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審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 X03
審判 一部申立て  登録を維持 X03
審判 一部申立て  登録を維持 X03
管理番号 1189219 
異議申立番号 異議2008-900106 
総通号数 109 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2009-01-30 
種別 異議の決定 
異議申立日 2008-03-14 
確定日 2008-11-17 
異議申立件数
事件の表示 登録第5097192号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5097192号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第5097192号商標(以下「本件商標」という。)は、「FOREVER」の文字を書してなり、平成19年3月13日に登録出願、第3類、第29類、第30類及び第32類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同年11月22日に登録査定、同年12月7日に設定登録されたものである。

第2 登録異議の申立ての理由(要旨)
1 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第4551708号商標(以下「引用商標」という。)は、「MAKE UP FOR EVER」の欧文字を標準文字で表してなり、平成12年6月9日に登録出願、第3類「せっけん類,植物性天然香料,動物性天然香料,合成香料,調合香料,精油からなる食品香料,化粧品,つけづめ,つけまつ毛,歯磨き」を指定商品として、同14年3月15日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
2 理由の要点
(1)商標法第4条第1項第11号について
ア 商標の類否の検討
(ア)称呼上の類否の検討
本件商標「FOREVER」は、比較的平易な英語であることから、一般に「フォーエバー」の称呼が生じる。
これに対して、引用商標「MAKE UP FOR EVER」もいずれの構成要素も馴染みのある平易な英語からなり、この全体を一連と捉えた場合、「メークアップフォーエバー」の称呼が生じる。
ここで、引用商標は、その一連称呼が全12音と冗長であること及び引用商標の構成中の「MAKE UP」(メークアップ)」の部分が化粧品関係の商品について識別力がない又は弱いことから、「FOR EVER(フォーエバー)」の省略された称呼が生じ得ると思料する。
したがって、本件商標の「フォーエバー」の称呼と引用商標の省略された称呼「フォーエバー」は、同一であることから、本件商標と引用商標は称呼上相互に類似する。
(イ)観念の類否の検討
本件商標「FOREVER」は、平易な英語であり、これから生じる観念は一般に「永久に、絶えず」である。
これに対し、引用商標「MAKE UP FOR EVER」から生じる観念は「MAKE UP」及び「FOR EVER」のそれぞれの観念「化粧する、化粧」と「永久に、絶えず」とが結合して「永久の化粧」又は「絶えず化粧する」程度の意味合いを有する。
この点、化粧品関係の商品について考慮した場合「MAKE UP(化粧する、化粧)」の部分はその識別力がない又は弱いことから、引用商標「MAKE UP FOR EVER」からは「FOR EVER」の部分のに対応する「永久に、絶えず」の観念、が生じ得るものと思料する。
よって、本件商標と引用商標とは観念上においても類似する。
(ウ)外観の類否の検討
商標について視認されるその外観においても、やはり上述(ア)の称呼及び(イ)の観念と同様に、「MAKE UP」の部分は省略されて把握され得る。本件商標「FOREVER」と引用商標の省略されて把握された部分「FOR EVER」は外観上類似する。
したがって、本件商標と引用商標は、外観上においても相互に類似する。
イ 指定商品の類否の検討
本件商標は、第3類において「家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,かつら装着用接着剤,つけまつ毛用接着剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,靴クリーム,靴墨,つや出し剤,せっけん類,歯磨き,アロエジェル入り化粧水,その他の化粧品,香料類,研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つや出し布」を指定している。
これらのうち、「せっけん類,歯磨き,アロエジェル入り化粧水,その他の化粧品,香料類」は引用商標の指定商品「せっけん類,植物性天然香料,動物性天然香料,合成香料,調合香料,精油からなる食品香料,化粧品,つけづめ,つけまつ毛,歯磨き」と類似する。
したがって、指定商品は互いに類似する。
ウ 小括
以上より、本件商標は、引用商標とその称呼・観念及び外観が類似する商標であり、その引用商標の指定商品と類似する商品について使用をするものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第10号について
申立人は日本を含む世界各国において、化粧品関係の商品について「MAKE UP FOR EVER」の商標を使用している(甲第5号証)。
この「MAKE UP FOR EVER」は、フランスのパリを本拠として43カ国に798店舗を有し、世界規模で使用されることにより、世界的に著名な化粧品ブランドでとなっている(甲第6号証)。日本国内においては、東京有楽町にある高級志向のファッション・化粧品・貴金属を販売する「エストネーション」や大阪阪急ターミナルビル内等の一等地に店舗を出店している。これらの店舗には、相当数の来店者数があることが容易に推測できることから、化粧品関係商品の需要者である二十代、三十代の女性間では広く知られている事は明白である。また、インターネットにて「MAKE UP FOR EVER」のキーワードを用いて検索を行った結果591千件ものヒットがある(甲第7号証)。以上から「MAKE UP FOR EVER」の語が、申立人の業務に係る商品を表示するものして需要者の間に広く認識されていることは明らかである。加えて、上記(1)において述べたように、本件商標と引用商標が類似し、その商品も類似することから、本件商標は商標法第4条第1項第10号に該当する。
(3)商標法第4条第1項第15号について
ア 引用商標の著名性について
上記(2)で述べたように、引用商標は広く認識されていることには争いはないものと思料致する。
イ 商標の構成について
商標の構成上、本件商標と申立人に係る引用商標の違いは「MAKE UP」の有無のみである。
両商標が称呼上、観念上及び外観上類似することは既に述べた。特に、商標に共通して使用される商品は、そのブランドやデザインが重視されるわゆる化粧品関連商品であり、この商品との関係でみれば、需要者・取引者にとってブランド即ち商標の特定及び選別における重要な要素は、その商標の「外観」であると考える。即ち、一般的に需要者等は、広告・看板に用された商標、又は、商品に付された商標等の外観を頼りに、いずれのブランドであるかを視認、識別し、商品又は取引者を選別するものと思料致する。とすれば、外観上の相違点が、化粧品関連商品について識別力を有さない又は、弱い「MAKE UP」の有無のみといったような商標を付した商品は、時と所を異にして観察した場合に、外観上、取引者・需要者が混同を生じるほどに相紛らわしいというべきであり、また、迅速が要求される取引においては、この程度の差異は容易に看過されやすく、混同が生じやすいものと考える。
ウ まとめ
申立人の著名な引用商標に類似する本件商標を引用商標の指定商品について使用した場合には、申立人の業務にかかる商品と混同を生ずるおそれがあるものと思料する。
さらに上記アで述べたような引用商標の著名度からみると、たとえ非類似の商品に使用したとしても、混同のおそれがあるというべきである。
以上より、申立人の引用商標の著名性に加え、両商標の類似性に鑑みると、本件商標を付した化粧品関連商品に接する取引者・需要者が、その商品の出所について混同するおそれがある。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
(4)以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同項第10号、同項第15号にに違反してなされたものであるから、取り消されるべきである。

