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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 X31 審判 全部申立て 登録を維持 X31 |
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管理番号 | 1195627 |
異議申立番号 | 異議2008-900165 |
総通号数 | 113 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2009-05-29 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2008-04-10 |
確定日 | 2009-03-30 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5102876号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5102876号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5102876号商標(以下「本件商標」という。)は、「BIO DENTA」の文字と「バイオデンタ」の文字とを二段に横書きしてなり、平成19年6月8日に登録出願、第31類「ペットフード」を指定商品として、同20年1月11日に設定登録されたものである。 2登録異議の申立ての理由(要点) 登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、下記の2件の登録商標を引用し、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものであるから、商標法第43条の2第1号により取り消されるべきであると述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第34号証(枝番号を含む。)を提出した。 (1)引用商標 (ア)登録第4750529号商標は、別掲のとおりの構成よりなり、平成15年4月16日に登録出願、第31類「飼料、飼料用たんぱく」を指定商品として、同16年2月27日に設定登録されたものである。 (イ)登録第4779027号商標は、「DENTA」の文字を標準文字で書してなり、平成15年3月25日に登録出願、第31類「飼料、飼料用たんぱく」を指定商品として、同16年6月18日に設定登録されたものである。 これらを一括して「引用各商標」という。 (2)商標法第4条第1項第11号について 本件商標からは、「バイオデンタ」の称呼の他、単に「デンタ」の称呼が生ずる。したがって、本件商標と引用各商標とは、「デンタ」の称呼を共通にする類似の商標である。また、本件商標の指定商品は引用各商標の指定商品と同一又は類似である。 (3)商標法第4条第1項第15号について 申立人は、マース・インコーポレイテッド(グループ本社:米国)の日本法人として1976年に設立され、ペットケア商品とスナック食品事業を展開する上で必要な商標、意匠の知的財産権の管理を行っている。企業グループ「マース」は、ペットフード、菓子、食品・・等の事業を65カ国以上で展開している。そして、「DENTA」及び「DENTA」を含む10種類以上の商標を17カ国で、登録、出願し、ペットフード事業部門の主要ブランドである「PEDIGREE」の商品中の口腔環境改善効果のある犬用スナックに、PEDIGREE「DENTA」として使用している。日本においては、マース ジャパン リミテッドが、「デンタボーン」「デンタX」を使用した犬用スナックを販売している。「デンタボーン」については、テレビコマーシャルなど積極的な販促活動を行い(甲第13号証ないし甲第14号証)、2004年から2007年の4年間で広告費用として約5.5億円が費やされている。かかる販促活動の結果、申立人商品の取扱店舗率は、全国ペットケア製品取扱店舗の75%に上り、2007年には売上高約8億4千万円、販売個数130万個を記録している。 以上のとおり、「DENTA」又は「デンタ」は、申立人の業務に係る商品「犬用スナック」について著名となっていたところ、本件商標は、かかる著名な引用各商標と類似し、本件商標がその指定商品について使用された場合には、申立人と経済的又は組織的に何らかの関連を有する者の業務にかかる商品であると誤認され、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。 (4)したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきである。 3 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第11号について 本件商標は、前記1のとおり「BIO DENTA」「バイオデンタ」の文字を二段に書してなるところ、構成各文字は、同じ大きさ、同じ書体で表され、外観上まとまりよく一体的に看取し得るものであって、これより生ずる「バイオデンタ」の称呼も格別冗長なものでなく、よどみなく一連に称呼し得るものである。そして、構成中の「BIO」、「バイオ」の文字部分は、「生体・生物体・生物などを意味する接頭語」であり、「biotechnology バイオテクノロジー」のように、接頭語として他の語に付して用いられる語であるから、本件商標は、その構成文字全体をもって一体不可分の造語よりなるものと認識、理解されるとみるのが相当である。 そうすると、本件商標は、該構成文字に相応して「バイオデンタ」の称呼のみを生ずるものと認められるから、本件商標より「デンタ」の称呼をも生ずるとし、その上で、本件商標と引用各商標とが称呼上類似するものであるとする申立人の主張は採用できない。 また、本件商標は、前記のとおり、その構成文字全体が特定の観念を有しない造語よりなるものと認められるから、本件商標と引用各商標とは、観念上比較することはできない。 さらに、本件商標と引用各商標は、前記1及び2(1)のとおりの構成よりなるものであるから、外観上十分に区別し得るものである。 そうすると、本件商標は、引用各商標とは外観、称呼、観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標といわざるを得ない。 (2)商標法第4条第1項第15号について 申立人の提出に係る証拠は、「Denta bone」、「Denta Stix」、「DentaSTIX」、「Dentabits」、「デンタボーン」、「デンタX」等について使用されているものであり、殆どは英語等の外国語で記載されているものであり、しかも日本語で記載された甲第13号証、甲第14号証及び甲第17号証には、引用各商標を単独で使用しているものは見当たらない。 そうとすると、かかる証拠によっては、本件商標の登録出願時に引用各商標が申立人の業務に係る前記商品について使用する商標として、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていると認めるに足らない。 以上のとおり、本件商標は、引用各商標とは外観、称呼、観念のいずれの点においても紛れるおそれのない別異のものであり、かつ、引用各商標が我が国において広く知られているものとは認められないから、本件商標をその指定商品に使用した場合、申立人又は申立人と関係のある者の業務に係る商品であるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれのないものといわなければならない。 なお、申立人は、審決例を挙げて主張するところがあるが、商標の登録の可否の判断は、各商標につき個別具体的に判断されるべきものであり、加えて、審決例で取り上げている商標は、いずれも本件とは商標の構成等において事案を異にするから、かかる理由により、前記判断が左右されない。 また、申立人は、我が国をはじめ各国に引用各商標を含む商標を登録している旨主張するところがあるが、該証拠は、我が国をはじめ各国に引用各商標を含む商標が登録されていることを示すにすぎず、それらの商標登録が存在することをもって、直ちに引用各商標が需要者の間に広く認識されていたものとは認めることができない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものでないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する |
別掲 |
別掲 登録第4750529号商標 |
異議決定日 | 2009-03-11 |
出願番号 | 商願2007-64378(T2007-64378) |
審決分類 |
T
1
651・
262-
Y
(X31)
T 1 651・ 271- Y (X31) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 田中 幸一、冨澤 武志 |
特許庁審判長 |
芦葉 松美 |
特許庁審判官 |
岩崎 良子 内山 進 |
登録日 | 2008-01-11 |
登録番号 | 商標登録第5102876号(T5102876) |
権利者 | アース・バイオケミカル株式会社 |
商標の称呼 | バイオデンタ、バイオ、ビイアイオオ、デンタ、ビオデンタ、ビオ |
復代理人 | 真保 玉緒 |
代理人 | 田中 克郎 |
復代理人 | 菅 尋史 |
代理人 | 小泉 淑子 |
代理人 | 宮川 美津子 |
代理人 | 太田 雅苗子 |
代理人 | 稲葉 良幸 |