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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 X09
審判 全部申立て  登録を維持 X09
審判 全部申立て  登録を維持 X09
管理番号 1195648 
異議申立番号 異議2008-900312 
総通号数 113 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2009-05-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 2008-08-15 
確定日 2009-03-30 
異議申立件数
事件の表示 登録第5133796号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5133796号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第5133796号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成よりなり、平成19年8月29日に登録出願、第9類「サングラス,その他の眼鏡,携帯電話用ストラップ,携帯電話カバーその他の携帯電話機用部品又は附属品,その他の電気通信機械器具,電子計算機用プログラム,その他の電子応用機械器具及びその部品,家庭用テレビゲームおもちゃ,携帯用液晶画面ゲームおもちゃ用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM,レコード,メトロノーム,電子楽器用自動演奏プログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM,インターネットを利用して受信し、及び保存することができる音楽ファイル,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,インターネットを利用して受信し、及び保存することができる画像ファイル,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,電子出版物」を指定商品として、同20年3月17日に登録査定、同年5月9日に設定登録されたものである。

第2 登録異議の申立ての理由(要旨)
1 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、以下の(1)ないし(6)の標章及び登録商標を引用している。
(1)別掲2のとおりの構成よりなる標章(以下「引用商標1」という。)は、商品「サングラス」に使用するものである(甲第1号証)。
(2)登録第1627008号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲2のとおりの構成よりなり、昭和54年7月2日に登録出願、第22類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同58年10月27日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録が2回に亘りなされ、さらに、平成16年12月8日に、第6類「つえ用金属製石突き」、第14類「貴金属製靴飾り」、第18類「傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄」、第21類「靴ブラシ,靴べら,靴磨き布,軽便靴クリーナー,シューツリー」、第22類「靴用ろう引き縫糸」、第25類「靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。),靴合わせくぎ,靴くぎ,靴の引き手,靴びょう,靴保護金具,げた,草履類」及び第26類「靴飾り(貴金属製のものを除く。),靴はとめ,靴ひも,靴ひも代用金具」を指定商品とする書換登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
(3)登録第1856138号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲2のとおりの構成よりなり、昭和54年7月2日に登録出願、第21類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同61年4月23日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録が2回に亘りなされ、さらに、平成19年6月6日に、第3類「つけづめ,つけまつ毛」、第14類「身飾品(「カフスボタン」を除く。),カフスボタン,宝玉及びその模造品」、第18類「かばん類,袋物,携帯用化粧道具入」、第25類「ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト」及び第26類「腕止め,衣服用き章(貴金属製のものを除く。),衣服用バッジ(貴金属製のものを除く。),衣服用バックル,衣服用ブローチ,帯留,ボンネットピン(貴金属製のものを除く。),ワッペン,腕章,頭飾品,ボタン類,造花(「造花の花輪」を除く。),つけあごひげ,つけ口ひげ,ヘアカーラー(電気式のものを除く。)」を指定商品とする書換登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
