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審決分類 審判 査定不服 称呼類似 登録しない Y09
審判 査定不服 観念類似 登録しない Y09
管理番号 1193957 
審判番号 不服2008-19691 
総通号数 112 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2009-04-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2008-08-04 
確定日 2009-02-27 
事件の表示 商願2006-108815拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「PrincessMini」の欧文字及び「プリンセスミニ」の片仮名文字を上下二段に横書きしてなり、第9類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品として、平成18年11月22日に登録出願されたものであるが、その後、指定商品については、当審における同20年10月10日受付けの手続補正書により、第9類「携帯電話用ストラップ」と補正されたものである。

2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下の(1)から(9)のとおりである。
(1)登録第677933号商標(以下「引用商標1」という。)は、「PRINCESS」の欧文字を横書きしてなり、昭和38年9月12日登録出願、第17類「靴下、婦人下着」を指定商品として、同40年6月10日に設定登録され、その後、4回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされているものであるが、その指定商品については、商標登録の取消し審判により、指定商品中「婦人下着」について取り消すべき旨の審決がされ、平成6年9月1日にその審判の確定登録がされ、さらに、同17年12月21日に指定商品を第25類「靴下」とする指定商品の書換登録がされたもので、現に有効に存続している。
(2)登録第1945354号商標(以下「引用商標2」という。)は、「プリンセス」の片仮名文字及び「PRINCESS」の欧文字を上下二段に横書きしてなり、昭和59年8月28日登録出願、第7類「建築または構築専用材料、セメント、木材、石材、ガラス」を指定商品として、同62年4月30日に設定登録され、その後、平成9年5月27日に商標権の存続期間の更新登録がされているものであるが、同19年4月30日に存続期間満了により商標権が消滅しており、その抹消登録が同20年1月30日付けでなされている。
(3)登録第2719528号商標(以下「引用商標3」という。)は、「PRINCESS」の欧文字及び「プリンセス」の片仮名文字を上下二段に横書きしてなり、平成3年2月27日登録出願、第12類「輸送機械器具、その部品及び附属品」を指定商品として、同9年1月31日に設定登録され、その後、同19年1月23日に商標権の存続期間の更新登録がされているものであるが、その指定商品については、同年5月30日に指定商品を第9類「消防艇,ロケット,消防車,自動車用シガーライター」、第12類「船舶並びにその部品及び附属品,航空機並びにその部品及び附属品,鉄道車両並びにその部品及び附属品,自動車並びにその部品及び附属品,二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び附属品,乳母車,人力車,そり,手押し車,荷車,馬車,リヤカー,タイヤ又はチューブの修繕用ゴムはり付け片」及び第13類「戦車」とする指定商品の書換登録がされたもので、現に有効に存続している。
(4)登録第4087362号商標(以下「引用商標4」という。)は、別掲(1)に表示するとおりの構成よりなり、平成7年4月20日登録出願、第9類「電気掃除機」を指定商品として、同9年11月28日に設定登録されたものであるが、同19年11月28日に存続期間満了により商標権が消滅しており、その抹消登録が同20年8月13日付けでなされている。
(5)登録第4347279号商標(以下「引用商標5」という。)は、「プリンセス」の片仮名文字を標準文字で表してなり、平成10年10月28日登録出願、第16類「雑誌,新聞」を指定商品として、同11年12月24日に設定登録されたもので、現に有効に存続している。
(6)登録第4347281号商標(以下「引用商標6」という。)は、別掲(2)に表示するとおりの構成よりなり、平成10年10月28日登録出願、第16類「雑誌,新聞」を指定商品として、同11年12月24日に設定登録されたもので、現に有効に存続している。
(7)登録第4780529号商標(以下「引用商標7」という。)は、別掲(3)に表示するとおりの構成よりなり、平成15年12月17日登録出願、第7類「電気ミキサー,電気ジューサー」、第9類「電気式ヘアカーラー」及び第11類「家庭用電熱用品類」を指定商品として、同16年6月18日に設定登録されたもので、現に有効に存続している。
(8)国際登録番号781422号商標(以下「引用商標8」という。)は、別掲(4)に表示するとおりの構成よりなり、2002年4月15日に国際登録、第7類「Electric kitchen machines and food processors; cutting machines for kitchen use; coffee grinders other than hand-operated; electromechanical instruments for kitchen use (not included in other classes); battery-operated cloth shavers.」、第8類「Table knives; depilation appliances; electric and non electric hair clippers for personal use; electric razors; electric manicure sets.」、第9類「Hair curlers and other electric hair care apparatus for industrial use (not included in other classes) including hair wave apparatus; electric make-up removal apparatus for industrial use; electric curling brushes for industrial use.」、第10類「Massage apparatus for household use; vibro-massage apparatus for household use; electromassage apparatus for household use.」、第11類「Apparatus for steam generating, cooking, drying, water supply purposes, including apparatus and instruments for household and kitchen use (not included in other classes); microwave ovens for industrial use, electric coffee machines, coffee percolators and coffee filters for industrial use; electric footbaths (not for medical use), steam facial apparatus for industrial use; sunbeds and solariums (not for medical use); hair drying apparatus and other hair care apparatus (not included in other classes) for industrial use.」及び第21類「Electric toothbrushes; trouser presses; electric hair combs; pots and pans for household use (not of precious metal or coated therewith); pillboxes (not of precious metal or coated therewith).」を指定商品として、平成16年12月17日に我が国において設定登録されたもので、現に有効に存続している。
(9)登録第408976号商標(以下「引用商標9」という。)は、「プリンセス」の片仮名文字を縦書きしてなり、昭和26年2月28日登録出願、第69類「電動ミシン、その他本類に属する商品」を指定商品として、同27年2月25日に設定登録され、その後、4回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされているものであるが、その指定商品については、商標登録の取消し審判により、指定商品中「電気掃除機、その他の家庭用電気機械(電動ミシンを除く)」について取り消すべき旨の審決がされ、平成9年6月18日にその審判の確定登録がされ、さらに、同16年9月29日に指定商品を第7類「電動ミシン,起動器,交流電動機及び直流電動機(陸上の乗物用の交流電動機及び直流電動機(その部品を除く。)を除く。),交流発電機,直流発電機,電機ブラシ」、第9類「電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電気通信機械器具(コンパクトディスクプレーヤー・ビデオディスクプレーヤー・乗物用ナビゲーション装置を除く。),電子応用機械器具及びその部品(大規模集積回路・電子応用自動扉開閉装置・電子式卓上計算機・ワードオプロセッサを除く。),磁心,抵抗線,電極」、第10類「電気医療器(家庭用電気あんま器・家庭用電気マッサージ器を除く。)」、第11類「電球類及び照明用器具」、第12類「陸上の乗物用の交流電動機又は直流電動機(その部品を除く。)」及び第17類「電気絶縁材料」とする指定商品の書換登録がされたもので、現に有効に存続している。

