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審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) 132
管理番号 1193807 
審判番号 取消2007-301579 
総通号数 112 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2009-04-24 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2007-12-04 
確定日 2009-02-09 
事件の表示 上記当事者間の登録第2091349号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第2091349号商標の商標登録は取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第2091349号商標(以下「本件商標」という。)は、「ティンカーベル」の文字を書してなり、昭和61年11月11日に登録出願、第32類「野菜、果実、加工野菜および加工果実」を指定商品として、同63年11月30日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。

第2 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証を提出した。
1 請求の理由
被請求人は、本件商標をその指定商品について、継続して3年以上日本国内において使用していない。
また、本件商標について専用使用権者は存在せず、または通常使用権者として本件商標を使用している者も存在しない。
したがって、本件商標は、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても、その指定商品につき使用されていないものである。
2 答弁に対する弁駁
被請求人の提出に係る乙第1号証ないし乙第4号証によっては、被請求人若しくはその使用権者が、本件審判請求の登録前3年以内である平成16年12月21日から平成19年12月20日までの間に、その指定商品である、第32類「野菜、果実、加工野菜および加工果実」のいずれかについて、本件商標を、商標法第2条第3項各号のいずれかに規定する態様で「使用」していたことについて立証がなされたということはできない。
(1)乙第1号証は、本件商標を付したシールを作成したときの請求書である。また、乙第2号証は、本件商標を付した商品の出荷前の写真である。
被請求人は、答弁書において、「乙第1号証に示す請求書の日付は、2005年9月13日であり、検印の日付は、2005年10月26日であり、いずれも、平成19年12月19日以前3年以内の日付である。そして、このシールを付した乙第2号証に示す商品は、少なくとも2005年9月13日以降にシールを付されているので、商標の使用に該当する商標法第2条第3項第1号に規定する商品の包装に標章を付する行為が、平成19年12月19日以前3年以内になされていたといえる」と述べている。
しかしながら、乙第1号証は、本件商標を付したシールの作成に関する、有限会社レップから被請求人への請求書にすぎず、ティンカーベルシールをミニトマトの包装に付する行為が、2005年(平成17年)9月13日以降に行われたことを直接示すものではない。
なお、当該請求書には、「ティンカーベル」の文字が記載されているが、これが本件商標の使用に該当しないことは明らかである。また、乙第2号証には、ミニトマトの包装に「ティンカーベル」の文字が記載されたシールを貼付した写真が示されているが、日付は一切記載されていない。
したがって、乙第1号証及び乙第2号証は、ティンカーベルシールをミニトマトの包装に付する行為が、平成16年12月21日から平成19年12月20日までの間に行われたことを何ら証明するものではない。
(2)また、乙第4号証は、本件商標を付した商品の納品書である。
被請求人は、答弁書において、「乙第4号証の納品書の日付は、2005年9月23日であるので、商標の使用に該当する商標法第2条第3項第2号に規定する商品の包装に標章を付したものを譲渡する行為が、平成19年12月19日以前3年以内になされていたといえる。」と述べている。
しかしながら、乙第4号証には、2005年9月23日という日付は、一切記載されていない。摘要の欄に、「9/22(木)23:00着」と記載されているが、年は不明である。さらに、商品名・規格の欄に、「ミニトマト」とあるが、これが、乙第2号証に示す、ティンカーベルシールが付されたミニトマトのことであるのかどうかは、乙第4号証からは、一切明らかではない。
