• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 X14
審判 全部申立て  登録を維持 X14
審判 全部申立て  登録を維持 X14
審判 全部申立て  登録を維持 X14
管理番号 1199156 
異議申立番号 異議2008-900397 
総通号数 115 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2009-07-31 
種別 異議の決定 
異議申立日 2008-10-09 
確定日 2009-06-10 
異議申立件数
事件の表示 登録第5150094号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5150094号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5150094号商標(以下「本件商標」という。)は、「ドールハウスウォッチ」の文字を標準文字により表してなり、平成19年12月19日に登録出願され、第14類「時計」を指定商品として平成20年7月11日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第4410236号商標(以下「引用商標」という。)は、「DOLLHOUSE」の文字を標準文字により表してなり、平成11年10月18日に登録出願され、第3類「せっけん類,薫料,その他の香料類,香水類,その他の化粧品」、第9類「サングラス,その他の眼鏡」、第14類「宝玉」、第18類「ハンドバッグ,バックパック,その他のかばん類,袋物」、第25類「ジャケット,ズボン,スカート,セーター,チョッキ,タイツ,その他の下着,スカーフ,手袋,バンダナ,帽子,その他の被服,ベルト,履物」、第26類「頭飾品」及び第35類「商品の販売に関する情報の提供」を指定商品及び指定役務として平成12年8月18日に設定登録されたものである。

3 登録異議申立ての理由の要点
(1)本件商標と引用商標とは、「ドールハウス」の称呼及び「人形の家」の観念を共通にする類似の商標であり、かつ、両者の指定商品も取引の実情を鑑みると類似することから、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)引用商標は、申立人の商品「被服、ベルト、履物」等に幅広く使用される商標として、アメリカを始め世界各国のファッションマーケットにおいて広く認識されている。
そして、本件商標と引用商標とは類似するものであり、本件商標の指定商品と申立人商品との関連性が極めて強いことから、本件商標をその指定商品に使用するときは、商品の出所について誤認・混同を生じさせることは明らかである。
したがって、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当する。

4 当審の判断
(1)本件商標の商標法第4条第1項第11号該当性について
まず、本件商標と引用商標との類否について検討する。
本件商標は、上記1のとおりの構成からなるところ、その構成中の「ウォッチ」の文字は、「腕時計、懐中時計」を意味する外来語として親しまれており、本件商標の指定商品を表示したものと認識し理解されるとみるのが自然であるから、「人形の家、おもちゃの人形に合わせて作った小型の家」の意味合い(小学館ランダムハウス英和大辞典)を有する「ドールハウス」の文字部分が自他商品の識別標識としての機能を果たすものというべきである。そうすると、本件商標は、「ドールハウスウォッチ」の一連の称呼のほか、「ドールハウス」の文字部分より、単に「ドールハウス」の称呼及び「人形の家、おもちゃの人形に合わせて作った小型の家」の観念をも生ずるものといえる。
他方、引用商標は、その構成文字に相応して、「ドールハウス」及び「人形の家、おもちゃの人形に合わせて作った小型の家」の観念を生ずるものである。
してみれば、本件商標と引用商標とは、称呼及び観念を共通にする類似の商標といわなければならない。
次に、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品及び指定役務との類否について検討する。
引用商標の指定商品は、上記2のとおり、多区分に亘る商品であり、いずれも本件商標の指定商品「時計」とは、生産部門、販売部門、原材料、品質、機能、用途等が明らかに異なるものであって、たとえ、両者について同一又は類似の商標が使用されたとしても、互いに誤認・混同を生ずるおそれはないというべきであるから、非類似の商品とみるのが相当である。
この点に関し、申立人は、本件商標の指定商品「時計」と引用商標の指定商品「サングラス、その他の眼鏡」(以下「サングラス等」という。)及び「ジャケット,ズボン,スカート,セーター,チョッキ,タイツ,その他の下着,スカーフ,手袋,バンダナ,帽子,その他の被服,ベルト,履物」(以下「被服等」という。)とは、互いに類似するものである旨主張し、証拠を提出している。
確かに、申立人の提出に係る証拠によれば、上記商品は、いずれも需要者の身を飾るファッションという広義の観点において一部共通する部分があることは否めないが、個別具体的にみれば、「時計」と「サングラス等」及び「被服等」とは、それぞれの本来的な機能、用途が異なる異質の商品であるばかりでなく、それぞれの原材料、品質、製造業者、販売経路、流通経路等を異にするのが一般的であり、これらを総合すれば、互いに非類似の商品というべきであるから、申立人の主張は採用することができない。
そして、本件商標の指定商品と引用商標の指定役務とは、一般に、同一事業者によって製造・販売され、提供されているものとはいえないし、両者の用途、販売場所、提供場所等が異なるものであるから、互いに紛れることのない非類似のものというべきである。
したがって、本件商標は、商標において引用商標と類似するとしても、その指定商品と引用商標の指定商品及び指定役務とが非類似である以上、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。
(2)本件商標の商標法第4条第1項第15号該当性について
申立人は、引用商標が申立人の業務に係る商品「被服、ベルト、履物」等について使用する商標として取引者・需要者間に広く認識されている旨主張し、証拠を提出している。
しかしながら、申立人の提出に係る証拠は、引用商標を使用した若い女性向けの被服等が外国で出版された雑誌等に掲載され、英文による申立人のホームページで紹介されていることを示すもののみであり、上記商品が我が国において広告宣伝されたり、紹介されているとを示すものは皆無である。そして、上記商品が我が国において実際に取引されていることを示す証左は一切ない上、上記商品の売上高、市場占有率や引用商標の使用期間、規模、範囲等を具体的に示す証左もない。
そうすると、申立人の提出に係る証拠によっては、引用商標が申立人の業務に係る商品を表示するものとして我が国において取引者・需要者間に広く認識されているものとは到底認められない。
また、申立人は、引用商標が世界の多数国において商標登録されている旨述べているが、商標登録の事実のみによって当該商標が周知・著名になるものでないことはいうまでもない。
その他、引用商標が引用商標が申立人の業務に係る商品を表示するものとして我が国の取引者・需要者間に広く認識されていることを認めるに足る証左はない。
もとより、「Dollhouse」の語は、「人形の家、精巧にできたミニチュアの家」を意味する既成の英単語であり、独創性のある語ではなく、創造語に比べ出所表示力の弱い語といえる。
以上からすれば、本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者が引用商標を連想、想起するようなことはないというべきであり、該商品が申立人又は同人と経済的・組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれはないものと判断するのが相当である。
したがって、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号のいずれの規定にも違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2009-05-25 
出願番号 商願2007-125424(T2007-125424) 
審決分類 T 1 651・ 271- Y (X14)
T 1 651・ 263- Y (X14)
T 1 651・ 264- Y (X14)
T 1 651・ 262- Y (X14)
最終処分 維持  
前審関与審査官 門倉 武則 
特許庁審判長 渡邉 健司
特許庁審判官 井出 英一郎
鈴木 修
登録日 2008-07-11 
登録番号 商標登録第5150094号(T5150094) 
権利者 株式会社トレプラネット
商標の称呼 ドールハウスウオッチ、ドールハウス 
代理人 工藤 莞司 
代理人 長谷川 芳樹 
代理人 黒川 朋也 
代理人 浜田 廣士 
代理人 齋藤 宗也 
代理人 森川 邦子 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