」とするものである。
以下、これらを一括して「引用商標」という。

3 本件登録異議申立ての理由
申立人は、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第3号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標と引用商標とは、称呼上類似し、かつ、指定商品も互いに抵触するものであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。

(2)商標法第4条第1項第15号について
引用商標は、申立人が使用する「リング」等の商標として広く知られ、著名となっているものであるから、本件商標が「身飾品,時計」に使用された場合は、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。

4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、別掲に示したとおり、黒く塗りつぶした横長長方形内に「trinity soul」の欧文字を白抜きで表してなるものであるところ、該文字は、同じ書体、同じ大きさで外観上まとまりよく一体的に表示され、これより生ずるとみられる「トリニティーソール」の称呼も格別冗長なものでなく、よどみなく一気一連に称呼し得るものであり、これを「trinity」と「soul」とに分離して観察しなければならない特段の事情は、見いだし得ない。
そうとすると、本件商標は、その構成文字全体に相応して、「トリニティーソール」の称呼のみを生じ、特に観念を生じない造語よりなるものというを相当とする。
他方、引用商標は、共に「TRINITY」の文字よりなるものであるから、「トリニティー」の称呼を生じ、「三位一体」(新コンサイス英和辞典 三省堂)の観念を生ずるものというべきである。
しかして、本件商標から生ずる「トリニティーソール」と、引用商標から生ずる「トリニティー」の称呼とは、「ソール」の音の有無という顕著な差異により、明瞭に聴別することができるものである。
また、本件商標と引用商標とは、それぞれの構成に照らし、外観上判然と区別し得る差異を有するものであり、本件商標が親しまれた既成の観念を有しないものである以上、観念上両者を比較すべくもない。
してみれば、本件商標と引用商標とは、称呼、外観及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。

(2)商標法第4条第1項第15号について
申立人提出の甲各号証を徴するに、申立人が「三連リング」について引用商標を使用している事実は認められる(甲第2号証及び甲第3号証の1ないし7)が、引用商標を使用した「三連リング」の販売数量、売上高、市場占有率等の具体的事実が明らかでなく、該証拠によっては、引用商標が本件商標の登録出願時において申立人の業務に係る商品を表示する商標として取引者、需要者間に広く認識されていたものと認めるに充分なものとはいえない。
そして、前記したとおり、本件商標と引用商標とは、十分に区別し得る別異の商標というべきものであり、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者をして、引用商標を連想又は想起させるものとは認められず、その商品が申立人又は同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわざるを得ない。

(3)むすび
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項11号、同第15号に違反してされたものでないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲
本件商標

異議決定日 2009-05-12 
出願番号 商願2007-127762(T2007-127762) 
審決分類 T 1 652・ 271- Y (X14)
T 1 652・ 262- Y (X14)
最終処分 維持  
前審関与審査官 山田 忠司石戸 拓郎 
特許庁審判長 佐藤 達夫
特許庁審判官 野口 美代子
小川 きみえ
登録日 2008-07-25 
登録番号 商標登録第5153961号(T5153961) 
権利者 株式会社アトラス
商標の称呼 トリニティソール、トリニティ、ソール 
代理人 加藤 義明 
代理人 山崎 和香子 
代理人 アインゼル・フェリックス=ラインハルト 

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