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審決分類 審判 査定不服 商4条1項15号出所の混同 登録しない Y25
管理番号 1197290 
審判番号 不服2006-12005 
総通号数 114 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2009-06-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2006-06-12 
確定日 2009-04-27 
事件の表示 商願2005-78047拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 第1 本願商標
本願商標は、「HEADSIDE」及び「ヘッドサイド」の文字を上下二段に横書きしてなり、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、平成17年8月22日に登録出願されたものである。

第2 原査定の拒絶理由の要点
原査定は、次の1及び2の拒絶理由をもって本願商標を拒絶したものである。
1 本願商標は、オーストリア国在のヘッド・テクノロジー・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツングがスキー、スポーツウェア等について使用して周知・著名となっている商標「HEAD」と同一又は類似の文字をその構成中に有するものであり、これをその指定商品に使用した場合には、本願指定商品に接する需要者が、たとえ、前記法人の業務に係る商品であると認識しなくても、本願指定商品が前記法人の子会社等の関係にある事業者の業務に係る商品であると誤認し、商品の出所について広義の混同を生ずるおそれがあるから、商標法第4条第1項第15号に該当する。
2 原審において本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用した登録商標は、以下の8件であり、各商標権は現に有効に存続するものである。
(1)登録第1513649号商標は、別掲(1)のとおりの構成にて「HEAD」の文字を配してなり、昭和44年4月4日に登録出願、第24類「スキ-専用特殊ズボン、スキ-用アノラツク、スキ-用ヘルメツト、その他本類に属する商品、ただしマネキン人形、洋服飾り型類を除く」を指定商品として、同57年5月25日に設定登録、その後、二回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされ、平成16年12月8日に指定商品を第9類「スキー用ヘルメット,その他の運動用保護ヘルメット」及び第25類「スキー専用特殊ズボン,スキー用アノラック,その他の運動用特殊衣服,運動用特殊靴,仮装用衣服」とする指定商品の書換の登録がなされたものである。
(2)登録第1533062号商標は、別掲(2)のとおりの構成にて「HEAD」の文字を配してなり、昭和44年2月14日に登録出願、第17類「被服(ただし、熔接マスク、防毒マスク、防じんマスク及びこれらの類似商品を除く)布製身回品、寝具類」を指定商品として、同57年8月27日に設定登録、その後、二回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされ、平成15年11月26日に指定商品を第25類「被服」とする指定商品の書換の登録がなされたものである。
(3)登録第4764985号の2商標は、別掲(3)のとおりの構成にて「HEAD」の文字を配してなり、平成15年9月17日に登録出願、第18類「傘,かばん金具,がま口口金,皮革製包装用容器,愛玩動物用被服類,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄,乗馬用具,皮革」を指定商品として同16年4月16日に設定登録の登録第4764985号の1商標より、第18類「かさ及びその部品(ゴルフ用のものを除く。),かばん類(テニス用・スキー用・ゴルフ用のものを除く。)」を指定商品として、同17年3月11日に分割され、設定登録されたものである。
同じく、前記の外に、「HEAD」の文字からなる登録商標5件を引用するものである(以下、これらを併せて「引用商標」という。)。

第3 当審における証拠調べ通知
当審において、本願商標が商標法第4条第1項第11号(引用する商標は前記第2の引用商標)及び同第15号に該当するか否かについて、職権により証拠調べをした結果、下記の事実を発見したので、同法第56条第1項において準用する特許法第150条第5項の規定に基づき通知をし、期間を指定して、意見を述べる機会を与えた。



