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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 Y14 |
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管理番号 | 1194065 |
異議申立番号 | 異議2008-900172 |
総通号数 | 112 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2009-04-24 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2008-04-11 |
確定日 | 2009-03-09 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5104770号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5104770号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件登録第5104770号商標(以下「本件商標」という。)は、「PENTHOUSE CLUB」の欧文字と「ペントハウスクラブ」の片仮名文字を上下二段に横書きしてなり、平成19年6月5日に登録出願、第14類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同19年12月4日に登録査定、同20年1月11日に設定登録されたものである。 2 引用商標 本件登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は以下のとおりであり、それらの商標権は、いずれも現に有効に存続しているものである。 (1)登録第1906524号商標は、「PENTHOUSE」の欧文字を横書きしてなり、昭和56年5月12日に登録出願、第26類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同61年10月28日に設定登録、その後、二回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされ、平成20年5月7日に指定商品を第16類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換の登録がなされたものである。 (2)登録第1974433号商標は、「PENTHOUSE」の欧文字を横書きしてなり、昭和49年11月7日に登録出願、第28類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同62年8月19日に設定登録され、その後、二回にわたり商標権の存続期間の更新登録がなされたものである。 (3)登録第1975555号商標は、「PENTHOUSE」の欧文字を横書きしてなり、昭和49年11月7日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同62年8月19日に設定登録され、その後、二回にわたり商標権の存続期間の更新登録がなされたものである。 (4)登録第2008063号商標は、「PENTHOUSE」の欧文字を横書きしてなり、昭和49年11月7日に登録出願、第4類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同62年12月18日に設定登録され、その後、二回にわたり商標権の存続期間の更新登録がなされたものである。 (5)登録第2470936号商標は、「PENTHOUSE」の欧文字を横書きしてなり、昭和49年11月7日に登録出願、第11類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成4年10月30日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録がなされたものである。 (6)登録第4384068号商標は、「PENTHOUSE CLUB」の欧文字を横書きしてなり、平成11年2月26日に登録出願、第41類及び第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同12年5月19日に設定登録されたものである。 (7)登録第4904952号商標は、「PENTHOUSE」の欧文字を標準文字で表してなり、平成16年9月6日に登録出願、第41類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同17年10月28日に設定登録されたものである。 (上記(1)?(5)及び(7)の登録商標をまとめて、以下「引用商標1」といい、同(6)の登録商標を以下「引用商標2」という。) 3 登録異議申立ての理由の要点 (1)「PENTHOUSE」ブランドの著名性 登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、雑誌「PENTHOUSE」を発行しているほか、「PENTHOUSE」ブランドのもと、インターネットを介して成人向け娯楽を提供する米国の企業である。上記雑誌「PENTHOUSE」は、男性向け月刊誌として1965年に英国で創刊され、1969年には米国でも発行された。その後、米国版は、世界42の国と地域で発行され、その発行部数も半期単位合計で4万部に達している。また、国際版も、世界12カ国で発行されている。2007年度における発行部数は21万部に及ぶ。 日本においても、雑誌「PENTHOUSE」の米国版は、月平均400部輸入され、1983年3月に講談社から、1995年にはぶんか社から日本語版が発行された。現在は不定期ではあるが、「PENTHOUSE-JAPANスペシャル」として発行されており、その他、インターネットを介して、「PENTHOUSE」ブランドのもと、各種サービスを提供している。 