第3 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号について
(1)本件商標と引用商標との類否について
本件商標は、「FOREVER」の欧文字を書してなり、「永久に、絶えず、いつも」の意味を有し、これより生ずるものと認められる「フォーエバー」の称呼もよどみなく一連に称呼し得るものである。
他方、「MAKE UP FOR EVER」の欧文字よりなる引用商標は、各語の間に一字程度間隔を有しているとしても、同書、同大、一体的に標準文字で表してなるものであって、また、構成中の前段部分の「MAKE UP」が「化粧する」の意味を、後段部分の「FOR EVER」が「永久に、絶えず、いつも」の意味を有し、全体として「絶えず化粧する」程の意味合いを看取させるものであり、これより生ずるものと認められる「メークアップフォーエバー」の称呼も格別冗長に亘るものでなく、よどみなく一連に称呼し得るものであって、殊更後段部分の「FOR EVER」の文字部分のみを抽出して認識しなければならないとする特段の事情は見いだせない。
そうとすれば、引用商標は、該構成文字全体に相応して「メークアップフォーエバー」の称呼のみを生じ、「絶えず化粧する」程の意味合いを有するものと認識し把握されるとみるのが自然である。
してみれば、本件商標から生ずる「フォーエバー」称呼と引用商標から生ずる「メークアップフォーエバー」称呼とは、その音構成、構成音数において明らかな差異を有するものであるから、称呼上十分区別し得るものである。また、両者は、外観においても明らかな差異があり、観念においても区別し得るものである。
(2)したがって、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
よって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してなされたものではない。
2 商標法第4条第1項第10号及び同項第15号について
(1)先ず、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の商標と認められるものである。
(2)次に、甲第5号証ないし甲第7号証によれば、申立人が引用商標を「アイシャドウ」などの化粧品に使用していると認められが、これらの書証は申立人のホームページの写しインターネットの検索によるものであって、その打ち出し日も、いずれも「2008/06/06」であり、例えば、甲第5号証の記述内容において、1984年に「MAKE UP FOR EVER」のブランドが誕生し、申立人が世界各国に店舗を有しているとしても、我が国において本件商標が、どのような使用をなされているのか量的に確認できないため、提出された証拠をもってしては、申立人の引用商標が本件商標の登録出願時前より周知、著名であったとは認め難いものである。
加えて、前記したとおり、本件商標と引用商標とは、称呼、観念及び外観のいずれの点においても非類似であって別異の商標と認識、理解されるものである。
そうとすれば、本件商標は、これをその指定商品中、第3類「せっけん類,アロエジェル入り化粧水,その他の化粧品,香料類」に使用しても、これらの商品の取引者、需要者をして、申立人の引用商標を連想、想起させるものとはいえないから、申立人又は申立人と経済的、組織的な関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれがあるとはいえないものである。
(3)以上のとおりであり、本件商標の登録は、異議の申立てに係る上記指定商品について、商標法第4条第1項第10号及び同項第15号に違反してなされたものではない。
3 したがって、本件商標は、異議の申立てに係る上記指定商品について、商標法第4条第1項第11号、同項第10号及び同項第15号に違反して登録されたものではないから、商標法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2008-10-28 
出願番号 商願2007-21784(T2007-21784) 
審決分類 T 1 652・ 271- Y (X03)
T 1 652・ 262- Y (X03)
T 1 652・ 252- Y (X03)
最終処分 維持  
前審関与審査官 小川 敏 
特許庁審判長 渡邉 健司
特許庁審判官 井出 英一郎
鈴木 修
登録日 2007-12-07 
登録番号 商標登録第5097192号(T5097192) 
権利者 アロエ ベラ オブ アメリカ インコーポレイテッド
商標の称呼 フォーエバー 
代理人 達野 大輔 
代理人 森田 俊雄 
代理人 関根 秀太 
代理人 野田 久登 
代理人 竹内 耕三 
代理人 深見 久郎 

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