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審決分類 審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 Y11
審判 査定不服 観念類似 取り消して登録 Y11
審判 査定不服 商品(役務)の類否 取り消して登録 Y11
管理番号 1197252 
審判番号 不服2008-15840 
総通号数 114 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2009-06-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2008-06-23 
確定日 2009-05-15 
事件の表示 商願2003- 23753拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は、「MAESTRO」の欧文字を横書きしてなり、第11類に属する願書に記載の商品を指定商品として、平成15年3月26日に登録出願され、その後、指定商品については、同年10月22日付け手続補正書により、第11類「洗面化粧台取付用洗面器,洗面台,流し台,便所ユニット,美容院用又は理髪店用の機械器具(いすを除く。)」と補正されたものである。

2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願の拒絶の理由に引用した登録第5051955号商標は、「Maestro」の欧文字と「マエストロ」の片仮名文字を上下二段に横書きしてなり、平成14年4月8日に登録出願、第21類「かいばおけ,家禽用リング,おけ用ブラシ,金ブラシ,管用ブラシ,工業用はけ,船舶ブラシ,ガラス製包装用容器(「ガラス製栓・ガラス製ふた」を除く。),陶磁製包装用容器,ガラス製栓,ガラス製ふた,アイロン台,霧吹き,こて台,へら台,湯かき棒,浴室用腰掛け,浴室用手おけ,ろうそく消し及びろうそく立て(貴金属製のものを除く。),家庭用燃え殻ふるい,石炭入れ,はえたたき,ねずみ取り器,植木鉢,家庭園芸用の水耕式植物栽培器,じょうろ,洋服ブラシ,貯金箱(金属製のものを除く。),お守り,おみくじ,紙タオル取り出し用金属製箱,靴脱ぎ器,せっけん用ディスペンサー,電気式歯ブラシ,化粧用具(「電気式歯ブラシ」を除く。),ブラシ用豚毛」を指定商品として、同19年6月1日に設定登録されたものである。

3 当審の判断
(1)商標の類否について
本願商標は、前記1のとおり、「MAESTRO」の欧文字よりなるところ、該文字は「音楽で、巨匠・名手・大家。」(「広辞苑 第6版」2008年1月11日発行 株式会社岩波書店)、「大作曲家、(芸術の)巨匠」(「小学館ランダムハウス英和大辞典」1999年1月10日発行 株式会社小学館)等の意味を有する語であり、これよりは「マエストロ」の称呼及び「大作曲家、(芸術の)巨匠」等の観念を生ずるものである。
他方、引用商標は、前記2のとおり、「Maestro」の欧文字と「マエストロ」の片仮名文字を上下二段に横書きしてなるところ、「Maestro」の欧文字部分は、「音楽で、巨匠・名手・大家。」(「前出「広辞苑 第6版」)「大作曲家、(芸術の)巨匠」(前出「小学館ランダムハウス英和大辞典」)等の意味を有する成語であるから、前記の観念を理解させるものであり、片仮名文字部分より「マエストロ」の称呼を生ずること明らかである。
したがって、本願商標と引用商標は、「マエストロ」の称呼及び「大作曲家、(芸術の)巨匠」等の観念を共通にし、外観においても構成する欧文字の態様が大文字か、小文字を含む構成であるかの差異、及び片仮名文字の有無の差異があるとしても、その綴り字を同じくし、片仮名文字部分は「Maestro」の表音を普通に用いられる態様で表してなるにすぎず、顕著な差異を有するものともいえないから、全体として両商標は、類似の商標であるといわなければならない。
(2)指定商品の類否について