したがって、乙第4号証は、商標法第2条第3項第2号に規定する商品の包装に標章を付したものを譲渡する行為(乙第2号証に示す、ミニトマトを販売する行為)が、平成16年12月21日から平成19年12月20日までの間に行われたことを何ら証明するものではない。
3 以上のとおり、被請求人によって提出された乙第1号証ないし乙第4号証によっては、本件商標が、本件審判の請求の登録前3年以内に、本件商標の第32類の指定商品中「野菜」について使用されてきたという事実は何ら証明されていない。
したがって、本件商標の登録は、取り消されるべきである。

第3 被請求人の答弁
被請求人は、「審判の請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求めると答弁し、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第4号証を提出した。
1 本件商標は、本件審判の請求の登録日、すなわち平成19年12月19日以前3年以内に日本国内において、その指定商品中の商品「野菜」について、使用されていたから、取り消されるべきではない。
(1)乙第1号証は、本件商標を付したシールを作成したときの請求書であり、品目の欄の「ティンカーベルシール」の表示より、本件商標に係るシールであることが確認できる。
(2)乙第2号証A及びBは、このシールを指定商品「野菜」に該当する商品ミニトマトの包装に付した出荷される前の商品を写したものである。この乙第2号証において、Bは、Aの包装容器の輪郭をはっきりさせるために、背景を黒にしたものである。
なお、第1号証の請求書の品名に、「西川さんのトマト」とあるが、これは当該シールを添付して納入する北海道産のミニトマトは、西川農園産のものが多いからである。
(3)乙第3号証は、西川農園のホームページの写しであるが、ここに「りょくけんミニトマト」とあるとおり、当農園のミニトマトが被請求人に出荷されていることは明らかであり、乙第1号証より、この、西川農園産のミニトマトに本件シールが用いられていることも明らかである。
乙第1号証に示す請求書の日付は、2005年9月13日であり、検印の日付は、2005年10月26日であり、いずれも、平成19年12月19日以前3年以内の日付である。
そして、このシールを付した乙第2号証に示す、商品は、少なくとも2005年9月13日以降に、シールが付されているので、商標の使用に該当する商標法第2条第3項第1号に規定する商品の包装に標章を付する行為が、平成19年12月19日以前3年以内になされていたといえる。
(4)乙第4号証は、乙第2号証に示すミニトマトと同様のミニトマトを出荷したときの納品書である。
乙第4号証の納品書の日付は、2005年9月23日であるので、商標の使用に該当する商標法第2条第3項第2号に規定する商品の包装に標章を付したものを譲渡する行為が、平成19年12月19日以前3年以内になされていたといえる。
2 以上のとおりであるから、本件商標はその指定商品中の商品「野菜」について、日本国内において被請求人自身により、本件審判の請求の登録以前3年以内に使用されていたことが明らかである。

第4 当審の判断
1 被請求人の提出した乙各号証によれば、以下のことが認められる。
(1)乙第1号証は、05年9月13日付けの「有限会社レップ」から被請求人に宛てた請求書であり、品名の欄の1に「西川さんのミニトマト」、同2に「ティンカーベルシール」の表示、金額欄の中央部に「05.10.26」と押印された丸い検印がある。
(2)乙第2号証は、上段部分Aと背景を黒とした下段部分Bの写真2葉であり、それぞれ透明の包装容器に「ミニトマト」がパックされ、容器の上面に「図形とりょくけんの文字を組み合わせた標章」及び「北海道産ミニトマト」、「ティンカーベル」等の表示があるシールが貼付されているが、撮影日、撮影者等の記載が見当たらない。
(3)乙第3号証は、2008年2月12日打ち出しの西川農園のホームページの写しであり、西川農園概要として、「所在地 北海道上川郡和寒町字中和」及び「主要取引先 (株)りょくけん」等の記載、その左側の「商品一覧」の項に「・トマト りょくけんミニトマトを中心にサンマルツァーノも挑戦予定」の記載、さらにその下の「ここで買えます」の項に「(株)りょくけん直営店舗/住所/電話番号」の記載があるが、「ティンカーベル」の記載は見当たらない。