したがって、「PENTHOUSE」ブランドは、申立人の発行する雑誌や提供するサービスを表示するものとして世界各国及び日本において著名性を獲得している。 (2)出所の混同 本件商標は、引用商標2とは同一の商標であり、引用商標1とは類似する商標である。そして、「CLUB」の語は、「同好の士の集団」を意味するありふれた日常語であり、「PENTHOUSE」ブランドが著名であることからすると、本件商標に接する需要者は、「PENTHOUSE」の文字部分に強く印象づけられる。 また、申立人は、「PENTHOUSE」「PENTHOUSE PET」等ブランドで米国、カナダ、ギリシャ、ロシアにおける身飾品についてのライセンス事業を展開している。 したがって、本件商標をその指定商品について使用するときは、該商品が申立人又はこれと何らかの関係がある者の取扱いに係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。 (3)むすび 以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものであるから取り消されるべきである。 4 当審の判断 (1)「PENTHOUSE」の表示の著名性 申立人の提出に係る甲第3号証ないし甲第7号証、甲第9号証ないし甲第11号証及び甲第13号証によれば、「PENTHOUSE」の題号よりなる男性向け月刊誌(以下「PENTHOUSE誌」という。)は、1965年に英国で創刊され、1969年に米国でも発行されたこと、その後、米国版は、世界42の国と地域で、国際版は、12カ国で発行されたこと、引用商標1及び2は、日本をはじめ世界数カ国で登録されていること、また、PENTHOUSE誌の日本における発行は、2006年1月10日から2007年5月14日にかけて、月平均約400部弱であり、そのうちの売り上げ部数は、月平均約110部(約28%)であったこと、さらに、米国、カナダ等外国の企業との間で、宝石等について「PENTHOUSE」ブランドの使用に関する契約を締結したこと等が認められる。なお、2005年1月1日に終了する、東京都港区に所在の「Gaga Communications,Inc.」との間のビデオライセンス契約において、該ビデオに「PENTHOUSE」ブランドが使用されていたという事実は見出せない。 (2)前記(1)によれば、申立人の発行に係るPENTHOUSE誌が本件商標の登録出願前より、世界各国で発行されていたことを認めることができる。しかしながら、前記(1)認定のとおり、PENTHOUSE誌が我が国で発行された部数は、本件商標の登録出願前である2006年1月から2007年5月にかけて、わずか月平均約400部弱であり、しかも、そのうちの売り上げ部数は、月平均約110部(約28%)であったこと、また、インターネット等を介して申立人が提供する成人向け娯楽について、本件商標の登録出願前に「PENTHOUSE」ブランドが使用されたと認めるに足る証拠の提出はない。さらに、「PENTHOUSE」ブランドの宝石等についての使用許諾に関する契約は、日本国以外の外国の企業との間におけるものであり、これら商品が日本に輸入されたと認めるに足る証拠も見出せない。 そうすると、申立人の提出した上記証拠のみをもってしては、「PENTHOUSE」(引用商標1)が、申立人の発行に係る雑誌やインターネットを介して提供するサービス等を表示するためのものとして、本件商標の登録出願時及び登録査定時を通して、我が国の需要者の間に広く認識されていたと認めることは困難であるといわざるを得ない。また、引用商標2が申立人の業務に係る商品及び役務を表示するためのものとして、本件商標の登録出願前より、我が国において広く認識されていたという事実を明らかにする証拠の提出はない。 なお、申立人は、引用商標1及び引用商標2が日本や諸外国で登録された事例、ギリシアでの異議決定の事例を挙げるが、これらの事例が直ちに、我が国における「PENTHOUSE」の表示の著名性に結びつくものではないことはいうまでもない。 (3)出所の混同 前記(2)認定のとおり、引用商標1及び引用商標2は、申立人の業務に係る商品及び役務を表示するものとして、本件商標の登録出願時及び登録査定時を通して、我が国の需要者の間に広く認識されていたと認めることはできないから、前記構成よりなる本件商標をその指定商品について使用しても、その需要者をして、該商品が申立人又はこれと営業上何らかの関係を有する者の取扱いに係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。 したがって、本件商標は、他人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがある商標ということはできない。 (4)むすび 以上によれば、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2009-02-19 |
出願番号 | 商願2007-56549(T2007-56549) |
審決分類 |
T
1
651・
271-
Y
(Y14)
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最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 内藤 順子 |
特許庁審判長 |
中村 謙三 |
特許庁審判官 |
田村 正明 清川 恵子 |
登録日 | 2008-01-11 |
登録番号 | 商標登録第5104770号(T5104770) |
権利者 | 高野興産株式会社 |
商標の称呼 | ペントハウスクラブ、ペントハウス |
代理人 | 東尾 正博 |
代理人 | 高柴 忠夫 |
代理人 | 鳥居 和久 |
代理人 | 鈴木 博久 |
代理人 | 渡邊 隆 |
代理人 | 志賀 正武 |
代理人 | 鎌田 文二 |