指定商品の類否判断について、最高裁判所の判決では、「商標法第4条第1項第11号において、指定商品が相互に類似するか否かを判断するに当たっては、それぞれの商品の性質、用途、形状、原材料、生産過程、販売過程及び需要者の範囲など取引の実情、さらに、仮に、同号にいう『類似する商標』が、両商品に使用されたと想定した場合、これに接する取引者、需要者が、商品の出所について誤認混同を来すおそれがないか否かの観点を含めた一切の事情を総合考慮した結果を基準とすべきである。」(平成19年行(ケ)第10042号判決 平成19年9月26日判決言渡)とし、また、「指定商品が類似のものであるかどうかは・・・商品自体が取引上誤認混同の虞があるかどうかにより判定すべきものではなく、それらの商品が通常同一営業主により製造又は販売されている等の事情により、それらの商品に同一又は類似の商標を使用するときは同一営業主の製造又は販売にかかる商品と誤認される虞があると認められる関係にある場合には、たとえ、商品自体が互いに誤認混同を生ずる虞がないものであっても、それらの商標は商標法・・・にいう類似の商品にあたると解するのが相当である。」(昭和33年(オ)第1104号判決 昭和36年6月27日判決言渡)と判示されている。
そこで、上記の観点から、原査定において、本願商標と引用商標の指定商品で類似すると認定、判断された、本願商標の指定商品中「洗面化粧台取付用洗面器,洗面台」(以下、「本願商品」という。)と引用商標の指定商品中「湯かき棒,浴室用腰掛け,浴室用手おけ」(以下「引用商品」という。)の商品の類否について、以下に検討する。
ところで、産業上の諸統計の作成に使用されるほか、各企業、業界における商品コードの基準としても利用されている「日本標準商品分類(総務庁編集、財団法人全国統計協会連合会 平成8年9月第3版発行)」(以下、「日本標準商品分類」という。)によれば、その序章に記載の如く、商品の用途、機能、材料、成因を基準として類似するものごとに集約し、中分類番号を基本コードとしているところ、本願商品と関連する「洗面化粧台」は、中分類84「冷暖房用、食品調理用器具及び装置(主熱源に電気を使用しない)並びに衛生設備用品」の中の「複合衛生設備」に分類されているものである。次に、「現代商品大辞典 新商品版」(東洋経済新報社 昭和61年10月18日発行)によれば、「洗面化粧台」は、「住宅および住宅部品」の項の「洗面化粧ユニット」の中に、「洗面化粧ユニットは、洗面所に必要な諸設備をユニット化した製品で、洗面器、水せん(栓)、給排水配管類と収納ボックスを備えた『洗面化粧台』と、化粧鏡、照明器具、コンセント等を備えた『化粧キャビネット』で組み合わされている。・・洗面器の材質は、陶器、鋼板ホーロー等が使用される。・・〔製造会社〕クリナップ、タカラスタンダード、東海シンク、など」と説明されている。また、「商品大辞典」(1996年4月15日発行 東洋経済新報社)によれば、「洗面化粧台」は、「生活用品 住生活用品」の「衛生機器」に分類され、「基本的には、洗面器付きの台に収納だな(棚、物入れ、引出しなど)が付いているもの。給排水、給湯、および電源コンセントなどの機能が内蔵されており、それぞれを接続すれば施工が終了する。大きさは、幅600?1200mm、高さは平均して、750?1100mm・・・である。材質的には、上面を、木製の台の上に陶器製の洗面器を埋め込んだもの、鋼板やアルミニウム板を一体的にプレスし、ほうろう引きしたもの、プラスチックで成形したものなどがある。」と記載されている。これよりは、洗面台等は、住宅の水回り部に配管を通じて連結される設備品で、長期的に使用されることが予定される住宅設備機器であると認められる。そして、このような商品を取り扱う業者については、以下のような新聞記事の記載が見つけられる。
(1)「役立つ住宅情報:ハウジング・ミニ情報 掃除のしやすい洗面台--松下電工」の見出しのもと、「松下電工は、手入れのしやすい洗面化粧台『ウツクシーズ』を12月から発売する。洗面ボウルは水あか汚れに強く耐摩耗性に優れた有機ガラス系素材を使った。価格はミラー付き本体が16万5900円(税込み、工事費別)から。」との記載(2007.11.29毎日新聞 東京朝刊 24頁)。
(2)「10月、用途に応じ選べる洗面台発売-ヤマハリビングテック」の見出しのもと、「ヤマハリビングテックは十月一日、ペットのシャンプーや洗髪など主要な用途に応じてボウルを選ぶことができる洗面化粧台『アフェット・セレクトボウルタイプ』を発売する。価格は二十九万八百五十円から。・・素材は高級感があり、耐久性に優れた人造大理石。」との記載(2007.8.28 静岡新聞 朝刊 25頁)