「HEAD」に関して行った職権による証拠調べによれば、以下の事実が認められる。
1 書籍、パンフレット、カタログ
(1)エイチ・ティ・エムスポーツ ジャパン株式会社 パンフレット「HEAD‘93-‘94 NEW MODELS」には、スキー板、スキーバッグ、スキー帽子、スキー手袋等について「HEAD」の商標が掲載されている。
(2)エイチ・ティ・エムスポーツ ジャパン株式会社 パンフレット「Snow Dancing HEAD‘94-‘95 NEW MODELS」には、スキー板、スキーバッグ、スキー帽子について「HEAD」の商標が掲載されている。
(3)エイチ・ティ・エムスポーツ ジャパン株式会社 パンフレット「the Race is on」には、スキー板について「HEAD」の商標が掲載されている。
(4)エイチ・ティ・エムスポーツ ジャパン株式会社 カタログ「Carve it up! HEAD Cyber 1996/97」には、スキー板について「HEAD」の商標が掲載されている。
(5)エイチ・ティ・エムスポーツ ジャパン株式会社 カタログ「SKI-LINE1997/98」には、スキー板、スキーバッグ等について「HEAD」の商標が掲載されている。
(6)エイチ・ティ・エムスポーツ ジャパン株式会社 カタログ「SKI BOOTS1998/99」には、スキー靴について「HEAD」の商標が掲載されている。
(7)ヘッドジャパン株式会社 カタログ 「TENNIS 1993」には、テニスラケット、テニスバッグ、帽子について「HEAD」の商標が掲載されている。
(8)エイチ・ティ・エムスポーツ ジャパン株式会社 カタログ「HEAD WAY」には、テニスラケット、テニスシューズ、テニスバッグ、帽子等について「HEAD」の商標が掲載されている。
(9)エイチ・ティ・エムスポーツ ジャパン株式会社 カタログ「It will change your game」には、テニスラケット、テニスバッグ、帽子等について「HEAD」の商標が掲載されている。
(10)エイチ・ティ・エムスポーツ ジャパン株式会社 カタログ「1996 HEAD TENNIS COLLECTION」には、テニスラケット、テニスシューズ、テニスバッグ等について「HEAD」の商標が掲載されている。
(11)エイチ・ティ・エムスポーツ ジャパン株式会社 カタログ「TENNIS 1997」には、テニスラケット、テニスシューズ、テニスバッグについて「HEAD」の商標が掲載されている。
(12)ワールド通商株式会社 カタログ 「THE POWER OF HEAD 」には、テニスラケット、テニスシューズ、テニスバッグについて「HEAD」の商標が掲載されている。
(13)ワールド通商株式会社 カタログ 「THE POWER OF HEAD 1999」には、テニスラケット、テニスシューズ、テニスバッグについて「HEAD」の商標が掲載されている。
(14)ヘッドスポーツウェアジャパン株式会社 カタログ「SKI & SNOWBOARD WEAR COLLECTION ‘96-‘97」には、スキーウエアについて「HEAD」の商標が掲載されている。
(15)ワ-ルド通商株式会社 カタログ「AN EMERGING NEW POWER」には、テニスラケット、テニスバッグについて「HEAD」の商標が掲載されている。
(16)ワールド通商株式会社 カタログ「TITANIUM TENNIS」には、テニスラケットについて「HEAD」の商標が掲載されている。
(17)「‘76世界のスキー用具」には、スキー板について「HEAD」の商標が掲載されている。
(18)「‘80世界のスキー用具」には、スキー板について「HEAD」の商標が掲載されている。
(19)「‘85世界のスキー用品」には、スキー板について「HEAD」の商標が掲載されている。
(20)「‘90世界のスキー用品」には、スキー板について「HEAD」の商標が掲載されている。
(21)「‘94世界のスキー用具」には、スキー板について「HEAD」の商標が掲載されている。
2 雑誌
(1)「MEN‘S CLUB 1996年9月号」には、スキーウエアについて「HEAD」の商標が掲載されている。
(2)「SNOWBOARD NIPPON 96/97 vol.1」には、スキーウエアについて「HEAD」の商標が掲載されている。
(3)「COOL TRANS 1996年12月号」には、ナイロンコート等の被服について「HEAD」の商標が掲載されている。
(4)「CARトップ 1996年12月号」には、スキー板について「HEAD」の商標が掲載されている。
(5)「mode skier 1997」には、スキーズボン、スキージャケットについて「HEAD」の商標が掲載されている。
(6)「SNOWing 1996年8月号」には、スキーズボン、スキージャケットについて「HEAD」の商標が掲載されている。
(7)「SKI GOODS 1998」は、スキーズボン、スキージャケットについて「HEAD」の商標が掲載されている。
(8)「Ski98」は、スキーズボン、スキージャケットについて「HEAD」の商標が掲載されている。
(9)「Tennis Magazine 1999 special号」には、テニスラケットについて「HEAD」の商標が掲載されている。
(10)「スマッシュ 1998年11月号」には、テニスラケットについて「HEAD」の商標が掲載されている。
(11)「Tennis Magazine 1999年6月」には、テニスラケットについて「HEAD」の商標が掲載されている。
(12)「Tennis Magazine 1998年12月」には、テニスラケット、テニスシューズについて「HEAD」の商標が掲載されている。
(13)「テニスクラッシュ 1999年11月号」には、テニスラケット、について「HEAD」の商標が掲載されている。
(14)「TENNIS 2000」には、テニスラケット、について「HEAD」の商標が掲載されている。
(15)「ラピタ 小学館発行 2008年3月1日発行」には、進化したスキーアイテムの記事にHEADチップ スパーシェイプSW(スキー板)の紹介がある。
(16)「月刊テニスジャーナル 発行 スキージャーナル株式会社 2008年5月発行」には、ラケット「売り筋」ランキングには「HEAD」がランクインしている。
(17)「月刊スキージャーナル 発行 スキージャーナル株式会社 2008年2月発行」には、HEADレーシングチームの挑戦状の記事がある。
3 新聞、インターネット情報
(1)「読売新聞 1989年3月17日」には、「日商岩井などが共同で米のスポーツ用品企業グループを買収」の記事に「・・・ヘッド社を含む・・・」と掲載されている。
(2)「日経産業新聞 1999年11月5日」には、「HEAD ブランド テニス用品を拡充 ワールド通商 ウエア販売参入・・・」と掲載されている。
(3)「繊研新聞 2000年3月23日」には、「自重堂 メンズ事業本部の今期売上高145億円へ、新企画相次ぎ好調」の見出しの下に、「発売三年目の「HEAD」が六十億円規模(小売りベース)に成長して「ポロクラブ」の約五十五億円を上回っているほか、昨年秋に発売したアメリカンワークウエア「ディッキーズ」も十五億?二十億円を見込める好スタートとなり、こうした新規ブランドが全体をリードしている。HEADはヘッドスポーツウエアジャパン(本社東京)との提携ブランドで、テニスやスキー愛好者に人気がある。・・・」と掲載されている。
(4)「株式会社オオハタスポーツ」の見出しのウェブサイトに、「ヘッドスキーを取り扱うオオハタスポーツのスキーWEBショップにご来店いただきましてありがとうございます。」「HEAD」「Ski」「Boots」等と掲載されている(http://www.ohata-sp.com/sportsshop/head/index.html)。
(5)伊藤忠商事のサイトのニュースリリース「ヘッド」とのマスターライセンス契約について(2004年11月10日)と掲載されている(http://www.itochu.co.jp/main/news/2004/news_041110.html)。
(6)伊藤忠商事のサイトのニュースリリース「HEAD」販促で細川茂樹さん、森尾由美さんをイメージキャラクターに起用(2006年3月13日)と掲載されている(http://www.itochu.co.jp/main/news/2006/news_060313.html)。
以上の事実によれば、「HEAD」の表示は、本願商標の出願日の当時、ヘッド、スポート、アクチエンゲゼルシャフトが「スキー板、テニスラケット、スキー靴」について使用している商標として、我が国の取引者及び需要者の間に広く認識されており、その状態が現在においても継続していることが認められる。