(4)登録第2007423号商標(以下「引用商標4」という。)は、別掲2のとおりの構成よりなり、昭和56年12月17日に登録出願、第21類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同62年12月18日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録が2回に亘りなされ、さらに、平成20年6月4日に、第14類「身飾品(「カフスボタン」を除く。),カフスボタン,宝玉及びその模造品」、第16類「紙幣用クリップ」、第18類「貴金属製がま口及び財布,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入」及び第25類「ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト」を指定商品とする書換登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
(5)登録第1890040号商標(以下「引用商標5」という。)は、別掲2のとおりの構成よりなり、昭和54年7月2日に登録出願、第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同61年9月29日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録が2回に亘りなされ、さらに、平成18年12月20日に、第5類「失禁用おしめ」、第9類「事故防護用手袋,防じんマスク,防毒マスク,溶接マスク,防火被服」、第10類「医療用手袋」、第16類「紙製幼児用おしめ」、第17類「絶縁手袋」、第20類「クッション,座布団,まくら,マットレス」、第21類「家事用手袋」、第22類「衣服綿,ハンモック,布団袋,布団綿」、第24類「布製身の回り品,かや,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布」及び第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子」を指定商品とする書換登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
(6)国際登録第909891号商標(以下「引用商標6」という。)は、別掲3のとおりの構成よりなり、第3類、第6類、第9類、第14類、第18類及び第25類に属する国際商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、2006年9月15日に国際登録(優先権主張、2006年5月31日、イタリア国、)、我が国において平成20年9月12日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
(以下、引用商標1ないし6を一括していうときは、単に「各引用商標」という。)
2 申立の理由の要点
(1)各引用商標の周知・著名性について
ア 申立人は、高級ファッションブランドとして世界的に著名である「GUCCI」を運営する企業である。申立人は、遅くとも1960年代半ばから現在に至るまで、ブランド名「GUCCI」の商標として、各引用商標に係る筆記体の「gucci」を、多種多様なファッション関連商品に、大々的かつ継続的に使用している。
申立人は、上記使用例を立証するため甲第7号証ないし甲第35号証を提出する。
イ 以上のとおり、申立人は、遅くとも1960年代半ばより、引用商標5に係る「gucci」を、スカーフについて使用し始め、その後現在に至るまで、各種商品について各引用商標を使用し続けている(甲第7号証ないし甲第19号証)。
また、指輪等の宝飾品に関して使用する引用商標3及び引用商標4について、大々的に宣伝広告を行っている(甲第20号証ないし甲第35号証)。
したがって、引用商標1は、第9類「サングラス」につき、引用商標2は第25類「靴類」につき、引用商標3及び引用商標4は第14類「身節品」、第18類「かばん類,袋物」、並びに第25類「ベルト」につき、引用商標5は第25類「えり巻き,スカーフ,手袋,帽子」につき、並びに引商標6は第18類「かばん類」、並びに第25類「靴類」につき、それぞれ、本件商標の登録出願日以前、遅くとも2007年半ばには、既に周知・著名になっていたものと思料する。
以上の点を踏まえ、以下に、本件商標を取り消すべき理由を述べる。
(2)商標法第4条第1項第10号について
本件商標の態様は、上述のとおり、向かい合わせに配置された飾り文字「G」から成る。一方、引用商標1「gucci」は、筆記体にて書された文字である。
ここで、上述のとおり、各引用商標「gucci」は、上記各商品につき周知著名となっている。また、各引用商標の「gucci」は、語頭の「g」の文字のサイズが大きく、需要者の目を引き易い。そして、当該「g」は、単なる筆記体というより、飾り文字のような特徴的な書体であるから、需要者の印象にも残り易い。即ち、「g」の書出しの曲線が、ぐるりと勢いよく一周して、「g」の上の円形を形成し、そこから鋭角で左下に流れ、最後は黒点となって文字が終っている点が特徴的な文字である。
よって、このような特徴的な「g」を語頭に有する各引用商標においては、「g」の文字が需要者の印象に残り易い。加えて、各引用商標の周知・著名性に鑑みれば、このような飾り文字の「g」を見れば、申立人の各引用商標「gucci」が、想起・連想される状態にあるといえる。
上記の点を考慮しつつ、本件商標を引用商標1と比較すると、本件商標の右側の「g」は、引用商標1の上記のような語頭の「g」とほぼ同じ特徴を有した形状であることがわかる。すなわち本件商標は、引用商標1の語頭の飾り文字「g」とほぼ同様の「g」を向い合わせで配置して成る図形である。
そうすると、上述した理由から、本件商標の飾り文字「g」に接した需要者は、その「g」の共通性から、各引用商標を想起・連想すると考えられるため、両者は混同を生ずるほどに近似するといえる。
