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審決分類 |
審判 一部申立て 登録を維持 Y03 審判 一部申立て 登録を維持 Y03 審判 一部申立て 登録を維持 Y03 審判 一部申立て 登録を維持 Y03 審判 一部申立て 登録を維持 Y03 |
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管理番号 | 1197379 |
異議申立番号 | 異議2008-900336 |
総通号数 | 114 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2009-06-26 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2008-09-05 |
確定日 | 2009-05-13 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5142790号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5142790号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5142790号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成からなり、アメリカ合衆国においてした2006年8月24日の商標出願に基づきパリ条約4条による優先権の主張をして平成18年10月10日に登録出願され、第3類及び第35類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として平成20年6月20日に設定登録されたものである。 2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する国際登録第770802号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲(2)のとおりの構成からなり、ベネルクス商標庁においてした2001年6月28日の商標出願に基づきパリ条約4条による優先権の主張をして2001年10月12日に国際登録され、第3類「Soaps; liquid soaps; toiletry products for the bath and shower, including mousse and gel; preshave and aftershave preparations; perfumery; essential oils, cosmetics; fragrant sachets for linen; toiletry products for hair care; cosmetic products for skin care; antiperspirants and deodorants for personal use; hand-washing products for laundry use; detergents other than for use in manufacturing operations or for medical purposes; bleaching preparations and other substances for laundry use; cleaning, polishing, scouring and abrasive preparations.」及び第21類「Brushes (except paintbrushes); combs, toiletry sponges and cosmetic cleansing sponges; toilet utensils (not included in other classes); toothbrushes; powder puffs; cloths for cleaning, polishing and dusting (impregnated or not); non-electric cleaning instruments and equipment; abrasive pads for kitchen purposes; toiletry product dispensers.」を指定商品として平成14年8月9日に設定登録されたものである。 3 登録異議申立ての理由の要点 (1)本件商標と引用商標とは、外観及び観念において類似するものであり、また、本件申立てに係る第3類に属する指定商品と引用商標の指定商品中第3類に属する商品とは、同一又は類似のものであるから、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するものである。 (2)申立人は、「鳩」を意味する「Dove(ダヴ)」のブランドをメーンブランドとする世界的企業であり、引用商標を使用した石鹸、化粧品等の各種商品がテレビ、新聞、雑誌等で大々的に宣伝広告された結果、引用商標は、世界的規模の著名商標となっている。本件商標と引用商標との類似性の程度、引用商標の周知著名性の程度、本件商標及び引用商標が使用される商品等の関連性の程度、その他取引の実情からみて、本件商標は、引用商標と広義の混同を生ずるおそれがあることは明らかであるから、商標法第4条第1項第15号に該当するものである。 (3)本件商標は、引用商標の顧客吸引力にただ乗りし、当該顧客吸引力を不当に利用するものであり、取引秩序を乱すものというべきであるから、商標法第4条第1項第7号に該当するものである。 (4)世界各国で特に商品「せっけん、シャンプー、ヘアリンス」等について周知著名な引用商標と類似する本件商標を申立人以外の者がその指定商品に使用するときは、それだけの理由で「不正の目的」をもって使用するものであるとの認定がなされるべきであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当するものである。 