(4)乙第4号証は、「株式会社 りょくけん」から、取引先「東京シティ青果(株)」、納入先「(株)三徳総合センター」宛の納品書(控)であり、左上部の伝票の欄に「No 059076」、その下の日付の欄に「050923」、商品名・規格の欄に、「ミニトマト」及び右端の摘要の欄の下から二段目に、「9/22(木)23:00着」の記載があるが、「ティンカーベル」の記載は見当たらない。
2 以上のとおり、乙第2号証の包装容器に貼付されたシールに表示された「ティンカーベル」の文字は、本件商標と社会通念上同一のものといい得るが、審判請求の登録前3年以内の使用かどうか特定できないものであり、また、2005年9月23日付け納品書(乙第4号証)の「ミニトマト」が、乙第2号証の写真と同じのシールが貼付された「ミニトマト」であるかどうかも不明である。
してみると、被請求人の提出した証拠によっては、本件商標が、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかにより、本件審判請求の登録前3年以内に、日本国内において、商品「野菜」について使用されたものと認めることは出来ない。
3 被請求人の主張に対して
被請求人は、(1)「第1号証の請求書の品名に、『西川さんのトマト』とあるが、これは当該シールを添付して納入する北海道産のミニトマトは、西川農園産のものが多いからである。」こと、(2)「西川農園のホームページの写し(乙第3号証)に、『りょくけんミニトマト』とあるとおり、当農園のミニトマトが被請求人に出荷されていることは明らかであり、乙第1号証より、この、西川農園産のミニトマトに本件シールが用いられていることも明らかである。」こと及び(3)「乙第4号証は、乙第2号証に示すミニトマトと同様のミニトマトを出荷したときの納品書である。」ことを主張しているが、前記のとおり乙第1号証の請求書の記載と、乙2号証の写真に表示されたシールの表示は異なっており、かつ、乙第3号証の西川農園のホームページ及び乙第4号証の納品書には、「ティンカーベル」の記載がないことからすれば、被請求人が西川農園と「ミニトマト」について取引していることは認められるものの、被請求人の取り扱う北海道産のミニトマトは西川農園産のものが多いという理由のみで、乙第1号証で納品されたシールが乙第2号証の写真に表示されたシールと同じシールであって、乙第4号証が、乙第2号証に示すシールを貼付したミニトマトと同じシールを貼付したミニトマトを出荷したときの納品書であるとまでは認めらない。そして、他に、西川農園産のミニトマトに乙第2号証のシールが用いられていることを客観的に証明する証拠の提出もないことからすれば、かかる主張をもって前記第4、2の判断を覆すことは出来ない。
また、被請求人は、前記第2、2の答弁に対する請求人の弁駁に対して、再答弁及び証拠の提出をしていない。
そうとすれば、乙第1号証の請求書の日付(2005年9月13日)及び乙第4号証の納品書の日付(2005年9月23日)をもってしては、商標法第2条第3項第1号及び同第2号に規定する商品の包装に標章を付する行為及び商品の包装に標章を付したものを譲渡する行為が、本件審判請求の登録前3年以内になされていたとは言い難いから、この点に関する被請求人の主張は採用できない。
4 結語
したがって、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、本件請求にかかる商品のいずれかについて、使用をしている事実が認められず、かつ、本件商標の不使用について正当な理由があるとも認められないから、商標法第50条の規定により、本件商標の登録は、取り消すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
別掲
審理終結日 2008-10-22 
結審通知日 2008-10-29 
審決日 2008-12-24 
出願番号 商願昭61-118559 
審決分類 T 1 31・ 1- Z (132)
最終処分 成立  
特許庁審判長 芦葉 松美
特許庁審判官 岩崎 良子
藤平 良二
登録日 1988-11-30 
登録番号 商標登録第2091349号(T2091349) 
商標の称呼 ティンカーベル 
代理人 杉村 憲司 
代理人 藤谷 史朗 
代理人 長谷川 綱樹 
代理人 来間 清志 
代理人 熊倉 禎男 
代理人 松尾 和子 
代理人 澤田 達也 
代理人 中村 稔 
代理人 杉村 興作 
代理人 井滝 裕敬 

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