また、引用商標1は、上述のとおり、サングラスについて使用され、周知著名になっているものであり、本件商標もその指定商品に「サングラス,その他の眼鏡」を含むものである。
よって、本件商標は、申立人の業務に係る「サングラス」を表示するものとして需要者の間に広く認識されている引用商標1に類似する商標であって、「サングラス,その他の眼鏡」について使用するものであるから、これらの指定商品について、商標法第4条第1項第10号に該当し、取り消されるべきである。
(3)商標法第4条第1項第15号について
本件商標が、第9類の指定商品に使用されると、申立人と何らかの関係を有する者による商品であると出所混同を生ずるおそれがあり、商標法第4条第1項第15号に該当する、という点につき以下説明する。
ア 商品の関連性について
各引用商標が周知・著名になっている上記アパレル商品や、申立人の高級ファッションブランドと、本件商標の第9類の指定商品との関連性につき、検討する。
(a)「サングラス,その他の眼鏡」について
上記商品は、申立人の引用商標1が周知・著名となっている「サングラス」と抵触している。また、一般的に、高級ファッションブランドは、サングラスや眼鏡フレームを販売しているため、この点からも、「サングラス,その他の眼鏡」は、各引用商標が周知・著名となっている商品分野と、関係が深い商品といえる。
(b)「携帯電話用ストラップ,携帯電話カバーその他の携帯電話機用部品及び附属品,その他の電気通信機械器具」について
甲第36号証及び甲第37号証が示すよう、上記商品分野への高級ファッションブランドの参入の傾向が顕著であることから、上記商品は、高級ファッションブランドの商品展開上、特に結びつきの強い商品であるといえる。
(c)「電子計算機用プログラム,その他の電子応用機械器具及びその部品」について
甲第38号証及び甲第39号証が示すよう、高級ファッションブランドは、PCに関連する各種商品を展開していることから、上記商品は、ファッションブランドの展開する商品と、関連性が強いと考えられる。
(d)「家庭用テレビゲームおもちゃ,携帯用液晶画面ゲームおもちゃ用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM」について
甲第40号証及び甲第41号証が示すよう、従来はファッションとは関連性の薄かったゲーム分野においても、ファッションブランドとコラボレートしたり、ゲームソフトヘファッションの要素を取り入れたりする等、業界として密接な関連性が生まれつつある。よって、上記商品は、ファツンョンブランド業界と関連性を有する商品分野と考えられる。
(e)「レコード,メトロノーム,電子楽器用自動演奏プログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM,インターネットを利用して受信し、及び保存することができる音楽ファイル,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,インターネットを利用して受信し、及び保存することができる画像ファイル,録画済みビデオディスク及びビデオテープ」について
甲第42号証ないし甲第45号証が示すよう、これらの商品は、ファッションブランド業界と関連性を有する商品分野と考えられる。
(f)「電子出版物」について
申立人が、ブランドの85周年を記念して、書籍を発行しているように(甲第7号証)、高級ファッションブランドが、紙媒体で書籍や写真集を発行することは、珍しいことではない。
そうすると、今後これが電子媒体の「電子出版物」として提供されることも十分に予想されるため、上記商品は、高級ファッションブランドの展開する商品として、十分に関連性があるものと考える。
イ 商標の類似性について
上記(2)において述べたとおり、本件商標は、引用商標1ないし引用商標5「gucci」、並びに引用商標6「85th/gucci」の「gucci」部分と、飾り文字「g」の形状を共通にするため、両商標は混同を生ずるほどに相紛らわしいと考えられる。
更に、申立人は、「G」を向い合わせに配した「GG」模様を、キャンパス地や革のバッグ等の製品に多用しており、このような柄は「GGキャンパス」「GG柄」等と称され、周知・著名になっている。参考までに、このような「GG」柄のバッグを使用した、申立人の広告(2006年度のもの)を提出する(甲第46号証ないし甲第59号証)。このように大々的にファッション雑誌に広告を行っていることから、「GG」柄が申立人に係る商標として、広く認知されていることがわかる。
その上、申立人は、「G」を向い合わせに配した、数パターンの「GG」ロゴについて、商標登録を多数所有し、その保護に努めている(参考資料1ないし参考資料14)。
そうすると、「g」を向い合わせに配するという構成が共通し、かつ、「g」の文字が、申立人の周知・著名な各引用商標の語頭の文字「g」とほぼ同一といえる本件商標を、需要者が申立人に係る商標であると取り違える可能性は、高いといわなければならない。
ウ 以上のように、各引用商標が周知・著名となっているファツンョンブランドの商品分野と、第9類の商品分野の関連性、各引用商標と本件商標の類似性(近似性)、更には申立人も「G」を向い合わせに配するロゴマークを多用していること、等を総合的に考慮すると、本件商標が第9類の商品に使用されると、各引用商標に係る商品が想起・連想されることは、容易に想像できる。すなわち、本件商標に接した取引者・需要者が、本件商標を構成する「g」の飾り文字から、各引用商標「gucci」と結びつけ、本件商標を付した商品を、申立人に係る商品であるとか、申立人と経済的又は組織的に何等かの関連がある者の業務に係る商品であると誤認するおそれがあると考えられる.
