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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 X0607 審判 全部申立て 登録を維持 X0607 |
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管理番号 | 1199146 |
異議申立番号 | 異議2008-900359 |
総通号数 | 115 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2009-07-31 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2008-09-18 |
確定日 | 2009-05-18 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5142864号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5142864号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5142864号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成19年10月15日に登録出願、第6類及び第7類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同20年6月20日に設定登録されたものである。 2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、以下のとおりであり、その商標権は、いずれも現に有効に存続しているものである。 (1)登録第2449936号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、平成元年11月24日に登録出願、第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同4年8月31日に設定登録され、その後、同14年7月30日に商標権存続期間の更新登録がされ、さらに、同18年12月6日に、指定商品を第6類ないし第12類、第15類ないし第17類、第19類ないし第21類、第26類及び第28類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換の登録がされたものである。 (2)登録第1893180号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲(3)のとおりの構成よりなり、昭和57年6月30日に登録出願、第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同61年9月29日に設定登録され、その後、平成9年1月30日及び同18年10月3日の2回にわたり、商標権存続期間の更新登録がされ、さらに、同21年2月18日に、指定商品を第6類ないし第12類、第15類ないし第17類、第19類ないし第21類、第26類及び第28類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換の登録がされたものである。 (3)登録第58312号の1商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲(4)のとおりの構成よりなり、大正元年10月4日に登録出願、第18類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同2年4月10日に設定登録され、その後、指定商品中の「蓄電池」についての商標権を分割移転した後、昭和8年2月20日、同27年11月21日、同48年12月25日、同58年7月25日、平成5年8月30日及び同15年4月8日の6回にわたり、商標権存続期間の更新登録がされ、さらに、同18年9月6日に、指定商品を第1類、第5類、第8類ないし第10類、第12類、第16類、第17類及び第28類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換の登録がされたものである。 3 登録異議の申立ての理由の要点 (1)商標法第4条第1項第11号について 本件商標と引用商標1及び2は、いずれもその構成より「マルジュウ」の称呼を生ずる称呼上類似の商標であり、また、外観も類似する。 さらに、本件商標の指定商品と引用商標1及び2の指定商品とは、互いに類似する。 (2)商標法第4条第1項第15号について 引用商標3は、申立人の商標として広く一般に知られた商標である。 そうすると、引用商標3に類似する本件商標をその指定商品について使用した場合は、これに接する取引者、需要者をして、該商品が申立人又は申立人と営業上何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生じさせるおそれがある。 (3)まとめ 以上のように、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び第15号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。 4 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第11号 ア 称呼及び観念 (ア)本件商標は、別掲(1)のとおり、やや肉太の線で描かれた大きな円輪郭(以下「本件外輪郭」という。)内に、これの同心円として、同じ太さの線で円輪郭(以下「本件内輪郭」)を描き、さらに、本件内輪郭内を等しく4分割するように、本件内輪郭内に、十文字を配した構成よりなるものであるところ、本件外輪郭の内側に描かれた図形は、全体として「くつわ」と称される紋所と認められるが、本件商標は、本件外輪郭とその内側に描かれた図形とが、外観上軽重の差なく一体的に表されており、いずれか一方のみが看者の注意を引くものではないから、構成全体が一種抽象的図形を表したものと認識され、これより特定の称呼、観念は生じないとみるのが相当である。 (イ)一方、引用商標1は、別掲(2)のとおり、肉太の円輪郭内に、これと同じ太さの線をもって、円輪郭内を等しく4分割するように、十文字を配した構成よりなるものであって、構成全体として「くつわ」と称される紋所と認められる。 また、引用商標2は、別掲(3)のとおり、黒塗り矩形内に、引用商標1と相似の関係にある図形を白抜きで表した構成よりなるものであるところ、その構成中の白抜きの図形部分は、「くつわ」と称される紋所と認められ、この部分が看者に印象づけられる部分であるといえる。 そうすると、引用商標1及び2は、いずれも「クツワ」の称呼及び「くつわ」(紋所)の観念が生ずるか、又は、図形の各構成要素に相応した「マルジュウ」の称呼が生ずるものとみるのが相当である。 (ウ)前記(ア)及び(イ)によれば、本件商標は、その構成より特定の称呼、観念は生じないものであるから、引用商標1及び2とは、称呼及び観念において比較することができない。 イ 外観 本件商標と引用商標1及び2の構成は、前記ア(ア)及び(イ)のとおりである。 そうすると、本件商標は、その構成中の本件外輪郭の内側に描かれた図形部分のみが独立して印象づけられるものではないから、本件商標と引用商標1及び2とを、それぞれ時と所を異にして離隔的に観察した場合においても、外観上互いに紛れるおそれはないものといわなければならない。 ウ したがって、本件商標と引用商標1及び2は、その称呼、観念及び外観のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。 (2)商標法第4条第1項第15号 引用商標3が申立人の業務に係る商品を表示するものとして、本件商標の登録出願前より、需要者の間に広く認識されていることは、あながち否定するものではない(この点について、申立人は、引用商標3が申立人の業務に係る特定の商品について、著名性を獲得したと認めるに足る証拠を提出していない。)が、前記(1)認定のとおり、本件商標と引用商標1とは、商標それ自体非類似のものであるから、引用商標1とほぼ同一の構成よりなる引用商標3についても、前記(1)で認定した理由と同様の理由により、本件商標とは、商標において非類似のものということができる。 そうすると、本件商標に接するその需要者が、これより直ちに引用商標3を想起又は連想するとみることはできず、本件商標をその指定商品について使用した場合、需要者をして、該商品が申立人又は申立人と営業上何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生じさせるおそれはないというのが相当である。 したがって、本件商標は、他人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがある商標ということはできない。 (3)むすび 以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び第15号に違反してされたものでないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲 (1)本件商標(登録第5142864号商標) (2)引用商標1(登録第2449936号商標) (3)引用商標2(登録第1893180号商標) (4)引用商標3(登録第58312号の1商標) |
異議決定日 | 2009-04-27 |
出願番号 | 商願2007-106158(T2007-106158) |
審決分類 |
T
1
651・
271-
Y
(X0607)
T 1 651・ 261- Y (X0607) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 浜岸 愛 |
特許庁審判長 |
石田 清 |
特許庁審判官 |
小林 由美子 久我 敬史 |
登録日 | 2008-06-20 |
登録番号 | 商標登録第5142864号(T5142864) |
権利者 | 和田特殊製鋼株式会社 |
代理人 | 喜多 俊文 |
代理人 | 江口 裕之 |