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審決分類 |
審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない Y293043 審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない Y293043 |
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管理番号 | 1197132 |
審判番号 | 不服2008-14279 |
総通号数 | 114 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2009-06-26 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2008-06-06 |
確定日 | 2009-04-09 |
事件の表示 | 商願2006- 99791拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「じゃこかつ」の平仮名文字を標準文字で横書きしてなり、第29類、第30類及び第43類に属する別掲1に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成18年10月26日に登録出願されたものである。 2 原査定の拒絶理由 原査定は、「本願商標は、『じゃこかつ』の文字を標準文字で表してなるところ、『じゃこ』及び『かつ』のそれぞれの持つ語意により、容易に『雑魚の揚げ物』ほどの意味合いを認識させるものと見るのが相当である。そして、新聞及びインターネットにおいて、例えば『小魚を骨ごとすりつぶし、パン粉をまぶして油で揚げた』ものを『じゃこかつ』と称している事実があることからすれば、本願商標をその指定商品中『雑魚の揚げ物』及び指定役務中『雑魚の揚げ物の提供』に使用しても、これに接する需要者は、かかる意味合いにおいて、商品の品質、原材料、製造方法並びに役務の質を普通に用いられる方法で表示したものと認識するに過ぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、上記商品以外の商品又は上記役務以外の役務『飲食物の提供』に使用するときは、商品の品質又は役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 3 当審における証拠調べ通知 当審において、本願商標について、職権により証拠調べをした結果、別掲2に記載の事実を発見したので、平成20年12月4日付けの証拠調べ通知書により、請求人に対し、商標法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づく通知を行った。 4 証拠調べ通知に対する請求人(出願人)の意見 上記3の「証拠調べ通知」に対して、相当の期間を指定し、応答する期間を与えたところ、請求人からは何らの意見、応答はなかった。 5 当審の判断 本願商標は、上記1のとおり「じゃこかつ」の平仮名文字を標準文字で横書きしてなるところ、上記3の証拠調べ通知書に記載の各事実によれば、本願指定商品及び指定役務を取り扱う業界においては、本願商標を構成する「じゃこかつ」の文字から、雑魚(じゃこ)をカツ(油で揚げた料理)にしたものの意味合いを理解し、認識させるにとどまるものというべきであり、かつ「じゃこかつ」の文字及び「じゃこかつ」に照応する「じゃこカツ」の文字は、別掲2のように一般に使用されていることが認められる。 してみれば、「じゃこかつ」の文字からなる本願商標は、その指定商品及び指定役務中「雑魚の揚げ物」及び「雑魚の揚げ物の提供」について使用するとしても、これに接する取引者、需要者は、その商品及び役務が上記商品及び役務であると理解し、単に商品の品質、原材料、製造方法並びに役務の質を表示したものと認識し、把握するにとどまるというべきであるから、自他商品、自他役務の識別標識として機能を有する商標とは認識し得ないものであり、かつ、上記商品及び役務以外の商品及び役務に使用するときは、商品の品質及び役務の質について誤認を生じさせるおそれがある商標であるといわざるを得ない。 したがって、本願商標は、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであり、本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲1(本願指定商品及び指定役務) 第29類 食用油脂,乳製品,食肉,卵,食用魚介類(生きているものを除く。),冷凍野菜,冷凍果実,肉製品,加工水産物,加工野菜及び加工果実,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,加工卵,カレー・シチュー又はスープのもと,お茶漬けのり,ふりかけ,なめ物,豆,食用たんぱく 第30類 アイスクリーム用凝固剤,家庭用食肉軟化剤,ホイップクリーム用安定剤,食品香料(精油のものを除く。),茶,コーヒー及びココア,氷,菓子及びパン,調味料,香辛料,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,コーヒー豆,穀物の加工品,アーモンドペースト,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,即席菓子のもと,酒かす,米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,食用粉類,食用グルテン 