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審決分類 |
審判 一部申立て 登録を維持 X25 審判 一部申立て 登録を維持 X25 審判 一部申立て 登録を維持 X25 審判 一部申立て 登録を維持 X25 審判 一部申立て 登録を維持 X25 |
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管理番号 | 1199158 |
異議申立番号 | 異議2008-900412 |
総通号数 | 115 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2009-07-31 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2008-10-17 |
確定日 | 2009-06-09 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5152883号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5152883号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5152883号商標(以下「本件商標」という。)は,「CALIGURA」の文字と「カリグラ」の文字を二段に横書きしてなり,平成19年11月9日に登録出願,第22類,第23類,第24類及び第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,平成20年7月18日に設定登録されたものである。 2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する登録第5127657号商標(以下「引用商標」という。)は,「CALI GEAR」の文字を標準文字で書してなり,平成19年8月6日に登録出願,第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,平成20年4月11日に設定登録され,その商標権は,現に有効に存続しているものである。 3 登録異議の申立ての理由の要点 申立人は,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし同第37号証を提出した。 (1)商標法第4条第1項第11号について 本件商標は,その構成文字から「カリグラ」の称呼を生ずる。これに対し,引用商標は,その構成文字から「カリギア」の称呼を生ずる。 してみると,本件商標から生ずる「カリグラ」の称呼と引用商標から生ずる「カリギア」の称呼を発音した場合には,全体として極めて似た称呼を生ずる類似の商標である。 また,本件商標と引用商標は,これらを構成する欧文字8文字中の第6文字の「U」と「E」とが相違するのみであり,また,第7文字と第8文字の「R」と「A」とが入れ替わっているにすぎないから,外観上極めて紛らわしい類似の商標である。 したがって,本件商標と引用商標は,称呼及び外観において類似する商標であり,また,本件商標の指定商品中,第25類の指定商品は,引用商標の指定商品と類似する。 (2)商標法第4条第1項第10号及び同第15号について 引用商標は,履物について,本件商標の登録出願時において,日本国内外の需要者に広く認識されていた商標である。 本件商標は,引用商標に類似する商標であって,第25類の指定商品は,引用商標が使用される前記商品と類似するものである。 したがって,本件商標をその指定商品中,第25類の商品に使用するときは,該商品が申立人又は申立人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように,商品の出所について混同を生ずるおそれがある。 (3)商標法第4条第1項第19号及び同第7号について 引用商標は,本件商標の登録出願時において,日本国内外の需要者に広く認識されていた商標であり,本件商標は,引用商標と類似する商標である。 また,引用商標の著名性を勘案すれば,本件商標は,引用商標の著名性にフリーライドする意図をもって使用されるものであり,引用商標の著名性が希釈化されるから,不正の目的をもって使用するものである。 さらに,本件商標をその指定商品について使用することは,社会公共の利益に反し,又は社会の一般の道徳観念に反するものであり,国際信義に反する。 (4)むすび 以上のとおり,本件商標の登録は,第25類の指定商品について,商標法第4条第1項第11号,同第10号,同第15号,同第19号及び同第7号に違反してされたものであるから,取り消されるべきである。 4 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第11号 本件商標は,前記1のとおり,「CALIGURA」の文字と「カリグラ」の文字を二段に横書きしてなるものであるから,それぞれの構成文字に相応し,「カリグラ」の称呼を生ずるものであって,特定の観念を有しない造語からなるものといえる。 これに対して,引用商標は,前記2のとおり,「CALI GEAR」の文字を標準文字で書してなるものであるから,その構成文字に相応し,「カリギア」の称呼を生ずるものであって,本件商標と同様に,特定の観念を有しない造語からなるものといえる。 そこで,本件商標から生ずる「カリグラ」の称呼と引用商標から生ずる「カリギア」の称呼を比較すると,両称呼は,いずれも4音からなり,そのうちの前半部分の「カリ」の音を同じくし,後半部分において「グラ」の音と「ギア」の音の差異を有するものである。そして,該差異音中の「グ」と「ギ」の各音は,いずれも同行音であるとしても,濁音で力強く発音される上に,帯有する母音において,前者が「u」であり,後者は「i」であるから,音そのものの質や音感を異にするばかりでなく,末尾の「ラ」と「ア」の音も,母音「a」を共通にするとしても,前者は,舌面を硬口蓋に近づけ,舌の先で上歯茎を弾くようにして発する有声子音「r」と母音「a」とを結合させた音であるから,これらの音質,音感は,自ずと異なったものとして聴取されるものである。 