(3)「役立つ住宅情報:『美』と『質』の洗面台 クリナップが新発売」の見出しのもと、「◇ステンレスキャビネット&好みの6色 クリナップは、本体にステンレスを採用し、耐久性とインテリア性を高めた新型の洗面化粧台『S(エス)』を新発売した。洗面化粧台の『ビューティ』&『クオリティ』にこだわり、ステンレス製のキャビネットとミラーキャビネット本体を新たに提案した。ステンレスキャビネットはさびにくく、温度や湿度の変化に強いことから水を使う洗面化粧台に最適という。間口75センチが18万5000円(税抜き)から。」との記載(2007.2.22 毎日新聞 東京朝刊 22頁)
(4)「住宅専科 ハウジンググッズ」の見出しのもと、「上質感のあるほうろう製の洗面化粧台を、タカラスタンダードが今秋売り出している。・・キャビネットは高品質ほうろう製、洗面ボウルとカウンターは一体型でアクリル100%の人造大理石仕様だから、透明感と耐久性がある。洗面台は間口扉75センチ幅。両面開きの三面鏡セットで17万6600円から。」との記載(2005.11.24 東京新聞朝刊 12頁)
(5)「来て見てショールーム/INAX:GINZA/カタログ掲載の全タイルそろえる」の見出しのもと、「INAXのショールーム『INAX:GINZA』は、エンドユーザー向けだった『INAX銀座ショールーム』を07年7月に全面改装してリニューアルオープンした。同社の素材、技術、情報が集積した主に建設業者向けのショールームだ。来場者は1年で約7万人。約半数が建設家やゼネコン、デベロッパーなど建設業関係者で、残りの半数が一般客だという。・・水回り商品は、マンション用システムバスやホテル用洗面化粧台など、建設関係者を意識した商品をそろえる。」との記載(2008.8.5 日刊建設工業新聞 3頁)。
(6)「展示場をリニューアル/クリナップ」の見出しのもと、「クリナップは、集合住宅建設業者向けに住宅設備機器の展示・提案を行うプランニングスペースを『コントラクトLABO』に改称して、2日にリニューアルオープンした。同LABOは一般のエンドユーザー向けではなく、マンションなどの集合住宅の建設に関わるデベロッパー、ゼネコン、設計事務所向けの展示場。キッチン、食器戸棚、洗面化粧台をグレード別に展示しており・・」との記載(2007.4.6 鉄鋼新聞 7面)。
(7)「ホームテック、リフォーム部材の専門店を八王子市にオープン」の見出しのもと、「【立川】ホームテックは、東京都八王子市にリフォーム部材を専門に販売する大型店舗『リフォームプライス』を9日オープンする。一般のユーザーを対象に、アウトレットや在庫品でない現行品を低価格で販売する。商品は国内外のシステムキッチン、システムバス、洗面台・・など、約500種類。・・リフォーム商品の販売は従来、施工業者向けが中心で一般消費者向けに販売されるケースは少なく選択の幅も少なかった。同店舗では・・・各社の商品の比較がしやすいように展示する。」との記載(2006.6.5 日刊工業新聞 15頁)。
(8)「金沢市にショールーム、トステム(東京)、一般客は17日から」の見出しのもと、「トステム(東京)は八日、金沢市古府一丁目にショールーム金沢を開設した。・・展示スペースでは、システムキッチン八セット、・・・洗面化粧台五セットが並べられ、色やデザイン、機能を直接確かめることができる。トステムは従来のサッシ製品だけでなく、住宅総合機器の取り扱いも始めており、取引業者や一般客に商品を知ってもらう目的から北陸で初めてショールームを開設した。」との記載(1996.2.9 北國新聞朝刊 9頁)。
(9)「部品が買えない住宅市場 鈴木弘恵(ぜみなーる)」の見出しのもと、「○床や扉、窓を展示 ヒューストン郊外の大型ホームセンターで目にしたのは、日用品を買うように、建材や住宅部品を購入する人たちの楽しそうで活気のある様子だった。・・さて日本ではどうか。窓や扉はおろか、洗面化粧台でさえ消費者が直接購入しにくいシステムになっている。・・○わかりにくい価格 日本の流通システムでは、住宅に関する商品の小売りは一般的ではないため、カタログで選ぶか、ショールームで実物を見るのがせいぜいだ。その商品購入も工務店などの建築業者経由が前提で、それぞれの業者はメーカーの系列に組み込まれていることが多い。」との記載(1995.7.8 朝日新聞東京夕刊 8頁)。