第43類 宿泊施設の提供,宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ,飲食物の提供,動物の宿泊施設の提供,保育所における乳幼児の保育,老人の養護,会議室の貸与,展示施設の貸与,布団の貸与,業務用加熱調理機械器具の貸与,業務用食器乾燥機の貸与,業務用食器洗浄機の貸与,加熱器の貸与,調理台の貸与,流し台の貸与,カーテンの貸与,家具の貸与,壁掛けの貸与,敷物の貸与,タオルの貸与 別掲2(証拠調べ通知書の内容) 本願商標を構成する「じゃこかつ」の文字に関して、書籍、新聞記事、及び、インターネット上のウェブページの検索結果によれば、次の事実が認められる。 (ア)「広辞苑」(第6版、株式会社岩波書店発行)には、「じゃこ(雑魚)」として「→ざこ。(「ざこ(雑魚)」について、「種々入りまじった小魚。小さい魚。こざかな。」との記載がある。)」との記載があり、また、「かつ」に照応する「カツ」として「カツレツの略(「カツレツ」について、「豚肉・牛肉・鶏肉などの切り身に小麦粉・溶き卵・パン粉をつけて、油で揚げた料理。カツ」との記載がある。)」との記載がある。 (イ)2006年5月7日付け愛媛新聞朝刊には、「GW ふるさとの味満喫 『じゃこカツ』大人気 佐田岬ふれあいまつり 港で特産品販売」の表題の下、「地元の商工会や若手農業者グループ、女性団体などが、三崎地区特産の晩かん『清美タンゴール』や、ハランボ(ホタルジャコ)のつみれ汁などを販売した。魚のすり身に衣を付けて揚げた『じゃこカツ』は長蛇の列ができるほどの人気。十個近くまとめ買いしたり、『熱くておいしい』と、出来立てをほおばったり。」との記載がある。 (ウ)2006年6月10日付け愛媛新聞朝刊には、「[J2愛媛FC情報]公共交通利用で来場を呼び掛け」の表題の下、「今節のマッチタウンは西宇和郡伊方町で、特産のじゃこカツやサザエのつぼ焼きなどを販売。」との記載がある。 (エ)2006年6月22日付け愛媛新聞朝刊には、「[取材最前線]ここにしかない財産 八幡浜支社・梶原鉄平」の表題の下、「日本一細長い佐田岬半島は海山の自然に恵まれている。晴れた日、半島を伝うメロディーライン(国道197号)を行くと眼下には陽光に輝く青い海が広がる。特産のミカンや、魚のすり身に衣を付けて揚げたじゃこカツに舌鼓を打つこともたびたびだ。」との記載がある。 (オ)2006年7月28日付け愛媛新聞朝刊には、「伊方へ『きなはいや』 30日祭り 花火や魚つかみどり」の表題の下、「西宇和郡伊方町の夏の名物行事『きなはいや伊方まつり』(町、実行委員会主催)が三十日、同町湊浦の伊方中学校グラウンドをメーン会場に開かれる。大相撲の北陣親方(元関脇麒麟児)を招いての『子どもすもう教室伊方場所』(午前九時半-午後二時半)や、戦隊キャラクターショー(午前十時、午後一時から各三十分)がある。魚のすり身を揚げたじゃこカツやイヨカンゼリーなど地元特産品の販売も行われる。」との記載がある。 (カ)2007年7月18日付け愛媛新聞朝刊には、「[伊方げんき新聞]」の表題の下、「【じゃこカツ売れてます 外はサクッ、中はジューシー くせになる】 衣のサクッとした食感と魚のすり身の柔らかな歯触り。そして、熱々を勢いよくかぶりついた瞬間、口の中に広がるジューシーさがくせになるじゃこカツ。多い日には一日二千個以上を売り上げ、伊方町の新名物として定着しつつある。じゃこカツは、ホタルジャコなどの小魚のすり身と野菜を混ぜ合わせ、パン粉を付けて揚げた一品。みそ汁やカレーの具などとして地元で親しまれている『天ぷら』こと『じゃこ天』のアレンジ商品だ。同町の農水産物を使った特産物の開発・販売を行う第三セクター『クリエイト伊方』が商品化。二〇〇一年に販売を始め、現在は道の駅『伊方きらら館』(九町)の売店や松山空港、通信販売などで売られている。『味に自信はあったが、これほど売れるとは』と同社湊浦事業所の金山学課長(35)。『生産が追い付かないくらい』とうれしい悲鳴を上げている。」との記載がある。 (キ)2007年12月11日付け愛媛新聞朝刊には、「八西の食材をアピール 県大阪事務所で観光&物産展」の表題の下、「伊方町産品では、じゃこ天の材料にニンジンなどの野菜を刻んで入れ、パン粉を付けて揚げた『じゃこカツ』を実演販売、女性たちの人気を呼んだ。」との記載がある。 (ク)2008年4月21日付け愛媛新聞朝刊には、「[人・ひと・人]バス停留所 英語で紹介 アーロン・マドロンケイさん(24)」の表題の下、「西宇和郡伊方町の国際交流員アーロン・マドロンケイさん(24)=同町湊浦=は、魚のすり身と野菜を混ぜて揚げた地元特産のじゃこカツが大好物。」との記載がある。 (ケ)2008年6月15日付け読売新聞大阪版朝刊には、「[1万歩の旅]緑香る峠、松山一望=愛媛」の表題の下、「護国神社の鳥居前を東に折れると、県産の魚などを出す食堂『愛さん家』に着く。5341歩。瀬戸内の小魚を使ったじゃこカツを注文した。揚げたてを口に含めば、外はサクサク、中はジューシー。ボリュームもあって大満足だ。店長の津田京子さん(38)は『自分で食べ歩き、おいしいと思ったものだけ出しています』と笑顔で話す。」