ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード |
審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 X09 審判 全部申立て 登録を維持 X09 審判 全部申立て 登録を維持 X09 |
---|---|
管理番号 | 1199129 |
異議申立番号 | 異議2008-900094 |
総通号数 | 115 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2009-07-31 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2008-03-04 |
確定日 | 2009-06-10 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5095682号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5095682号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5095682号商標(以下「本件商標」という。)は、「ピクセラ コーポレーション」の片仮名文字と「PIXERA CORPORATION 」の欧文字を2段に横書きしてなり、平成19年3月26日に登録出願、第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同年11月30日に設定登録されたものである。 2 登録異議の申立ての理由(要点) (1)引用商標 登録異議申立人「株式会社ピクセラ」(以下「申立人」という。)は、本件商標についての取消しの理由に、申立人が「電子応用機械器具及びその部品」等に使用している「PIXELA CORPORATION」、「PIXELA」、「ピクセラ」の文字よりなる商標を引用している(以下、これらの商標をまとめて「引用各商標」という。)。 (2)引用各商標の周知・著名性 従来、一般消費者向けのパソコンプリンターは、米マイクロソフト社製Windowsパソコン(以下、「Windowsパソコン」という。)用のものが多く、米アップル社製Macintoshパソコン(以下、「Macパソコン」という。)との互換性がなかったことから、登録異議申立人「株式会社ピクセラ」(以下「申立人」という。)は、Windowsパソコン用のプリンターをMacパソコンでも使用可能にするためのソフトとケーブルの開発、販売を行ってきた結果、Macパソコンユーザーからは支持され、また、雑誌、新聞で頻繁に紹介された(甲第6号証ないし甲第8号証)。 また、申立人は、平成5年頃より継続して、Macパソコンに関連の「MACWORLD Expo」の展示会で、ブースを設けて製品の紹介を行っている(甲第9号証及び甲第10号証)。 平成10年以降、申立人は、パソコンでテレビ番組を視聴、録画するためのパソコン内蔵用テレビ受信ボードや、静止画、動画の編集ソフトなどの開発、販売を開始し、これらの製品が、富士通、ソニー、シャープなどの大手パソコンメーカーのパソコンへの採用や、キャノン、京セラなどのデジタルカメラの添付ソフトとして販売された結果(甲第11号証ないし甲第15号証)、パソコン業界全体において相応の知名度を有するようになった。 さらに、近年では、地上波デジタル放送に向けての社会的動きが本格化する中で、申立人は、これまでの動画圧縮技術など様々な当社独自の技術を生かし、いわゆるワンセグ放送やハイビジョン放送に対応したパソコンや携帯電話などに向けたテレビ受信ボード、視聴ソフトウエアなどの製品を次々と販売しており、特に、申立人がMacパソコンでテレビ放送を視聴できるテレビキャプチャーを発売するニュースを伝える日刊工業新聞の記事では、「同社はテレビキャプチャーボードの大手メーカーで、マック向けパソコンの市場シェアは2位。同製品の市場投入で首位を目指す。」とあり(甲第16号証)、その他、一般紙、業界紙等で申立人が製造販売する新製品が紹介された(甲第17号証ないし甲第22号証)。 以上のような実績の結果、平成16年9月には、東京証券取引所市場第一部への上場となり、現在に至っている(甲第23号証)。 なお、申立人は、取扱い商品のパンフレット、DVD等には「ピクセラ株式会社」「PIXELA CORPORATION」「PIXELA Corp.」なる表記以外に、「ピクセラ」「PIXELA」と表記されることも多く、特に、「ピクセラTVチューナー」(甲第5号証)「PIXELA ImageMixer」(甲第24号証)のように商品商標に使用された場合にも、上記のような申立人のこれまでの実績を考慮するならば、これらの語に接した一般需要者、取引者は、申立人の業務に係る商品であると即座に認識して、あの「ピクセラの○○」「PIXELAの○○」のように理解するものであり、引用各商標は周知、著名であることは明らかである。 (3)商標法第4条第1項第15号について 本件商標は、その構成上に、上記のとおり申立人の周知、著名な商標である「PIXELA CORPORATION」の読みをそのまま表した「ピクセラコーポレーション」及び「コーポレーション」とは分離可能な状態である「ピクセラ」を含んでいるため、これに接した一般需要者、取引者は、申立人の業務に係る商品であるか、又はこれと何らかの関係にある者の業務に係る商品であると誤認し、出所の混同を生ずるおそれが大きい。したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。 (4)商標法第4条第1項第10号について 上記のとおり、引用各商標は、申立人である株式会社ピクセラに係る商品である、「テレビキャプチャーボード」や「デジタルカメラのデータ加工用ソフトウェア」等を含む「電子応用機械器具及びその部品」について、一般の需要者、取引者に広く認識され、周知、著名な商標となっている。したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当する。 (5)商標法第4条第1項第8号について 上記のとおり、引用各商標は、申立人の商標として周知、著名であり、申立人である株式会社ピクセラの英訳名である「PIXELA CORPORATION」と、その読みを表す「ピクセラコーポレーション」はもとより、「PIXELA」「ピクセラ」に至っても、略称として親しまれている。したがって、本件商標は、申立人の著名な名称又は略称「ピクセラコーポレーション」「ピクセラ」を含むものであるから、商標法第4条第1項第8号に該当する。 (6)むすび 本件商標は、商標法第4条第1項第8号、同第10号、同第15号の規定に違反して登録されたものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により、取り消されるべきである。 3 当審の判断 申立人は、引用各商標が申立人の業務に係る「電子応用機械器具及びその部品」等の商品(以下、「使用商品」という。)について使用され、一般の需要者、取引者に広く認識されていたものであり、また、申立人の商号の略称としても広く知られていたものである旨主張し、甲第1号証ないし甲第25号証を提出している。 しかしながら、甲第3号証ないし甲第5号証のチラシやパンフレットには、「PIXELA CORPORATION 」、「PiXELA」、「ピクセラ」の各文字と共に使用商品が紹介されているものの、これらのチラシやパンフレットが配布された地域、数量、期間等が明らかにされていない。 甲第6号証ないし甲第8号証は、使用商品が「ピクセラ」の文字と共に 「日経パソコン」に掲載された記事であるが、これらの掲載記事は、わずか3回にすぎない。 申立人は、平成5年(1993年)頃より継続して、Macパソコンに関連する展示会「MACWORLD Expo」において、ブースを設けて製品の紹介を行っている旨主張し、甲第9号証及び甲第10号証を提出している。 しかしながら、これらの証拠は、1994年と2002年のもののみであり、他の年のものについては、不明である。しかも、MacパソコンのシェアはWindowsパソコンのシェアに比べ極めて低く、また、Macパソコンを利用していない一般の消費者が、この展示会に関心を抱くとは考えられない。 甲第11号証ないし甲第15号証は、使用商品が富士通、ソニー、シャープの大手パソコンメーカーのパソコンへの採用や、キャノン、京セラのデジタルカメラの添付ソフトとして販売されたとする証拠である。 しかしながら、使用商品は、パソコンでテレビ番組を視聴、録画するためのパソコン内蔵用テレビ受信ボードや、静止画、動画の編集ソフトなどの製品であり、本件商標の登録出願の時において、地上デジタル放送の受信機を内蔵するパソコンの出荷数は全体のわずか数パーセントであり、その需要は低いものである。また、申立人はこの種業界における数多いメーカーの1社にすぎず、申立人の製品のみが好評を博したことを示す証拠は提出されていない。 甲第16号証ないし甲第22号証は、使用商品が「ピクセラ」の文字と共に紹介されている新聞の記事である。 しかしながら、これらの新聞は、日刊工業新聞、日経産業新聞といった、一般の需要者には馴染みの薄い専門紙が多い。また、甲第21号証及び甲第22号証は、本件商標の登録出願後の証拠である。さらに、地上デジタル放送の受信機を内蔵するパソコンの出荷数は全体のわずか数パーセントであり、これらの新聞に掲載された使用商品は、本件商標の登録出願の時において一般の需要者の関心が低いと考えるのが相当である。 そうとすれば、これらの証拠をもってしては、本件商標の登録出願時において、引用各商標が申立人の業務に係る商品を表示する商標として、また、申立人の商号の略称として、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。 してみれば、引用各商標の周知、著名性が認められない以上、その余の要件について検討するまでもなく、本件商標が商標法第4条第1項第8号、同第10号及び同第15号に該当するものとする申立人の主張は採用できない。 したがって、本件商標の登録は、登録異議の申立てに係る指定商品について、商標法第4条第1項第8号、同第10号及び同第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2009-05-25 |
出願番号 | 商願2007-25977(T2007-25977) |
審決分類 |
T
1
651・
271-
Y
(X09)
T 1 651・ 23- Y (X09) T 1 651・ 25- Y (X09) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 飯田 亜紀 |
特許庁審判長 |
森吉 正美 |
特許庁審判官 |
杉山 和江 小畑 恵一 |
登録日 | 2007-11-30 |
登録番号 | 商標登録第5095682号(T5095682) |
権利者 | ピクセラ・コーポレイション |
商標の称呼 | ピクセラコーポレーション、ピクセラ |
代理人 | 一色国際特許業務法人 |
代理人 | 小谷 悦司 |
代理人 | 川瀬 幹夫 |