第4 当審における証拠調べ通知に対する請求人の意見
請求人は、上記第3の当審における証拠調べ通知に対して、指定した期間内に意見書を提出していない。

第5 当審の判断
上記第3の証拠調べのとおり、「HEAD」の文字からなる商標(以下「使用商標」という。)は、オーストリア国在のヘッド・テクノロジー・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング(以下「引用商標権者」という。)が商品「スキー板、スキー帽子、スキー手袋、スキーバッグ、スキー靴、スキーウエア スキーズボン、スキージャケット、テニスラケット、テニスバッグ、テニスシューズ」等について使用商標を使用しており、使用商標を使用した商品は、本願商標の登録出願時には既に、引用商標権者の業務に係るスキー板、テニスラケット、スキー靴等を表示する商標として、取引者・需要者の間に広く認識されていたものというべきであり、その状態は現在においても継続しているものと認められる。
しかして、本願商標は、上記第1のとおりの構成からなるところ、その構成中の「HEAD」及び「ヘッド」の文字は、「頭、頭部」を意味し、同じく「SIDE」及び「サイド」の文字は、「側、側面」を意味する英語及び外来語として、いずれも一般に親しまれた語であるばかりでなく、両者を結合して親しまれた熟語を形成しているものともいえないから、本願商標はこれら二語よりなるものと容易に認識し把握されるというべきである。
そして、本願商標の指定商品中の「被服,運動用特殊衣服,履物,運動用特殊靴」は、使用商標が使用されているスキー板、スキー帽子、スキー手袋、スキーバッグ、スキー靴、スキーウエア、スキーズボン、スキージャケット、テニスラケット、テニスバッグ、テニスシューズ等とは同一又は類似の商品といい得るもの又は使用商標の使用に係る商品と密接な関係を有するものであり、両商品の取引者、需要者の相当部分が共通している。
かかる事情の下において、本願商標をその指定商品に使用した場合には、これに接する取引者、需要者は、その構成中の見やすく、印象に残りやすい語頭部に位置している「HEAD」及び「ヘッド」の文字部分に着目して、周知著名となっている使用商標を連想、想起し、該商品が引用商標権者又は引用商標権者と経済的・組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれがあるものというべきである。
なお、請求人は、登録例及び異議の決定例を挙げて本願商標登録の正当性について述べているが、審理に当たっては、登録例及び異議の決定例に何ら拘束されることなく客観的証拠に基づき個別具体的に判断するものであり、これをもって上記認定が左右されるものではない。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第15号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲

別掲(1) 登録第1513649号商標


別掲(2) 登録第1533062号商標


別掲(3) 登録第4764985号の2商標

審理終結日 2009-02-09 
結審通知日 2009-02-12 
審決日 2009-03-10 
出願番号 商願2005-78047(T2005-78047) 
審決分類 T 1 8・ 271- Z (Y25)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 八木橋 正雄 
特許庁審判長 中村 謙三
特許庁審判官 小林 由美子
石田 清
商標の称呼 ヘッドサイド、サイド 
代理人 北村 修一郎 

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