との記載がある。 (コ)2008年6月27日付け愛媛新聞朝刊には、「学食に愛南の味 愛媛大 海の幸メニュー登場」の表題の下、「愛媛大は南宇和郡愛南町や地元漁協と連携し、学生食堂で同町産の海の幸を使ったメニューを三十日から提供する。城北キャンパス(松山市文京町)と樽味キャンパス(同市樽味三丁目)で一週間試験販売し、定番メニュー化を検討する。食育の水産版『ぎょしょく教育』を進める同大南予水産研究センターの若林良和教授(水産社会学)が、学内で魚食推進や地産地消を通じた食育をいっそう進めようと大学生協に提案。同町や愛南漁協の協力を得て、地元の魚を材料にしたメニューの提供が決まった。メニューはキビナゴの竜田揚げ(八十四円)と、アジやエソ、ボラのすり身と豆腐などを混ぜたじゃこカツ(百三十六円)、サバの竜田揚げ(二百四十一円)の三品。同町内の加工業者が調理、冷凍したものを使う。」との記載がある。 (サ)Yahoo!ショッピングのウェブページ中、有限会社青木蒲鉾店が運営する「えびちくわの里」(http://store.shopping.yahoo.co.jp/ebichikuwanosato/10.html)には、「今、愛媛で人気のじゃこカツ。じゃこかつ」との記載がある。 (シ)八水蒲鉾株式会社のウェブページ中、「じゃこカツ伝説」(http://hassui.jp/04_btob/01_jyakokatu/01_jyakokatu.html)には、「八水イチオシの新製品『じゃこカツ』です。愛媛の小魚を使ったじゃこ天のパテをパン粉で包み凍結させた商品です。170℃?180℃の油で10分ほど揚げるとできあがりです。まずはアツアツの揚げたて『じゃこカツ』を何も付けずに食べてみてください。サクサクっとした食感の後にほんのりと潮の風味がやってきます。パンではさんでハンバーガー風に、またご飯の上にのせた『じゃこカツ丼』もユニークです。」との記載がある。 (ス)財団法人えひめ産業振興財団のウェブページ中、「情報えひめ VOL.42 2001年10月号」(http://www.ehime-iinet.or.jp/johoehime/ehime/backnum/0110/01_10/pdf/all.pdf)には、「特産品情報 伊方町」として、「じゃこかつ(1枚100円)」、「<お問い合わせ先>(連絡先)伊方サービス株式会社 (連絡先)クリエイト伊方」との記載がある。 (セ)愛媛県庁のウェブページ中、「愛媛の観光情報WEBサイト『いよ観ネット』」内の「ドライブ途中の立寄りご当地グルメ」(http://www.pref.ehime.jp/izanai/gourmet/index.html)には、「サクサク感が新鮮 じゃこカツ」、「じゃこカツとは、宇和海の新鮮なジャコ(小魚)をすり身にして野菜を加えたものに、衣をつけてカツ風に揚げたもの。西宇和郡伊方町の伊方じゃこ天直売所では、揚げたてアツアツのじゃこカツを1個100円で販売している。南予の郷土料理じゃこ天とはひと味違うサクサク感と食べ応えが新鮮で人気を得ている。じゃこ天100円と食べ比べてみるのもいい。<道の駅 伊方きらら館敷地内 伊方じゃこ天直売所>」との記載がある。 (ソ)NPO法人佐田岬ツーリズム協会のウェブページ中、「さだみさきナビ」には、「こんなおみせあります (株)クリエイト伊方(伊方じゃこてんきらら店」(http://www.sadamisaki.com/member/shop.php?re_rec=18)として、「伊方のじゃこてん・じゃこカツはおいしくて!大人気!伊方の魚(はらんぼなど)のすり身と野菜(人参・玉ねぎなど)をコロッケのように揚げている『じゃこカツ』。これがうまい!」と、「じゃこカツ」(http://www.sadamisaki.com/member/chiiki_detail.php?rec=58)には、「宇和海で獲れた新鮮な小魚(じゃこ)をすり身にし、野菜を加え独自に味付けを施し、カツ風に揚げている『じゃこカツ』。これが美味しい!! クリエイト伊方 じゃこカツ(冷凍) 500円(5個入り)(税込、梱包料別150円?、送料別) また、道の駅きらら館にある伊方じゃこてんきらら店では揚げたてアツアツの『じゃこカツ』を販売しています。 じゃこカツ 1個 100円」との記載がある。 (タ)財団法人伊方原子力広報センターのウェブページ中、「電気のふるさと伊方物語 自慢の一品 道の駅シーサイドドライブコース」(http://www.netwave.or.jp/~dr-sada/eki/0407/index.html)には、「また、ここでは、あつあつの『じゃこ天』と、じゃこ天の生地に玉ねぎや人参を加えて衣をつけて揚げた『じゃこかつ』がおすすめ。香ばしい風味と、野菜のサクサクとした歯ごたえがクセになりそう。」との記載がある。 |
審理終結日 | 2009-02-05 |
結審通知日 | 2009-02-10 |
審決日 | 2009-02-24 |
出願番号 | 商願2006-99791(T2006-99791) |
審決分類 |
T
1
8・
13-
Z
(Y293043)
T 1 8・ 272- Z (Y293043) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 田中 幸一、冨澤 武志 |
特許庁審判長 |
林 二郎 |
特許庁審判官 |
杉本 克治 小畑 恵一 |
商標の称呼 | ジャコカツ |
代理人 | 泉 和人 |