ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード |
審決分類 |
審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない Y36 |
---|---|
管理番号 | 1197236 |
審判番号 | 取消2008-300110 |
総通号数 | 114 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2009-06-26 |
種別 | 商標取消の審決 |
審判請求日 | 2008-01-25 |
確定日 | 2009-04-24 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第4646218号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第4646218号商標(以下「本件商標」という。)は、「アクア」の片仮名文字と「AQUA」の欧文字とを上下二段に書してなり、第36類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、平成14年3月26日に登録出願、同15年2月21日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。 第2 請求人の主張 1 請求の趣旨 請求人は、「本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、参考1として、本件商標の商標登録原簿の写しを提出した。 2 請求の理由 本件商標は、請求人の調査した限りにおいては、少なくとも、本件審判の請求の登録前3年以内において、その指定役務のいずれにも使用していないことが判明した。 したがって、本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定に基づき取り消されるべきである。 第3 被請求人の答弁 被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第6号証を提出した。 1 商標権者の表示変更 商標権者の表示は、平成19年4月1日付で、社名の変更及び居所の変更(政令指定都市移行)がなされている(乙第1号証)。本書面と同時付けで表示変更登録申請手続を行った。 2 登録商標の使用 (1)クレジットカードへの標章の表示 商標権者は、乙第2号証に示すように「AQUA」の標章(以下「使用標章」という。)を大きく表示したクレジットカード(以下「乙第2号証カード」という。)を発行して、一般消費者の利用に供している。 また、この乙第2号証カードは、「アクアカード」と称しており、カード申込書(乙第3号証)、加入キャンペーンのチラシ(乙第4号証)、グループ会社のホームセンター開店チラシ(乙第5号証及び乙第6号証)に、「アクアカード」と表示している。 (2)商標としての使用 使用標章は、クレジットカードに表示されている。クレジットカードは、一般需要者がクレジットカードの使用規約で定められた範囲で使用し、所定の役務の提供を受けるものであるから、クレジットカードは、「役務の提供にあたり、その提供を受ける者の利用に供する物」といえる。 したがって、使用標章をクレジットカードに表示して、所定の役務を提供していることは、商標法第2条第2項第3号、同第4号に規定する商標の使用といえる。 (3)使用役務 乙第2号証カードの使用によって商標権者が提供する役務は、乙第3号証に示されているクレジット利用の説明及びカード規約から、各種支払の代行(クレジットカード使用者に代わってする支払代金の精算、ガス料金または電気料金の徴収の代行)並びに資金の貸付である。 前記の役務は、本件商標の指定役務に含まれているものである。 (4)登録商標と使用標章の同一性 乙第2号証カードの使用標章は「AQUA」であり、英文字のみの表示である。本件商標は、「AQUA」の文字と「アクア」の文字を上下2段に表示したもので相違している。しかし使用標章の「AQUA」は、「水、液体」を意味する英語であり、「アクア」と称呼され、また「アクアカード」と表示され、かつ称呼されているものであるから、登録商標と使用標章とは、称呼・観念において同一であるので、使用標章の乙第2号証カードへの使用は、登録商標の使用といえる。 (5)乙第2号証カードの使用時期 乙第2号証カードは、有効期限内であれば、現在も有効に使用できるカードである。明確に使用時期を知ることができる証拠として、乙第4号証ないし乙第6号証を提出する。 乙第4号証は、乙第2号証カードの加入キャンペーンのチラシであり、キャンペーン期間として2006年10月1日から2007年1月31日が表示されている。 また、乙第5号証及び乙第6号証は、グループ会社のホームセンター開店チラシで、同チラシには、乙第2号証カードが表示され、クレジット会員の募集が掲載されている。 そして、乙第5号証に記載されている開店日が2月9日(水)で、2月21日(月)までの売り出し期間が表示されている。