よって、本件商標を第9類の指定商品に使用すれば、取引者・需要者において出所混同を生ずるおそれがあるから、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
(4)商標法第4条第1項第19号について
まず、上述のとおり、本件商標は、各引用商標と相類似する商標と考えられる。また、本件商標の登録出願日以前に、各引用商標が、上述の各種アパレル関連商品について、我が国において周知・著名になっていたことは、上記証拠からも明らかである。
そして、本件商標権者は、我が国有数のアパレル企業であるから、本件商標の登録出願日以前に、申立人のブランド、並びにその各引用商標を当然知っていたと考えることが自然である。にもかかわらず、本件商標を、第9類について出願・登録したのであり、このような行為は、申立人の各引用商標に化体した信用、名声、顧客吸引力にフリーライドする意図、若しくはその信用を希釈化する意図、即ち不正な目的を持ってなされたものと判断するのが相当である。
よって、本件商標権者は、周知・著名となっている申立人の各引用商標に相類似する本件商標を、不正の目的を持って登録出願したといえ、商標法第4条第1項第19号に該当するといえる。
3 以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第15号及び同第19号に違反して登録されたものであるから、商標法第43条の2及び同法43条の3の規定により、その登録を取り消されるべきである。

第3 当審の判断
1 本件商標と各引用商標の類否について
本件商標は、別掲1のとおり、西洋の紋章風幾何学図形とみられるものであって、これが如何なる欧文字を図案化したものか一見して不明であり、全体としては、複数の曲線から構成され、左右対称にまとまりよく一体的に表された図形としてみるのが自然である。
これに対して、引用商標1ないし5および引用商標6の「gucci」の文字部分(以下、「引用文字商標」という。)の構成は、別掲2および別掲3のとおり、筆記体風の欧文字「gucci」からなるところ、その構成中、語尾の「i」の筆末の部分から連続して先頭文字まで引かれている下線部分は、構成文字全体を一括して強調あるいは装飾するために施されたものと理解され、「gucci」という一つの語を表したものとして理解されるのが自然である。
そこで、本件商標と引用文字商標とを対比するに、本件商標は、複数の曲線から構成されている一体的な幾何学図形であるのに対し、引用文字商標は、全体として「gucci」の文字よりなるものと認識されるものであって、両者はその構成全体が著しく異にするものであるから全く印象の異なるものである。
してみれば、本件商標と各引用商標は、互いに類似しない別異の商標といえるものである。
2 各引用商標の周知・著名性について
申立人の提出に係る甲第7号証ないし甲第35号及び甲第46号証ないし甲第59号よりすると、引用文字商標が本件商標の登録出願時には申立人の業務に係る商品「貴金属製品」を始めとしたファッション商品等を表示する商標として取引者、需要者の間に広く認識されていたと認められるものである。
3 商標法第4条第1項第10号について
前記1のとおり、本件商標と引用商標1とは、互いに類似しない別異の商標であるから、たとえ、各引用商標が前記2のとおり、申立人の業務に係る商品に使用され需要者の間に広く認識されているとしても、商標法第4条第1項第10号に違反して登録されたものとはいえない。
4 商標法第4条第1項第15号について
申立人は、本件商標が「g」を向い合わせに配した構成と認定し、これに接する取引者・需要者は、申立人が使用し、周知・著名になっている「G」を向い合わせた「GG」模様を想起・連想することから、本件商標は、各引用商標と出所の混同を生ずると主張している。
しかしながら、たとえ本件商標が「g」を向い合わせに表したものであることを認識する場合があったとしても、申立人が使用する「G」を向い合わせた模様とも外観が全く異なることから、本件商標が申立人の各引用商標を想起、連想させるものではないというのが相当であり、また、本件商標と「gucci」の文字を含む各引用商標とは、前記1のとおり、十分に区別し得る別異の商標であるから、本件商標をその指定商品のいずれの商品に使用しても、その商品が申立人又は申立人と関係のある者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものではない。
5 商標法第4条第1項第19号について
本件商標は、上記認定のとおり、各引用商標とは十分に区別し得る別異の商標であるから、申立人の業務に係る商品に使用する各引用商標の出所表示機能を希釈化させたり又はその名声を毀損させるなど不正の目的をもって登録出願されたとはいえないものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に違反して登録されたものではない。
6 まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項10号、同第15号及び同第19号に違反して登録されたものでないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲1




別掲2(引用商標1ないし5)




別掲3(引用商標6)



異議決定日 2009-03-10 
出願番号 商願2007-92751(T2007-92751) 
審決分類 T 1 651・ 25- Y (X09)
T 1 651・ 271- Y (X09)
T 1 651・ 222- Y (X09)
最終処分 維持  
前審関与審査官 薩摩 純一 
特許庁審判長 林 二郎
特許庁審判官 杉山 和江
小畑 恵一
登録日 2008-05-09 
登録番号 商標登録第5133796号(T5133796) 
権利者 株式会社ワールド
代理人 岩井 智子 
代理人 松本 尚子 
代理人 松本 康伸 
代理人 柳生 征男 
代理人 足立 泉 
代理人 富所 英子 
代理人 中田 和博 
代理人 中川 博司 
代理人 青木 博通 

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