ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード |
審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 X33 審判 全部申立て 登録を維持 X33 |
---|---|
管理番号 | 1195639 |
異議申立番号 | 異議2008-900278 |
総通号数 | 113 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2009-05-29 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2008-07-22 |
確定日 | 2009-04-01 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5126580号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5126580号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5126580号商標(以下「本件商標」という。)は,「RESERVA DE FAMILIA」の文字を横書きしてなり,平成19年7月11日に登録出願され,第33類「ぶどう酒」を指定商品として平成20年4月11日に設定登録されたものである。 2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)は,「RESERVA DE LA FAMILIA」の文字からなり,第33類「テキーラ」を指定商品とするアメリカ合衆国登録第2065391号商標をはじめ,イギリス,カナダ,オーストラリア,ベネルクス及びドイツにおいて登録された,いずれも「RESERVA DE LA FAMILIA」の文字からなる商標(以下,これらをまとめて「引用商標」という。)を引用している。 3 登録異議申立ての理由の要点 (1)引用商標は,申立人の製造するテキーラのブランド「ホセ・クエルボ」を冠したテキーラの中でも高級テキーラにのみ使用する商標であり,本件商標の登録出願時及び登録査定時において既に広く知られた商標となっている。そして,本件商標と引用商標とは,外観,称呼及び観念において類似するものであって,両者の指定商品も類似するものである。したがって,本件商標は商標法第4条第1項第10号に該当する。 (2)本件商標権者は,申立人と同じ酒類の製造販売を行う者であり,引用商標が日本及び諸外国において広く知られていること,及び本件商標と引用商標が類似するものであることを当然知っているものと考えるのが自然である。そして,本件商標権者は,日本国内で申立人が本件商標を取得していないことを奇貨として申立人が1995年から築き上げてきた信用にただ乗りしようとする不正の目的があったものと推認される。したがって,本件商標は商標法第4条第1項第19号に該当する。 4 当審の判断 (1)本件商標の商標法第4条第1項第10号該当性について (ア)申立人は,引用商標が申立人の製造するテキーラのブランド「ホセ・クエルボ」を冠したテキーラの中でも高級テキーラにのみ使用する商標として本件商標の登録出願時及び登録査定時において既に広く知られたものとなっている旨主張し,証拠を提出しているので,該証拠について検討する。 (a)甲第2ないし第7号証は,アメリカ合衆国はじめとする各国における引用商標の登録状況を示す書面であり,引用商標の周知著名性とは直接関係のないものである。 (b)甲第8号証は,研究社発行「英和商品名辞典」の抜粋写しと認められるところ,「Jose Cuervo ホセクエルヴォ」の項に「メキシコTequila Cuervo S.A.製のテキーラ.同社製のテキーラでは最も安価で,米国でテキーラでは圧倒的シェアを誇る.80proof.色は透明.」と記述されているものの,「Reserva de la Familia」に関する記述は一切見当たらない。 (c)甲第9ないし第13号証は,いずれも2008年10月17日にプリントアウトされたインターネットのウェブサイトの写しと認められるところ,その内容は殆どが「ホセ・クエルボ」に関する記述であり,わずかに見られる「レゼルヴァ・デ・ラ・ファミリア」及び「Reserva de la Familia」の表示も,常に「クエルボ」,「Cuervo」又は「Jose Cuervo」の文字と共に一連一体に表わされており,単独で表されているものはない。しかも,これらのウェブサイトからは,「ホセ・クエルボ」の商標を使用した商品についてはもとより,「レゼルヴァ・デ・ラ・ファミリア」又は「Reserva de la Familia」の商標を使用した商品についての,具体的な宣伝・広告,販売数量,売上高,市場占有率等の事実が一切明らかではないし,甲第13号証に至っては全て英文であり,国内で使用されているのかも定かでない。 (イ)以上の証拠によれば,「ホセ・クエルボ」又は「クエルボ」の文字は,申立人の業務に係るテキーラに使用する商標としてある程度知られていることが窺えるとしても,「Reserva de la Familia」又は「レゼルヴァ・デ・ラ・ファミリア」の文字が申立人の業務に係る商品を表示する商標として,取引者・需要者の間に広く認識されているものと認めることはできない。 その他,引用商標が申立人の業務に係る商品を表示する商標として,本件商標の登録出願時及び登録査定時に取引者・需要者の間に広く認識されているものと認めるに足る証拠はない。 (ウ)したがって,本件商標と引用商標とが類似するところがあるとしても,引用商標が申立人の業務に係る商品を表示する商標として取引者・需要者の間に広く認識されているものでない以上,本件商標は,引用商標をもって,商標法第4条第1項第10号に該当するものとはいえない。 (2)本件商標の商標法第4条第1項第19号該当性について 引用商標は,上記(1)のとおり,申立人の業務に係る商品を表示する商標として取引者・需要者の間に広く認識されているものでないことに加え,「RESERVA DE FAMILIA」の文字は,申立人が主張するように,「家族のための貯蔵品」の如き意味合いのスペイン語を表したものと認識し理解されることがあり,酒類等の商品について採択され易い語句であって,自他商品の識別力が比較的弱いものともいえる。 そうすると,本件商標は,申立人ないしは引用商標の名声,信用等にただ乗りする不正の目的をもって採択されたものとはいい難く,むしろ偶然の一致とみるのが自然である。 その他,本件商標が不正の利益を得る目的,申立人等に損害を加える目的,その他の不正の目的をもって使用するものであることを具体的に示す証左は一切提出されていない。 したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第19号に該当するものとはいえない。 (3)むすび 以上のとおり,本件商標は,商標法第4条第1項第10号及び同項第19号のいずれにも違反して登録されたものではないから,同法第43条の3第4項の規定に基づき,その登録を維持すべきものである。 よって,結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2009-03-13 |
出願番号 | 商願2007-77886(T2007-77886) |
審決分類 |
T
1
651・
222-
Y
(X33)
T 1 651・ 25- Y (X33) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 梶原 良子 |
特許庁審判長 |
石田 清 |
特許庁審判官 |
久我 敬史 小林 由美子 |
登録日 | 2008-04-11 |
登録番号 | 商標登録第5126580号(T5126580) |
権利者 | ヴィーニャ サンタ カロリナ エス・エー |
商標の称呼 | レセルバデファミリア |
代理人 | 松嶋 さやか |
代理人 | 村木 清司 |
代理人 | 早津 貴久 |
代理人 | 遠藤 祐吾 |
代理人 | 関口 一秀 |
代理人 | 塚田 美佳子 |
代理人 | 村橋 史雄 |
代理人 | 松原 伸之 |
代理人 | 橋本 千賀子 |
代理人 | 高部 育子 |
代理人 | 朴 暎哲 |