曜日から平成17年(2005年)であることが確認できる。 したがって、乙第5号証は、平成17年2月9日の前日或いは数日前に頒布されたことが推測できる。 乙第6号証に記載されている開店日が3月28日(水)で、4月1日(日)までの売り出し期間が表示されている。曜日から平成19年(2007年)であることが確認できる。したがって、乙第6号証は、平成19年3月28日の前日或いはその数日前に頒布されたことが推測できる。 3 以上のとおり、乙第2号証に示すように登録商標と同一といえる標章を、商標権者が発行するクレジットカードに表示し、このクレジットカードは現在有効に使用されており、乙第4号証ないし乙第6号証に示すように、その申し込みが本件審判の請求の登録前3年以内に確実に行われていることが裏付けられているもので、不使用による取り消しを求められた本件商標の指定役務のいずれかを使用していることは明らかであり、本件取消審判請求は理由がなく、成り立たないものである。 第4 当審の判断 1 乙各号証によれば、以下の事実が認められる。 (1)乙第1号証は、「履歴事項全部証明書」で、商標権者の表示が平成19年4月1日付で、商号を「株式会社アクア」から「株式会社コメリキャピタル」への変更及び居所の変更(新潟市南区清水4501番地1)がなされている。 また、この「履歴事項全部証明書」の「目的」の欄に、「1.クレジットカード事業 2.割賦販売等の斡旋及び代行業務」の記載が認められる。 (2)乙第2号証ないし乙第6号証は、クレジットカードの見本及びその写し、同クレジットカード申込書(現物及び写し)、同クレジットカード申込書のキャンペーンのチラシ(現物及び写し)、カードの会員募集が掲載されたホームセンター「コメリ」の支店の開店チラシ(現物及び写し)であり、商標権者の旧商号「株式会社アクア」及び「新潟市南区清水4501番地1」並びに「AQUA」及び「アクアカード」の表示がなされている。 そして、乙第3号証の「クレジットカード申込書」の表紙には、「毎月の公共料金、通信費の支払いもポイントが貯まるアクアカードで。」の説明とその下に「ガス料金」、「電気料金」等の記載がなされている。 (3)乙第4号証は、「アクアカード秋のキャンペーン」の表示のあるチラシで、「キャンペーン期間/2006年10月1日」から「2007年1月31日」までの表示がされており、また乙第5号証及び乙第6号証は、ホームセンター開店チラシとその拡大の写しで、前者には「広告商品売出し期間2月9日(水)」から「2月21日(月)」まで、「アクアカード/会員募集中」と記載されており、また、後者には「広告商品売出し期間3月28日(水)」から「4月1日(日)」まで、「アクアカード/年会費は初年度無料」と記載されているが、記載の日付と曜日との関係から平成17年2月9日(水)及び平成19年3月28日(水)の前日或いは数日前に頒布されたことが推測できる。 2 以上、被請求人の提出に係る乙第1号証ないし乙第6号証を総合すると、被請求人が、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を、その指定役務中の「クレジットカード利用者に代わってする支払代金の清算,ガス料金又は電気料金の徴収の代行,ガス料金又は電気料金の支払の取次ぎ」について使用していたと認め得るところである。 そして、請求人は、上記第3の被請求人の答弁に対し、何等弁駁するところがない。 3 以上のとおりであるから、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標の指定役務中の「クレジットカード利用者に代わってする支払代金の清算,ガス料金又は電気料金の徴収の代行,ガス料金又は電気料金の支払の取次ぎ」について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用していたことを証明したというべきである。 4 したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すべき限りでない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
|
審理終結日 | 2008-11-20 |
結審通知日 | 2008-11-27 |
審決日 | 2008-12-12 |
出願番号 | 商願2002-23595(T2002-23595) |
審決分類 |
T
1
31・
1-
Y
(Y36)
|
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 三澤 惠美子 |
特許庁審判長 |
渡邉 健司 |
特許庁審判官 |
鈴木 修 井出 英一郎 |
登録日 | 2003-02-21 |
登録番号 | 商標登録第4646218号(T4646218) |
商標の称呼 | アクア |
代理人 | 塩谷 信 |
代理人 | 近藤 彰 |
代理人 | 吉武 賢次 |
代理人 | 宮城 和浩 |
代理人 | 宮嶋 学 |
代理人 | 黒瀬 雅志 |