してみると,比較的短い4音構成からなる両称呼において,該差異音が称呼全体に及ぼす影響は決して小さいものとはいえず,それぞれを全体として称呼するときは,その語調,語感が相違したものとなるから,両称呼は,互いに聞き誤られるおそれはないというべきである。 また,本件商標と引用商標は,いずれも造語からなるものであるから,観念上比較することができない。 さらに,前記認定のとおり,本件商標は,「CALIGURA」の文字と「カリグラ」の文字を二段に横書きしてなるものであるのに対し,引用商標は,「CALI GEAR」の文字からなるものであるから,外観上明らかに相違するものである。仮に本件商標中の「CALIGURA」の文字部分のみに着目する場合があるとしても,該「CALIGURA」の文字部分と引用商標とは,後半部分において,「URA」の文字と「EAR」の文字の明確な差異を有するものであり,特に,引用商標中の後半部の「GEAR」の文字部分は,「歯車,道具,装備」等を意味する語としてよく知られているのに対し,本件商標中の「GURA」の文字部分が何らの意味を持たない語であることも併せ考慮すれば,本件商標と引用商標とを時と所を異にして離隔的に観察した場合においても,外観上互いに紛れるおそれはないといわなければならない。 以上によれば,本件商標と引用商標は,称呼,観念及び外観のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。 したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当しない。 (2)商標法第4条第1項第10号及び同第15号 甲第3号証ないし甲第7号証及び甲第12号証ないし甲第37号証によれば,申立人は,引用商標を使用した申立人の業務に係る商品「靴」(以下「申立人製品」という。)について,本件商標の登録出願日(平成19年11月9日)前である2007年(平成19年)4月ころから,外国の雑誌に広告をしたこと,また,我が国においては,本件商標の登録出願前である2007年6月ころに,インターネットを介して通信販売の広告がされた事例が2件あること,さらに,本件商標の登録査定日(平成20年7月3日)前である2008年(平成20年)2月ないし7月に我が国で発行された雑誌に相当量の広告をしたこと,申立人製品の我が国における売上数量は,2007年においては10,944足にすぎなかったものが,2008年の1月から9月にかけては,約46万足に急増したこと,などが認められる。 そうすると,引用商標は,申立人製品を表示するものとして,本件商標の登録査定時においては,我が国の需要者の間に知られるようになったと推認し得るところであるが,本件商標の登録出願の時点においては,我が国の需要者の間に,さほど知られていなかったものとみるのが相当である。 また,甲第3号証ないし甲第7号証のみをもってしては,引用商標が申立人製品を表示するものとして,本件商標の登録出願時に既に,外国においてその需要者の間に広く認識されていたと認めることは困難であるといわざるを得ない。 加えて,本件商標は,引用商標とは,称呼,観念及び外観のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標であることは,前記(1)認定のとおりである。 そうすると,本件商標は,これを登録異議の申立てに係る指定商品について使用した場合,需要者をして,該商品が申立人又はこれと営業上何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように,商品の出所について混同を生じさせるおそれのある商標ということはできない。 したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第10号及び同第15号に該当しない。 (3)商標法第4条第1項第19号及び同第7号 前記(2)認定のとおり,引用商標は,申立人の業務に係る商品及び役務を表示するものとして,本件商標の登録出願時において,日本国内又は外国における需要者の間に広く認識されている商標ということはできない。 さらに,前記(1)認定のとおり,本件商標と引用商標は,その称呼,観念及び外観のいずれの点においても,互いに紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。 してみれば,本件商標は,不正の目的をもって使用する商標ということができない。 また,本件商標は,これを登録異議の申立てに係る指定商品について使用しても,公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標ということもできない。 したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第7号及び同第19号に該当しない。 (4)むすび 以上のとおり,本件商標の登録は,登録異議の申立てに係る指定商品について,商標法第4条第1項第11号,同第10号,同第15号,同第19号及び同第7号に違反してされたものではないから,商標法第43条の3第4項の規定により,維持すべきものである。 よって,結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2009-05-21 |
出願番号 | 商願2007-114048(T2007-114048) |
審決分類 |
T
1
652・
25-
Y
(X25)
T 1 652・ 222- Y (X25) T 1 652・ 271- Y (X25) T 1 652・ 26- Y (X25) T 1 652・ 22- Y (X25) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 今田 三男、山田 正樹 |
特許庁審判長 |
石田 清 |
特許庁審判官 |
久我 敬史 小林 由美子 |
登録日 | 2008-07-18 |
登録番号 | 商標登録第5152883号(T5152883) |
権利者 | ユニチカ株式会社 |
商標の称呼 | カリグラ、キャリグラ |
代理人 | 中田 和博 |
代理人 | 柳生 征男 |
代理人 | 神蔵 初夏子 |
代理人 | 足立 泉 |
代理人 | 青木 博通 |