4 当審の判断 (1)本件商標の商標法第4条第1項第11号該当性について 本件商標と引用商標との類否について検討するに、両商標は、別掲(1)及び(2)のとおり、いずれも、鳥の如き図形を黒塗りでシルエット風に表した構成からなるが、いかなる種類の鳥であるか具体的に特定し難いものであり、これらからは親しまれた既成の観念及び称呼を生ずるものとは認められないから、両商標の観念及び称呼については比較すべくもない。 この点に関し、申立人は、両商標からは「鳩」ないしは「翼を広げて飛んでいる鳩」という同一の観念が生ずる旨主張しているが、両商標の図形は、鳥の如きものを表したものとはいえるが、いかなる種類の鳥か明らかでなく、まして「鳩」とまでは特定できないし、両者が「鳩」を描いた図形として一般に広く認識されていると認めるに足る証拠もないから、申立人の主張は採用することができない。 そして、両者の外観についてみると、本件商標は、両翼を広げた鳥が頭部を上にし尾を下げ、胴体は斜めになり、羽ばたきをしているような状態を描いた図形であって、しかも両翼には羽根があり、頭部には目と思しき白点がある。 これに対し、引用商標は、鳥の翼が一つしかなく、尾は下がることなく胴体もほぼ水平で、鳥が羽ばたかず水平飛行をしているような状態を描いた図形であり、両者の表現方法は明らかに異なるものである。 そうすると、上記の相違点により、両者の看者に与える印象は、全く別異のものというべきであるから、両商標を時と処を別にして離隔的に観察しても、彼此相紛れることなく明らかに区別し得るものといえる。 してみれば、本件商標と引用商標とは、外観、観念及び称呼のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。 (2)本件商標の商標法第4条第1項第15号該当性について 申立人の提出に係る証拠によれば、引用商標とほぼ同様の図形が商品「化粧品」について使用されていることが認められるが、その使用態様の多くは、「Dove」の標章と共に使用され、恰も「Dove」の付記的部分の如くに表されているものである。 また、申立人は引用商標を使用した各種商品がテレビ、新聞、雑誌等で大々的に宣伝広告されている旨主張するも、その事実を具体的に示す証拠はない。 そうすると、申立人の提出に係る証拠によっては、引用商標自体が独立して申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者、取引者の間に広く認識されているものと直ちに認めることはできない。 仮に、引用商標が需要者、取引者の間に広く認識されているとしても、本件商標と引用商標とは、上記(1)のとおり、非類似のものであって、別異の商標というべきものである。 かかる事情の下において、本件商標をその指定商品中の申立てに係る指定商品(第3類に属する商品)について使用しても、これに接する需要者、取引者が引用商標を連想、想起するようなことはないというべきであり、該商品が申立人又は同人と経済的・組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その出所について誤認混同を生ずるおそれもないと判断するのが相当である。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。 (3)本件商標の商標法第4条第1項第7号及び同項第19号該当性について 申立人は、引用商標が周知著名であること、本件指定商品と申立人の業務に係る商品との関連性が極めて強いこと、引用商標を使用した各種商品が大々的に広く宣伝広告されていること、本件商標と引用商標とが類似すること、などを理由として、本件商標は、引用商標の顧客吸引力にただ乗りし、当該顧客吸引力を不当に利用するものであり、取引秩序を乱し、不正の目的をもって使用するものである旨主張している。 しかしながら、前示のとおり、本件商標と引用商標とは、類似するところのない別異の商標であり、かつ、引用商標が申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者、取引者の間に広く認識されているものとは、認められないから、申立人の上記主張は、前提を欠くものであって認めることはできない。さらに、本件商標が引用商標の顧客吸引力にただ乗りしたり、不当に利用するなど、不正の目的をもって使用するものであることを具体的に示す証拠は一切見当たらない。 他に、商標法第4条第1項第7号及び同項第19号に定める要件を満たすべき事実は発見することができない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号及び同項第19号に該当するものではない。 (4)まとめ 以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同項第11号、同項第15号及び同項第19号のいずれの規定にも違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲 (1)本件商標 ![]() (2)引用商標 ![]() |
異議決定日 | 2009-04-17 |
出願番号 | 商願2006-94063(T2006-94063) |
審決分類 |
T
1
652・
261-
Y
(Y03)
T 1 652・ 263- Y (Y03) T 1 652・ 22- Y (Y03) T 1 652・ 271- Y (Y03) T 1 652・ 222- Y (Y03) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 内藤 順子 |
特許庁審判長 |
渡邉 健司 |
特許庁審判官 |
鈴木 修 井出 英一郎 |
登録日 | 2008-06-20 |
登録番号 | 商標登録第5142790号(T5142790) |
権利者 | リテイル ロイヤルティー カンパニー |
代理人 | 高柴 忠夫 |
代理人 | 中山 健一 |
代理人 | 志賀 正武 |
代理人 | 鈴木 博久 |
代理人 | 渡邊 隆 |
代理人 | 谷口 登 |