(10)「[商品バスケット]シャワー付き洗面化粧台“朝シャン”で高まる需要」の見出しのもと、「◇シャンプードレッサー『クリア2シリーズ600サイズ』(東陶機器)☆標準価格 本体と専用化粧鏡のセット 十二万六千円、◇アソシエ『プロ・D』(松下電工)☆標準価格 本体とミラー部のセット 四十八万円、◇クリンシャワー・陶器ボウルタイプ(クリナップ)☆標準価格 本体とミラー部、キャビネットのセット 二十四万四千円、◇シャンプーファミRI-HXシリーズ(INAX)洗面器はすべて陶器製。☆標準価格 HX755(本体とミラー部のセット)十八万九千円、◇シャルミスVQタイプ(サンウェーブ工業)☆標準価格 本体とミラー部のセット価格(間口60センチ)八万二千円、◇シャワーパレット ファミリー600タイプ(ナスステンレス)ほうろう製の洗面ボウルは、・・2種類があり・・。☆標準価格 本体とミラー部のセット 八万八千円・・・新、改築の際は、予算に気をつかうが製品の選択は業者に任せがち。数社のカタログを取り寄せ、オプション製品などもじっくり検討した方がよい。」との記載(1990.2.8 読売新聞 8頁)。
以上のことより勘案すれば、前記(1)ないし(4)よりは、本願商品中の「洗面台」は、「洗面化粧台」とほぼ同じ商品を表す語として使用されており、「洗面化粧台」については、前記(5)ないし(10)によれば、住宅設備機器を製造する業者によって生産され、その販売形態は、一般消費者が店頭で商品を選んで購入する機会も増えているようであるが、主に、リフォーム業者や衛生設備施工業者等の建設業関係者を介して最終的な消費者に紹介され提供されるか、又は建築物施工時に建物の設備品として販売されているものである。そして、その原材料としては、陶器、鋼板、アルミニウム等の耐久性のあるものが多く使用されている。
他方、引用商品である「湯かき棒,浴室用腰掛け,浴室用手おけ」は、「日本標準分類」(前出)によれば、中分類85「その他の住生活用品」の中の「洗面器及びふろ場用品」に分類されるものであり、浴室で使用される商品であるところ、生活用品を取り扱う身近なスーパー、雑貨店などの店頭において、陳列販売されており、その原材料は、需要者が使いやすい軽量なプラスチック製や木製のものを主とするもので、プラスチック成型メーカーや木製品メーカーが製造するものである。
また、本願商品と引用商品の用途は、本願商品は、手や顔あるいは頭髪を洗う為の住宅用衛生設備品であるのに対し、引用商品は、浴槽の湯の温度を均一にするために湯をかきまわすことを目的とする棒、ふろ場内で座るための腰掛け及び浴槽から湯を汲んだりするための手おけ、である。
してみると、本願商品と引用商品とは、商品の原材料において、一部同じプラスチック製のものがあるとしても、商品の品質・機能・用途を異にし、その生産及び販売経路並びに取扱業者において大きく相違するものであって、完成品と部品との関係にないことも明らかであり、加えて、住宅設備品として長期使用を考える「洗面台」及びその主要部品である「洗面化粧台取付用洗面器」という商品の性質・価格等の観点よりすると、商品を購入する際には、商品の構造、品質、機能、メンテナンス等の検討を踏まえて慎重にされるものであるから、引用商品とは、取引上互いに混同を生じさせるおそれがあるものとはいえず、類似する商品とはいえないものである。そうとすれば、これらの商品に同一又は類似の商標を使用しても同一営業主の製造又は販売に係る商品と誤認されるおそれがあるということもできない。
(3)むすび
したがって、本願商標と引用商標とは商標において類似する場合があるとしても、その指定商品において類似するものとはいえないから、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定の拒絶の理由は妥当でなく、取消しを免れない。
その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決日 2009-04-28 
出願番号 商願2003-23753(T2003-23753) 
審決分類 T 1 8・ 263- WY (Y11)
T 1 8・ 264- WY (Y11)
T 1 8・ 262- WY (Y11)
最終処分 成立  
前審関与審査官 土井 敬子大島 護 
特許庁審判長 井岡 賢一
特許庁審判官 清川 恵子
末武 久佳
商標の称呼 マエストロ 
代理人 福島 三雄 
代理人 向江 正幸 
代理人 小山 方宜 
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