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審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 X4142
管理番号 1195643 
異議申立番号 異議2008-900289 
総通号数 113 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2009-05-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 2008-07-22 
確定日 2009-03-28 
異議申立件数
事件の表示 登録第5130212号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5130212号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5130212号商標(以下「本件商標」という。)は、「こども環境管理士」の文字を横書きしてなり、平成19年5月25日に登録出願、第41類、第42類及び第43類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同20年4月18日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録第4794453号商標(以下「引用商標」という。)は、「環境管理士」の文字を横書きしてなり、平成15年8月11日に登録出願、第41類及び第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同16年8月13日に設定登録されたものである。

3 登録異議の申立ての理由
(1)本件商標は、前記1のとおり、「こども環境管理士」の文字を横書きしてなるが、外観上「こども」の文字部分が平仮名で構成されているのに対して、「環境管理士」の文字部分は漢字で構成されているという顕著な違いがあるため、本件商標のうちの「環境管理士」の文字部分が、密接不可分な一体のものと認識される度合いが高まり、かつ、「こども」の文字部分と「環境管理士」の文字部分は、分離して認識され易いものということができ、しかも、本件商標の最初の3文字である「こども」の文字部分は、本件商標と引用商標の同一又は類似の指定役務である「技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催」並びに「環境管理システム又は環境管理技術に関する審査・登録・認定書の発行又は情報の提供」との関係においていえば、「環境管理士」によって識別される役務の用途若しくは対象としての「子供」を表すものとして需要者に認識される。これらの点から考えても、本件商標中、不可分一体に識別力を有する部分は、「環境管理士」の文字部分であり、本件商標の要部は「環境管理士」の文字部分にあるというべきである。
そうであるとすれば、「こども」の文字を付加することによって本件商標が、引用商標と別個の役務識別力を有するとはいえない。
(2)引用商標は、本件商標の出願前より、「日本環境管理協会」の業務に係る役務である「環境管理に関する知識又は技能の教授,環境管理に関する検定試験の実施及び認定」を表示するものとして、需要者の間に広く認識されており、現在も引き続き同様に需要者の間に広く認識されていることは、甲各号証のとおりであり、その役務と、本件商標の役務のうち少なくとも「技芸・スポーツ又は知識の教授」は、同一であるか又は類似する。
この点を勘案すれば、使用する役務が同一又は類似であり需要者の間に広く認識された商標である「環境管理士」の文字を含む本件商標の要部が「環境管理士」の文字にあり引用商標に一致することは、明らかであるから、本件商標は、引用商標に類似する商標である。
(3)したがって、本件商標は、その指定役務中第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催」及び第42類「環境管理システム又は環境管理技術に関する審査・登録・認定書の発行又は情報の提供」について、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきである。

4 当審の判断
本件商標は、上記1のとおり、「こども環境管理士」の文字よりなるところ、その構成中の「こども」「環境」「管理士」の文字が同じ書体、同じ大きさ、等間隔をもって表され、外観上まとまりよく一体的に看取し得るものであるから、本件商標は、その構成文字全体をもって一体不可分の造語よりなるものと認識し把握されるとみるのが相当である。
そうすると、本件商標の要部が「環境管理士」であるとし、そのうえで本件商標と引用商標とが類似するものであるとする申立人の主張は、認めることはできない。
なお、上記3のとおり、申立人は、本件商標の要部が「環境管理士」である旨主張しているが、本件商標は、言葉の結合とその意味合いからして、「こども環境」と「管理士」とに分離して看ることもできるわけであるから、単純に平仮名文字と漢字とで分断し、その漢字部分のみが商標の要部であるということはできないものである。
また、引用商標が「日本環境管理協会」の業務に係る役務である「環境管理に関する知識又は技能の教授,環境管理に関する検定試験の実施及び認定」を表示するものとして、需要者の間に広く認識されている旨主張しているが、提出された甲第3号証ないし甲第9号証(枝番号を含む。)によれば、民間資格として一定の認知がされていることは知り得るものの、「環境管理士」の資格が一般に相当程度理解されて、知られているものとは認め難いものであることからすれば、需要者の間に広く認識されているということはできない。
そうとすれば、本件商標の構成文字全体をもって一体不可分の造語よりなるものと認識し把握されるとみるのが相当であるから、これらの点に関する申立人の主張は採用することができない。
他に、両商標が、類似するものとすべき理由は見出せない。
してみれば、本件商標の指定役務中第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催」及び第42類「環境管理システム又は環境管理技術に関する審査・登録・認定書の発行又は情報の提供」について、引用商標の認知度を考慮しても、本件商標と引用商標とは、その外観、称呼及び観念のいずれよりみて、十分に区別し得る非類似の商標というべきである。
したがって、本件商標は、その指定役務中登録異議の申立てに係る指定役務について、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものでないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2009-03-10 
出願番号 商願2007-52268(T2007-52268) 
審決分類 T 1 652・ 26- Y (X4142)
最終処分 維持  
前審関与審査官 門倉 武則 
特許庁審判長 渡邉 健司
特許庁審判官 井出 英一郎
鈴木 修
登録日 2008-04-18 
登録番号 商標登録第5130212号(T5130212) 
権利者 財団法人日本生態系協会
商標の称呼 コドモカンキョーカンリシ、コドモカンキョーカンリ 
代理人 須田 正義 
代理人 高良 尚志 

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