ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード |
審決分類 |
審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない 121 |
---|---|
管理番号 | 1198999 |
審判番号 | 取消2008-300779 |
総通号数 | 115 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2009-07-31 |
種別 | 商標取消の審決 |
審判請求日 | 2008-06-23 |
確定日 | 2009-06-01 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第2125565号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第2125565号商標(以下「本件商標」という。)は、「ベベ」の片仮名文字及び「bebe」の欧文字を上下二段に表してなり、昭和61年12月23日に登録出願、第21類「装身具、ボタン類、かばん類、袋物、宝石およびその模造品、造花、化粧用具」を指定商品として、平成元年3月27日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。 また、本件審判の請求の登録日は、平成20年7月8日である。 第2 請求人の主張の要点 請求人は、「本件商標の指定商品中、第21類『かばん類』についての登録を取り消す。審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求めると申し立て、その理由として、請求人の調査によれば、本件商標は、指定商品、第21類『かばん類』について、商標権者、専用使用権者及び通常使用権者のいずれによっても、継続して3年以上日本国内において使用した事実が存しないことから、本件商標の登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである旨主張している。 第3 被請求人の答弁の要点 被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第8号証(枝番号を含む。)を提出した。 1 被請求人は、本件商標に係る通常使用権者が本件商標を「かばん類」について使用している以上、その登録は取り消されるべきでないと確信する。以下にその理由を詳述する。 2 通常使用権者について (1)被請求人である日本臓器製薬株式会社は、平成3年1月10日に本件商標の指定商品中、「装身具、ボタン類、かばん類、袋物、宝石およびその模造品、造花」につき兵庫県神戸市中央区港島中町6丁目8番2を所在地とする株式会社ジャヴァと商標使用許諾契約を締結し、本件商標につき平成3年9月24日に専用使用権の設定登録がなされた(本件商標の商標登録原簿参照)。 (2)その後、専用使用権者である株式会社ジャヴァは、同じグループ会社である株式会社ベベに対して被請求人の承諾のもと本件商標につき乙第1号証の「通常使用権許諾契約書」記載の範囲で通常使用権を許諾した経緯があり、そうであれば株式会社ベベ(兵庫県神戸市中央区港島中町6丁目8番2)が本件商標に係る通常使用権者であることは明らかである。 3 通常使用権者による使用 (1)通常使用権者である株式会社ベベは、乙第2号証の1、2の「本件商標の使用態様」から明らかなとおり、「バッグ」の正面ポケットの下方に「BeBe」を表示した布製タグを縫い付け、また該バック内にも「BeBe」と表示したタグと品番「1114-03101」と製造国「MADE IN CHINA」等を表示したタグとを縫い付け、さらに該バッグには品番「1114-031011」、製造国「MADE IN CHINA」、通常使用権者の社名「(株)ベベ」及び住所、価格「¥4,200」等を印刷した下げ札を取り付け、主として有名百貨店に販売している事実がある。 (2)そして、上記のバッグはこれと同一のものが既に複数の百貨店に販売されており、このことは乙第3号証、乙第4号証の株式会社ベベ発行の「売上伝票」から裏付けることができるのである。 (3)すなわち、乙第3号証は株式会社ベベが池袋西武に販売した商品の売上伝票(経理用)であり、該伝票の左上隅に発行日が平成20年3月3日と記載され、その他にも商品コードの欄に「1114-031011/0022」と、商品名の欄に「フゾク」と、上代の欄に「4000」と、数量の欄に「2」と、単価の欄に「2600」と、金額の欄に「5200」と記載されている。 (4)また、乙第4号証は株式会社べべから泉北高島屋に販売した商品の売上伝票(経理用)であり、該伝票には発行日が平成20年3月17日と、商品コードの欄に「1114-031011」と、商品名の欄に「フゾク/578192062」と、上代の欄に「4000」と、数量の欄に「2」と、単価の欄に「2560」と、金額の欄に「5120」と記載されている。 (5)してみれば、上記売上伝票に記載された「商品コード」と乙第2号証の「バッグ」のタグ及び下げ札に表示された数字とが「1114-031011」と一致していることに鑑みれば、株式会社ベベは乙第2号証の「バッグ」と同じ商品を平成20年3月3日に池袋西武、続いて3月17日に泉北高島屋に販売していたことは明らかである。 4 本件商標と使用商標の同一性 (1)本件商標は「bebe」と「ベベ」の文字を二段併記してなるのに対し(乙第5号証)、通常使用権者による上記使用商標は「BeBe」の欧文字のみからなるが、何れも構成欧文字が一致し、かつ「ベベ」の称呼を同じくするものであるため、本件商標と使用商標とが社会通念上同一であることは疑う余地はなく、このことは御庁の多数の審判事件における審判官の判断からも容易に裏付けることができるのである。 (2)すなわち、登録商標が二段併記等の構成からなる場合において、上段下段どちらか一方の使用について同一と判断した審判事件として、乙第6号証ないし乙第8号証が存在する。 5 結論 以上によれば本件商標は、その指定商品「かばん類」に含まれる「バッグ」の商品ついて、本件審判請求の登録日である平成20年7月8日前3年以内に(少なくとも平成20年3月3日、同年3月17日)、日本国内において本件商標に係る通常使用権者によって使用されたものであるということができる。 第4 請求人の弁駁 請求人は、被請求人の答弁に対し弁駁していない。 第5 当審の判断 1 専用使用権者について 職権において本件商標の商標登録原簿を調査したところ、神戸市中央区港島中町6丁目8番2の株式会社ジャヴァが、「装身具、ボタン類、かばん類、袋物、宝石およびその模造品、造花」について、平成21年3月27日迄、地域を「日本全国」とする専用使用権者であることが認められる。 2 通常使用権者について 乙第1号証は、通常使用権許諾契約書と認められるところ、商標権者及び専用使用権者は、「株式会社ベベ」に対して、「装身具、ボタン類、かばん類、袋物、宝石およびその模造品、造花」について、平成21年3月27日迄、地域を「日本全国」とする本件商標に関する通常使用権を許諾しているものと認められる。 してみれば、「株式会社ベベ」は、本件商標の通常使用権者ということができる。 3 被請求人が提出した証拠によれば、以下の事実が認められる。 (1)乙第2号証の1は、「リュックサック」の写真の写しと認められるところ、商品「リュックサック」には、商標「BeBe」が付されている。 (2)乙第2号証の2は、「リュックサック」に付けた布製タグ、下げ札及びタグの写真の写しと認められるところ、布製タグには、商標「BeBe」が付されており、下げ札には、数字の「1114-031011」、「(株)ベベ」の名称及び住所並びに「(本体価格¥4,000)」の文字等が記載されており、タグにも数字の「1114-031011」が記載されている。 (3)乙第3号証は、売上伝票と認められるところ、左上に「20年3月3日」の文字、中央上部に「池袋西武」の文字、右上に「株式会社ベベ」の文字、商品コードの欄に「1114-031011」の文字及び上代の欄に数字の「4000」と記載されている。 (4)乙第4号証も売上伝票と認められるところ、左上に「20年3月17日」の文字、中央上部に「泉北高島屋」の文字、右上に「株式会社ベベ」の文字、商品コードの欄に「1114-031011」の文字及び上代の欄に数字の「4000」と記載されている。 4 判断 (1)乙第1号証ないし乙第4号証(枝番号を含む。)によれば、通常使用権者の「株式会社ベベ」は、商品コードが「1114-031011」の「かばん類」に属する商品「リュックサック」を、本件審判の請求の登録前3年以内の平成20年3月3日には池袋西武に対して、同じく平成20年3月17日泉北高島屋に対して販売しているものと認めることができる。 (2)商標の同一性について 乙第2号証ないし乙第4号証(枝番号を含む。)において使用されている商標「BeBe」と本件商標とは、大文字の「B」と小文字の「b」に違いを有するとしても、いずれも「ベベ」の称呼及び「赤ん坊」の観念を生ずるものであるから、社会通念上同一の商標と認めることができる。 5 まとめ 乙第1号証ないし乙第4号証(枝番号を含む。)によれば、本件審判の請求の登録前3年以内に、日本国内において、通常使用権者が指定商品中「かばん類」に属する「リュックサック」について、本件商標と社会通念上同一の商標を使用していたものと認めることができる。 したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2008-12-25 |
結審通知日 | 2009-01-07 |
審決日 | 2009-01-20 |
出願番号 | 商願昭61-138388 |
審決分類 |
T
1
32・
1-
Y
(121)
|
最終処分 | 不成立 |
特許庁審判長 |
渡邉 健司 |
特許庁審判官 |
杉山 和江 平澤 芳行 |
登録日 | 1989-03-27 |
登録番号 | 商標登録第2125565号(T2125565) |
商標の称呼 | ベベ |
代理人 | 谷口 登 |
代理人 | 中山 健一 |
代理人 | 藤本 昇 |
代理人 | 白井 里央子 |
代理人 | 原田 雅章 |