3 当審の判断
(1)引用商標1ないし8について
本願の指定商品は、前記1のとおり補正された結果、引用商標1、3、5、6ないし8に係る指定商品と同一又は類似の商品について全て削除された。
その結果、本願商標と引用商標1、3、5、6ないし8とは、商標の類否について論ずるまでもなく、指定商品において互いに抵触しないものとなった。
また、前記2(2)及び(4)のとおり、引用商標2の商標権については、平成19年4月30日に存続期間満了により消滅し、同20年1月30日にその抹消の登録がされ、引用商標4の商標権についても、同19年11月28日に存続期間満了により消滅し、同20年8月13日にその抹消の登録がされているものである。
したがって、本願商標は、引用商標1ないし8との関係においては、商標法第4条第1項第11号に該当しないものとなった。
(2)本願商標と引用商標9との類否について
本願商標は、前記1のとおり、「PrincessMini」の欧文字と、その表音と認められる「プリンセスミニ」の片仮名文字を上下二段に横書きしてなるところ、その構成中、欧文字の「P」と「M」とが、大文字で表されていることから、「Princess」と「Mini」とを組み合わせたものと容易に理解できるものである。
そして、本願商標を構成する前半の「Princess」及び「プリンセス」の文字は、「皇女。王女。王子妃。王妃。」等(株式会社岩波書店 広辞苑 第六版)の意味で一般に親しまれている英語及び外来語であり、また、本願商標を構成する後半の「Mini」及び「ミニ」の文字は、「(miniature の略)『小型の』『規模の小さい』『丈の短い』の意。」等(前掲書)の意味で一般に親しまれている英語及び外来語である。
そして、該「Mini」及び「ミニ」の文字は、本願商標の補正後の指定商品「携帯電話用ストラップ」を取り扱う業界において、本物の物品等を小型化した商品を表すものとして普通に使用されていることが、以下のインターネット情報からも窺い知ることができる。
ア インターネットの「http://shop.curicolle.jp/shopdetail/019010000002/order/」のWebページには、「miniカメラストラップB」の見出しの下、「ホンモノそっくりのちっちゃなちっちゃな可愛いカメラのストラップ。カメラ好きでなくても魅入ってしまうキュートさ♪」の記載がある。
イ インターネットの「http://www.embellirshop.jp/SHOP/mira17.html」のWebページには、「エンペリアショップ」の見出しの下、「ミラーストラップ ミニ手鏡ゴージャスシリーズ」の項において、「縦が約60mm×横幅が約30mmのミニ手鏡ストラップです。蝶とバラの模様が入ってゴージャスな雰囲気のミニ手鏡です。デコレーションした携帯や、バッグ、鍵などにつけておしゃれ度UP★」の記載がある。
ウ インターネットの「http://www.gallerywave.jp/?pid=10602500」のWebページには、「Gallery Wave」の「雑貨屋ギャラリーウェーブ」の見出しの下、「ミニ・ネクタイ携帯ストラップ」の項において、「本物のネクタイ生地を使った、ミニ・ネクタイ型携帯ストラップです。」の記載がある。
エ インターネットの「http://kira-world.net/hpgen/HPB/entries/5.html」のWebページには、「kiraworld」の「オリジナルストラップ・携帯ストラップ&癒しのセレクトショップ」の見出しの下、「ミニ靴ギャラリー」の項において、「ミニ靴携帯ストラップギャラリー こちらは当店が過去にお客様より特別オーダーを受けて制作したミニ靴です。年代の傷などで使えなくなったブランド小物を素材にしています。」の記載がある。
オ インターネットの「http://www.i-kaimono.net/?pid=1708362」のWebページには、「いー買いもの」の見出しの下、「Campusミニノート 携帯ストラップ」の項において、「小さくてもしっかり書けるA罫のミニノート携帯ストラップです。取り外し可能な表紙カバーが付いているため、持ち歩いても傷みにくい仕様です。」の記載がある。
そうすると、本願商標に接する取引者、需要者は、本願商標を構成する後半の「Mini」及び「ミニ」の文字部分については、本願商標の補正後の指定商品「携帯電話用ストラップ」の形状(品質)を表したものと理解し、前半の「Princess」及び「プリンセス」の文字部分を自他商品の識別機能を果たす要部として認識し、商取引に資する場合も決して少なくないというべきである。
してみれば、本願商標は、その構成中の「Princess」及び「プリンセス」の文字部分に相応して、単に「プリンセス」の称呼及び「皇女。王女。王子妃。王妃。」等の観念をも生ずるものというのが相当である。
他方、引用商標9は、前記2(9)のとおり、「プリンセス」の片仮名文字を縦書きしてなるものであるから、その構成文字に相応して、「プリンセス」の称呼及び「皇女。王女。王子妃。王妃。」等の観念を生ずるものである。
そこで、本願商標と引用商標9とを比較すると、両者は、「プリンセス」の称呼及び「皇女。王女。王子妃。王妃。」等の観念を共通にするものであり、また、外観についても、本願商標の要部である「プリンセス」の文字部分と引用商標とは、その綴り字を共通にするものである。
してみれば、本願商標と引用商標9とは、その称呼及び観念において共通し、また、外観についても共通した部分を有するものであるから、互いに類似する商標というべきであり、かつ、本願商標の補正後の指定商品は、引用商標9に係る指定商品中に含まれるものである。
(3)請求人の主張
請求人は、本願商標中「Princess」及び「プリンセス」の文字は、日本において大変基本的な英語として広く使用され、極めて日本語化している用語であるから、本願指定商品分野において、自他商品識別力を十分に発揮しうる用語ではなく、商品の品質・内容を説明するにすぎない記述的な用語であるため、本願商標は、「PrincessMini」の全体が結合した表示形態において初めて取引者、需要者に格別の印象を与え商標としての機能を十分に発揮し得るものである旨主張する。
しかしながら、「Princess」及び「プリンセス」の文字が、本願商標の補正後の指定商品「携帯電話用ストラップ」を取り扱う分野において、商品の品質・内容を説明するにすぎない記述的な用語として取り扱われているという事実を見出すことはできず、請求人もその主張を裏付ける具体的な証左を何ら示していない。
また、請求人は、過去の登録例を挙げて、本願商標も引用商標とは非類似である旨主張しているが、請求人が挙げる過去の登録例は、対比する商標の構成態様等において本願とは異なるものであるばかりでなく、商標の類否の判断は、当該出願に係る商標と他人の登録商標との対比において、個別・具体的に判断すべきものであり、過去の併存している登録例、審決例の判断に拘束されることなく検討されるべきものである。
したがって、これらの点についての請求人の主張は採用することができない。
(4)まとめ
以上のとおりであるから、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲(1) 引用商標4


別掲(2) 引用商標6


別掲(3) 引用商標7


別掲(4) 引用商標8


審理終結日 2008-12-15 
結審通知日 2008-12-19 
審決日 2009-01-08 
出願番号 商願2006-108815(T2006-108815) 
審決分類 T 1 8・ 263- Z (Y09)
T 1 8・ 262- Z (Y09)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 飯田 亜紀 
特許庁審判長 小林 由美子
特許庁審判官 田村 正明
安達 輝幸
商標の称呼 プリンセスミニ、プリンセス 
代理人 市原 俊一 

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